店舗での壁の活用法
内装にどのような色やデザインを用いるかによって、店舗の印象は大きく変わります。
床と天井の色の組み合わせやデザインの組み合わせはもちろん、素材によってもその印象は変わりますよね。
店舗の内装では、基本的に床に一番濃い色を合わせ、壁、天井と目線が上がるにつれて明るい色を用いるというコーディネートが多く用いられます。
だんだん色を明るくしていくことでグラデーションのようになりますが、引き締まったカラーのから開放的な明るいカラーに色が抜けていくことで、天井が高く広々とした印象の店舗空間を作り出します。
店舗内の雰囲気は、取り入れるインテリアによって変わると考えられる方は多いですが、実際のところインテリアよりも広範囲を占める壁、床、天井の色やデザインの方が第一印象に繋がりやすく、大きな影響を及ぼします。
例えば壁に白やアイボリーなどの淡い色を用いると空間が広く感じられ、逆に渋めの色や落ち着いた色を用いると引き締まって見えるため、空間が狭く感じるようになります。
こじんまりとした雰囲気を出したいカフェなどでは、落ち着いた色味を用いると居心地が良い空間作りができるでしょう。
また、壁に凹凸が施されたデザインは、間接照明により生まれる美しい陰影が上質な空間を演出する他、インテリアのアクセントにもなるので店舗におすすめです。
これらはインテリアがどうこうという話ではなく、部屋をパッと見た時に与える印象に影響を及ぼします。
壁の色を選ぶ際には、色が与える印象や効果を活用し、メリハリのある空間や統一感のある空間を演出できるよう、店舗の業種やイメージに合ったものを選んでいきましょう。
店舗の業種と壁の内装デザイン
どのような業種の店舗でも共通することは、お客様の印象が良く、居心地が良いと感じてもらえるような内装にすることです。
しかしこれは、飲食店、美容院、雑貨店、ペットショップなどお店の業種によっても変わりますし、お店のコンセプトなどによってもお客様に与えたいイメージは大きく異なります。
まず店舗の内装を決める際には、店舗の業種を基準にしつつ、さらに細分化して取り扱う商品、顧客ターゲットなどを踏まえ店舗の持つイメージやコンセプトから考えていきます。
また店舗カラーを壁に取り入れたり、部分的にアクセントをつけると、統一感を持たせることができます。
業種別の内装:配色や素材の選び方
色や質感によって人が受ける印象は大きく変わりますので、基本的にはその色やデザインが人にどんな印象を与えるのかで考えていきます。
シンプル、モダン、エレガントなど内装をどのようなイメージで仕上げたいかで色味やデザインを考えてみましょう。
また、塗壁、木、タイル、石、レンガなどのインテリア性の高い素材を取り入れると、より個性的な壁に仕上げることができます。
店舗の業種別に壁デザインのおすすめの配色や素材の選び方についてご紹介します。
飲食店におすすめの内装
同じ飲食店であっても、和食、洋食、中華、カフェなど業態は異なるため、それぞれのお店の雰囲気に合った色や素材を取り入れます。
飲食店に用いると良いとされている色は「暖色系」です。
暖色系の色味にはお店の回転率を上げたり、食欲が増加する効果が期待できます。反対に「寒色系」は落ち着きのある空間を演出したい場合に取り入れられますが、食欲を減退させると言われています。
デザイン面では、和食であれば和風テイスト、洋食であれば食事に合った洋風テイストなど、扱う商品に合わせたデザインを取り入れると雰囲気が出ます。
カフェの場合は、比較的幅広く様々なデザインと合わせやすいです。ナチュラルテイストでオーガニック感を演出したり、アメリカンな印象で都会らしさを演出しても良いですが、女性が好みそうな配色や素材を基準にして選ぶと与える印象が良くなるとも言われていますので、女性をターゲットとして考えてみるのも良いでしょう。
美容院・エステサロンなどにおすすめの内装
美容院やエステサロンは、女性がリラックスを求める場所でもあるため、ラグジュアリーな空間、落ち着きのある空間、非日常的な空間を演出できるような配色や素材にこだわりましょう。
そしてお客様の肌や髪に直接触れますので、清潔感もとても重要です。
清潔感を演出しやすい白やアイボリーなどを基調としたり、リラックス感を与えられるブラウンなどの色味を使うのもおすすめです。
アクセントとしてゴールドなどを部分的に用いたり、タイルや木目調素材などを用いると個性的な雰囲気を演出することができます。
雑貨店などにおすすめの内装
雑貨店などのお店は販売する商品が引き立つように、なるべくシンプルでナチュラルテイストの色や素材を取り入れるようにしましょう。
取扱商品が多岐にわたることが多く、どうしてもごちゃついた印象を与えてしまう販売店などでは、できるだけすっきり見せられるよう工夫します。壁に取り入れる色やデザインが派手すぎると商品が引き立たないだけでなく、空間もごちゃごちゃとした印象になってしまい印象が悪いので注意が必要です。
全体的にシンプルにしながら、木やレンガといったナチュラル素材をアクセントに取り入れてみるのも良いでしょう。
壁の改装費用相場
壁の改装費用は平米当たりの単価で決まりますが、既存の壁の下地状態や用いる仕上げ材料などにより大きく変わります。
例えば壁紙だけを張り替えるという場合は、壁紙の種類によって若干の違いはありますが、平米あたり20,000円前後を目安に考えておきます。砂壁や土壁といった壁そのものを新たに塗り替えるという場合は、平米当たり3,000~10,000が目安です。その他タイル素材は平米当たり6,000円前後、天然石素材は平米当たり8,000~10,000円前後がだいたいの目安となります。
また壁の下地から改装するという場合は、平米あたり30,000円前後が目安となりますので、まずはどこから改装すべき状態にあるのかを業者に確認しておきましょう。
まとめ
店舗の壁デザインは、店舗の印象やイメージをつくるとても重要なアイテムになります。
業種を基準にして、お客様に与えたいイメージや演出したい空間に合う適切な色やデザインを選びましょう。
印象が良く、お客様にとっても居心地が良いと感じてもらえる空間とはどんなものなのかを考え、店舗内装に活かしていきましょう。
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