2018年6月8日

居酒屋を開業するための資金の用途や調達方法

居酒屋を開業するには多額の費用がかかります。ここでは開業する際の費用の内訳と、自己資金で補えないときの資金調達の方法を説明しています。また、資金調達で融資を受けることになったとき、審査を有利に進めるためのポイントも紹介しています。

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居酒屋の開業にかかる費用

居酒屋
居酒屋の開業では、いくら費用がかかるのか気になる方は多いはずです。
開業時の費用として、物件取得と店舗投資の2点が挙げられます。開業時に一体いくら用意すればいいのか見ていきましょう。

物件取得するための費用

居酒屋などの飲食店に限ったことではありませんが、店舗の開業には物件が必要です。そのため、物件を取得するための費用がかかります。毎月の家賃も気になるところですが、店舗の場合は保証金(敷金)に注意しなくてはいけません。

自宅用のマンションやアパートであれば敷金は家賃の2~3ヶ月が相場ですが、店舗用の物件では保証金が6~12ヶ月程度で設定されているため、開業前にまとまった費用が要ります。その他に礼金や仲介手数料、前家賃がかかります。居抜き物件では内装や設備を譲り受けるために、造作譲渡費を支払うこともあります。

店舗投資のための費用

物件を取得できたら、ご自身の理想の店舗を作るための内装や外装工事費、備品や厨房設備を揃えていきます。厨房設備費は内装工事費の中で大部分を占める項目です。

設備がすぐに使える状態の居抜き物件であれば、初期費用を大幅に抑えることが可能です。店舗投資と考えられる費用の中には、看板施工費やクリーニング費、宣伝広告費や人材採用費などがあります。

居酒屋の開業にかかる総額

物件の費用は保証金によって差が出てきます。家賃が20万円とすると、保証金だけで200万円前後かかります。それに加えて、仲介手数料や前家賃、火災保険料も必要になりますので安く見積もっても250万円程度になります。

内装はグレードなどで費用は異なりますが、店舗1坪あたり30~50万円が相場であるため、30~50万円×物件の坪数が開業費用の目安と言えます。仮に20坪では600万円以上かかる計算のため、物件取得費+内装工事費=850万円かかります。居酒屋を開業するには他にも様々な費用を用意しなくてはいけません。

設備がそのまま使える居抜き物件を選ぶと、初期費用を抑えることにつながります。しかし、前店舗が居酒屋やレストランではなく美容院などの他の業態だったときは、設備が異なるため新たな設備を導入することなります。

そうした結果、一から店舗を造り上げるスケルトン物件と費用が変わらなくなってしまうことも珍しくありません。居抜き物件を選ぶ際は、前の店舗の業態と設備の動作を必ず確認しましょう。

居酒屋の開業にかかる費用の調達方法

居酒屋の開業には、物件の取得に関する費用や店舗投資の費用など、多くの資金を確保しておく必要があります。
ご自身で資金を全額まかなえる場合を除き、融資などで資金を準備することになりますので、まずは資金調達の方法をご紹介します。

日本政策金融公庫の融資制度を利用する

日本政策金融公庫は、店舗開業の資金調達でよく利用される方法です。その中でも中小企業経営強力化資金にはいくつかのメリットがあります。

日本政策金融公庫の融資には、「中小企業経営強力化資金」と同じくらい利用される新創業融資制度というものがありますが、これと比較すると約1%利率が低くなっています。

さらに、本人が金融機関に行かなくても融資を受けられるのも特徴です。居酒屋の開業に向けて仕入れ先やメニューの選定、工事の進行状況を見に行っていると、金融機関に行く時間がないという方は多いのではないでしょうか。

「中小企業経営強力化資金」では、認定経営革新等の支援機関があるおかげで、専門家に審査の代行を依頼することもできます。そのため、金融機関に行く時間を自店の開業の準備に充てられます。

中小企業経営強力化資金で融資を受けるメリット

融資を受けるには、金融機関の融資担当との面談があります。面談と聞くと緊張してしまうかもしれませんが、認定支援機関の事務所で専門家が同席しての面談なので、話を有利に進めることができます。事前に本番と同じ場所で練習できたり、適切な回答のアドバイスをもらえるなど、落ち着いて面談に臨めさる体制が整っています。

「中小企業経営強力化資金」の最大のメリットは、無担保・無保証で融資を受けられることです。一般的に融資を受けるときは、担保や保証人が必要なところがほとんどですので、保証人がいなくて融資が受けられないという事態を避けられます。

「中小企業経営強力化資金」を利用するためには、実力のある専門家を付けることです。資金調達の実績があることに加え、知識が深い専門家を選ぶことをおすすめします。

補助金や助成金を利用する

居酒屋をはじめ、飲食店の資金調達には補助金や助成金がよく利用されます。たとえば、創業補助金やキャリアアップ助成金などです。

飲食店は創業補助金の審査が通りやすいため特におすすめです。ただし、キャリアアップ助成金は独立開業後1年経過していないと利用できないため、開業資金に充てることはできません。しかし、開業後の資金調達には非常に役立ちますので覚えておきましょう。

地方銀行・信用金庫の融資制度を利用する

飲食業界に限らず多くの業界では、地方銀行や信用金庫の融資制度が利用されていますが、融資を受けるまでのスピードが遅いので開業前の資金調達には不向きです。

融資を受けるため5・6回は市区町村に足を運び、都度書類の提出をすることになるため、開業前の準備に充てる時間がなくなる懸念があります。また、飲食店の融資は営業許可書が発行されていることが条件というところが多い傾向です。

営業許可書は内装工事などを終えて、営業できる状態なったときに発行されるもののため開業前の調達が難しいといえます。

家族や親族から資金を募る

家族や親族から借りたお金は、ご自身の資産に加算される可能性があり、金融機関などのような審査もありません。家族や親族からお金を借りる、という資金調達を考える方は多いようです。

そうはいっても、お金は血のつながりがあってもトラブルの原因になりやすいものです。返済義務の有無や返済する場合の利子について、最初にはっきりさせておくことが非常に重要になります。

友人や常連のお客様から資金を募る

人脈やネットワークがしっかりしている方の中には、友人から資金を募る方もいます。開業に協力してくれる知人がいる、常連のお客様から資金を募る方もいらっしゃいます。

これらの方法は家族や親族からお金を借りるのと一見同じに思えますが、出資者の身元確認や贈与計画書の作成が必須です。また、友人などから借りたお金を見せ金として利用し、一時的に資金を多く見せて審査が下りたらすぐに返金する方がいます。

この方法は実際の運転資金が審査時より少ないため、店舗が潰れるリスクが高くなります。最近では金融機関が親族以外から借りた際、このお金が本当に開業資金に利用されるのかを厳しくチェックするようになりました。

融資を受けやすくするためのポイント

開業のための資金調達で考えられる方法をいくつかご紹介しました。日本政策金融公庫の融資は利率の低さや無担保・無保証のメリットがありますが、開業資金の全てを融資でまかなおうとすると、独立開業の熱意を疑われてしまい、審査に響く恐れがあります。これは日本政策金融公庫以外でも共通します。少しでも補助金や助成金、融資の審査を有利に進めるためには、開業資金の最低20%は自己負担しましょう。

面談では返済能力も確認されます。融資を受けたい額が適切に算出されたものであれば、金銭管理能力もあるだろうと判断されるため、開業資金の内訳や金額を明確にしておかなくてはいけません。

開業資金が調達できた後の回収計画も立てることで、開業後にどれくらいの利益を出さなくてはいけないのか、売り上げを出すためにはどのように居酒屋を運営していくべきなのかを考える上でも役立ちます。

資金の回収計画を立てるときは、回収にかかる年数に見当をつけることも大切です。初めに、調達した資本が当期経営利益の何割を占めるのかを意味するROI(投下資本利益率)を求めます。1÷ROIで出た数字が回収にかかる年数の目安ですので、回収計画の年数と剥離がないか確認してみてください。

まとめ

居酒屋の開業時に必要な資金や資金調達の方法をご紹介しました。居酒屋を開業する際には物件の取得と店舗への投資が不可欠で、1坪あたり30~50万円×坪数の費用が開業時にかかるとされています。内装のグレードや工事内容によって価格が異なること、店舗用物件の敷金は住宅用マンションなどと比較すると倍以上違くなることを覚えておきましょう。

居酒屋には欠かせない厨房設備も、新品で用意すると初期費用が高くなってしまいます。設備や機器が使える状態にある居抜き物件を利用することで、厨房設備分の金額を大幅に抑えることができます。

開業費用は全てご自身でまかなうことは難しく、資金調達を利用するケースがほとんどです。開業資金の調達におすすめの方法として、日本政策金融公庫の融資制度が挙げられます。開業後はキャリアアップ助成金も活用できます。

金融機関の審査を有利に進めるためには、最低20%の自己資金を開業資金に充てること、資金の用途が明確であることに加え、回収計画もしっかり立てられていることも重要です。資金の用途、売り上げ計画などを綿密に考えて、無理のない返済計画で開業準備を行いましょう。

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