エコキュートが原因になる騒音とは?
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エコキュートが発する音は40dB程度といわれています。音の大きさだけなら騒音トラブルになることはあまりありません。なぜなら、音の大きさとしては至って「普通」で、静かな住宅地の昼間の騒音値とそれほど変わらないからです。エアコンの室外機から発生する騒音が50~60dBくらいですので、エコキュートの騒音量で問題になることはほぼないといえるでしょう。
本体ではなくヒートポンプユニットが原因
それではなぜ、エコキュートの騒音で訴訟にまで発展してしまったのでしょうか。エコキュートが問題になっているのは音の大きさよりも、その低周波音にあります。
エコキュートで騒音を発生させるのは、本体ではなくヒートポンプユニットです。ヒートポンプユニットから出る音は、12.5Hz程度の低周波音です。通常は12.5Hzという周波音が人の耳に聞こえることはありません。耳に聞こえないなら問題ない思うかもしれませんが、耳に聞こえないだけで体内がその周波音に反応することがあります。
実際にエコキュートなどが原因と考えられる低周波音の苦情件数、環境省調べで、2014年に59件もありました。
低周波ってどんなもの?
低周波音をイメージできないという方は、冷蔵庫の音を思い浮かべてください。普段はまったく気にならなくても、眠れない日や部屋が静かな状態だとかなりうるさく感じますよね。エコキュートの音もそれに近く、気になり始めるとうるさく感じることがあります。
エコキュートの騒音問題で難しいのは、何も感じない人がいるということです。低周波音によって体調を崩す人もいれば、まったく影響を受けないという人もいます。個人差が大きいため、「うるさい」「うるさくない」で揉めることもあります。
とはいえ、隣家などから要望があった場合には対策を行わなくてはいけません。自分は大丈夫でも他の方には影響があるかもしれない。エコキュートを設置する場合は、その意識を持っておきましょう。
エコキュートの騒音によって起こりうるトラブル
実際にエコキュートでは、どのような騒音トラブルを起こしているのでしょうか?ここでは、そのトラブル例についてご紹介します。
深夜時間帯に騒音で起こしてしまう
エコキュートが稼働するのは夜中ですので、騒音による影響が出るのもその時間帯です。エコキュートの室外機からでる音が気になるというケースと、低周波音が気になるというケースがありますが、いずれにしても騒音が気になる方は不眠症状態に陥ってしまうことがあります。
深夜時間帯に騒音で起こしてしまうというのが、エコキュートで起きる騒音トラブルの代表的なものになります。人間の耳では聞こえない音でも、騒音計で計測すると規制を超えていることも珍しくありません。設置した側が「自分は聞こえないから言いがかりだ」と突っぱねるケースもありますが、不眠は大きな問題ですので、対応をしないと訴訟問題に繋がることもあります。
家全体が揺れるような感覚になる
エコキュートの低周波音は12.5Hz程度で、木造家屋の固有振動数は4~8Hzと近いこともあり、稼働中に周りにある家が共振を起こすことがあります。これは地震の揺れにも似た振動で、地震が発生した後はしばらく頭がグラグラするのを経験したことのある方もいますよね。共振が起きると建物によってはその状態がずっと続きます。
このため、家の中にいてもずっと家が揺れているように感じます。揺れが大きいわけではないので、最初は気のせいかと思っていても、人によっては立っていることも辛くなるケースもあります。
近隣住民に迷惑がかかる
上記のようなトラブルがご自宅で発生する分には、まだ対処しやすいのですが、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があります。エコキュートが原因だと分かればいいのですが、理由がわからないままノイローゼになってしまうケースもあります。
さらには、エコキュートから発生する冷風が、隣の家に吹き付けられるという問題もあります。エコキュートの排気は、外気よりも10℃前後低く、冬場には隣の家の暖房効率を下げてしまいます。騒音だけでなく、このようなトラブルがあることも知っておきましょう。
「すぐに撤去して欲しい」という要望が出ることもあり、それに応じなければ大きな問題に発展することもあります。
エコキュートの騒音を抑える方法
設置場所を変える
騒音対策として最も効果があるのが、騒音を考慮したヒートポンプユニットの設置場所の選定です。基本的な考え方としては、寝室の近くに設置しないということです。ポイントは自宅だけでなく、隣家の寝室の位置も考慮するということです。このため、設置前に近隣の家に間取りを気にしたり、相談をしに行くのもよいでしょう。
寝室から15m以上あけるようにして、ヒートポンプユニットの前に物を置かないように気をつけましょう。また、ヒートポンプユニット前の塀は音源よりも1メートル以上高くしてください。
これらの対策を行っても、トラブルが絶対に発生しないというわけではありません。被害を最小限に抑えられるだけで、迷惑をかける可能性があることは覚えておきましょう。
防音シート・防振ゴムを利用する
すでにエコキュートを設置済みの場合や、自宅の周りを隣家が囲んでいるような場合は、防音シートなどをヒートポンプユニットに貼って騒音を防ぐのもおすすめです。ヒートポンプユニットがコンクリートに直置きになっているような場合には、振動を抑えるための防振ゴムをヒートポンプユニットの下に敷きます。
エコキュートの騒音問題で最も重要なのは、揺れを発生させないということです。トラブルになるのは低周波音ですので、その揺れを最小限に抑えるために防音シートや防振ゴムを活用しましょう。
防音壁を設置する
ヒートポンプユニットやエコキュート本体の前には、物を置かないというのが原則ですが、場合によっては防音壁を設置することで、音が広がっていくのを防ぐことも可能です。ただし、簡易的な壁では効果はなく、むしろ音が反射して別の場所で被害が発生することもあります。きちんと騒音対策された防音壁を設置してください。
防音壁は音源よりも1m高い塀を取り付けるようにしましょう。音源がしっかり隠れるように設置しないと、ほとんど効果を得ることができません。音源との距離は近ければ近いほどいいのですが、この場合はヒートポンプの効率が落ちてしまいますので、メーカーが指定する間隔で設置するようにしましょう。
さらに、防音壁だけでは振動による被害を抑えることはできません。防振ゴムなどと組み合わせて、騒音と振動の両面から対策を行いましょう。
夜間に使用しないようにする
エコキュートは夜間の安い電力を使ってお湯を作ることを考えると、夜間に使用しないというのはあまり現実的ではないかもしれません。それでも、近所の人たちに迷惑をかけないということを優先するのでしたら、深夜帯の稼働を避けるという選択肢も持っておきましょう。
メンテンナンスで騒音を抑える!
ヒートポンプユニットの騒音対策を行うことも重要ですが、エコキュートシステム全体が、常に最適な状態で稼働できるようにしましょう。そのためには給湯器の定期的なメンテナンスを行ってください。1年に2~3回ほど貯湯タンクの水抜きなどのお手入れと、同時に漏電遮断器や逃し弁の作動確認を行うことが大切です。
逃し弁、減圧弁などは3年に1回、専門技術者による定期点検整備が必要です。10年以上使用している場合には、1年に1回の定期点検を受けるようにしましょう。最適な状態に保つことで、エコキュートからの騒音や振動を最小限に抑えることができます。エコキュートの寿命を伸ばすことにも繋がりますので、必ず定期的に専門家に確認してもらいましょう。
また、エコキュートの製品本体の寿命は10~15年と言われています。騒音の原因が本体の経年劣化によるものであることもあり得るので、そのような場合はエコキュートの交換をおすすめします。
エコキュートの交換については、エコキュートの交換を考えている人必見!交換にかかる費用と買い替えのポイントで詳しく解説しているので、気になった方は是非ご覧ください!
まとめ
エコキュートのヒートポンプユニットから発生する低周波音、人によってはノイローゼになってしまうこともあります。個人差がとても大きいというのが特徴で、まったく気にならないという人もいるのですが、騒音問題としては国も認識している大きな問題です。
とはいえ、エコキュートそのものはとても便利で、省エネや自然災害への備えとしては、いまやなくてはならないものになりつつあります。騒音を気にして設置を諦めるのではなく、しっかりとした対策を行って設置しましょう。
また、苦情を申し立てられた場合は、すみやかに対応することも重要です。自分は感じない音や振動でも、他の方にとっては耐え難い苦痛となっている可能性があります。自分での対策が難しいようであれば、定期点検などのメンテナンスが可能な専門業者に相談することをおすすめします。
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