この記事では、リフォーム業者の選び方から完成まで、失敗しないためのコツをひとつひとつ解説していきます。
見積書の正しい見方や必要な申請なども説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
①まずはリフォーム内容を決める
内容によって様々ですが、ユニットバスの取り替えから間取り変更リフォームまで、リフォームには数十万から数百万円の費用がかかります。
そのため、リフォームは一度にまとめてやってしまった方が、費用を抑えることができてオススメです。
なるべく費用を抑えるために、リフォームをする際は、事前の計画立てをしっかりと行いましょう。
ご自宅で今不便を感じている部分はどこなのか。新たに欲しい機能があるかなどを洗い出しておきます。
まずは、リフォーム内容を決めるために情報収集から始めます。
リフォームに関する情報の集め方
リフォームの事例は、書籍やカタログ、WEBサイトなどで確認することができます。
書籍
書籍の場合、必要な工事内容や費用の概算だけでなく、仕上がりのデザインで参考になる事例が多く掲載されています。
依頼者のインタビューなどが掲載されていることもあり、失敗談や工夫したポイントなども取り入れることができますし、ネットでは得られない情報も多いので、多少お金を払ってでも購入してみてはいかがでしょう。
カタログ
カタログは、無料で手に入る場合がほとんどです。 LIXILやPanasonicなどのメーカーが発行するカタログは、オンライン上で手軽に閲覧できます。キッチンやユニットバス、トイレなど、設備を設置するタイプのリフォームであれば、費用の比較検討には十分でしょう。
まずは、必要な設備をメーカーのカタログで比較したのち、リフォーム業者のプランを確認してみると、正しい知識や相場観を持った上で検討できます。
WEBサイト
WEBサイトのメリットは、掲載するスペースに限りがないため、専門誌やカタログで見られない多くの事例が見られる点です。 ただし、上位表示される業者の提案する内容が必ずしも良いとは限りませんし、根拠のない費用相場や、誤った情報も多くあるのが現実です。
キーワードで検索して満足した情報が得られなかった際は、「他にこんなキーワードで検索されています」というのを参考にしてみてください。
また、画像検索や知恵袋も併せて活用して、なるべく精度の高い情報を得るようにしましょう。
各場所ごとのリフォームの注意点は?
キッチン
キッチンリフォームの費用相場は100万〜200万円が中心となっています。
キッチン自体の製品価格と、20%程度の工事費が費用の主な内訳です。
検討すべき点は、IHかガスか、コンロの口数はいくつ必要か、食器乾燥機の取り付けをするかなどです。
また、キッチンの高さは最もよく使う人の背丈に合わせたものを選びましょう。
風呂
お風呂リフォームの費用相場は80万〜120万円が中心となっています。
壁や床の材質によって水はけや掃除の手間が変わってくるので、デザインとの兼ね合いが重要です。
お年寄りがいる場合は、安全のための手すりや、ヒートショック対策として暖房換気乾燥機を設置するケースも多いです。
洗面所
洗面所リフォームの費用相場は20万円〜40万円です。
水はねが多い箇所なので、壁紙や床材はカビや湿気に強い素材を使うのが基本です。デザイン性だけでなく、ボウルの高さや収納などの使い勝手も検討したいところです。
トイレ
トイレリフォームの費用相場は30万〜40万円が中心です。
ただし、トイレの内装を変更する場合は、100万円程度を見込んでおくと良いでしょう。臭いがこもらないように、換気設備を取り付け、壁紙の防臭機能が付いたものがおすすめです。
リビング
リビングリフォームの費用相場は100万〜150万円が中心です。
リビングはなるべく広く使えるように、間仕切りや収納は最小限に留めます。家具の配置によってコンセントの位置も変わるので、使い勝手を想定したレイアウトにしましょう。
外壁
外壁リフォームの費用相場は100万〜200万円が中心です。
塗装工事の場合は10年に1回、張り替え工事の場合は20〜30年に一度を目安にしておきましょう。
使用する塗料の種類によって、耐用年数が変わってきます。
屋根
屋根リフォームの費用相場は80万〜150万円が中心です。
工法は、葺き替え、重ね葺き(スレート)、塗り替え(塗装)など様々です。
塗装工事の場合は、外壁塗装と一緒にやると、足場設置費用が抑えられます。
②依頼する業者を探す
リフォーム内容が決まれば、次にすることは業者探しです。
「一度依頼したら断れないのでは?」と思う方もいるかと思いますが、現地調査、見積もりの提出までは無料でやっている業者がほとんどですので、気軽に見積もり依頼をしてみましょう。
ここでは、業者ごとの特徴や効率的な探し方をご紹介します。
リフォーム業者にも種類がある?
リフォーム業者と一言で言っても、壁紙を張り替えるだけのリフォームと、新たに部屋を増築するようなリフォームでは、対応できる業者は全く異なります。コツは、希望するリフォーム内容に応じて、最適な業者を選ぶことです。
住宅メーカー
- どんな構造の住宅にも対応できる
- モデルハウス、ショールームが充実
- 費用が高額になりやすい
住宅メーカーは、設計担当者や施工担当者といった役割が細かく分かれているため、費用が高く、複雑になりがちな工程になるほど効果を発揮します。
増築リフォームや二世帯改築リフォームなどに適していると言えるでしょう。
モデルルームやショールームが充実しているのも強みです。
建設会社
- オールマイティに対応可能
- 費用が高額になりやすい
建設会社は、難しい工事にも長けている上、住宅メーカーより管理費が高くならないことが多く、使い勝手のいい会社と言えます。
複雑な工事案件の割合は、建設会社の方がはるかに多く、住宅メーカーと同様、増築リフォームや二世帯改築リフォームなどに適していると言えるでしょう。
工務店
- 数が多くすぐ駆けつけてくれる
- 工費が安く抑えられる
- 設計や建築理論が必要な工事は不得意
工務店が得意としているのは、内装リフォームや外壁リフォーム、エコキュートやユニットバスなど設備機器の交換といった、住宅の部分的なリフォームです。
工務店に依頼する方が、価格も安く、工期も早めに行ってくれる場合が多いのですが、間取り変更など建築基準法を考慮に入れないといけない場合や、二世帯住宅化などの高度な設計が必要な工事は、対応できる工務店が限られてしまいます。
専門工事業者
専門工事業者とは、内装工事業者なら内装工事のみ、電気工事業者なら電気工事のみと言ったように、単独の工種を請け負っている業者です。
- 仲介料が一切発生しない
- 単一の工事しか依頼できない
建設業界は、元請と下請で業者がはっきり分かれており、住宅メーカーや工務店は元請、専門業者は下請に当たります。
元請業者はお客さんからの要望を聞き、最適な工事を提案し、下請業者に発注します。
ただし、両者の契約にかかる仲介コストや、情報伝達の手間が発生するため、工事が一種類しかない場合は、専門業者に依頼した方がコストや時間を抑えられます。
いい業者を見極めるポイント
業者を選ぶ際は、以下の点に注意して選ぶと良いでしょう。
- 工事の実績が十分にあるかどうか
- 許可や資格を持った業者かどうか
- 近くにいる業者かどうか
先ほど述べたように、業者によって工事の得意不得意がありますので、施工実績を確認するのはマストです。
また、資格取得に熱心な業者は、工事に必要な知識を十分に持ち合わせている可能性が高く、ひとつの基準になります。
主な資格には、建築士(建築士法に基づく国家資格)、建築設備士(空調、電気、給排水衛生等の技能、設計管理力を持つ)、施工管理技士(施工管理や安全確認などを行う建築士法に基づく国家資格)、増改築相談員(住宅リフォームを考える消費者に助言や計画作成を行う)などがあります。
③現地調査をしてもらう
正確な見積もりやリフォームプランを作成するために、業者が自宅を訪問して、家の状態の把握や採寸をするのが現地調査です。
ここでは、現地調査の際にやっておくべきことをご紹介します。
希望を明確にしよう
現地調査の際は、どこをどのようにリフォームしたいのか、はっきりと言葉にできるようにしておきましょう。
カタログを見せて完成後のイメージを伝えたり、家の間取りに合わせて要望を伝えられると、業者も見積もりを出しやすくなりますし、後から値上げや追加工事といったトラブルを避けることができます。
また、なるべくリフォーム内容の決定権を持っている人が、現地調査に立ち会うようにしましょう。
「あとで家族と相談します」となってしまうと、その場で見積もりが決まらず時間がかかってしまいます。
マンションの場合は管理規約を確認しよう
マンションには専有部分と共用部分があり、リフォームが可能なのは専有部分だけです。 部屋の内側は基本的に専有部分になるはずですが、規約によってはドアの内側と外側で専有と共用が違うケースもあるなど、細かい規定があります。 あとで管理組合とトラブルにならないためにも、管理規約をしっかり確認した上で、工事を依頼しましょう。
④見積書を検討する
複数の工事会社に見積もりを依頼したら、次に見積書を比較・検討しましょう。見積書の比較は、同じ条件で行わなければ正確に良し悪しを把握することは難しくなってしまいます。
例えば、「床、壁、天井の張り替え」とだけお願いした場合、使用する床材や天井材のグレードや職人の経験年数によって、費用が変わってしまいます。
こうした曖昧さを避けるためには、使用する床材や職人の職歴を、なるべく具体的に指定してみるのをオススメします。
自分の要望がちゃんと含まれているか確認する
見積書が出たら、設計図面と見比べながら、依頼内容が含まれたプランであることと、適切な付加工事がされていることを確認しましょう。
疑問点があれば、見積書の時点で詳しく聞いておきます。工事が始まってしまうと、追加や修正をするのが難しくなってしまいますし、見積もりの掲出も2週間以上かかる場合もあるため、その分施工開始日が延びてしまいます。
相見積もりで値引きはしていいの?
価格を抑える常套手段として一般的なのが、相見積もりです。
複数業者に見積もりを取ることで、適正価格を探ることができ、不当に高い額を払わされるリスクが少なくなります。
ただし、競合をチラつかせて値引きさせるようなことはやってはいけません。
費用が安くなることはすなわち、どこかで設備や素材のグレードを落としている可能性や、手抜き工事で人件費を削っている可能性があります。
価格の安さだけにとらわれず、職人の実績や工事の品質で選ぶ観点も持っておきましょう。
➄業者と契約する
工事内容・工事金額・工期などに対して納得いけば、ついに契約です。
ここでは、契約の際に気をつけておくべきことをご紹介します。
アフターフォローがあるか確認する
新築工事と異なり、リフォームで工事保証をしなくてはいけないという法的な義務付けはありません。
そのため、アフター保証がある業者を選ぶと、手抜き工事はされにくく、万一不備があった際にも安心です。
契約書の保証内容、保障期間についてよく確認しておきましょう。
業者がなかなか対応してくれない場合などは、保証期間内に、修補請求を行った証拠が残るように内容証明郵便を利用して文書で行うのがよいでしょう。
口約束ではなく書面に残すようにする
民法上の契約行為は、口約束でも有効に成立するため、打ち合わせの場でお互いが合意している内容は、文書にしていなくても守る必要があります。 とはいえ、どんな小さな工事でも、あとでトラブルにならないよう、契約書に盛り込んでおくようにしましょう。
追加工事は発生するもの?
リフォーム会社に悪意がなくても、追加工事が発生してしまうケースはよくあります。例えば、壁や床を撤去すると、給水管・排水管の劣化が原因で、家の骨組み部分が一部腐食していることが発覚するケースです。
本当にお客様を大切に考えているリフォーム業者は、状況によっては追加工事が必要になると、あらかじめハッキリと説明します。その上で、見積書にも備考欄で記載している業者も多いのです。
追加工事は仕方がないもの。むしろ追加工事を足さない業者の方が、最初からその費用を上乗せしているという可能性もあります。
⑥着工準備
ここでは、着工までの間にやっておくと良いことをご紹介します。
仮住まいの契約を進める
大規模なリフォームを行う際は、長期間家に住むのが難しくなってしまうため、仮住まいを探す必要があります。 仮住まい探しは、リフォームプランを検討する時点で同時に始めるのが得策です。入居日の1ヶ月前~2週間前に契約をできるように仮住まい探しをしましょう。
解体作業が始まってしまう前に、家の中の備品を運び出す必要があるため、早めに取り掛かってください。
仮住まいを始めるのは、工事開始の1週間前を目安にしておくと良いでしょう。
3ヶ月を超える場合は、UR賃貸がオススメです。敷金・礼金といった初期費用が必要なく、全国に物件数が多くあるため、お子さんの学校や会社勤務といったライフスタイルを維持しやすいのが特徴です。
リフォームで必要な申請はある?
リフォームの際、増築等があれば建築確認申請が必要になります。
建築確認とは、設計図書の中身が建築基準法などの法律に合致しているかどうかを確認する行為で、シックハウス対策や防火設備などが検査項目になります。
必ず工事の着工前に行う必要があります。
また、リフォームの補助金や助成金を受けるためには、事前申請で適正な施工業者である証明や図面を求められるので、その旨をリフォーム会社に伝えておくようにしましょう。
➆着工
着工したら、あとは完成を待つだけです。
ただし、リフォーム中も定期的に現場に足を運び、進行をこまめにチェックしておくのが良いです。
リフォームごとの工期期間の目安
リフォーム箇所ごとの工期目安
キッチン
入れ替え
1週間
背面キッチン等への配置変更
2週間
お風呂
ユニットバス交換
5日程度
在来工法からユニットバスへ
2週間程度
洗面台
交換
1日
洗面所の内装変更
1週間
トイレ
便器交換
1日
トイレの内装変更
1週間
リビング
壁紙張り替え
2日程度
フローリング張り替え
3日程度
床暖房設置
5日程度
外壁
塗装工事
2週間程度
張り替え工事
1ヶ月程度
屋根
塗装工事
1週間程度
⑧完成・引き渡し
リフォームが完成したら、ついに引き渡しです。
リフォーム後の真新しさに喜ぶあまり、どうしても疎かになってしまうところでもありますが、完了検査などのチェックはしっかりしておきましょう。
設備を新しくした場合は、必ずその場で動作チェックをしてください。後から指摘しても、業者の過失なのか、依頼者の過失なのかが分からないからです。
メーカーの保証書や説明書も、全て揃っているか確認しましょう。
あとで不具合が見つかった時は?
新調した設備の不具合は、使用直後なら初期不良の可能性が高く、メーカー保証を受けることができます。 一方で、工事の不具合が見つかった場合、リフォーム会社の対応は様々です。
もし業者がなかなか対応してくれない場合は、保証期間内に修補請求を行った証拠が残るように内容証明郵便を使い、必ず文書でやり取りします。
瑕疵担保責任については、基本的に契約書で定めた期間が適用されます。
業者がリフォーム瑕疵に加入していると、こうしたトラブルを避けることができますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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