2022年1月19日

エコキュートの寿命はパーツによって違う!たまのお手入れで寿命を延ばすコツ

エコキュートの寿命は約10~15年と言われていますが、定期的なお手入れや部品の交換を行っているかどうかによって寿命が変わってきます。また、使用方法や使用環境によっても寿命は左右されます。ここでは、エコキュートの部品ごとの寿命の目安だけでなく、寿命を短くする環境や使い方、長く使うためのポイントなどをご紹介します。

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エコキュートの寿命(耐用年数)とは

エコキュート

エコキュートに限らず、ほとんどの生活機器には、利用に耐えられる期間に限りがあります。この期間のことを耐用年数寿命と呼びます。

実際にエコキュートを使用していると、耐用年数よりも前に壊れることもありますし、反対に耐用年数を超えて使い続けられる場合もあります。使用状況は家庭によっても違いますので、平均的に壊れる期間だと考えてください。

エコキュートは給湯だけでなく、部屋の暖房をまかなうこともできるため、使えなくなると不便な設備です。突然使えなくなるという事態を避けるためにも、エコキュートの耐用年数や部品の交換目安を把握しておく必要があります。

エコキュートの寿命は10年~15年

エコキュートは2007年に販売されたので、寿命に関する正確なデータは十分とはいえないところがあります。一般的な電気温水器の平均耐用年数やメーカーの取扱説明書の部品の交換目安などから判断すると、およそ10~15年の耐用年数といわれています。

エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットから構成されており、貯湯タンクは10~15年くらい使えると言われていますが、ヒートポンプユニットは壊れやすく、使い始めてから5年が経過すると不備が起こることがあります。耐用年数の10~15年が経つと、さらに故障の確率が上がります。

耐用年数前にエコキュートが故障した場合で、メーカーがエコキュートの部品の製造を終了し、在庫がないと本体を買い替えるしかありません。一方、部品の交換時期の目安に合わせて部品のメンテナンスをこまめに行っていれば、15年経過しても使用可能なことがあります。

エコキュートの貯湯タンクの寿命

比較的長持ちする貯湯タンクではありますが、部品を交換目安の時期に合わせて交換しなければ、寿命は短くなります。 そこで、貯湯タンクの水回路で使われる部品の交換時期の目安について見ていきましょう。

エコキュートは業務用と家庭用で寿命が異なりますが、ここでは家庭用の寿命をご紹介します。また、寿命が時間で表記されているものは、1年間で4400時間稼働(1日12時間計算)していると仮定しています。

水回路は減圧弁、逃し弁、給湯ポンプ、流量調整弁、給湯熱交換器で構成されています。減圧弁は水の圧力を下げるための部品、逃し弁は最大になった圧力を逃すための部品、給湯ポンプはエコキュートで作られたお湯を蛇口や浴槽まで運ぶためのポンプ、流量調整弁は浴槽にお湯を張っている時にお湯の量を調整するための部品、給湯熱交換器は冷媒の熱でお湯を暖めている部品です。

これらの部品の寿命を考えると、貯水タンクは10~15年で寿命となります。

エコキュートのヒートポンプの寿命

エコキュート

ヒートポンプユニットは多くの部品から構成されています。それぞれ寿命が異なりますので、構成部品の寿命について見ていきましょう。こちらで紹介する寿命も家庭用のもので計算しており、時間表記は1年間で4400時間(1日12時間計算)の稼働を仮定しています。

冷却回路の部品の寿命

冷媒の通り道となる冷却回路は圧縮機と電動膨張弁で構成されています。圧縮機は冷媒の温度をコントロールする機械で、電動膨張弁は冷媒を減圧させて低温低圧にするための機械です。圧縮機で10年前後、電動膨張弁で15年が寿命の目安です。

水回路の部品の寿命

ヒートポンプユニットの水回路は、循環ポンプ、凍結防止切替弁、流量センサーで構成されています。循環ポンプはヒートポンプ内の水を循環させるポンプ、凍結防止切替弁はエコキュートで使われる部品の凍結を防ぐための弁、流量センサーは水が流れた量を測定するための部品のことです。

循環ポンプは7年前後、凍結防止切替弁と流量センサーは7年半が寿命の目安です。

送風機の部品の寿命

送風機には熱を外に逃がすためのファンモーターが使われています。
ファンモーターは7年前後が寿命の目安です。

電気回路の部品の寿命

電気の通り道となる電気回路は、インバーターとパワーモジュールで構成されています。インバーターはモーターの回転数を調整する部品、パワーモジュールは電力を調整するための部品です。

インバーターは12年、パワーモジュールは7年半が寿命の目安です。

エコキュートを交換する目安

エコキュート

エコキュートの寿命の目安が分かっても、突然調子が悪いと感じることもあるでしょう。エコキュートの寿命による不調の症状が分かれば、修理で対応可能なのか交換した方が良いのかが分かります。

たとえば、足し湯をしても水しか出ないというのが挙げられます。基盤の経年劣化が原因で起こる症状のひとつと言われています。足し湯とは、お風呂を沸かしてから時間が経過して冷めたお湯を暖め直す方法の一つです。追い炊きよりも足し湯の方が節電になるため、足し湯の活用がおすすめされています。

また、設定したお湯の量になってもお湯張りが止まらないというものもあります。お湯張りの様子を確認していないと、浴槽からあふれるくらい給湯されていても気づかない可能性があり、水道代や光熱費がもったいないです。エコキュートの設定の間違いなどがなければ、エコキュートに不具合があると考えられます。

その他にも、貯湯タンクから水やお湯が漏れやすくなります。貯湯タンクも経年劣化で部品に不備が起きれば、水やお湯を貯められなくなります。
エコキュートに異常があれば、リモコンにエラーコード表示されますので、説明書を確認し、エラーの解消法を行ってください。それでも解消されない時は、寿命の可能性が高いので買い替えを考えましょう。

エコキュートの耐用年数を短くしてしまう行動

これまでエコキュートの耐用年数や部品の交換時期の目安についてご紹介しました。部品の交換時期に交換を行うなど、こまめなメンテナンスが寿命最大限までエコキュートを使うためには重要ですが、使い方や使用環境によっては寿命が短くなります。エコキュートの寿命が早まりやすい使い方や環境についてご紹介します。

使ってはいけない入浴剤を使用する

エコキュートの説明書にも入浴剤の使用を禁止する記載があるなど、入浴剤はエコキュートの寿命を早める恐れがあります。にごりタイプの入浴剤や硫黄・酸・アルカリ・塩分を含んだ入浴剤、ミルク成分を含んだとろみ系の入浴剤や炭酸カルシウムを含んでにごり湯を作る入浴剤などは、エコキュートに悪影響を及ぼす可能性があります。

粉末タイプの入浴剤や、薬草やゆず、茎などの固形物の他、成分が不明な入浴剤も使用しないことをおすすめします。ただし、メーカーや商品によって使用できない入浴剤は異なるため、必ず説明書でも確認し、メーカー推奨の入浴剤を使用しましょう。

すべての入浴剤がNGというわけではなく、メーカー推奨の入浴剤なら問題なく使えます。もし使用できるかどうかの判断が難しいときには、メーカーに問い合わせして確認した上で使用すると安心です。

ちなみにエコキュートとしては使用できても、追い焚きには使用不可になっていることがあります。追い焚き機能はお湯を循環させるため、目詰まりを発生させることがあるためです。追い焚き機能のあるエコキュートを使っている人は、この点も確認しておきましょう。

エコキュートと相性の悪い水質の水を使用する

温泉水や地下水、井戸水や硬水などはエコキュートの寿命を短くする可能性があり、メーカーも通常の寿命は保証していません。水質が原因の故障は無料保証の対象外ですので、これらの水質の水を使っている地域にお住まいの方は、予め有料延長保証に加入しておくことをおすすめします。

ただし、地下水や井戸水に対応可能なエコキュートもあり、これらを地下水や井戸水が使われている地域で使用しても、メーカー保証を受けることができます。地下水や井戸水が使われている地域にお住まいの方は、地下水や井戸水に対応しているエコキュートを選びましょう。

塩害地や寒冷地でエコキュートを使用する

塩害地でエコキュートを使用すると、潮風の影響でサビが発生しやすくなります。寒冷地では部品の凍結などの故障が発生しやすいです。部品の不備はエコキュート全体の寿命に影響を及ぼします。

サビに強い商品や-10℃以下まで耐えられる商品もありますので、塩害地や寒冷地にお住まいの方は、耐塩害仕様や寒冷地向けの商品を選びましょう。

日々の掃除を怠ってしまう

エコキュートの寿命を縮める原因として、もうひとつ重要なのが日頃のメンテナンス不足です。メンテナンス方法については次章で詳しく説明しますが、貯湯タンクなどは室外にあることもあって、まったくメンテナンスされずに使い続ける人も多いようです。

フルオートのエコキュートの場合、自動配管洗浄機能があるため、メンテナンスフリーだと思っている人もいるようですが、お手入れが不要なのは風呂配管だけで、エコキュート本体の水抜きなどは自分で行う必要があります。これらを怠ると、エコキュートは耐用年数よりも短い期間で壊れてしまうこともあります。

エコキュートのメンテナンス方法

エコキュート

エコキュートは使い方や使用する環境で寿命は変動しますが、部品の交換時期が来る前のこまめにお手入れは、長くお使いいただくためには欠かせません。そこで、エコキュートの部品ごとにお手入れのコツをご紹介します。

貯湯タンクのお手入れについて

貯湯タンク内の水を放っておくと、水道水の中の不純物がタンクの底に沈殿し、ゴミや湯ドロとして使用するお湯に混ざります。ステンレス製のエコキュートの貯湯タンクは電気温水器と比較すると雑菌は繁殖しにくいですが、年に2・3回はタンク内の水抜きをすることで、清潔なお湯をお使いいただけます。

まず、貯湯タンク下部のカバーを取り外して給水配管用の水栓を閉めます。貯湯タンク上部の逃し弁カバーを開けて手前に倒してから、貯蔵タンク下部の排水栓を1・2分開けておきます。

排水ホッパーが設置されている場合は、排水栓を開けている最中に水があふれないように注意してください。排水栓を閉じたら給水配管用の水栓を開け、排水口から水が出ることを確認したら逃し弁のレバーを元に戻してください。

排水時にお湯を触るとやけどの恐れがあるため、排水時は触れないようにしてください。メーカーや商品によって操作方法が異なる場合がありますので、説明書で確認してから水抜きを行いましょう。

何年もタンク内の水抜きをしていないと、先にご紹介した水抜きだけではタンク内を清潔にすることは難しいです。タンク内が汚れていると、お湯にゴミが混じりやすくなります。 タンクのメンテナンスは、メーカーや専門業者に依頼することをおすすめします。タンクを綺麗にしてもらった後は、ご自身でもこまめに水抜きを行いましょう。

ヒートポンプユニットのお手入れについて

ヒートポンプ内の水を年に2・3回抜くこともヒートポンプを長く使うためには必要です。ヒートポンプ内の水抜きは空気抜きと呼ばれており、定期的に空気抜きをしないとヒートポンプユニットの故障につながります。

三ヶ所全てのヒートポンプユニットの水抜き栓を一回転以上回して開きます。1分以上水が出ることを確認したら水抜き栓を閉めて空気抜きは完了です。水を出している最中、水抜き栓は抜かないでください。こちらもメーカーや商品で操作方法が異なる場合がありますので、説明書を確認してから行ってください。

逃し弁のお手入れについて

逃し弁も年に2・3回お手入れすることが推奨されています。まず、エコキュート下部の排水口から水やお湯が出ていないことを確認してください。もし出ていれば、エコキュート上部の逃し弁操作窓を開けて逃し弁レバーを手前に倒したり戻したりする操作を繰り返して水やお湯を止めてください。

水やお湯が出ないことを確認したら、逃し弁操作窓を開けて逃し弁レバーを手前に倒し、排水口から水やお湯が出ることを確認し、逃し弁レバーを元に戻します。

レバーの操作中などは配管が高温になっています。やけどの恐れがありますので、触らないように注意してください。ここで紹介した操作方法とは異なる商品もありますので、説明書を確認してからお手入れを行いましょう。

漏電遮断器のお手入れについて

漏電遮断器は漏電ブレーカーとも呼ばれ、漏電が起きた際には感電事故や火災が起きる前に電気を止める役割をします。年に2・3回はメンテナンスをして、エコキュートを安全に使用しましょう。

まず、エコキュート貯湯タンク下部の点検口のカバーを、ネジを緩めながら開けてください。漏電遮断器のテストボタンを押して、電源レバーがオフや切になることを確認してください。最後に電源レバーをオンや入に戻して完了です。これ以外の操作方法の商品もありますので、説明書で確認してから行いましょう。

リモコンのお手入れについて

長年エコキュートを使っているとリモコンも汚れてきて、ボタンの文字などが見えにくくなります。リモコンもこまめに掃除しなければ、汚れが落ちにくくなります。

リモコンの汚れは乾いた布や水で濡らして固く絞った布で拭きとりましょう。シンナーやアルコールは汚れが落ちやすいからと使いたくなるかもしれませんが、変形や変色の原因となるため使わないでください。

エコキュートを長く使うためのポイント

エコキュート

エコキュートのお手入れ方法についてご紹介しましたが、日頃の使い方を見直すこともエコキュートの寿命を伸ばすためには大切です。そこで、エコキュートを使う上で注意すべきことをご紹介します。

ヒートポンプユニット周辺には物を置かない

ヒートポンプユニット周辺に物を置いてしまうと、側面と背面にある吸込口や正面の吹出口がふさがりやすくなります。吸込口や吹出口がふさがれてしまうと、エコキュートが適切に作動しにくくなったり、故障しやすくなります。定期的にヒートポンプユニット周辺に障害物がないかを確認して、修理の手間を省きながらエコキュートを長持ちさせましょう。

長期間使用しない時は電源を切る

使用しない時に電源を切っておくことでエコキュートへの負担を軽減できます。エコキュートはタンク内のお湯が不足したら自動でお湯を作ります。そのため、最後に使用した時にお湯が少ないと判断されれば、使わないにもかかわらずお湯が作られてしまい、無駄な電気代がかかります。使用しない時にお湯を作らないようにしておくことは、電気代の節約にもつながります。

エコキュートの電源は、貯湯ユニットの下の配線部分にある配線用遮断器と中央部分の漏電遮断器のスイッチを両方切ることで切れます。ただし、冬季に電源を切ってしまうと配管などの凍結につながるので、沸き上げ機能を停止するなど、設定の変更で対応しましょう。

各部品の水抜きをする

ひと月以上使用しない場合は、貯湯タンクのお湯を全て排水することも行いましょう。ひと月以上貯湯タンク内のお湯が放置されると、水質が変化する心配があります。次に安全なお湯を使うためには、排水を欠かさないようにしてください。

メーカーのメンテナンスも検討する

こまめなお手入れが大切だと分かっても、忙しいとお手入れを面倒に感じてしまいますよね。また、ご自身のやり方が正しいか不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、メンテナンスを確実に行いたい場合はメーカーの点検サービスを利用することをおすすめします。有料ではありますが、ご自身ではお手入れできない所まで点検してくれたり、故障につながる部品の不備なども発見してもらえます。

エコキュートを買い替える・修理する費用相場

エコキュート

エコキュートの調子が悪くなったら、修理するか買い替えをすることになります。そうなると気になるのが、買い替えや修理にかかる費用ですよね。それぞれ、どれくらいの費用が必要になるのか見ていきましょう。

エコキュートの買い替え費用相場

費用内訳交換費用
取替工事費用10万~15万円
エコキュート本体購入費用15万~30万円
合計25万~45万円

エコキュート本体の種類によって金額が大きく変わりますが、買い替えをする場合には25万~45万円くらいは用意しておきましょう。

エコキュートの修理費用相場

修理内容修理費用
通常の部品交換1.4万~4.5万円
ヒートポンプユニット内部の部品交換7.7万~15.6万円
貯湯タンクユニットの部品の交換30万円
点検・調整1.2万~1.3万円
見積・診断0.5万円

部品のトラブルが複数箇所だった場合には、その箇所分の費用が発生します。漏水でヒートポンプ内部が濡れてしまった場合などには、基盤や部品の交換が必要になるため、買い替えの方が安くなることもあります。ただし、保証期間内であれば、これらの修理費用は発生しません(天災は除く)。

まとめ

エコキュートを寿命の観点からご説明いたしました。エコキュートは給湯や暖房をまかなう設備であることから、突然使えなくなっては困る設備です。そのため、耐用年数部品の交換目安を知り、こまめなメンテナンスが重要になります。

メーカーに推奨されている年数が経過したら部品を交換することで、エコキュートを長く使うことにつながります。ただ、メンテナンスをこまめにしていても、使用方法や使用環境によっては寿命を縮めてしまいますので、環境に合う商品を選んだり、説明書に従った使い方をしましょう。

正しい使い方とこまめなお手入れで、寿命最大限までエコキュートを使いましょう。

こちらのページでは、エコキュートの施工事例や商品、その他お役立ち情報をまとめています。 エコキュートの設置や交換をご検討の方はぜひ参考にしてください。

エコキュートの設置や交換に併せて、お風呂のリフォームを検討している方はこちらのページも参考にしてください。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。