デザイン会社と内装業者の違い
店舗の内装工事は、内装デザインや設計を行う「デザイン部門」と、実際に内装の工事を行う「工事部門」に分けられます。実際に業者に依頼する際は、デザインと内装工事を別々の会社に依頼するのか、両方を一括して同じ会社に依頼するのかをまず決めておく必要があります。
店舗の内装にはこだわりたいというオーナーも多く、特にカフェの場合は内装の雰囲気が集客にも大きな影響を与えることがあるため、内装デザインはしっかりとしたコンセプトや仕上げたいイメージをもとにして作り上げていく必要があるでしょう。
一般的に内装工事を依頼する会社は、内装デザインや設計のみを手掛ける「デザイン設計会社」、デザイン、設計、工事までを一括して行う「設計施工会社」、内装工事のみを行う「内装業者」の三社に分かれます。
設計施工会社にデザインから施工まで一括で依頼する場合は、窓口が一つとなるため打ち合わせ回数も少なく済み、デザインと実際の施工にずれが生じるというトラブルも比較的少なくなります。また、面倒なやり取りが生じないため、依頼者の手間も少ないのが特徴です。
一方、デザインと実際の施工を別で依頼する場合は、完成したデザインを施工会社に引き継ぐなど依頼者に多くの手間が生じると共に、依頼者自ら施工業者に希望のデザインを正確に伝達する必要があります。デザインと施工にずれが生じないよう、面密な打ち合わせを行い、施工着手後も何度も足を運び、目で確認しなくてはなりません。
店舗の内装を仕上げてもらいたい期間や内装デザインにどの程度こだわりたいかなど、求める条件を基準にして決めていくと良いでしょう。
また、こちらの記事でカフェの内装工事について詳しく解説しているので、ご参考ください。
- カフェ・喫茶店の工事のポイントとは 内装(改装)工事の考え方を解説
- 喫茶店・カフェの内装(改装)工事で重要なポイントとは？ 注意点も解説
- 【2024年】カフェ(喫茶店)を開業するための費用相場とデザインの重要性を解説!
デザイン設計会社とは
デザイン設計会社は内装デザイン、設計のみを手掛ける会社です。
デザイン性の高い内装を希望する場合におすすめですが、内装工事については自ら依頼先を見つけるか、デザイン設計会社の紹介で探すことになります。
理想をデザイン会社に伝え、図面上で満足のいくデザインに仕上がったとしても、デザイン会社は内装デザイン・設計までしか手掛けませんので、施工業者に依頼するのは依頼者の責任です。施工業者にも理想を伝え、デザイン会社同様理解をしてもらわなくては、描いた図面通りの仕上がりにはなりません。
設計施工会社とは
設計施工会社はデザイン、設計、内装工事までを自社で行う会社です。
すべての工程を一つの会社で行えるため、打合わせに手間をかけずにスムーズに工事を進めていくことができるので工期も短縮することが出来ます。
店舗のデザインと内装を別で依頼する場合、デザインの時点では満足がいっても、仕上がりが理想と違ったというトラブルが多く見られます。デザインから施工まで一括で依頼できる設計施工会社では、デザイン担当と施工担当が直接やりとりをするため、デザインと実際の施工に大きなずれが生じにくいというメリットがあります。
設計施工会社では施工を行う業者があらかじめ決まっているため、相見積もりなどで安く施工できる業者を使うことができません。デザインと施工をそれぞれで依頼した場合と比べると、価格競争を利用できないため費用は割高になる場合が多いです。
内装業者とは
内装業者は、内装工事のみを専門としている会社です。
デザイン設計会社が作成した図面をもとにして職人が内装を仕上げていきます。デザイン設計会社からの紹介等の内装業者であれば、ある程度信頼できる業者であることが多いと言えます。しかし自分で内装業者を見つける場合は、店舗内装の経験が豊富な業者を何社かに絞って慎重に選ぶことが大切です。
何社か絞った中からそれぞれ見積もりをもらい相見積もりにすることで、費用を抑えて依頼できる業者を選択することもできます。
内装業者はデザイン設計会社が作成した図面以外、意図や理想をくみ取るところがありません。依頼者自ら施工業者に細かい希望等を伝え、理想やデザインからずれが生じないよう調整する必要があります。
優良な内装業者の特徴
せっかく新しく開店するために施す内装ですから、明らかに雑であったり手抜き工事があるようでは困ります。また、理想とかけ離れ、納得ができないという事態は避けたいですよね。
このような事態を防ぐためには、優良な内装業者に依頼する必要があります。
優良な内装業者を見分けるポイントとしては、自社で専属職人を持っている・店舗内装の実績と経験年数が豊富・予算や工事内容を丁寧に説明してくれる・工事後もアフターサポートが充実しているという4点があげられます。
これらの特徴を踏まえて多数存在する内装業者から優良な内装業者を選定しましょう。
ポイント1：自社に専属職人を持っている
内装業者は、自社職人をもち、工事はすべて自社で行う業者と、工事は自社で行わず下請けに外注する業者の二つに分かれます。
依頼先の内装業者が自社で工事を行わない場合、依頼者は元受け業者に依頼・打ち合わせ・相談をしていきますが、実際に施工をするのは別の下請け業者となります。下請け業者に指示を出すのは元請けの管理者となるため、依頼者の意思が下請け業者までうまく伝達しなかったことによるトラブルが発生しやすいです。
また、元請けの管理者が毎日現場に来て進捗状況などを確認することは難しいケースが多く、工事内容の変更や何らかのトラブルが起きた場合、対応が遅れてしまうことも考えられます。
一方、自社に職人がいる業者の場合は、管理者と職人が毎日顔を合わせて打ち合わせを行い、しっかりとした現場管理体制の中で工事を進めることができます。
依頼者が直接、施工までを行う業者に依頼・打ち合わせ・相談を行う業者内での施工となるため、希望や意思と施工内容がずれるというトラブルも発生しにくくなります。工事内容の変更が必要な場合も、管理者がすぐに現場の職人に指示を出すことができるため、迅速に対応してもらえるということもメリットです。
ポイント2：店舗内装工事の実績と経験年数が豊富である
内装業者の中には店舗の内装を専門とする業者と一般住宅を専門とする業者の二つが存在します。店舗と一般住宅はまったく別物となりますので、店舗内装工事を依頼する業者は店舗専門の内装業者であることが大前提となります。
店舗の内装工事の実績や経験年数が多い業者ほど工事の手際が良いのはもちろんのこと、業種ごとの内装デザインの知識があるので店舗にふさわしいデザインの提案をしてくれたり、希望する内装をよく理解し、くみ取ってくれやすいです。
特に開業予定の店舗と同じ業種の店舗事例が多い業者はより安心できますので、カフェの内装を多く手掛けている内装業者に依頼すると良いでしょう。
ポイント3：見積書の内容・工事内容を丁寧に説明してくれる
内装工事の見積書には専門用語や素人ではわかりにくい工事内容が記載されていることが多いため、記載されている内容について丁寧に詳しく説明してくれる業者であることも大切です。
不明な点は積極的に質問し、業者から納得のいく説明を受けることで安心して工事を任せることができます。
逆に見積書の内容が大雑把で詳細部分について何も記載されていない場合は、優良な内装業者とは言い難いです。質問しても詳細を明らかにしてくれなかったり、納得のいく回答ではない場合は、その業者は避けた方が無難です。
ポイント4：工事後もアフターサポートが充実している
内装工事が終了し、開業をはじめてから内装に何らかの不具合や補修が必要になることがあります。 このような場合、内装業者に再度相談したり工事を依頼することになりますが、一度工事は済んでいるからとアフターサポートを全く行ってくれないという業者では困ります。
業者を選ぶ際には、その業者がアフターサポートまでしっかりと行ってくれるかどうか確認しておくと安心です。
内装業者の探し方
内装業者の探し方には、デザイン会社に紹介してもらう事の他に、自らインターネットや内装業者が掲載されている専門の雑誌で探す方法があります。
自分の店舗イメージに合った内装を手掛けてくれそうな内装業者を何社かに絞って、信頼できると思う業者に依頼することが大切です。
デザイン設計会社に紹介してもらう
内装業者を探す一つ目の方法は、内装のデザインや設計を依頼したデザイン設計会社から内装業者を紹介してもらうという方法です。
ほとんどのデザイン会社は内装業者とつながりを持っていることが多いので、自分で内装業者を探すのは面倒だという場合や、少しでも信頼のおける内装業者に依頼したいと考えている場合はデザイン設計会社に相談してみるのも良いでしょう。
またデザインから内装工事までを一括して行ってくれる設計施工会社の場合は、内装業者を探す手間を省くことができます。
インターネットや専門紙で探す
内装業者を探す二つ目の方法は、インターネットや専門紙で探すという方法です。
インターネットや専門雑誌であれば、業者が過去に手掛けた店舗の内装写真などが掲載されているので、業者の得意とする内装が一目でわかります。
自ら探す際は、依頼先候補となる業者を数社絞り、それぞれ見積もりを出して相見積もりにすると良いでしょう。あまりにも安い見積もりを出す業者はほとんど裏があるため危険ですが、相場の中であれば少しでも安く施工できる業者をみつけることができます。
店舗の内装（改装）工事の業者の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ご参考ください。
業者に内装（改装）工事を依頼する際にカフェのコンセプトで異なるポイント
設備と座席のレイアウトのバランスが重要なドリンクメインのカフェ
こだわりのコーヒーやオリジナリティあふれるドリンクがメインのカフェの場合、エスプレッソマシンや焙煎機など、コーヒーに関する本格的な設備が必要になり、それらを設置してもドリンクを作れるスペースを確保する必要があります。
また、客層に合わせてカウンターやテーブル席、ソファ席をどれくらい設けるかを考えることも大切です。店舗スタッフのスペースとお客様のスペースを考えたレイアウトを提案してくれる業者を見極めましょう。
女性が喜ぶデザインと十分な厨房・作業スペースのあるスイーツメインのカフェ
スイーツが豊富なカフェのお客様は、女性がメインになると考えられます。たとえば明るい色味の木目調の仕上げをメインにしたナチュラルな雰囲気や、デザイン性の高い壁紙やテーブル落ち着いた照明などで非日常的な空間を作り上げるなど、女性が喜びそうなデザインがおすすめです。
テーブルは、スイーツとドリンクを置くのに十分な広さが居心地の良さにつながります。イスは、テーブルの高さやサイズに合うものを選びましょう。
スイーツを作るためには、広さのある厨房と、お客様に提供する前の盛り付けなどを行うための作業スペースが必要となります。
店舗によっては、ショーケースを設置してお客様がスイーツの実物を見ることのできる所もあるでしょう。このようなカフェでは、ショーケースのためのスペースも確保しなくてはなりません。
見た目のデザイン性の高さとスタッフの動きやすさを考えた内装を提案してくれる業者がおすすめです。
提供するメニューに合う厨房と少人数でも利用しやすい食事も提供するカフェ
スイーツだけではなくランチなども提供するカフェですと、レストランと変わらないくらい本格的な厨房スペースが必要になる場合があります。そのため、厨房スペースを優先して内装工事の計画を考えましょう。
ヘルシーな和食を提供するカフェとイタリアン料理がメインのカフェでは、厨房で必要な設備は異なるでしょう。ご自身のカフェで提供するメニューから、必要な設備を設置するのに適した厨房のレイアウトが見えてきます。
しっかりした食事を楽しめるカフェでは、近所で働く方がランチで利用することも考えられます。お一人でも気軽に入れるように、カウンター席や二人席をつくることをおすすめします。
店舗の壁デザインや床材についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ご参考ください。
特徴的なサービスのカフェと相性の良いレイアウトやデザインについて
ブックカフェや猫カフェなど、最近では飲食以外も楽しめるカフェが増えてきました。そのようなカフェでは、サービスを利用するのに適した内装が求められます。ブックカフェでは本をゆっくり楽しめるように本棚と座席との距離を考えながら座席同士の間隔を十分に設けるレイアウトがおすすめです。
どの店舗にも言えますが、内装工事は業者の施工経験が豊富な店舗形態とご自身の店舗形態が同じ業者に依頼することが大切です。サービスが特徴的なカフェの場合、施工経験のある業者の方が内装に必要な工夫などがより分かっているため、ご自身のカフェに似ているカフェの施工経験のある業者を見つけましょう。
店舗リノベーションについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ご参考ください。
まとめ
カフェにはテイストの異なる様々なお店がありますよね。どんなコンセプトでどんなカフェにしたいのかを固め、デザイン・設計のプロと図面に起こしていく作業はとても重要です。
また、希望する内装をイメージ通りに仕上げてもらうためには、やはり経験が豊富な内装業者に依頼することが大切です。
店舗専門の内装業者であり、カフェの内装を得意とする業者を選ぶと良いでしょう。
「デザイン設計会社」、「設計施工会社」、「内装業者」の業務内容の違いを把握しておくと、発注から施工までスムーズに進めていくことができます。設計施工会社に一括で依頼するか、デザイン設計会社と内装業者別で依頼するかは、費用面や依頼主の負担などから自分に合う方法を選びましょう。
理想の店舗を実現してくれる優良業者に出会うため、正しい知識のもと依頼先を見極めましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください！
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