2017年8月17日

オフィス内装工事の流れと業者の選び方

使い勝手の悪いオフィスや、明るさのないオフィスでは仕事の効率が低下して、いい仕事ができませんよね。借りたときは、とにかく予算を抑えるために居抜きのままで使ったり、費用の掛からないシンプルで無機質な内装を選んでしまいます。ところが仕事が安定してくると、もうちょっと改善すべきかなと、感じることがよくあります。 ここではそんなオフィスの内装工事について、全体の流れを紹介しつつ、内装業者の選び方や、施工における注意点などをご紹介します。

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オフィス内装の種類

【参考】https://pixabay.com/ja/レンガ-椅子-教室-空-オフィス-ルーム-テーブル-壁-2181920/

オフィスの内装を作るためにまずすべきことは、何のための内装工事なのかを明確にすることです。そんなこと当たり前だと思うかもしれませんが、内装を担当する人と会社の経営者の間で、その目的を共有したつもりになっていて、いざ工事が始まると、その食い違いが表に出て、工事が止まってしまうことがあります。

目的が明確になっていないと、設計の段階で方向性がブレてしまうこともあります。とても基本的なことですが、内装工事をする前にはきちんとした話し合いを行って、その目的がブレてしまわないよう目的の共有化を図りましょう。その目的に合わせて、次にオフィスのコンセプトを決めます。

コンセプトごとに、どのような内装にすべきかが変わってきますので、ここではコンセプトに合わせたオフィス内装の種類について説明します。

生産性重視タイプ(ミニマル系)

デザイン系の仕事をするオフィスでよく採用される内装で、余計なものを徹底して取り除きます。無駄がないことにより想像力と集中力が高められ、よりクリエイティブな仕事ができるようになります。

設備を最小限にするため、低コスト重視タイプと同じように考えられがちですが、ミニマルであることと、何も手を加えないことは違います。さらに、クリエイティブさを求めるためには、内装で使う材料の質にもこだわることになり、結果的には内装費用が高くなることもあります。

効率重視タイプ

一般的なオフィスで採用されることの多いのが、この効率重視タイプです。デザイン性などをほとんど考えずに、限られた空間でたくさんの社員が働けるように、作業机や打ち合わせ机のレイアウトを行います。

ただし、作業机を無理に配置するのではなく、1人1人の動線やパーソナルスペースも考えなくてはいけませんので、本格的に効率重視タイプの内装を行うには、経験豊かな設計者の知識が求められます。予算を抑えるために、社員がレイアウトを担当することもありますが、その結果として、ただ押し込めただけというようなオフィスになってしまいことがよくあります。

福利厚生重視タイプ

人気の高いIT企業などによく見られるのが、リフレッシュスペースや、自分の机以外で落ち着いてコーヒーなどを飲むことができるエリアを接地する福利厚生重視タイプです。社員の居心地の良さを優先してオフィスを作るため、そこで働く人の満足度が高められます。

大手のIT企業などでは、カフェや食堂をオフィス内に併設することもあります。会社に行くことに対するストレスを減らすことで、社員の離職率を下げることが期待できます。

コミュニケーション重視タイプ

社員同士の打ち合わせを頻繁に行うオフィスによく採用されるのが、コミュニケーション重視タイプです。会議室だけでなく、気軽に打ち合わせのできるスペースを確保しますので、大きなスペースが必要ですが、社員間の会話が増えるため、コミュニケーション不足でのトラブルを減らすことができます。

ただの事務机と椅子を並べるだけでなく、ポップで明るい感じの打ち合わせスペースを作ることで、よりリラックスした状態でのコミュニケーションをとることができます。このような打ち合わせスペースは社員の居心地の良さにもつながります。

自然重視タイプ(ナチュラル系)

オフィス内にグリーンや水槽といった、ナチュラルなものを配置することで、社員がリラックスして働くことができます。とても管理がたいへんですが、壁面緑化などはエコにもつながりますので、部分的に取り入れている企業が増えています。

社内にグリーンを配置することで、来客時にもセンスの良さを感じてもらったり、リラックスしたムードでの打ち合わせが可能になったりします。

低コスト重視タイプ(スケルトン系)

お金をかけずに内装工事をしてイメージを変えたいときや、これから物件に入るというときに予算に限りがあるというときに採用されるのが、スケルトン系と呼ばれる低コスト重視タイプです。壁面は打ちっぱなし、天井には配管がむき出しといったスタイルが多く、内装費用を大きく減らすことができます。

ただし、空調の効きが悪くなったり、使い勝手が悪くなったりして、結果的にまた内装工事をする可能性が高い内装でもあります。

パーテーションの役割と配置のしかた

オフィスに開放感を与えるために、あえてパーティション取り除いたオフィス内装にする企業が増えていますが、実はパーティションというのは、仕事の効率化やストレスを取り除くのに、重大な役割を果たしています。

パーティションを効率的に配置することで、人の声や視線を気にすることなく仕事に集中することができます。ここでは、そんなオフィスのパーティション配置方法について説明します。

個人が集中できるためのローパーテーション

エンジニアの作業机に使われることのおおいパーティションが、ローパーテーションと呼ばれるものです。集中して働くために周りの視線を遮りながらも、それぞれがコミュニケーションを取りやすくするためにも、完全には遮断しません。そのちょうどいい高さのローパーテーションをデスク間に設置することで、より働きやすい環境を整えます。

スペースのゾーニングをするためのパーティション

簡単な打ち合わせなどは、オープンなエリアで行うほうがいいのですが、重要な会議などを行うためには、機密性の保持も考えて、天井まで完全に区切られたパーティションで囲います。そこが何をする場所なのかを明確にすることで、仕事のメリハリを付けることもできます。

セキュリティ強化のためのパーティション

来客の多いオフィスなどでは、パーティションにより、来客が入ることができるエリアと、進入禁止となるエリアを分けることができます。暗証番号やカードキーなどで開くロック付きのドアなども設置できるため、社内のセキュリティを高めることもできます。サーバールームのような重要なエリアもパーティションで区切ることで、関係者以外の侵入を防ぐことができます。

コミュニケーションと機密性を考慮したパーティション

コミュニケーションを重視する場合は、いくつかの部署をワンフロアに配置して、部署の垣根をなくそうとすることがあります。ところが部署間の境目がはっきりしていないと、それぞれの役割分担や責任が不明確になってしまいがちです。

連携を取り合うほうがいい部署同士にはパーティションを設置せずに、総務部や人事部のような社内にも機密にしたい情報を扱っている部署は、簡単に出入りできないようにパーティションを設置します。それぞれの部署の役割を考えてパーティションを配置しましょう。

業者の選び方

内装工事のコンセプトが決まったら、業者に相談することになります。オフィスの内装工事を成功させるには、この業者の選び方がとても重要です。業者を選ぶときにまず考えるのが、次のいずれの方法で行うかということです。

・デザイン業者と工事業者を分ける
・デザインも工事も一括で請けてもらう

デザインと工事をそれぞれ別の業者に依頼するほうが、デザインにこだわった内装工事をすることができます。ただし、デザインが決まらなければ工事のお願いができませんので、完成するまでに時間がかかるという問題があります。また、工事段階になってデザインに問題が合った場合に、誰の責任でどう対処すべきかを明確にすることが難しいという問題もあります。

そこまでデザインにこだわらないというのであれば、デザインも工事も一括で請けてくれる業者を選びましょう。デザインの開始から工事完了までの時間が短くなり、トータルコストも考えた設計をしてもらえますので、予算オーバーしにくいというメリットもあります。工事中のトラブルへの対応もスムーズに行うことができます。

業者を選ぶときに、もうひとつ重視したいのが、これまでの施工実績です。基本的には、複数の業者に対して相見積もりをすることになりますが、ここで出てきた見積もりに対して、安さだけで選ぶと、思ったような仕上がりにならなかったり、追加工事が発生して、結果的に予算オーバーしてしまったりというようなことがあります。

相見積もりをとったら、価格だけではなく過去の実績もしっかりと加味して、最適な業者を選ぶようにしましょう。実績のない業者ほど、価格競争で仕事を取ろうとします。もちろん、実績がなくてもいい仕事をする業者もあります。自宅のリフォームであれば、そういう業者に依頼するのもいいのですが、オフィスの内装工事ですので、確実に仕上げてくれる業者を選びましょう。

実績に関しては、ホームページで確認するだけでなく、実際に手掛けた内装工事の写真を業者に直接見せてもらいましょう。

デザインと工事を一括で依頼でき、なおかつ実績がしっかりしていることを確認できたら、最後は、信頼できる業者かという面をチェックしましょう。見積り依頼や相談も含めて、気持ちよく進めることができていれば、その業者で問題ありませんが、質問に対して濁すような回答をしたり、上から目線で話をしてくる業者は避けるようにしましょう。

施工内容

業者選びの際には、業者に見積もりを出してもらうことになります。その見積価格が適正であるかの判断をするには、見積の内訳となる施工内容について知っておく必要があります。ここでは、どのような施工をおこなうのかについて、簡単に説明します。

仮設工事

内装工事を行う前の準備段階の工事です。床や壁などの養生を行ったり、天井工事をするための足場を組んだりします。

軽鉄工事

事務所の壁や天井の下地となる骨組みを設置する工事です。軽鉄と呼ばれる鉄の部材で、壁に貼るプラスターボードの下地を作ります。

内装工事

壁や天井、そして床面の仕上げ工事です。軽鉄工事で作った壁面にパネルを設置したり、床面にタイルカーペットなどを敷いたりしてオフィス空間を作り上げます。箱としてのオフィスはこの内装工事で完成です。

建具工事

箱としてのオフィスは内装工事で完成しますが、これではまだ業務ができる環境にはなっていません。扉や窓などの建具を取り付けることで、オフィス空間への出入りができるようにするのが建具工事です。

パーティション工事

パーティション工事は、稼働させることのできるパーティションを設置します。軽鉄工事で設置するパーティションは、動かすことのできない壁ですが、ここで設置するパーティションは、今後のレイアウト変更にも対応することができます。

電気設備工事

オフィスには電気を通さなければ、パソコンや電話が使えません。電線だけでなく、LANケーブルや電話線なども配線するのが電気設備工事です。また、コンセントや照明の設置も電気設備工事に含まれています。

空調換気設備工事

エアコンや換気扇などの設備の取り付けと、それらの設備における配管工事を行います。設備の取り付け後の試運転までが空調換気設備工事に含まれます。

消防設備工事

オフィスには法令で定められた消防設備を設置しなくてはいけません。煙感知器やスプリンクラーだけでなく、消化器なども含めて、火事が起きたときの対応ができるように、消防署と協議を進めながら工事内容を決めます。

サイン工事

看板の設置工事です。ビルなどのオフィスでは、エントランス部に会社の名前やロゴを入れたりすることで、来訪者が分かりやすいようなサインを設置します。

施工費用を抑える方法

代表的な工事内容を紹介してきましたが、内装工事といってもこのように、たくさんの作業があるため、施工費用は決して安いものではありません。できることなら施工費用は抑えて、内装工事を行いたいというのが、経営者の希望ですよね。ここではそんな内装工事の施工費用を抑える方法についてご紹介します。

コストの低い部材を利用する

もし、オフィス内装の目的として、デザイン性を重視しないのであれば、できるだけコストの低い部材を利用しましょう。例えば壁面のパーティションには防音性がとても高いものや、光を取り入れるためにガラス張り仕様のものがありますが、これらはコストアップにつながります。施工費用を抑えたいのであれば、シンプルなアルミパーテーションを利用しましょう。

壁面以外も特注品を使わずに、できるだけ市販品の中から安いものを選ぶようにしましょう。ただし、安さにばかりこだわると、質が下がりますので安っぽいオフィスに仕上がってしまいます。見せる部分だけでも高品質なものを使うなどのメリハリを持たせましょう。

棚や机などはメーカーから直接購入する

棚や机などのオフィスに必須の設備は、内装工事業者に依頼せずに自分たちで直接購入してください。内装工事業者に依頼すると管理費が発生するだけでなく、値引き交渉などもそれほど時間をかけて行うこともありませんので、どうしても割高になります。

ただし、センスのない人が購入すると、せっかくこだわった内装を台なしにしてしまうこともあります。それを回避するために、選定までを内装工事業者に依頼して、購入は自分たちで行うようにしましょう。

複数の業者に対して見積もりを依頼する

内装工事は定価があるわけではありませんので、施工業者の言い値で依頼することになります。価格相場を知っていれば、「高すぎる」のような交渉をすることができますが、知識がまったくない場合には、出てきた見積もりの金額が適正なものなのかわかりません。このため、見積り依頼は複数の業者に対して依頼しましょう。

相見積もりの状態にすることで、それぞれが必要以上に高い金額を提示するリスクを避けることができます。ほとんどのケースで相場よりも安い価格を提示してもらえますので、オフィス工事の施工費用を大幅に減らすことができます。

予算を明確にして追加作業をさせない

会社で用意できる予算の上限を伝えることも、予算オーバーさせないためのコツのひとつです。見積もりで出してもらった金額に対して、それを少し上回るくらいの予算を限度額にして、「これ以上は出すことができない」と伝えて、追加の作業を発生させないようにしましょう。

予算を明確にしていないと、デザイン会社は様々な魅力的な提案をしてくるため、ついつい「お願いします」と言ってしまいます。その結果、見積金額を大幅に超えてしまうことがありますので気をつけてください。

オフィス内装工事の注意点

オフィスの内装工事について、その概要が見えてきたかと思います。最後に、工事中にトラブルを発生させないための、オフィス内装工事の注意点についてご紹介しておきます。

内装工事は原状回復も考えて行う

予算に余裕があると、かなり手の込んだ内装工事まで行うことができます。ところが、賃貸物件の場合は、退去するときには原状回復を行わなくてはいけないため、内装工事で手を加えすぎると、原状回復の費用も大きなものになってしまいます。内装工事を行うときには、必ず原状回復についても意識して行うようにしましょう。

内装工事は定期的にチェックを行う

内装工事を依頼している間も会社の仕事がある場合は、そちらが忙しくて、内装工事を施工業者に任せっきりになってしまうことがあります。その結果、仕上がったものがイメージと違うということがよくあります。施工途中であればあまりお金をかけずに直すことができたものも、完成した後ですと修正にかなりの費用が発生することもあります。

どんなに忙しくても定期的に現場のチェックを行うようにしましょう。また現場の責任者とはこまめに連絡を取り合って、何かトラブルが発生したときには、すぐに連絡をしてもらえるような関係を構築しておきましょう。

工期が遅れた場合の取り決めをしておく

オフィス内装の工事ですので、工事をしている期間中はそのオフィスを使うことができない、もしくは、使用に制限が出てしまいます。このため、工事が遅れると会社としては、大きな損失が発生してしまいます。契約書には工期の遅れについて、そのときの違約金についてもきちんと取り決めをして記載しておきましょう。

アフターケアについて取り決めをしておく

オフィス工事が完了して、引き渡しをした後に問題が発覚するようなことが多々あります。そのような場合は、誰の責任で直すのかについて、契約時に必ず取り決めをしておきましょう。取り決めをしておかないと、「引き渡し後に起こったことは知らない」と突っぱねられることもあります。業者を選ぶときにはアフターケアをしっかり考えている業者を選ぶことも忘れないようにしましょう。

まとめ

オフィス内装工事の流れと、業者選びのポイントを中心にご紹介してきましたが、おおまかな全体像はつかめたでしょうか。オフィス内装工事を成功させるために重要なのは、内装工事の目的を明確にすることと、そのためのコンセプトづくりです。これらがしっかりできていれば、あとはそれほど難しいことはありません。

個性的な凝ったデザインを求めているのでなければ、業者はデザインと工事の両方をまとめて依頼できる業者を選びましょう。担当者が1人ですので、コミュニケーションも取りやすく、スムーズに内装工事を完了させることができます。

施工費用をできるだけ抑えるためには、見えない場所の部材を安いものにするなど、部材のコストダウンを図り、自分たちで購入できるものは自分たちで買い揃えるなどの、小さなコストダウンも行いましょう。そのうえで業者選びをするときに、相見積もりにすることで相場よりも低めの金額で発注することが可能です。

ここで紹介した、オフィス内装工事の注意点などもしっかりと頭に入れておけば、満足度が高い内装工事が可能です。頭に入れておくことがたくさんありますが、何度も読み直して、いいオフィスづくりを実現してください。

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