集客アップための改装や新規開業で、お店の床を張り替えるオーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では床の張り替えにかかる費用と、あなたの業態やコンセプトに合った床材の種類について詳しく解説します。
一度張り替えると、床材の変更は簡単にはできません。 店舗の床を張り替える際は、店舗の規模、工事期間、捻出できる予算と照らし合わせて、十分に検討した上で依頼をしましょう。
店舗の床材はどんなものがいいの?
既に営業をしている店舗では、新しい床材を選択して張り替えるだけで済みますが、新規開業をする店舗においては注意点があります。
飲食店や美容室は営業時に大量の水を使うため、床下に通す水道管の設置が必要になり、場合によっては水道管を収めるため、床の底上げも行うケースもあります。
このように店舗の状況や、開業する業種によっては、床の工事以外にも高額の費用が必要になることを頭に入れておきましょう。
こちらの記事では、店舗の床工事について詳細に解説しています。ぜひ参考までにご覧ください。
店舗でよく使用される床の種類
業態ごとに必要な工事が違うことを認識していただけたら、次は本題の床材について解説していきます。 床の工事する際、予算内で理想の床材を選ぶためには、それぞれの特徴や価格などを把握することが非常に重要です。
床材の種類は様々で、木を使った「フローリング」、ビニールや樹脂を使った「タイルカーペット」や「樹脂シート」などが挙げられます。 あなたのお店で提供するサービスや、理想とする店内の雰囲気を基に床材を選びましょう。
フローリング
フローリングの種類は、単層(無垢材)と複合の2種類に分かれます。
【単層フローリング】
天然の木材を使っているため調湿効果に優れ、断熱性はコンクリートの2倍といわれています。
自然素材のため歩いたときにコツコツと足音が反響し、色合いによっては重厚感がある仕上がりにできます。さらに、木の風合いが月日とともに変わるため末長く人の目を楽しませてくれます。
しかし、物を落としたとき傷がつきやすく、反りや割れが発生しやすい床材です。一般的に単層フローリングは高価ですが、使用する木材の種類によって価格は大きく変わります。
【複合フローリング】
複数の薄い板を重ね合わせ、表面は加工を施した薄い化粧板を貼り合わせて作られています。
種類が豊富で施工も比較的簡単です。単層よりも安価で手に入り、傷がつきにくいのがメリットですが、接着剤が剥がれると表面にひびが入ったり、単層よりも寿命が短いというデメリットがあります。
フローリングはナチュラルで温かみのある雰囲気を出せるため、ワインバーや美容院などで使用されていますが、水や薬品をこぼしたときにすぐに拭かないとシミになってしまいます。
また、単層フローリングは3、4ヶ月に1回はメンテナンスを行います。手間も時間もかかりますので、フローリングを使用するときは複合フローリングのほうがおすすめです。
クッションフロア
塩化ビニールから作られている床材で、形や大きさを保つ裏打ち材と中間にある発砲層が、歩行の際の足への衝撃を吸収してくれます。
クッションフロアは樹脂シートと呼ばれることもあります。 最近ではフローリングと見分けがつかないような木目調のものや、石材、タイルなど店舗のコンセプトに合わせたシートが販売されています。
水に強く、摩擦や薬品にも耐えられるのですが、火に弱い特性があります。
【長尺シート】
クッションフロアと同じく、塩化ビニールから作られるシート状の床材です。表面に凹凸を作るエンボス加工を施し、クッションフロアと同様に他の素材と見間違えるほど精巧に作られていて、滑りにくいところもメリットです。
土足の使用にも耐えられるため、抗菌性も備えています。病院や治療院、福祉施設などでよく利用されている床材です。 ただし、素材がビニールのため火や熱にとても弱いので、取り扱いには注意しましょう。
フロアタイル
出典:サンゲツ
樹脂で作られた薄い板状のタイルのことです。表面のコーティング層により、土足にも耐えられます。 薬品に強く、床材にはめ込んで設置するタイプや、接着剤を使わない置くだけのタイプもあります。
クッションフロアと混同されがちですが、フロアタイルのほうがより耐久性に優れています。他にも、クッションフロアは2~3mm程度の厚さですが、フロアタイルきは5~6mmの厚みがあります。
たかが、1、2mmの違いと思うかもしれませんが踏んだ感触が全く違います。
【フロアタイルの種類】
フロアタイルには、2つの種類があります。
床材に含まれる樹脂の量によって、コンポジションタイルとホモジニアスタイルに分かれます。
樹脂の含有量が30%未満のコンポジションタイルは単層構造で低価格、伸び縮みが少ないのが特徴です。樹脂の含有量30%以上がホモジニアスタイルは、複層構造で摩擦に強く、デザインが豊富にあります。
タイルカーペット
正方形や真四角のカーペットで、こちらもデザインが豊富にあります。滑り止めの加工が付いている接着剤不要のタイプや、粘着性が弱い接着剤を使ったタイプなどがあります。
オフィスでよく使用されていますが、ほかの床材に比べて取り外しが簡単にできるため、お店の印象を気軽に変えることができます。 さらに、汚れてしまった部分を取り除いて水洗いできる商品もあります。
吸音性に優れているため、下の階に足音などが伝わりにくいだけでなく、保湿性に優れていているので、寒冷地での使用にも向いています。
磁器タイル
長石や粘土などを混ぜて焼き上げたタイルをことを指します。吸水性がほぼないため、水をこぼしても染み込むことがありません。耐久性、耐摩擦性に強いので外装に使われることもあります。
デメリットは冬場は足元が冷たくなるため暖房が必須ということと、高い耐久性ゆえに長時間その上に立っていると足腰に負荷がかかる点です。
こちらの記事では床材ついて詳しく解説していますので、ご参考ください。
種類別の床材にかかる費用は?
店舗の床を張り替える費用
フローリング
8,000~15,000万円/㎡
クッションフロア
2,000円~/㎡
フロアタイル
4,000円~/㎡
タイルカーペット
6,000円~/㎡
磁器タイル
5,000円~/㎡
上記の値段はあくまで目安なので、選択した床材や店舗の状況によって高額になることがあります。見積書に問題がなく契約まで進むと、実際に触り心地や色味を確かめるため、カタログを見せてくれる業者がほとんとです。
実際の素材と予算に合わせて、あなたの店舗に適切ものを選びましょう。
店舗の床の掃除方法をご紹介
張り替える床材と工法を決めたら、次はメンテナンスの方法を覚えましょう。 正しい手入れの仕方を知ることで、床材の寿命を延ばすことができるだけでなく、次の張り替えにかかる費用を抑えることができます。
単層(無垢材)フローリングの掃除方法
フローリングの場合は無垢材か複合で掃除方法が違いますし、表面に塗ってある塗料によって手入れの方法が異なります。
【無塗装】
日常の手入れは掃き掃除と乾拭きです。無塗装のフローリングは水に弱いため、シミができる要因となる水拭きは厳禁です。
汚れは固く絞った雑巾で拭き取ってください。擦った傷はサンドペーパーで軽く擦ると目立たなくなります。
【ウレタン塗装】
日常の手入れは掃き掃除と乾拭きになります。耐水性があるため目立つ汚れは、硬く絞った雑巾か薄めた中性洗剤で拭き取りましょう。
水分は床材を傷める原因になるため、水拭きの後は必ず乾拭きをしてください。
アルカリ性の洗剤はワックスを溶かしてしまうことがあるため、掃除する前にご自身の床に使用されているコーティングの種類を確認しておきましょう。
【ワックス】
ワックスは半年に1回を目安に塗り替えてください。ワックスには、フローリングに使用している塗料との相性があります。さらに、くすみや塗装によってはがれる危険性があるため、こちらも事前の確認が大切です。
複合フローリングの掃除方法
複合フローリングの掃除方法も、単層フローリングと同じく掃き掃除と水拭きが基本になります。目立つ汚れには中性洗剤を使い、ワックスがけも半年に1回は必要です。
但し、特殊な加工によりワックスが不要という床材もあります。お手入れを簡単に済ませたい方は検討してみてください。
タイルカーペットの掃除方法
タイルカーペットは、掃除機で毛の間に挟まった小石やゴミを取り除きます。 小石やゴミが残っていると、歩くたびにカーペットの毛が擦れ、カーペットの見た目が悪くなります。
長く使うために、汚れやすい出入り口の周りは入念に掃除機をかけましょう。 掃除機で吸いきれなかった細かなゴミは粘着テープなどで取ることができますし、汚れの場合は固く絞った雑巾で拭くことできれいになることがあります。
クッションフロアの掃除方法
クッションフロア、長尺シート、フロアタイルの掃除方法は、掃除機を軽くかけた後に水を絞った雑巾による拭き掃除を行ってください。
頑固な汚れを落とす際は、中性洗剤やプラスチック床用など専用のものを使用することで、床を傷めずに済みます。他にも、床を長持ちさせるためにワックス掛けも有効な手段です。
まとめ
床材は種類が豊富なので、業態に応じて相応しいものを選ぶことが何よりも大切です。そのためには、できるだけ床材の特徴を覚えておくか、どんな床材にしたいのか明確にイメージしておきましょう。
床材は使用する種類によっても費用が大きく異なります。
お店の規模と床材によっては、その費用が高額になることがあります。予算に余裕がないという方は、似たような床材で安価なものがないか業者に相談してみましょう。
あなたが営業するお店のサービスや雰囲気に合う床材で、きちんとリフォームを行うことが重要です。さらに、施工後にきちんと掃除をすることで、床材が長持ちするだけでなく清潔感のある店内になります。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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