2024年6月17日

【2024年版】飲食店の厨房はドライキッチンが最適? デメリットもしっかり解説

飲食店を開業する際は、他の業種と違って注意すべきポイントがあります。 それが厨房の床です。 「床なんて何でもいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、厨房の床はメンテナンス性だけでなく安全性も考慮します。 この記事では、飲食店の厨房に最適な床材について提案しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メールで送る

なぜ厨房の床は工事をしないといけないのか

飲食店の厨房の床は工事をしないといけない?

これから開業しようとしている飲食店が、カフェやバーのようなあまり調理を行わないお店であれば、厨房の床についてそれほど深く考える必要はありません。しかし、洋食屋や中華料理店のような料理提供をメインとするお店では、厨房の床工事についてしっかりと考える必要があります。

飲食店を開業する際は、保健所の担当者が店内や厨房の設備に不備がないか細かくチェックします。特に厨房は大量の水を使用する場所なので、常に水漏れの危険性があります。頻繁に起こることではないものの、絶対に起こらないとは言い切れません。厨房で使っている設備が多いほど、水漏れの原因を掴むのが難しくなります。下の階からの苦情が来るまで気づかないこともあるので注意が必要です。

防水工事について

下の階に入居者や他の店舗がある場合、水漏れが発生して被害が出ると高額の補償金を支払うことになり、経営自体ができなくなる恐れもあります。トラブルを引き起こさないためにも、飲食店の厨房は防水工事が必須です。こちらの記事では、飲食店の防水工事にかかる費用や注意点について詳しく解説しています。興味のある方は参考にしてください。

ドライキッチンのメリットとデメリット

ドライキッチンのメリットとデメリット

ドライキッチンとは、厨房全体が乾燥している床のことを指します。ウェットキッチンと違い、排水溝の露出が少なく、床を僅かに傾けて側溝のように長い排水溝を設置することはほぼありません。飲食店の厨房ではドライキッチンを利用しているところが多数あります。ここでは、ドライキッチンのメリットとデメリットについて解説します。

ドライキッチンを設置するとこんなメリットがある

  • 費用が安価でできる
  • 工事期間が短い
  • 菌の発生を低下できる
  • 床が乾燥しているので怪我をしにくい

ドライキッチンは、樹脂でできた長尺シートを厨房の床に敷き詰め、その上に耐水性の塗料を塗る施工方法です。そのため工事期間が短く、施工費用も安価で行えます。飲食店の厨房では水を使用する機会が多いですが、ドライキッチンは水に濡れても乾燥させれば問題ありません。

ドライキッチンのデメリット

  • 床が濡れたときの対処が必須
  • 耐用年数が短い
  • 災害に弱い
  • 汚れをすぐに取り除かないといけない

水と災害に気をつけなければいけないのがドライキッチンのデメリットです。床が濡れたときは、水分を吸い込む業務用掃除機を使用するなどしてしっかりと乾燥を維持する必要があります。また、ウェットキッチンよりも耐用年数が短いとされ、再度塗り直すことが必要になります。

飲食店で使用する厨房の種類

飲食店で使用する厨房の種類

飲食店の厨房の床にはドライキッチンだけでなく、ウェットキッチンというものもあります。ウェットキッチンは、掃除の際に床に水を撒くことができる厨房の床のことです。ここでは、ウェットキッチンの特徴について詳しく説明します。

ウェットキッチンとは?

ウェットキッチンは、中華料理店やラーメン屋などでよく見かけるタイプの厨房です。床を防水機能のある薬剤でコーティングすることで、水を流しながら掃除できるのが特徴です。また、排水溝に水やごみを集めやすくするため、床が僅かに傾いているのも特徴です。

ウェットキッチンのメリット

ウェットキッチンの最大のメリットは、ホースなどで水を撒きながら清掃できるという点です。防水処理が施されているため、水漏れを気にせずに使用でき、毎日の清掃が簡単に行えます。床が油で汚れやすい中華料理店などでは、ウェットキッチンがおすすめです。さらに、ウェットキッチンはしっかりと下処理を行うため、耐用年数も10~20年ほどと長持ちします。

ウェットキッチンのデメリット

コストパフォーマンスが高く、災害に強いウェットキッチンですが、側溝に向けて床に傾斜をつけたり、下地を整備してから工事を行う必要があるため、工事費用が高くなるのがデメリットです。また、床が常に湿っているため、滑りやすく怪我をしやすいのもデメリットの一つです。さらに、床が濡れていることで菌が発生しやすいという問題もありますが、毎日の清掃で菌の発生を最小限に抑えることが可能です。

ドライキッチンとウェットキッチン、どちらにすればいいのか

飲食店の床はドライキッチン?ウェットキッチン?

開業するお店のジャンルによって利点が異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。例えば、水や油を大量に使用する中華料理店を開業するなら、掃除が楽なウェットキッチンが適しています。一方、あまり厨房を使用しない喫茶店を開業するなら、ドライキッチンでも問題ありません。また、予算によってもおすすめのキッチンが変わります。ウェットキッチンは初期費用が高いですが、耐用年数が長くコストパフォーマンスが高いです。開業時に予算が限られている場合は、後からウェットキッチンに変更することも可能です。予算とお店のジャンルに合わせて、最適な床と厨房を選びましょう。

保健所の検査で気をつけるべき3つのポイント

飲食店を開業するためには、保健所の検査を受ける必要があります。検査に引っかかると開業が遅れるだけでなく、改善のために費用がかかることもあります。ここでは、厨房に焦点を絞って特に気をつけるポイントを説明します。

1.厨房の床は清掃しやすい仕上げにする

厨房の床は調理をよく行うため、油や食材の切れ端で汚れることが考えられます。その際、汚れが床に染み込んでしまったり、掃除がしにくい床材を使っていないかなど、常に清潔な状態を保てるように床の掃除がしやすいかどうかが重要です。防水加工した床材を使用し、ウェットキッチンのように水を流して掃除ができる、もしくはドライキッチンのように水を流さなくても問題なく掃除ができる仕上げにしましょう。

2.シンクは2つ用意する

飲食店は料理を提供する場所であり、清潔感を常に意識する必要があります。厨房の床の掃除がしやすいことも重要ですが、食器を洗うためのシンクは2つ用意しなければなりません。食材を洗う場所と食器を洗う場所を別々にすることが目的です。食器洗浄機があればシンクが1つでも問題ありません。また、シンクのチェックでは、60℃以上の温水が出るかどうかも検査で見られます。

3.木製の機器は避ける

意外と忘れがちなのが、木製の機器が厨房に置いてあるということです。木製だからといって保健所の検査で落とされることはありませんが、腐食への対応が求められます。例えば、鍋のフタを木製にしている場合、腐食への対応がされているかどうかがチェックされます。

飲食店ではグリストラップが必須

飲食店ではグリストラップが必須

出典:上越市環境衛生公社

ラーメン屋や焼肉屋など、油をよく使用する飲食店ではグリストラップの設置が必須です。グリストラップとは、厨房で発生した油の混じった水やお湯、細かな野菜くずをそのまま排水口に流さず、途中でろ過して綺麗な状態で排水溝に流すための機器です。

自治体によっては、グリストラップの設置が義務付けられているところもあります。出店する地域のルールをきちんと確認しましょう。グリストラップの設置費用は30~50万円程度で、簡易的なものであれば10~20万円程度です。

グリストラップは使うほど汚れます。最低でも1日に1回の清掃を行い、油脂の処理は1週間に1回行うようにしてください。どれくらいの規模のものを設置するかは、お店の業務形態によって変わりますので、施工業者と相談しながら決めましょう。

まとめ

飲食店における厨房はお店の心臓部ともいえる重要な場所です。厨房の床をドライキッチンにするか、ウェットキッチンにするかは、どのような飲食店を開業するかによって変わります。常に調理を行うお店の厨房ならば、水を流しながら掃除できるウェットキッチンがおすすめです。一方、カフェのような厨房であまり調理をしないお店なら、衛生的な状態を保ちやすいドライキッチンが適しています。

また、油を多く使用するお店では、汚れた水や野菜の切れ端などを回収してくれるグリストラップを設置しないと排水溝が詰まりやすくなります。最悪の場合、排水溝から悪臭が出て客席まで届いたり、害虫やネズミを呼び寄せる原因になります。

ドライキッチンとウェットキッチンの特徴を理解し、お店の営業スタイルに合わせて最適な床と厨房を選ぶことが大切です。判断が難しい場合は、厨房の床を工事してくれる施工業者に相談しながら決めてください。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。
リフォマなら中間マージンカットで専門業者をすぐ紹介
監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。