2024年6月18日

【2024年版】自宅カフェを開業したい方必見 保健所申請の流れや費用相場を解説!

将来カフェを開業したいと思っていても、かかる費用のリスクで尻込みしてしまっている方も多いはず。そんな方は、手軽に自宅カフェから始めてみませんか。この記事では、気になる保健所への申請手順や、自宅を改装する際にかかる費用など、自宅カフェ開業までの流れを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メールで送る

自宅でカフェを開業するメリット

自宅でカフェを開業するメリット

「自宅でカフェを開業してみたい!」

美味しいコーヒーを淹れるのが趣味の方や、お菓子作りが得意な方は、一度は考えたことがあるはずです。ですが、いきなり店舗を持つのは、失敗した際コストの面であまりにもリスクが大きいですよね。

そんな時におすすめなのが、自宅でカフェを開業するというスタイルです。 この記事では、自宅カフェを開業するまでに必要な申請や各種費用など詳しく解説しています。

低リスクで始められる

自宅カフェの最大のメリットは、失敗した時のリスクが少ないという点です。 例えば、店舗を一から改装してカフェを開くと、物件取得費として80万〜300万程度、開業資金として500万〜1000万円程度の費用がかかります。 また、新たに水道やガス等の設備工事が必要なことが多いので、改装費も高額になりやすい傾向にあります。

自宅カフェの場合、テナント料は従来の家賃だけで済みます。改装費も抑えられ、低コストで始めることができます。

店舗をもつ足がかりになる

将来的には、実店舗を持ちたいという方には、自宅カフェを練習台として活用するという考え方もできます。 カフェを経営するノウハウ、メニューの考え方、多くの方に認知してもらうマーケティングなど、まずは小さな段階からステップアップすることは重要です。

もし自宅カフェがうまくいけば、そこで貯めた売り上げとノウハウで、実店舗を開業できる可能性もあります。 そう考えると、自宅カフェは悪くない選択ですよね。

副業としてできる

本職は会社員だけれども、ゆくゆくは会社をやめて自分の店舗を持ちたいという方にも、自宅カフェは向いています。
週末はコーヒーセミナーに参加したり、料理の研究に励んでいるという方も多いことでしょう。

平日は働いているため営業できない方は、週末だけオープンしてみるなど、自分の空いている時間に営業できます。

自宅をカフェにできる物件とは?

自宅をカフェにできる物件とは?

まず考えるべきは、ご自宅がカフェを開業するのに適しているかということです。

実は、自宅内でカフェのような飲食業を営むことは本来は違法行為です。 飲食店としての営業許可が得られるためには、住居部分と店舗部分が明確に仕切られている間取りにする必要があります。

まずは、ご自宅の種類ごとに確認していきましょう。

マンションの場合

カフェの開業を考えている方で、マンションに住んでいる方もいらっしゃると思います。 マンションの場合は、カフェの内装工事をする以前に営業利用不可のところがあります。

営業利用が可能でも、改装工事やリフォームをする前にマンションの管理規約を確認し、管理会社に必ず相談しておきましょう。 カフェの経営にはキッチンなどの水周り設備が必須です。 2階以上では水まわり設備を増設すると、工事費が高くなるといわれています。

一戸建ての場合

戸建ての場合は、カフェスペースと住居スペースの分ける間取りが異なります。 間取りの方法は、「上下分離型」「縦割り型」の2種類があります。

上下分離型

上下分離型とは、1階と2階で自宅とカフェスペースを完全に分ける間取りです。 1階がカフェで、2階を自宅というときは、足音や生活音が1階のカフェに響かないように注意するか、防音対策をしましょう。

また、内装だけでなく2階のベランダに洗濯物が干してあると、生活感がでてしまってお店に入りづらいお客様もいるかもしれません。カフェと自宅の入口も同じため、カフェらしく改装する必要もあります。

縦割り型

縦割り型とは、カフェスペースと住宅スペースを、建物の奥側と入り口側で分離する間取りです。 例えば、道に面した部分をカフェスペースにし、奥側を自宅として分けるとします。 この場合、それぞれに入り口が必要になるだけでなく、分離部分の柱、壁を作らなければならないので、改装工事は大規模になりやすい構造です。

費用がかかってしまうデメリットはありますが、上下分離型のように天井から足音などが響くことがなくなるため、生活感を見せることがない構造といえます。

改装工事は必須?

自宅でカフェを開くときは、リフォームが必須です。
場所や経営方針により多少異なりますが、内装の改装を行わない場合でも、飲食業を始めるには様々な規定が設けられているため、自宅のキッチンと店舗の厨房は分けることになります。

普通のご自宅を改装せずに飲食店として利用することはできません。 お店のイメージを具体化し、どういう工事をしなければいけないのか、施工業者と相談しつつリフォーム計画を立てましょう。

自宅カフェの開業にかかる費用

自宅カフェの開業にかかる費用

飲食店を開業する際は物件を借りることがほとんどのため、敷金、礼金、テナント賃などがかかります。
自宅でカフェを開業には、こうした費用が一切かからないのがメリットです。

開業にかかる費用としては、

  • カフェにリフォームするための内装費
  • コーヒーマシンや家具などの設備費
  • コーヒー豆や原材料、看板や広告を打つための運転資金

の3つに大きく分けられます。
開業資金としては、300万〜800万円程度は考えておきましょう。

内装費

カフェのコンセプトによって内装工事の内容も変わってきますが、リフォマ内の事例では、自宅カフェの内装工事にかかる費用は坪単価20万~50万円が相場です。
自宅と店舗部分を完全に仕切ったり、生活感を消すために内装にこだわると、その分費用がかさみます。

ここでは、実際にリフォマを通して行われた工事をご紹介しますので、仕上がりと費用の参考にしてみてください。

一般住宅を喫茶店にする工事×内装工事×静岡県熱海市

カフェ店舗改装工事 看板
店舗改装工事 玄関
店舗改装工事 カウンター席
店舗改装工事 内装 遠くから
AFTER
カフェ店舗改装工事 看板
店舗改装工事 玄関
店舗改装工事 カウンター席
店舗改装工事 内装 遠くから
工務店名
有限会社アールエス
施工月
2016年4月
施工地域
静岡県熱海市
住宅種別
店舗・オフィス
お客様のご要望
店舗の内装工事をお願いしたい。
ここがポイント!
  • ブタのしっぽ風看板金具はオーダーです!

  • カウンター天板は天然無垢木材

  • 満足の仕上がり。

業者のコメント
外観から想像すると一般住宅に見えますがいざ入り口から建物内に入ると・・・
外のイメージとうって変わったデザインとなっています。
工事費用
150万円

自宅をオシャレなカフェへリフォーム×内装工事×新潟県村上市

内装工事前 窓
内装工事前 和室
内装工事前 和室クローゼット
内装工事前 和室収納棚
内装工事前 和室の畳
カフェにリフォーム
カフェにリフォーム 客席
カフェにリフォーム 客席別角度画像
カフェにリフォーム カウンター
カフェにリフォーム キッチン
BEFORE
内装工事前 窓
内装工事前 和室
内装工事前 和室クローゼット
内装工事前 和室収納棚
内装工事前 和室の畳
AFTER
カフェにリフォーム
カフェにリフォーム 客席
カフェにリフォーム 客席別角度画像
カフェにリフォーム カウンター
カフェにリフォーム キッチン
工務店名
日本住環境コーディネート
施工月
2013年8月
施工地域
新潟県村上市
住宅種別
店舗・オフィス
お客様のご要望
自宅でカフェを開きたい。
ここがポイント!
  • 場所の有効活用

  • 収納たっぷり

  • 安心安全な工事

業者のコメント
限られたスペースで極力居住スペースを狭くせず以前より居住側には収納力を持たせました
工事費用
200万円

設備費

コーヒーを出すには、エスプレッソマシンやコンロの設置は欠かせません。料理を出すのであれば、新たに厨房機器の設置も必要です。
カフェに必要な設備と価格目安としては、以下のようなものが挙げられます。

厨房設備の価格例

2槽シンク(1000×600㎜)

¥900,000

1槽シンク(500×500㎜程度)

¥200,000

手洗器(L-5)

¥300,000

製氷機(40㎏前後)

¥400,000

瞬間湯沸器(5号)

¥150,000

コールドテーブル(120ℓ)

¥250,000

作業台(甲板はステンレス)

¥50,000

エスプレッソマシン(全自動)

¥ 2,000,000

ガスコンロ(2口)

¥ 100,000

電子レンジ・オーブン(家庭用)

¥50,000

運転資金

運転資金は、開業後に店舗を運営していく中でかかる費用です。 考えられるものとしては、以下のようなものがあります。

  • 家賃
  • 光熱費
  • 人件費
  • 原材料費
  • 借入金の返済

利益とは、売り上げから運転資金を差し引いたもので、運転資金が明確に決まっていないと、利益を計算することが難しく、経営の見通しが立ちません

とは言っても、なかなかイメージが湧きにくいですよね。ここでは、具体的な計算をしながら、利益計算のコツをお教えします。

例えば、1杯400円のコーヒーで、1日50人のお客さんが見込めるなら、1日の売り上げは2万円。1ヶ月では60万円の売り上げです。
ここから運転資金を差し引いたものが、利益になります。

運転資金を前もってしっかり計算しておくことで、本当に経営が成り立つかまで具体的にイメージできます。

保健所に申請する

保健所に申請する

お店を開業する際に最も気になるのは、保険所への申請ですよね。
お店を開業するためには、保健所の審査を通過しなければなりません。
審査に引っかかってしまうと、開業日が遅れてしまうおそれがあります。そうならないためにも、ここでは保健所の基準や申請の手順についてご紹介します。

保健所の主な検査項目

保健所の現地調査で指摘を受けないためには、

  • 調理場と客席が仕切られていること(扉、ウエスタン式でも可)
  • シンクが2槽以上あること(食洗機は1槽に含む)
  • 冷蔵庫と調理場に、温度計が設置してあること
  • ネズミやゴキブリなどの対策をしていること
  • 食器棚に扉がついていること
  • ふた付きのゴミ箱があること
  • 調理場に、L5以上のサイズの手洗と石鹸液があること

保健所の主な検査項目

L5サイズとは、横幅36cm奥行き28cmの規格で、よく見る手洗い場はほとんどL5サイズです。
また、石鹸液のボトルは固定でなければなりません。

調理場と客席の仕切りが必要であることやシンクは2層以上必要であることなどは、通常の住宅には備え付けられていないものが多いため、忘れずに設置しましょう。

保健所から営業許可が下りないと、開業する日程がが遅れてしまいます。
必要な設備や基準については、必ず内装工事をする前に保健所に確認をとりましょう。

保健所申請のスケジュール

保健所申請のスケジュール

保健所とは、物件の選定から実際に営業を始めるタイミングまで、長い付き合いをすることになります。
いつなにをすればいいか、しっかり把握しておくことで、予定日通りスムーズにお店を開業することができます。

1.住居の間取りを確認

まずは、開業を検討している住居が、保健所が定める基準と合っているかをお近くの保健所に確認しましょう。その際、住居の図面や間取り図を用意するようにしましょう。

2.内装工事ができる業者を探す

住居が保健所の基準をクリアしたら、お近くの店舗の内装工事ができる業者に依頼しましょう。

3.食品衛生責任者の講習会に参加する

食品衛生法により、飲食店開業の際には、自分自身、もしくは従事者の中から食品衛生責任者を1名定めなければなりません。

よくある質問ですが、調理師の資格がなくても、飲食店は開業できますので、安心してください。

資格を取得する費用は1万円程度で、講習もほぼ1日のみで完了します。 調理師、栄養士、製菓衛生士、もしくは食品衛生監視員の資格を取得していれば、講習が免除されることがあるので、食品衛生協会に確認してみるといいでしょう。

4.営業許可申請用の書類を提出する

保健所に営業許可申請用の書類を提出は、工事完了予定の10日〜1週間前を目安にしましょう。カフェの開業では、飲食営業許可、または喫茶店営業許可の申請書の2種類があります。

飲食営業許可はアルコールの提供と様々な調理の提供が可能で、喫茶店営業許可の場合は、アルコールの提供が不可ということだけでなく、基本的に店内で調理したものの提供は認められていません。

ご自身が開業したいお店のコンセプトに合わせて、どちらの営業許可を取得するのか決めましょう。

5.保健所の立ち入り検査を受ける

店舗が申請内容と違わないか、基準に合致しているかを保健所の担当者が確認します。 検査の際は、営業者本人の立会いが必要です

基準に満たない場合は許可は降りません。満たなかった事項については改善し、改めて検査日を決めて再検査を受ける必要があります。

6.保健所に営業許可証を発行してもらう

営業許可書交付予定日になったら、「営業許可書交付予定日のお知らせ」認印を持参して、保健所で営業許可書の交付を受けてください。

7.営業開始

営業を始めた後は、店舗や設備が基準通り管理されているか、点検を怠らないようにしてください。
営業後も、保健所が収去検査立ち入り検査をすることがありますので、もし指導があった際はすみやかに改善しましょう。

  • 収去検査
    食品を検査し、有害な微生物や残留農薬などが無いか確認

  • 立ち入り検査 飲食店の設備や管理体制が適切になされているかを検査

保健所は、食中毒の発生を未然に防ぐための機関であり、敵ではありません。指導があっても、いきなり営業停止のような事態には滅多になりません
また、間取り等を変更したり、廃業したりした際は、すみやかに保健所まで届け出ます。

自宅カフェの開業前に確認するべき項目

自宅カフェの開業前に確認するべき項目

保健所の申請の他にも、自宅カフェを営業する上で確認しておくべきことがいくつかあります。

食品衛生法の基準を満たしているか

食品衛生法には、建物の構造に関する共通基準というものががあります。 飲食店を開業するには、この基準を満たさなくてはいけません。 基準には以下のようなものがあります。

  • 住居やその他に営業と関係ない場所を間仕切りなどで区切ること
  • 内壁は明るい色使いで、床から1mの高さまでは耐水性の素材を使用し、掃除しやすい構造であること
  • 十分に換気が行われる構造であると共に、強制換気ができる装置を設けること
  • 従業員が手や指を消毒することができる、流水式の手洗い設備の設けること、など

上記の条件を満たさなければ営業許可を受けることができません。そのため内装工事は、店舗の施工経験がある業者に相談するがおすすめです。
複数の会社から見積もりを出して検討すると、異様に金額が高い施工業者に依頼するということがなくなります。

店舗を営業していい場所か

開業を決める前に、まずは自宅で店舗を開ける地域かどうかについて、確認する必要があります。

行政面では、事前に「用途地域」の確認をする必要があります。用途地域とは、建てられる建物の種類、用途の制限を定めた基準のことで、「商業系」「工業系」「住宅系」などの用途でエリアを制限することで、秩序ある街並み作りに役立っています。

例えば、お住いの地域が第1種低層住居専用地域に該当すると、小・中学校や診療所などは建築可能ですが、店舗や飲食店は建てられないので注意が必要です。

加えて、周辺環境にも気を遣う必要があります。
飲食店を開業するということは、その地域に住んでいる以外の人を呼び込むことになります。防犯意識が強い地域では、クレームの原因にもなりかねませんので、十分な配慮と理解が必要でしょう。

利益は見込めそうか

自宅カフェも、立派なビジネスです。利益が出ないと経営を続けることは難しくなりますし、将来実店舗を持つことを考えているなら致命的です。

利益が出るかを決める要素は大きくふたつ。集客力と、利益率に分けられます。

  • 集客力を高めるには

まずは、集客が見込めそうかどうかをしっかり見極めましょう。
周辺に飲食の需要があるかどうかは、周りにチェーン店や個人経営をしている店舗があるかどうかで確認できます。

また、人通りがもともと少ない場所では、立て看板の設置やSNSでの拡散、ブログのこまめな更新で認知度をあげることも、考えねばなりません。

利益率を高めるには

利益率を高めるには

利益率に関しては、自宅カフェをうまくブランディングして、一杯あたりの利益をあげることが第一です。
コーヒーの原価は一般的に10%〜20%と言われており、もし個人経営で人件費がかからないなら、価格の半分以上は利益として見込めます。

大切なのは、お客さんが気軽に飲める価格と、お店を維持できる利益のバランスを取っていくことです。
価格ごとのお客さんの反響を細かくチェックしましょう。

また、スコーンやマフィンなどのお菓子を同時に売ることで、客単価の向上も狙っていくことも重要です。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。
リフォマなら中間マージンカットで専門業者をすぐ紹介
監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。