2018年1月11日

居酒屋・バルの内装(改装)工事の注意点

居酒屋・バルの内装(改装)工事では、店舗のイメージに合う内装の他、お客様と従業員の使い勝手まで考えることが大切です。居酒屋とバルの違いに合わせた注意点と、費用を抑えるための方法を見ていきましょう。

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居酒屋とバルの違いについて

居酒屋もバルも、お酒も食事も提供している点は共通しています。
居酒屋は和食から洋食まで多岐に渡るおつまみを揃えた店舗もあれば、特定のジャンルにこだわった店舗など様々あります。
内装もお一人でも楽しめるカウンターのみの店舗から、大人数を収容できるテーブル席が揃っている店舗まであります。
エスニック系居酒屋などを除き、基本的には和を感じさせる内装デザインが多いです。

一方、バルと聞くと洋風の居酒屋をイメージする方が多いでしょう。
バルとはBarのスペイン語の読み方で、スペインでは何店舗か飲み歩いて楽しむお店です。
これを受け、日本では立ち飲み居酒屋に近い店舗が多く、カウンター席や小さなテーブル席がメインです。
お酒やおつまみは洋風のもので固められているため、外国にいるかのように感じさせる内装が求められます。

居酒屋の内装(改装)工事の注意点

メニューの変更に対応できる内装デザイン計画を立てる

居酒屋は特定のジャンルに特化した店舗ではない限り、幅広いお酒やおつまみを扱えます。
これは、その時の流行のメニューを取り入れることができるというメリットにもなります。
また、店舗のイメージ刷新を図って、内装と合わせてメニューを大きく変更することも可能です。

たとえば、和食と洋食をコラボさせたおつまみがあるのに、内装は和しか感じられないとなると、洋風を求めているお客様を取り込むことはできません。
このような居酒屋には、町家のような日本らしさだけではなく、深みのある色を基調としながら、シンプルでスタイリッシュなデザインにするなど、和モダンなデザインが合います。

居酒屋に限らず、飲食店はイメージ刷新のために定期的に内装(改装)工事が必要と言われています。
5~7年に一度は内装を変更できる予算を残しながら、初期費用を考えましょう。

自然素材を使う場合、メンテナンスの手間がかかる

居酒屋は、竹や土壁、木材などを使って和を演出することが多いです。
自然素材を使うことで簡単に雰囲気をつくれますが、経年劣化は避けられません。
自然素材自体の価格が高いため、初期費用がかさむ原因となります。

たとえば黒色のタイル調の仕上げ材を使えば石畳のような雰囲気になるなど、安くても色やデザインを工夫すれば和の雰囲気を作ることは可能です。
予算を伝えた上で、利便性の高い素材を業者に教えてもらいましょう。

耐熱性の高いテーブルにする

寒くなると鍋料理を提供する居酒屋も多いのではないでしょうか。
テーブルの上にカセットコンロを置くことを考えると、テーブルは熱に強いものが好ましいです。
たとえば、天板に使われ、耐熱性の高い素材としてメラミンがあります。
耐熱性に優れ、ご自身の居酒屋の内装デザインにふさわしいテーブルを見つけましょう。

お客様と焼き場の間には熱や煙の安全対策をする

カウンター席の店舗で焼き鳥などを提供する居酒屋では、お客様が座った視線の先に調理風景が見えるようにすると、お客様は食事が出てくるまでの間退屈せず、食事が出てくるのを待ち遠しく感じられるためおすすめです。
この場合、お客様と焼き場の距離が近くなるため、お客様と焼き場の間に耐熱ガラスの仕切りを設けるなどで、お客様の安全対策が必要です。

火力を幅広く調整できる厨房機器を揃える

メニューの豊富な居酒屋には、強い火力で一気に炒める食事もあれば、弱い火力でゆっくり煮込む食事もあるでしょう。
専門の調理器具の必要なメニューばかりでは、器具を揃えるために費用がかさみます。
しかし、ガス機器はほとんどの居酒屋で必要となるため、火力が幅広い機器を用意しておけば、初期費用を抑えながらメニューの幅を広げることが可能です。

バルの内装(改装)工事の注意点

客層に合う内装をつくる

バルに対してにぎやかな印象を抱いている方は多いです。
しかし、住宅街などのバルでは、にぎやかであることより、近所の憩いの場のようなリラックスできる雰囲気が求められることも多いです。

にぎやかな雰囲気にしたければ、カウンターや高さのあるテーブルをメインにすることがおすすめですが、地元の人たちにゆっくり過ごしてもらいたければ、他の業態の飲食店と同じくらいの高さでゆったり座れるテーブル席が必要です。
どのような雰囲気のバルにすべきかは、立地を把握し、メインターゲットを決めることで見えてきます。ご自身の考える客層向けの内装を考えましょう。

カウンターとテーブル席の高さに気をつける

バルと言えば、カウンターや高さのあるテーブルをイメージする方は多いのではないでしょうか。
カウンターとテーブルは、お客様が過ごす場所であるため、お客様のバルでの居心地の良さを左右します。
カウンターやテーブルの高さを100~120cm程にすることで、立ち飲みにもハイスツールを設置する場合にも対応しやすいです。
ハイスツールは、カウンターやテーブルから30cm低い高さがおすすめです。

物を置けるスペースを確保する

カウンターやテーブルの天板が小さい方がお客様同士の距離が近づくため、バルのにぎやかな雰囲気を演出できます。
しかし、小さくし過ぎると紙ナプキンやカトラリーを置くスペースが無くなる可能性があります。
カウンターの場合は幅は30~60cm程、テーブルの場合は1辺50~60cm程を確保しておけば食器類を置くのに困りません。

テーブルに紙ナプキンなどを置くスペースを確保することが難しければ、テーブルの縁にフックをかけて容器の中に収納するようにするなど、テーブルのすき間を上手に使う工夫が大切です。

カウンターの下に荷物を置くスペースを設ける場合、天板から20cm下に作ることをおすすめします。
ハイスツールを置くことを想定した場合、座る時に邪魔にならない方が良いからと小さめに設置する方がいらっしゃいますが、何とかハンドバッグが置ける程度のサイズになってしまうと、荷物の多い仕事帰りの方はどこに物を置こうか困ってしまいます。
飲食にかかわることだけでなく、収納のことまで考えることで、お客様の快適性は向上します。

作業しながらお客様の様子の見える厨房スペースをつくる

カウンターのあるバルは、カウンター内の限られたスペースに厨房を設けなくてはなりません。
ドリンクの準備や調理の動線が重ならないように作業台やコンロの配置を考えることはもちろん、お客様の様子を確認できる厨房であれば、お客様の注文をとりやすかったり、バルの楽しみの一つでもある会話も楽しめます。

たとえば、カウンターの中央によく使う調理器具を置いておけば、ほとんどの作業をお客様に向かって行えます。
また、作業台やシンク、コンロを一列にすることで、お客様と対面しながら作業を行えます。
作業効率を考えた上で、お客様と向き合える厨房のレイアウトを作りましょう。

居酒屋・バルの内装(改装)工事の費用を抑えるための注意点

厨房設備の費用を抑える

飲食店は改装や廃業が多いため、中古でも質の良い厨房設備が多く揃っています。
ただし、新品より保証期間が短かったりついていないことがあり、保証期間後に故障してしまうと、出費が発生するため、保証期間の確認は必ずしましょう。

また、インターネットで直接購入すれば、内装業者を通すよりもかなり安く購入できます。
ただし、インターネットで購入する場合、搬入費が含まれていないことがほとんどで、設置を業者に依頼すると内装業者に依頼するよりも費用が高くなることもあります。

あらゆる可能性を想定し、中古やインターネットから購入した方が新品よりも安くできるのかを考えましょう。

飲食店の居抜き物件を見つける

厨房設備は内装工事費用を占める項目であるため、使える厨房設備のある居抜き物件が見つかれば、大きく費用を抑えることにつながります。
業態が異なると、厨房設備で必要なものが異なり、使いやすい状態に変えるための工事が必要になり、費用が高くことがあるため、同じ業態の居抜き物件が一般的にはおすすめされています。

ただし、前に入っていた店舗が経営不振などの場合、居酒屋やバルが成功しにくい地域である可能性があります。
店舗の周辺の方々に新しいイメージを持ってもらうためには、業態の違う居抜き物件を選ぶ方が良い場合もあります。
初期費用を抑えることだけでなく、開業後の経営も考えた上で、物件を見極めましょう。

また、以下の記事居酒屋・バルの改装工事でやるべきことは? 費用相場も詳しく解説します居酒屋・バルの内装(改装)工事内容では「費用」「工事内容」についてさらに詳しく触れています。内装を手がける際にはぜひご参考ください。

まとめ

居酒屋・バルの内装(改装)工事の注意点をご紹介しました。
居酒屋とバルではメニューやお客様の過ごし方が異なりますが、どちらの店舗ともお客様が安全に、快適に過ごせて、従業員の作業のしやすさを考えることが大切です。

内装工事費は決して安いものではないため、できる限り安く抑えたいものですが、初期費用が安くてもメンテナンス費が高くついたりすれば、ランニングコストがかかるため、長期的な視点から出費を抑えることが必要になります。
ご自身の考える居酒屋・バルを形にできる内装(改装)工事を行いましょう。

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