カフェや喫茶店を開業するときに最初することは?
カフェや喫茶店だけでなくを賃貸物件で開業するという方の場合は、物件選びから始まります。物件はスケルトン物件と居抜き物件のどちらかから選ぶことになり、それによって内装デザインや工事内容が変わってきます。
ちなみにスケルトン物件とは、前の借主が退居時に設備や内装をすべて撤去し、壁、天井、床を剥がした状態の物件を指し、居抜き物件とは前の借主が使用していた設備や内装がそのまま残っている物件を指します。
スケルトン物件を選択すると、厨房設備や客席に使用するテーブルや椅子を一から揃える必要があるため、初期費用が高額になってしまいます。一方、居抜き物件は前店舗の設備を有効に活用することで、初期費用を大きくおさえることが可能です。
カフェや喫茶店は実際に出すメニューも大切ですが、お客さんは何より店の雰囲気を楽しみに来ていることが多いです。自分の店独自の雰囲気には店舗の内装デザインが大きく関係しています。内装にこだわりがある店はそれだけでSNSなどで話題になります。
集客アップのためにも内装デザインをこだわってみることをおすすめします。
カフェや喫茶店の内装デザインで大切なこと
費用を安く済ますために居抜き物件を借りたけれど、イメージと合わなかったり、使いづらさを感じるのでリフォームを検討することもあるかと思います。その結果、スケルトン物件よりもトータルでの費用が高くなってしまうケースがあります。
そうならないためにも、ご自身のお店のコンセプトはしっかり固めておきましょう。コンセプトは店舗の核となるもので、内装のデザインだけでなく、ターゲットとする客層、メニュー、価格帯など、経営する上で必ず設定すべきことばかりです。
カフェと一言でいっても、和風なカフェや隠れ家カフェなど多種多様です。ご自身のやりたいカフェが決まることで、内装デザインで妥協できる点とできない点がみえてきます。
さらに、コンセプトを明確にすることで物件が探しやすくなりますし、どんな内装工事を行えば理想の店舗に近づくのか、業者との打ち合わせで相談することもできます。
下記の記事でカフェの内装(改装)工事について、施工事例の紹介など詳しく解説してるので、参考にご覧ください。
コンセプト以外で重要になるポイント
内装デザインは、ご自身のコンセプトを反映させたものにしなくてはいけませんが、それ同時に忘れてはいけない重要なポイントが2つあります。
- 動線を上手く作る
- 空調に気をつける
動線とはお客様や従業員の動きを線で表したものです。その線があまりに重なっていると、通路が詰まってしまったり、作業効率が悪くなってしまうので注意しなくてはけません。他にも、客席と客席との間隔が狭いと出入りがしにくいため、お客様が移動の際にストレスを感じることになってしまいます。
できれば店内は回遊できるような構造にすると、従業員が料理の提供や会計を素早く行えます。床はなるべく滑りにくい素材を使用し、段差をなくすことで転倒を防ぎましょう。
暖かい、または冷たい風が店舗全体に行き渡るように、空調設備の配置も考えなくてはいけません。カフェや喫茶店は、飲食店の中でも特に居心地の良さが重視されます。
寒すぎたり暑すぎたりすると、お客様はすぐに帰ってしまいます。また、具合が悪くなってしまっては大変ですので、できるだけ空調の風が直接当たらない、温度調整が適切にできるようにしましょう。
カフェの内装にはどんな種類があるの?
コーヒーの味にこだわる方でも、居心地の良い場所で飲んだほうがより美味しく感じるはずです。
カフェはコーヒーの味だけでなく、落ち着いた空間を求めてやってくる方もいます。
そのため、カフェの内装はとても重要なものなのです。
カフェの内装は木や石の素材を多く取り入れた自然派系、はっきりとした色合いで幅広い客層に受けが良いポップ系など様々です。 ご自身の理想に適したカフェの内装を見つけましょう。
自然派系
自然派カフェはオーガニックを意識した造りで、床はフローリング、壁は石や石調のタイルを使用しているところが多くみられます。 食器も木を使用したり、植物を店の端に置くなどして寛げる空間を提供します。
ミニマル系
真っ白な壁にシンプルな内装がミニマル系の特徴です。 簡素な内装だからといって費用を削減してしまうと、安ぽっい感じになってしまいますので注意が必要です。置いてある家具や設備が限られるため、質が良いものを置くようにしましょう。
隠れ家系
隠れ家という名前の通り、駅前や人の集まるところにあるようなカフェではなく、古民家などを改装するとより雰囲気が出ます。 近年人気が上がってきているカフェのデザインで、できれば内装だけでなく外装にもこだわると、よりコンセプトが伝わりやすくなります。
スケルトン系
天井や壁、床などがむき出しで、コンクリート打ちっぱなしの状態のままあえて手を加えず、内装デザインとしたのがスケルトン系カフェです。 最低限の工事で済むため費用はおさえられますが、天井の配管や設備類が露出しているため、布で隠したり一色に塗装したりという工夫が必要になります。
ポップ系
ポップ系は壁や床の色に原色を使用し、親しみやすいデザインのカフェのことです。 一般受けするデザインということもあり、チェーン展開や商業施設の併設店などに適しているといわれています。 心が明るくなるような雰囲気にするため、家具や設備の配置にも気を遣いましょう。
レトロ系
懐かしい雰囲気のレトロ系のカフェでは、内装に濃い目の色味をバランスよく配置するのがポイントです。 古めかしい家具だけでなく、店舗で使用する什器もないがしろにしてはいけません。こだわって造り込むと他店と差別化できるだけでなく、集客にもつながります。
内装工事にかかる費用の例をご紹介
15坪の居抜き物件をカフェに改装するのにかかる内訳
- 解体工事 約27万円
- 廃棄処分 約12万円
- 養生 約16万円
- 塗装工事 約27万円
- 床張替え工事 約40万円
- 壁クロス張替え工事 約41万円
- 建具工事 約20万円
- 内装工事 約75万円
- 看板工事 約34万円
- その他諸経費 約50万円
- 総額 約342万円
15坪に対して総額が342万円ですので、坪単価は約22.8万円になります。 一般的なカフェ内装工事の坪単価は20万円~40万円ほどです。 上記の事例では居抜き物件のため設備工事の必要がなく、費用をおさえる事ができましたが、物件の状態によっては坪単価が40万円以上になることがあります。
内装工事以外の工事費、設備費
内装工事費以外にも費用がかかる項目があります。 下記に基本的な項目を挙げましたので、予算を立てるときの参考にしてみてください。
- 敷金
- 前家賃
- 電気工事費
- 付帯設備費
- 什器設備費
敷金や家賃は賃貸物件の場合に発生し、物件を購入する際は項目が異なります。 付帯設備は初期段階にできるだけ取り揃えましょう。 付帯設備とは、建物以外の空調や排水という設備だけでなく、門扉や塀なども含みます。
例えば、初期費用を削減するために、排水溝に設置するグリストラップを省いて営業を開始すると、水漏れによって大掛かりな補修工事をすることになるかもしれません。
予算をおさえようとした結果、予算を超える金額が発生してしまっては本末転倒です。補修工事の内容によっては、営業に支障をきたすこともありますので、最低限必要なものは前もって設置しておきましょう。
カフェ・喫茶店の内装工事費用をおさえる方法
カフェを開業するためには、店舗の規模によりますが1,000万円ほどかかるといわれています。金融機関からの借入も可能ですが、全体の3割程度は自己資本として用意しておかないと、国や銀行は開業の熱意を疑って貸してくれないことがあります。
それでは、多額の費用がかかる内装工事を、必要な施工を省かずにおさえる方法はないのでしょうか。ここからはカフェや喫茶店の開業において、初期費用を安く済ませるポイントをご紹介していきます。
①使える居抜き物件を見つける
内装工事の費用を大きくおさえるには、内装・設備が整っている居抜き物件を探します。居抜き物件を探す際は、前のテナントもカフェであること、エスプレッソマシンなどの設備が残されているところにしましょう。
同じ飲食店だからといって、居酒屋の居抜き物件を借りてしまうと、大幅な内装工事を行うことになり費用が高くついてしまいます。 さらに、設備には耐用年数があります。譲り受ける前にきちんと動作確認しましょう。
居抜き物件であれば、客席のテーブルや椅子、照明器具などもそのまま使用できますが、物件を見学するときに、天井・壁・床の内装部分の劣化具合も見る必要があります。
内装デザインに問題がなくても、内装の自体に劣化があれば工事をすることになります。結果的に撤去・解体を行うことになると、費用をおさえるために居抜き物件を選んだ意味がありませんよね。
契約前に内装工事をどの程度しなければいけない物件なのか、しっかり見極めを行うことが費用をおさえる一番のポイントといえます。 居抜き工事については下記の記事で詳しく解説しているので、ご参考ください。
②中古の厨房機器を利用する
居抜き物件を利用することで機器を購入する費用をおさえることができます。スケルトン物件であっても、機器を中古で揃えることで費用を削減できますが、中古品を購入する場合は以下の点に注意しましょう。
- 問題なく使用できるかどうか
- 保証期間はどの程度か
- 設置にはいくらかかるのか
厨房設備は使用頻度が非常に高い設備です。中古で売り出されていても、正常に使えないものが含まれている可能性もあれば、購入後にすぐ設備不良が起こるケースもあります。
設備不良のトラブルを防ぐためには、問題なく使用ができるかどうかに加え、保証書の有無と保証期間を確認しておきましょう。
また、設置サービスの有無についても確認が必要です。大型の冷凍冷蔵庫やシンクなどを自分で設置することは困難ですし、設置するのが有料ですと費用を削減できなくなってしまいます。
購入先から設置サービスが受けられるのであれば安心できますが、ない場合は施工業者などに別注することになります。設置サービスが高額になってしまうと、新品の設備を購入したときと変わらない値段になってしまった、ということにもなりかねませんので、必ずチェック項目に追加しておきましょう。
③内装デザインができる施工業者に依頼する
内装デザインはどこの施工業者でもできるわけではありません。そのため専門のデザイン会社と、内装工事は別の施工業者に分けて任せるという方法があります。
ただし、2つの会社に依頼することにより、費用が高くなってしまうだけでなく打ち合わせにも時間がかかります。費用をおさえるためには、店舗デザインができる内装工事の施工業者に依頼しましょう。
一括で依頼すると、別々に依頼するよりも費用が安く済むといわれています。打ち合わせの時間も1社だけなので、時間を取られないというメリットもあります。
まとめ
カフェの開業には、およそ1,000万円程度の初期費用が必要になり、半分以上が内装工事にかかる費用です。 内装(改装)工事の費用をなるべくおさえたいのであれば、居ぬき物件を選択するとよいでしょう。
居抜き物件では、契約前の内見で内装の劣化具合を見ておくことが大切です。前のテナントが残した設備や内装をそのまま使用できるので、基本的に大掛かりなリノベーションを必要としないのが、居抜き物件の1番のメリットです。
しかし、天井・壁・床などの内装に劣化があると、解体または補修工事をすることになり費用がかさんでしまいます。契約前に物件の劣化具合を確認し、内装工事にかかる費用を見極めておくことが大切です。
また、カフェなどの飲食店に共通していえることですが、厨房設備を揃えるためには多額な費用を必要とします。中古の設備を上手く使うことで費用はおさえられますが、問題なく使用できる、保証期間の有無、設置サービスの有無について必ず確認しましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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