2018年6月28日

店舗における居抜き物件の基礎知識と工事の種類

店舗における居抜き物件の基礎知識と工事の種類についてご紹介しています。これからお店を始めようとするときに、早い段階で決めなくてはいけないのが物件選びです。どのような状態の物件を選ぶかで、店舗設計にかかる費用は大きく違うため、居抜き物件を選ぶかスケルトン物件を選ぶかは慎重に決めなくてはなりません。ここではそんな居抜き物件を選ぶための基礎知識と工事の種類や、居抜き物件を選ぶときの注意点を掲載していますので、参考になさってください。

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居抜き物件とスケルトン物件の違い

まずは店舗における賃貸物件は、居抜き物件とスケルトン物件の2種類に分かれます。基本的な違いについてご紹介します。

居抜き物件

前のテナントの内装や設備機器をそのまま引き継ぐことのできる物件です。
引き継ぐ際には費用がかかる場合(造作譲渡料)と、かからない場合上がります。既に店舗としての大枠が出来上がっているため、店舗設計の自由度が低いというデメリットがあります。
しかし、逆に大枠が出来上がっていることで、必要最低限のリフォームだけで済むため大きな費用が掛からず、工期も短いのですぐに営業を開始できるというメリットがあります。

スケルトン物件

スケルトン物件は内装も設備も何もなく、いわゆるコンクリートが打ちっぱなしの状態に原状回復がなされた物件です。
一から全て理想通りに作れるため、店舗設計の自由度はかなり高いというメリットがあります。
しかし、その分新規で購入するものが多く、工事も大掛かりになるため、開店までに費用も期間もかかるというデメリットがあります。

居抜き物件と残置物件との違い

前のテナントの内装や設備機器を使えるという意味では、居抜き物件の他に残置物件というものがあります。この違いは、現在も店舗の営業が続いているかということです。
前テナントの営業が続いている状態から、すぐに使える状態で引き渡されるのが居抜き物件で、前テナントの閉店後、時間が経っている物件が残置物件と呼ばれます。

居ぬき物件では選手交代で新しい店舗に経営が移るような印象ですが、残置物件では次の借り手がなく空き家状態を挟むため、近隣のお客様にとってはあまり良い印象ではありません。
一般的に、残置物件は居ぬき物件よりも価値が低いといわれています。残置物件は売却可能なもののみが持ち出された後の状態であり、内装を壊すだけの物件、悪く言えば”スケルトン物件に戻されなかった物件とも言えます。

居ぬきと残置の違いが把握できていない場合、見た目には設備が残っているため居ぬき物件と同じなのではと思われる方も多いですが、実際には、状態が悪く売れない設備や壊れたエアコンのみが残されているという場合があります。かえって撤去費用がかかり、空き家期間が長いと内装が使い物にならない場合もありますので、借りる際は注意が必要です。

居抜き工事で行われる主な工事の種類

それでは居抜き物件を選んだとして、開店までに行われる代表的な居抜き工事の種類についてご紹介します。すべての工事を行う必要はありませんので、必要に合わせて選ぶようにしましょう。

内装工事

せっかくの居抜き物件なのだから、工事を入れず、前のお店の内装をそのまま使えばいいではないかと思われる方も多いことでしょう。しかし、よほど気に入った内装ではなければ、基本的に内装は変えることがおすすめです。

内装が全く変わらないということは、前店舗のイメージをそのまま引き継ぐということになります。お店自体が変わっても、お客様は「新しいお店」という印象を持つことができません。 新しいお店であることを伝えるためには、印象をガラッと変えることが重要となりますので、基本的には内装はリニューアルするべきです。壁紙や床材、照明器具を変えるだけでもお店の印象は変わりますので、費用の許す限りの範囲で行いましょう。

外装工事

お店の見た目は、お客様の入店意欲に直接かかわりますので、外装デザインはとても重要です。
また、店舗前を通るお客様に店舗のイメージを伝えるためにも、外装にこだわることは効果的と言えます。
内装に関しては、前テナントのレイアウトによって制限がかかりますが、外装に関しては自由度が高いため、特に前のテナントからのイメージチェンジが図りやすいポイントです。
看板だけでなく、外観を大きく変える工事で、新しいお店であることをアピールしましょう。

設備のクリーニング

前のテナントが長期間営業をしていたり、あまりメンテナンスをしていなかった場合、調理器具や什器設備などがかなり汚れてしまっていることがあります。機能的に問題がなければ、設備のクリーニングを入れることで衛生面の問題は解決します。

費用削減時の優先順位と切り捨て

居抜き物件は初期費用を大きく抑えることができるというのがメリットではありますが、あまりにも削減しすぎると、のちのち営業に影響が出る場合があります。

譲り受けた設備をそのまま使う場合、不必要な機能がたくさんあっても使いませんし、機能が古すぎれば不便さが残る場合があります。長く営業をしていくことを考えれば、使いやすく作業効率が上がる設備である必要がありますので、買い替えが必要なものには予算を組んでおく必要があります。

それでは居抜き物件で店舗を始める場合、何を選んで何を切り捨てればいいのでしょうか。その見極めのポイントについてご紹介します。

最優先は立地

店舗をつくる際、居ぬき物件を選ぶときにはまず重要なのは立地です。
現在入っているテナントの退去理由は、「繁盛して手狭になったから物件を変える」などというプラスな理由だけではありません。むしろ何らかの理由があって営業を続けられなくなっている事の方が多いでしょう。そこで開店するわけですから、そのテナントと同じような問題を抱えてしまう可能性があります。

居酒屋であれば駅前からの人の動線が悪いなど、立地面で既にマイナスになっていることがよくあります。そのような場合、そこで物件を借りるのであれば、立地の不利をどのように解決するかまで含めて考えたうえで、借りるかどうかを検討します。

費用が安い物件にはそれなりの理由があります。費用面だけ見て、立地の悪い居抜き物件を選択してしまわないように気を付けましょう。

設備機器がそのまま使えること

同じ飲食店でも、お寿司屋さんとカフェでは使う設備がまったく違います。
居抜き物件を借りても、既存のほとんどの設備が使い物にならない場合や、業種の違いから活かせない設備ばかりだった場合、撤去費もかかれば新規で購入する費用も必要となり、かえって費用がかかります。
このため居ぬき物件を借りる際は、使える設備がそろっているかどうかに加え、既存の設備の状態まで把握しましょう。

設備に関しては、リースの設備が導入されている場合もあります。この場合、その設備はリース業者の持ち物となりますので、費用面などはリース会社に問い合わせましょう。

設備機器は高価なものが多いため、店舗づくりの予算に大きな影響を与えます。妥協できる部分を明確にして、店舗選びを行いましょう。

まとめ

初期費用を数百万円単位で減らすことができる居抜き物件ですが、スケルトン物件と比べて自由度が低いというデメリットがあります。
居ぬき物件を選択した場合、以前のテナントとの差別化も重要です。必要な内装工事や外装工事を省いてしまうと、お客様には「新しいお店」と認識してもらいにくいので注意しましょう。

費用面だけで物件を選ばないことも重要です。
居ぬき物件を選ぶときには、立地条件が重要となります。まずは立地の良さで物件探しを行い、妥協するのであれば、その不利な立地を解決するための手段を考えましょう。
そのうえで、譲り受ける設備機器の機能性や状態を確認し、借りて良い店舗であるかどうかを見極めましょう。

またこちらの2つの記事では居抜き物件をする際に知っておきたい「費用」「注意点」について記載があります。店舗をつくる際は参考にご活用ください。
記事リンク:居抜き物件を選ぶ際のメリットとデメリットを徹底解説します
記事リンク:居抜き物件で開業(改装)するときの工事費用は? 工事のポイントも解説

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