コンセプトを決める
出典:photoAC
お店づくりの核になるのがコンセプトです。これがメニューを決める上でも重要なポイントになります。では、コンセプトはどのようにして決めるのかご説明します。
まずは下記の6つの問いについて、具体的な答えを用意してください。
Q1.お店のメイン料理は?
Q2.ターゲットはどんな人?
Q3.お客さんはどのようなシチュエーションで来店する?
Q4.どれくらいの客単価で料理を出す?
Q5.何種類の料理まで対応できる?
Q6.お店の強みは何?
6つの問いに対し、例えば以下のように答えたとします。
A1.野菜をたくさん食べられるカフェ飯
A2.20代~30代の女性
A3.昼食や仕事帰り
A4.1,000~1,500円
A5.食事は10種類、デザートは5種類、ドリンクは20種類
A6.栄養バランスを重視した食事を食べられる
少なくともこの程度のことが言えれぱ、コンセプトはほぼ定まったようなものです。コンセプトは店づくりの基盤になります。これを無視して思いつきでメニューを決めてしまうと、方向性がブレてしまいます。
メニューの方向性=お店の方向性ですので、ブレてしまうと何を売りにしたお店なのか分からなくなります。 大手のフランチャイズ店でしたら、お店の名前だけでお客さんが集まりますが、個人店では、その店ならではの特色のあるメニュー作りが不可欠です。
メニューはカテゴリ分けで考える
実際にメニューを決めるとなると、色々迷ってしまうのではないでしょうか。そのときは、まずカテゴリー分けをしてみてください。たくさんの料理が無秩序に記載されていると、お客さんはどれを頼めばいいのか迷ってしまいます。その迷いが続くと再来店する気持ちが萎えてしまいます。
基本のカテゴリー分けはシンプルにする
メニューはぱっと見て、分かりやすいことが理想です。そのためにはカテゴリー分けをします。例えば、居酒屋でカテゴリーに分けると次のようになります。
・揚げ物
・焼き物
・煮物
・おつまみ
・ご飯物
・デザート
・ドリンク
他にも、素材別のカテゴリー分けをするという方法もあります。イタリアンのお店では、調理方法や素材ごとに分類しているのをよく見かけます。カテゴリー分けは目新しいことをするよりも、他のお店でも使われている方法にしましょう。
そうすることで、お客さんは自分が食べたいものを見つけやすくなります。独自の分類をすると、唐揚げを頼みたいのにどこにあるのか見つけられない、ということになってしまいます。お客さんが迷わないことを第一に考えてください。
看板メニューやおすすめは別に用意する
シンプルなカテゴリー分けを行うと、看板メニューや食べてもらいたい一品が埋もれてしまう可能性があります。それを防ぐための方法としては、居酒屋などでよく使われる「本日のおすすめ」と書かれた黒板を用意するのがおすすめです。
通常のメニューとは別に、手書きで記載されていると特別感が出せます。さらに、お客さんを「これは食べておかないと」という気持ちにさせることで、追加注文をしてもらえれば客単価を上げられます。
ネーミングの重要性
コンセプトとカテゴリー分けが決まれば、次はネーミングです。ネーミングはセンスが必要だと思っている方も多いようですが、実はある程度の定型があります。それに従って作るだけで、お客さんの注文率が高まる。そんなネーミングの考え方をご紹介します。
なぜネーミングが大切なのか
お客さんの利便性を考えれば、オムライスはオムライス、ビーフカレーはビーフカレーだけのほうが良いように思えますよね。もちろん、それで通しているお店もあります。
しかし、ただ食事をするだけでなく、エンターテイメントだと考える場合には、ネーミングによるワクワク感が必須です。私たちは栄養を摂るためだけに食事をしているのではなく、美味しいものを食べたり、仲間と一緒の時間を共有するためにも食事を行うからです。
センスのいいネーミングの料理に想像力をかき立てられると、料理に対する期待感が高まります。例えば「グリーンサラダ」と「朝採れ野菜の新鮮サラダ」ですと、後者のほうが気になりますよね。どんなサラダが出てくるか話のネタにもなります。
ネーミングによって注文率が上がることもありますし、お客さんに楽しんでもらえます。その結果、「いいお店」という印象を与えることができれば、「また来よう」に繋がります。
上手なネーミングのポイント
ネーミングをするときに気をつけたいのは、ひとりよがりなネーミングにしないことです。お客さんの想像力を利用することになりますので、お客さんが理解できない言葉を使っても意味がありません。まずは分かりやすさを重視してください。
そのためのポイントは2つあります。
・五感を刺激する言葉を使う
・詳細を加える
五感を刺激する*というのは、例えば嗅覚なら「山椒香る◯◯」、触覚なら「とろける◯◯」のように、イメージしやすい擬音や単語を使ってメニューを作ります。難しい言葉は並べずに、誰にでもわかる言葉を使ってください。
もうひとつの詳細を加えるでは、「北海道利尻産◯◯」「本場鹿児島の◯◯」「自家製◯◯」といった産地や調理方法がこれにあたります。料理の特徴や情報を加えることで、お客さんの想像力を煽ることができまます。
上記のポイントはひとつ加えるだけでもいいのですが、2つの言葉を組み合わせるとより効果が増します。「本場鹿児島のふわふわさつま揚げ」と、ただの「さつま揚げ」ではまったく印象が違いますよね。言葉をたった2つ加えただけで、これくらい印象を変えることができます。
すべてに特別なネーミングをしなくていい
上記のようなネーミングは、お店の看板メニューや、どうしても食べてもらいたいものだけに付けるのがよいでしょう。すべてのメニューに付けてしまうと、目立たなくなってしまいます。元から名前が長いものや、定番メニューはそのままの名前でもかまいません。
メニューに写真を載せるかどうか
メニューを作るときに悩むのが、写真を掲載するかどうかですよね。百聞は一見にしかずと言いますが、いくら分かりやすいネーミングをしたところで、写真のほうがより伝わります。このため、フードメニューはできるだけ写真を載せましょう。
ただし、メニューが写真でうるさくならないように注意してください。例えば居酒屋で定番の枝豆や冷やしトマト、唐揚げなどは写真がなくても分かりますよね。写真があると分かりやすいのは事実ですが、情報が多すぎるのもよくありません。必要なものだけを載せるのがポイントです。
また、あえて写真を載せないという方法もあります。写真がなければお客さんは想像するしかありません。そうなると「どんな料理が出てくるのかな?」とワクワクしながら待つことになります。想像を超えた料理が出てくることで、サプライズ効果が期待できます。
このように、理由があるのであれば写真を載せないという選択肢もありますので、自店のスタイルに合わせて決めることが大切です。
客単価を意識しながらメニューの値段を考える
メニューのネーミングが決まれば、次は値段設定です。単純に原価から利益率を計算して値段を決めるのが一般的ですが、物によっては一律の値段にしてしまうのも手です。例えば、焼き鳥ではそれぞれ原価に違いはありますが、すべて一律150円にすることで、お客さんは注文しやすくなります。
また、看板メニューは、あまりに高すぎるとなかなか注文されません。かといって安くすると特別感がありません。平均的な価格よりもやや高めくらいに設定しましょう。お店のエースなわけですから、他のメニューと同列に扱う必要はありません。
また、出店する地域の客層も考えて値段付けをしてください。学生街ならできるだけ安くしなくてはいけませんし、青山や六本木のようなおしゃれな街なら客単価を高く設定しても、値段に合うものを提供すればお客さんは来てくれます。お客さんの出せる金額を意識して、メニューの値段を決めてください。
まとめ
飲食店のメニューについてご紹介してきましたが、これから開業しようという人は、自分のお店のメニューをイメージできたでしょうか。メニュー作りは決して楽ではありませんが、力を入れて行えば必ず結果に結びつきます。
気をつけたいポイントは、お客さんの立場になって考えるということです。お客さんがお店に何を期待しているのかを考え、どうすれば喜んでもらえるかを想像してみましょう。そうすればネーミングを決めるのも面白くなってくるはずです。
ただし、分かりやすいメニューであることが大前提です。お客さんが見て、欲しいものがどこにあるのか分からないカテゴリー分けやネーミングは避けてください。その上で遊び心を少し加えて、印象に残るメニュー作りを行いましょう。
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