居酒屋とバルの違いとは
居酒屋以外にもバルやバー、バールなどお酒を飲めるお店は様々あります。どれも最近よく見かけますが、どれも綴りはBarであり、国によって読み方やその形態が違ってきます。
バーは英語で、落ち着いた雰囲気でお酒を飲める場所と聞いて思い浮かべる方は多いでしょう。バールはイタリア語で、夜はお酒を楽しめますが、朝にはエスプレッソと軽食を楽しめるなど、カフェのような側面もあります。
一方、バルはスペイン語で、お酒と簡単なおつまみを楽しめる居酒屋のイメージに近い場所であることが多いです。
スペインでのバルは元々、晩御飯までに小腹を満たすための場所であったことを受け、日本では立ち飲み居酒屋のような店舗も見られます。
バルではワインに合う洋風のメニューがメインとなります。一方居酒屋はそのコンセプトにより和洋折衷様々なメニューを扱っている場合もありますが、基本的にはビールやチューハイ、日本酒などを中心とした和風であることが多いです。
取り扱う料理はその店舗の一つのイメージやコンセプトになりますので、提供するメニューによって施すべき内装の雰囲気は異なります。 それぞれの特徴を押さえた内装工事がどのようなものになるのか見ていきましょう。
お店のコンセプトを表現するために必要なポイント
様々なコンセプトの居酒屋が存在しますが、こちらでは最も一般的な和風の居酒屋について解説していきます。 本来の居酒屋らしい雰囲気を出すためには、和の要素を組み込むことがポイントです。
また、団体客で賑やかな居酒屋にしたいのか、それとも隠れ家のようにこじんまりとして落ち着いた雰囲気の居酒屋にしたいのかでもレイアウトは大きく変わります。
居酒屋のコンセプトに合う内装工事の工夫としてはどのようなポイントを抑えればよいのでしょうか。以下に見ていきましょう。
木材を用いる
木材は加工方法やその木材の持つ色味などにより、与える印象が大きく変わるのが面白い素材です。
日本の居酒屋らしさを表現するためには、木材を効果的に用いることが有効です。
縦格子を設置したり、壁の一部やイスの背もたれに木材を用いるなどです。洗面台やお手洗いの扉といった座席のある空間以外にも木材を用いることで、効果的に細部まで和にこだわったような印象をつくることができます。
白っぽい色味の木材で仕上げると、どちらかというと欧風でカフェのような雰囲気になる場合があるため、和風感を出す場合のおすすめは深い色味の天然木のような表情のものです。
黒と赤をアクセントに印象強い通路へ
全席個室の居酒屋の場合、座席のある個室と通路を全く違う雰囲気にすると、個室感が増してメリハリのある印象になります。 個室では居心地の良さが重要となりますので、落ち着いた色味や白を基調とした内装が好まれますが、通路とメリハリを出すためには通路にはっきりとした赤と黒などの色味を用いるのがおすすめです。
着物でもよく用いられる赤と黒の組み合わせは和を連想しやすいです。また、赤はイタリアン料理店などにも使われますが、和を連想させやすい黄みがかった赤や、黒みがかった赤がおすすめです。
照明の明るさやデザインで和の雰囲気を際立たせる
間接照明を取り入れることで、温かみや落ち着きがありながら雰囲気のある空間をつくることが可能です。
間接照明以外の照明は、黄色っぽい落ち着いた明るさのものを選ぶと良いでしょう。
LEDのような白っぽい照明にする場合は、和紙や木材を使用したスタンド照明・シーリングライトを用いるのがおすすめです。
改装工事や居抜き物件で工事をする際、電気の配線の変更などが必要になると内装工事費がかさみます。
既存の配線でできる範囲で、居酒屋の内装に合うものを選びましょう。
カウンター席は木材がおすすめ
隠れ家的な居酒屋など、お一人でもゆっくりお酒を楽しんでもらえる居酒屋にはカウンター席が必須です。
お客様が触れ、居酒屋内でも目立つカウンターに木を用いることで、木材をふんだんに使える事からその存在感が際立ちます。
手作り感の強い木のカウンターですと、ナチュラル系のカフェの印象となるため、一枚板などで作られた緻密なものがおすすめです。
個室を作って団体客に対応する
団体のお客様にも来ていただける居酒屋にする場合、個室を設けることになるでしょう。
幅広い人数のお客様に対応するためには、掘りごたつの式の席にすることをおすすめします。
座席にしてしまうと、人数に合わせてイスの数やテーブルの配置を変更する必要があります。
人数によっては通路の幅を狭くして対応しなくてはならず、動線の確保が難しくなる可能性があります。
また、お客様同士の間隔が近いと、お互いに居心地感じてしまいます。
そこで、掘りごたつ式の個室であれば、お客様の居心地を確保できて、お客様の人数に合わせてイスの数を変更する必要もないため、スタッフの作業を減らすことにつながります。
掘りごたつ式の席の場合、靴を脱いでもらうことがほとんどです。
お客様が脱いだ靴が通路をふさいでしまわないように、個室に入るための段差の下に靴を置ける空間を設けたり、下駄箱を設置しましょう。
下駄箱は場所をとるだけでなく、インテリアのように内装の一部とも考えられるため、内装デザインを損なわないデザインにしましょう。
また、以下には「居酒屋の内装デザインの事例」について詳しく記載があります。現存するお店なので、記事と実物の両方を見てご自分の居酒屋作りの参考にしてください。
こちらの記事:居酒屋の内装デザインの事例をご覧ください。
バルの内装(改装)工事で重要なこと
バルと聞くと、高いテーブルでお客様同士の距離が近いヨーロッパを連想させるお店を思い浮かべるでしょう。
大まかなイメージは共通していても、店舗ごとに特色がなければ新規のお客様を獲得できません。
また、にぎやかであってもお客様もスタッフも店内で身動きがとりにくければ、お客様にとっては居心地が悪く、スタッフは働きにくいバルとなってしまいます。バルの雰囲気を大事にしながら、お客様もスタッフも快適に過ごせる内装工事のコツをご紹介します。
コンセプトに合う内装をつくる
最近はバルが多いため、どの店舗もお酒や食事にこだわって差別化を図ろうとしているかと思いますが、初めていらっしゃるお客様にはメニューのこだわりと同じくらい、店舗の第一印象で他のバルと違うと思ってもらうことが重要です。
店舗の内装で独自性を出すためには、コンセプトを持ちましょう。
コンセプトは、お客様に本場のバルの雰囲気の中楽しんでもらいたいのか、ゆっくり過ごしてもらいたいのかなどを考えると決めることができます。
本場のバルの雰囲気を演出したければ、スタンディング席やカウンター席をメインにすることで、にぎやかな店内となります。
しかし客様の中には、ゆっくりとお酒や食事を楽しみたいという方も多いです。
住宅街にバルをオープンする場合は、家のようなゆったり過ごせる内装がおすすめです。
たとえば店内の仕上げは木目調で統一し、黄色系の落ち着いた照明にし、座れるテーブル席もある程度確保することで、リラックスできる、素材にもこだわったバルという印象になります。
メインターゲットになりそうなお客様からどのようなバルが集客につながるかを考え、コンセプトの分かる内装デザインを考えましょう。
気楽に会話を楽しめるカウンターとテーブル席をつくる
バルの顔とも言えるのは、スタンディングのテーブルやカウンターです。
お客様は過ごしやすい高さにするのであれば、高さは100~120cmくらいがおすすめです。
テーブルの場合1辺50~60cmにすると、人数に合わせてテーブルのレイアウトを変更しやすく便利です。カウンターの場合、幅は30~60cmにすると、スタッフと会話しやすい程よい距離感をつくれます。
ハイスツールを設ける場合、テーブルやカウンターの高さのマイナス30cmくらいが適切です。
テーブルもカウンターも、天板が小さい方がお客様同士の距離を近づけられますが、カトラリーや紙ナプキンを置くスペースがとれなくなることがあるため、テーブルに載せるものを考慮しながら大きさを決めましょう。
作業手順と動線からレイアウトを考える
客席エリアには食事を楽しむお客様だけでなく入店されるお客様やお手洗いに行かれるお客様、会計をするお客様などがいらっしゃるのに加え、食事を提供したり食器を片づけたり、お会計を承るスタッフもいるため、多くの人が行きかいます。これらの動線の重ならない客席のレイアウトを考えましょう。
バルに限ったことではありませんが、飲食店の内装工事費では厨房の占める割合が多くなります。
提供するメニューから必要な厨房機器を決め、その大きさに合わせて厨房の大きさを決めることで、お手洗いなどの大きさも決められます。
厨房の中は、ドリンクの準備スペースと冷蔵庫やコンロ、シンクや作業台など、食材を出して調理から配膳までをスムーズに行える配置を考えましょう。
確実に換気のできる空調設備工事をする
バルはおつまみの特性から、オリーブオイルやニンニクなど、香りの強いものが多いため、確実に換気のできる空調を設ける必要があります。
空調工事も工事費用のかかる工事で、換気と給気のバランスを見極める必要があるなど、難しい工事でもあります。
そこで、飲食店の施工経験の豊富な業者に工事を依頼しましょう。
おつまみに合わせてウェットキッチンとドライキッチンを決める
キッチンの床には、水を流せるウェットキッチンと水を流せないドライキッチンがあります。
どちらを選ぶかは、おつまみの種類から決めることができます。
調理の必要のあるメニューがメインであったり、お客様の回転が良く洗い物が増えることが見込まれる場合は、床に水や油が飛び散ることが考えられるためウェットキッチンがおすすめです。
一方、乾きものがメインの場合は、食材の品質を保つためにドライキッチンがおすすめです。
飲食店の場合、厨房設備のある居抜き物件を選べば内装工事費を抑えることが可能ですが、以前の店舗がドライキッチンで、ウェットキッチンに改装したいという場合は、防水工事などが必要になるため、工事費はかさみます。メニューを考慮してキッチンを選びましょう。
また、以下の記事居酒屋・バルの改装工事でやるべきことは? 費用相場も詳しく解説しますと居酒屋・バルの内装(改装)工事の注意点では「費用」「注意点」についてさらに詳しく触れています。内装を手がける際にはぜひご参考ください。
まとめ
居酒屋とバルの内装(改装)工事についてご紹介しました。
居酒屋もバルもお酒を楽しめる空間ではありますが、おつまみや店内の過ごし方の違いから、内装デザインやレイアウトで気をつけたいことは異なります。
ご自身のコンセプトに居酒屋・バルに合う内装のコツを抑えて工事を依頼しましょう。
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