2018年6月6日

居酒屋の開業で失敗しないための立地条件

これから居酒屋の開業を考えている方、独立して自分のお店を持とうとしている方にどうしても知っておいてもらいたいことがあります。それは居酒屋を開業する際の「立地」です。そんなこと分かってるよ。と言う方でも、意外とその重要性を理解していないことがあります。ここでは居酒屋の開業で失敗しないためには、どこに開業したらいいのかご紹介しています。

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居酒屋におけるコンセプトの重要性

居酒屋

すでに開業の計画を立てている人は、どこにどんなお店を開業するかある程度はイメージがあると思います。ただ、どこに開業するかという点に関しては、最寄り駅の駅前、できれば一等地といった漠然とした感じなのではないでしょうか。

物件を選んだ理由も、人の流れが多い、駅から近いからという理由が多く挙げられます。しかし、居酒屋の開業で成功するには、緻密な立地選びをする必要があります。そして、立地選びのために重要なのがコンセプト作りです。

居酒屋で人気店になるには、人の流れが多い場所に開業すればいいというものではなく、お店のコンセプトに合った場所に開業しなくてはいけません。例えば隠れ家風の居酒屋なのに、新宿歌舞伎町のど真ん中にあったらおかしいですよね。高級住宅街に安価の立ち飲み屋があっても、集客に苦労するのが容易に想像できるかと思います。

コンセプトの決め方

このように、お店のコンセプトに合ったところに開業しなければ、客数が伸びずに早期撤退を余儀なくされてしまいます。そうならないためのコンセプト作りです。まずは、次の5点を書き出してみてください。

・いつ(When)
・どこで(Where)
・誰が(Who)
・何を(What)
・どのように(How)

よく言われるビジネスの基本となる「5W1H」を決めてください。この5点に加えて、さらに次の2点についても決めてください。

・いくらで(How much)
・誰に(Whom)

これらを合わせて「6W2H」と呼びます。コンサルタントによってはさらに「どれを(Which)」を加えて「7W2H」とすることもあります。大切なのはそれぞれの内容ではなく、決めていく順番です。「6W2H」もしくは「7W2H」の項目は独立したものではなく、それぞれが関係し合っていますので、順番を間違えるとただ書き出しただけになってしまいます。

「いつ」「誰が」の2点はすでに決まっているかと思います。開業時期やアルバイトは雇うのかなどは、具体的でなくてもある程度のイメージは固まっていますよね。このため次に決めるのは「誰に提供するか」です。これについては後ほど詳しく説明します。

誰に提供するのか決まったら、下記の3点について検討しましょう。

・何を(What):どのようなメニューを出すのか
・どのように(How):お店の雰囲気はどうするのか
・いくらで(How much):客単価をいくらに設定するのか

誰向けのお店にするのかが決まれば、お店のスタイルやメニューの内容、そして客単価が決められるはずです。ただし、客単価は立地条件とも関係しますので、この段階では仮で構いません。ここまで決まった段階で、ようやく立地をどうするか考えます。

どのようなお客様がターゲットになるのか

立地をどうやって選ぶかについて説明をする前に、ターゲットとなるお客様の決め方について説明しておきます。立地を選ぶ際にこのターゲットが重要になるからです。

個人経営の居酒屋で成功するには、熱烈なファンを作ることが不可欠です。そのためには他のお店にはない尖った部分が求められます。その尖った部分を嫌がる方もいますが、嫌がる方たちまでも取り込もうとすると平凡なお店になってしまいます。

・性別
・年齢
・収入

まず、ターゲットとなるお客様のステータスを書き出してみましょう。お客様として来店してもらいたいのは男性なのか女性なのか。年齢は若い人?それとも30~40代?はたまたもっと上の年齢層なのか。さらに、高所得者を狙うのかそれとも一般的な収入の層を狙うのか。

少なくともこれくらいのことは決めておきましょう。絞り込みすぎるとその後のコンセプト作りや立地選びの選択肢がなくなってしまいます。「20代男性で適度な収入がある人」これくらいのざっくりとした決め方で構いません。これだけの方針でも、お店づくりでは1本の大きな軸になります。

エリア(立地)ごとに様々な特徴がある

どのような人をターゲットにするのかが決まると、ようやくここで立地選びができます。立地にはそれぞれに特徴があり、居酒屋に向いている場所とそうでない場所があります。エリアごとの特徴とどのようなお店が向いているのか見ていきましょう。

駅前・繁華街

居酒屋の開業を考えたとき、ほとんどの人が駅前の繁華街をイメージするのではないでしょうか。駅前の繁華街は最も開業に適していますが、それだけライバルとなる店も多いという問題があります。また、家賃も高いところが多いため十分な運転資金を用意するか、早期で経営を軌道に乗せなくてはいけません。

駅前の繁華街で成功するには、他のお店にはない強烈な個性が必須です。全室個室にして高級感を謳ったり、そのお店でしか食べられないメニューを用意したりするなど、他店とは違う強みを用意できるのであれば、おすすめの立地のひとつです。

ビジネス街

ビジネス街は駅前の繁華街と並んで、安定したお客様を確保できる立地です。ただし、土日など会社が休みのときは人の流れが止まってしまいます。さらに、夜も終電時間が近くなると閑散としてしまうため、定時終わりから終電までの短い時間で稼ぐことになります。

繫華街と同じく家賃は高めに設定されていますので、ランチ営業をするなど売上の確保が必須です。大きく儲けるには営業時間に工夫がいる立地だと考えてください。

国道沿い

居酒屋として成立しにくいのが国道沿いです。車を使ってのアクセスが基本ですので、本来は飲食店の立地としては不向きとされてます。ところが、代行業者を利用するのが当たり前になっている地域では、国道沿いの居酒屋は意外と地元に重宝されるお店になれます。

駐車場を完備することと、家族連れでも来店ができるお店づくりを心がければ、ライバルが少ないため人気店になれる可能性がある立地です。

住宅街

住宅街は、人の流れがあるからお客様を確保しやすいと思っている人もいるかもしれませんが、居酒屋としては集客が難しい立地です。家の近くまで帰ってくれば、ほとんどの人が自宅でお酒を飲んでしまいます。また、近隣が住宅のため夜遅くまで騒がしいと苦情がくるかもしれません。

住宅街で居酒屋を開業する場合には、定食メニューなどを充実させて、あまり遅くまで営業しないお酒も飲める定食屋さんというコンセプトがおすすめです。

学生街

学生街は安定したお客様の来店を期待できる立地です。ただし、客単価は大幅に下げなくてはいけません。飲み放題は必ず用意し、薄利多売というスタイルになります。2時間制のように時間を区切って、回転を早くする工夫も必要になってきます。

この場所で一番悩ましいのがライバル店の存在です。学生街にはすでに多くの格安店がありますので、新規参入のときは、それらのお店に対して価格以外の違いをアピールしなくてはいけません。

海岸線沿い

海岸線沿いの居酒屋は季節で利益の差が大きいことが難点です。ライバル店は少ないですし、都市部の海岸線沿いでもないかぎり家賃もそれほど高くありません。しかし、冬になると客足が大幅に減る傾向にあります。夏にしっかり稼いで、冬はほそぼそとやっていくケースがほとんどです。

裏通り

駅前や住宅街の裏通りでの開業は、ハイリスク・ハイリターンといわれている立地です。人の流れが少ないため、家賃はかなり低めに設定されています。さらにライバル店もほとんどいません。

ただし、店舗の存在に気づいてもらうための宣伝が必要になります。隠れ家風居酒屋に適している立地といっても、本当に隠れてしまっては1年も経たずに撤退することになってしまいます。きちんとした経営戦略を立てられないのであれば、ここの立地は避けましょう。

出店エリアの調査

ここまでの説明で、出店エリアごとの特徴を理解できたかと思います。あとは開業する店舗のコンセプトと照らし合わせ、立地を絞っていけばいいだけなのですが、ひとつだけ注意してもらいたいことがあります。

それは必ず自分の足で出店エリアの調査をするということです。専門の会社に依頼する方法もありますが、それでは高額の費用がかかってしまいます。開業資金だけでもかなりの費用がかかりますので、自分で現地の調査をしてみましょう。

出店候補地の周辺を歩いてみるときは、まず人の流れを確認します。時間ごとにどのような人が歩いているのかをチェックし、ライバルになりそうなお店にはどのような流れで人が入っていくのか調べてみてください。実際にライバル店に入ってみるのも勉強になります。

店内の雰囲気が自分の出す店舗と似たコンセプトだった場合、立地を替えるかコンセプトを練り直す必要があります。そのように周辺の店舗に行って、ここなら大丈夫だと思ったところで開業準備を始めましょう。

まとめ

開業する方は居酒屋で成功するには立地選びが重要、というのは耳にタコが出来るくらい聞いているかと思います。立地選びに正解はありません。最適な立地はお店のコンセプトによってまったく違いますので、立地選びをするためにはしっかり固めましょう。

ターゲットとなる客層などが固まったら、それを活かせる場所を絞り込んでください。きちんと自分の目で見て、自分の足で歩いて現地の調査を行いましょう。事前調査を行うことで、開業してまったくお客様が来ないということは避けられるはずです。

立地選びは重要ですが、その核となるのがコンセプト作りだということをしっかり頭に入れて、開業準備を進めていきましょう。

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