レストランの開業にかかる資金
レストランの開業資金にはどれくらいの金額が必要なのでしょうか。 開業に伴う資金は大きく分けて3種類あります。
- 物件取得費用
- 内装工事費用
- 店舗運営費用
重要なポイントがそれぞれ違いますので、いくらの費用がかかるのかひとつずつ説明します。
物件取得にかかる費用は
まずは物件取得にどのような費用が発生するのか見ていきましょう。
項目 | 相場目安 |
---|---|
保証金・敷金 | 家賃の6~12ヶ月分 |
礼金 | 家賃の1~2ヶ月分 |
仲介手数料 | 家賃の1ヶ月分 |
前家賃 | 家賃の1~2ヶ月分 |
火災保険料 | 年間契約3~7万円 |
あくまで概算ですが、家賃9~17ヶ月分+火災保険料3~7万円が必要になります。物件の家賃によって費用は変わってきますが、家賃が30万円なら総額で270万~500万円ほどかかる計算です。このことから開業にはまとまった金額がいることが分かります。
加えて居抜き物件を借りる際は造作譲渡料といって、造作の所有者から設備を引き継ぐための費用が発生することもあります。ただし造作を譲渡をしてもらえると、内装工事をしたり設備を揃えなくていいのでコストを掛けずに開業できます。
内装工事にかかる費用は
次に内装工事費用について見ていきましょう。内装工事にかかる費用は、開業するレストランのジャンルによって変わってきます。
ジャンル | 金額 |
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和食 | 坪単価40~100万円 |
洋食 | 坪単価30~40万円 |
中華 | 坪単価30~40万円 |
焼肉 | 坪単価50~120万円 |
仮に30坪の洋食店を開業すると、内装費用は最低でも900万円以上かかることになります。ただしこれはスケルトン物件の費用ですので、居抜き物件を使えば費用を抑えることが可能です。
焼き肉レストランでは、各テーブルに専用のコンロと無煙ロースターを設置しなくてはいけないため、どうしても内装工事費用が高くなります。
中華レストランは坪単価が比較的低めですが、内装にこだわって高級路線にすると和食店並みに坪単価が上がります。また、中華料理には高い火力が必須のため、火力アップのための号数変更工事を行うこともあります。この場合、30万~40万円の費用が追加で発生します。
店舗運営にかかる費用は
店舗を取得して内装工事を行えば、開業できる準備はほぼ整いますが、それだけで自然とお客様が集まってくれるわけではありません。お客様を呼び込むためには、集客やオペレーションコストなどへの投資も大切です。
費用の種類 | 金額 |
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看板設置 | 20~50万円 |
広告宣伝費 | 40万円 |
厨房設備購入費 | 100万円 |
備品購入費 | 40万円 |
人材採用費 | 10万円 |
運転資金 | 200万円 |
看板がないとお客様は何のお店か分からないため、入店への敷居が上がってしまいます。このため、20万円くらいかけてお店の看板を作らなければいけません。さらにチラシやホームページなどを作成し、自店の開業することを知ってもらうことが不可欠です。
レジ関係の費用や食器、清掃用具など揃えるものはたくさんあります。それだけではなく、人を雇うための費用も用意する必要があります。 ここ数年、あらゆる業界において人材不足が問題となっています。アルバイトの採用も同様で、採用に時間がかかることも理解しておきましょう。
さらに開業後にお客さんが定着するまでの運転資金(3ヶ月分程度の店舗賃料・店舗スタッフの人件費)として200万円程度あるのが理想です。従って、開業時の運営費用は400万~500万円程度は用意しておくと、危なげなく営業できます。
レストラン開業の資金調達の方法とは
開業する規模によって資金にはバラツキがありますが、少なくとも1000万~1500万円くらいなければ開業できません。これだけの金額をすべて自分で用意できる人はほとんどいませんよね。多額の資金を調達するにはどうすればいいのでしょうか。
日本政策金融公庫から借りる
開業資金の借り入れするとき、開業の経験がない方は「銀行」という答えると思います。実際に銀行も事業への貸し付けを行っていますが、リスクを嫌うため実績がない方には融資を行わないことがあります。
初めてレストランを開業するのであれば、地元の信用金庫か日本政策金融公庫のいずれかが候補になります。ただし、信用金庫は金利がやや高めで、借りられる額もそれほど多くありません。
おすすめは日本政策金融公庫です。 新規開業に利用できる融資制度があり、これまで開業したことのない人へも融資を行っています。新規開業資金では最大で7200万円まで利用できますので、レストランを開業するには十分な額といえます。
日本政策金融公庫は、政府が日本経済の活性化のために出資している金融機関です。利用するには事業計画書や返済計画書などの資料を用意しなくてはいけませんが、低金利でまとまったお金を借りることができます。
レストランを開業する際の資金調達先として、これ以上ないくらい条件の良い金融機関です。融資を受けなければいけないときは、ファーストチョイスとして考えておきましょう。
補助金や助成金を利用する
意外と知られていない資金調達方法が、自治体などによる補助金や助成金です。例えばシャッター通りになってしまった商店街の活性化のために、その場所で開業することを条件に補助金を出していたりします。
慈善事業ではありませんので、地域活性化につながることが審査で重視されます。地域の人たちをどれくらい雇うことができるか、どのような面で地域に貢献できるかなどをアピールをすることで、融資を受けられやすくなります。
ただし、このような補助金は毎年内容が変わり、常に継続されているわけでもありません。補助金や助成金を利用したいときは、各地区町村の創業支援窓口などで開業について相談をすることから始めましょう。
補助金や助成金ありきでの開業計画はおすすめできませんが、条件に合うものがあるなら利用しない手はありません。その存在に気づかなかったということがないように、しっかり情報収集することが大切です。
1/3は自己資金でまかなう
日本政策金融公庫などからお金を借りるとしても、最低1/3は自己資金を用意しなくてはいけません。1500万円の開業資金の場合は、500万円が自己資金になります。自己資金があまりにも少ないと、計画的に返済できるのか融資の担当者に疑われてしまいます。
しかし、自己資金をすべて自分でまかなうのは大変です。家族や友人などから借りても構いませんし、最近ではクラウドファンディングでお金を集めるケースもあります。どんな形であっても、自分で現金を調達できれば自己資金とすることができます。
まとめ
レストランの開業費用にいくらかかるのか、そしてその費用をどう調達すべきかについて説明してきました。開業をするにあたって、どれくらいのお金がかかるのか、その概要だけでも見えてきたかと思います。
思った以上の額で、少し心配になってきた方もいるかもしれませんが、事業計画書をきちんと作ることができれば、日本政策金融公庫からの借入れはそれほど難しいことではありません。できるだけ自己資金を用意し、その上で日本政策金融公庫に相談しに行きましょう。
他にも、補助金や助成金など活用できるものがあれば、積極的に使っていくようにしてください。補助金や助成金は返済しなくてもいい資金です。開業時にはお金はいくらあっても足りませんので、活用できるものはしっかり活用して、早期に経営を安定させることが重要です。
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