2017年11月3日

居抜き物件を選ぶ際に注意すべきことは? 起こりやすいトラブルを解説

店舗内装(改装)から考える、居ぬき物件・スケルトン物件の選び方についてご紹介しています。店舗で貸物件を選ぶ際、居抜き物件とスケルトン物件があることはご存じでしょうか。ここでは二つの物件の特徴と選び方を解説していますので、ぜひご参考にしてみてください。

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店舗内装(改装)の工事とは

店舗内装(改装)工事とは、新しく店舗を開業する際に行われるもので、天井・壁・床など建物の枠組みとなる部分や、電気・ガス・水道といった付帯設備などの工事全般を指します。
「自分の理想に合った店内にするため」、「より使いやすいレイアウトにするため」、「事業をするにふさわしい付帯設備の導入」などがその目的です。

最初に物件を決める時、まず賃貸物件を借りるか物件を購入して事業を始めるか選択しますが、費用面や経営の観点から賃貸物件を選ばれる方が多いです。 賃貸物件には、前事業者の内装や設備が一つも残っておらず、完全に原状回復が済まされている「スケルトン物件」と、ほとんどすべてが残っている「居抜き物件」の2種類のタイプがあります。

開業する店舗の種類によって、どちらの種類が向いているのかが変わるので、まずは物件の種類による特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。

賃貸物件の種類

スケルトン物件とは

スケルトン物件とは、以前使用されていた設備が何も残っていない物件であり、原状回復が済まされている物件を指します。
店舗内装(改装)をする際には、一から設備を導入する必要がありますが、すべてをゼロからつくるため、理想の店舗がつくりやすいです。

スケルトン物件を選択した場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。

<メリット>
・既存内装の撤去費用がかからない
・自由なデザインの内装に仕上げることができる

<デメリット>
・内装(改装)工事に費用がかかる
・工期が長くかかる

スケルトン物件は、以前の使用者の業種に関わらず、店舗を理想通りに仕上げたい場合に向いていると言えます。
店舗デザインやレイアウトに強いこだわりがある場合、居ぬき物件では既存の内装や設備を撤去し、新しい内装を施したり設備を搬入することになるため、撤去費用がさらにかかってしまいます。 しかし、始めから何も無いスケルトン物件であればその心配もありません。

しかし一方で、新たな内装(改装)工事や設備を導入する必要があるので、初期費用は高額になることが多いです。様々な設備の導入には時間を要しますので、全体的な工期を見ても長くかかることは免れません。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、以前の使用者の設備がそのまま残っている物件で、その内装を譲り受ける物件を指します。
内装や設備が残された物件の中でも、居ぬき物件とは基本的に前事業者と次の事業者がバトンタッチで入れ替わることを指し、その多くの場合が、前事業者の退去日が決まっている上で、次の借主が決まります。
居ぬき物件を借りる際は、以前の使用者に設備や内装を譲り受けるために造作譲渡料が発生します。

逆に、以前経営していた店の退店から日が経っているものは、残置物件と呼ばれます。
残された内装や設備は放置されている期間があるため劣化が目立つことが多く、また、使えるものは全て持ち出された後の不用品だけが残された状態であることもあり、既存の内装や設備の質が悪いことがほとんどです。 残置物件であっても居ぬき物件として出されていることがありますので、よく気を付けましょう。

<メリット>
・既存内装をそのまま活用できる
・工期が早く終わる

<デメリット>
・自由な内装(改装)を実現しにくい
・設備不良は自己責任になる

居抜き物件は、以前の使用者と同じ業種で開業する場合に向いている物件です。
例えば美容院を開業しようとした際に、以前美容院として使用されていた居抜き物件がみつかれば、洗髪台などがそのまま残っているので新たに設置する必要がありません。
また、既存の内装や設備を利用することで開店までの工程が省略され、工期が比較的短く済むというメリットもあります。

居抜き物件を利用する際の注意点は主に2つあります。
1つ目は、譲り受けた設備の状態が悪く、すぐに設備不良が起きたとしても以前の使用者に責任を問うことができないという点です。
譲り受けた設備が問題なく機能するか事前に設備点検をしておくこと、その設備の耐用年数はどれくらいで、あと何年は使用できる見込みがあるのかを把握しておくことが重要です。 状態が良くない場合は前もって撤去を依頼し、その設備だけ自ら導入するなど対策を考えたうえで、いくら費用が掛かるのかあらかじめ計算しましょう。

2つ目は、既存の内装や設備があることによって店舗内のレイアウトに制限ができてしまうという点です
以前の使用者と業種が同じ場合は、似たような店内の雰囲気になってしまうことで、新規開業しても「新店舗ができた」というインパクトに欠けることもあります。お客様に店舗が変わったことが伝わらなければ、興味を持ってもらいにくいですよね。
また、前店舗のイメージをそのまま引きずってしまうため、悪い印象をそのまま受けてしまうこともあります。

居抜き物件についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ご参考ください。
店舗における居抜き物件の基礎知識と工事の種類

スケルトン物件を選ぶべきか、居ぬき物件を選ぶべきか

費用面で考慮した場合、スケルトン物件と居ぬき物件はどちらがお得になるのでしょうか。

以前の店舗から譲り受けたものをそのまま使えるようであれば、設備を再利用する「居抜き物件」の方がお得と言えますが、以前の使用者と業種が違う場合は、撤去費が必要ない「スケルトン物件」がお得となります。
開業する店舗がどんな業種で、何をコンセプトにするかに加え、以前の店舗がどんな業種でどんな内装を施しているかによって、どちらがお得なのかは変わってきます。

条件の揃う居抜き物件がみつかった場合、最も費用をおさえることができますが、設備が残っていて良かったと思っても、設備不良が発覚すればメンテナンスの費用が必要になってしまいます。
物件を決める場合は総合的な視点で判断しなくてはなりません。

店舗別おすすめ物件

物件を選ぶ際に、業種ごとに”注意して見ておくべきポイント”が変わってきます。
スケルトン物件、居抜き物件、どちらがお得なのでしょうか。店舗の種類ごとにそれぞれ解説します。

居酒屋

店舗の規模によりますが、居酒屋など飲食店で必要となるのは大きな厨房です。
厨房には冷蔵冷凍庫、シンク、調理台など、調理に欠かせない様々な設備が必要ですが、それらを一から揃えると非常に高額な費用が発生します。

また、客席をどのようなコンセプトにするかも大切で、例えば個室居酒屋にする場合は仕切りの設置の内装(改装)工事が必要になります。仕切りはパーテーションを設置するのか、新たに間仕切りとなる壁を設置するのかでも費用はかなり変わります。

厨房設備を揃える費用を抑えたい場合は「居抜き物件」が非常にお得ですが、客席のコンセプトに強い希望があり、居ぬき物件では内装を全てつくりかえる可能性があるようであれば、撤去費用なしに自由に内装を施せる「スケルトン物件」がお得になる場合があります。

厨房設備を一から揃えた場合の費用と、希望の施工を実現するために内装デザインでどの程度費用が掛かるのかを計算し、費用が高くなる方を条件として優先させて物件を選ぶと良いでしょう。

こちらの記事では居酒屋の内装(改装)工事について詳しく解説しているので、ご参考ください。

整骨院・整体院

整骨院・整体院の開業においては、ベッドの配置を考えることが大切です。
居抜き物件で間仕切りが多い場合だと、部屋数や配置に制限がでしまうので、自在に間仕切りを設けられる「スケルトン物件」の方が向いていると言えます。

さほど広くないスケルトン物件を選んだ場合でも、プライバシー配慮のためにベッドとベッドの間には仕切りが必要です。
仕切りを置くほどのスペースがない場合は、カーテンで仕切る方法があります。パーテーションを置けるほどのスペースがなくてもカーテンであれば場所を取られないので検討してみても良いでしょう。

美容院

美容院になくてはならない設備は洗髪台です。
洗髪台の設置には水栓・配管設備が必要なので、水道管工事が行われます。以前も美容院だった「居抜き物件」を利用すれば、水道管工事の費用や手間を無くすことはできますが、その分店内の雰囲気はどうしても以前の美容院と近いものになってしまいます。

費用を抑えたい場合は「居抜き物件」がお得ですが、あくまでもオリジナルのデザインにこだわりたい場合は「スケルトン物件」がおすすめです。
費用を抑えつつ独自のコンセプトの店にしたい場合は、既存の洗髪台を使用してスタイリングチェアや鏡をリニューアルし、新たなデザインの壁紙などで内装(改装)工事を行うという方法もあります。

こちらの記事では美容院の内装(改装)工事について詳しく解説しているので、ご参考ください。

まとめ

貸物件には「居抜き物件」と「スケルトン物件」がありますが、どちらがお得なのかということは開業予定の店舗種類やコンセプトだけでなく、前事業者の業種なども関係するため一概には言えません。

以前のオーナーと同じ業種を開業する場合、設備が残っている「居抜き物件」がお得になりますが、設備不良が発覚した場合はメンテナンス費用がご自身の負担になってしまいます。
居抜き物件を選択する場合は、設備に問題がないか事前の確認が必要です。

壁紙のデザインや間仕切りなど、内装を自由にアレンジしてオリジナリティのある雰囲気を演出したい場合には「スケルトン物件」が適していますが、内装(改装)工事や新たに設備を導入するための費用が必要です。

費用を抑えることを優先したいのか、こだわりある内装、デザインを優先したいのかも含め、総合的な視点で物件を選び、理想の店舗内装を実現させましょう。

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