ラーメン屋を開業するために準備すること
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それではまず、ラーメン屋の開業に必要な店舗取得についてご紹介します。この準備を怠ってしまうと、どんなに美味しいラーメンが作れたしても、数年後には廃業することになってしまいます。店舗を取得するにあたって、何を注意すればいいのか見ていきましょう。
物件の選び方
ラーメン屋を開業するのに妥協できないのが物件選びです。物件の相談をするため不動産屋に行く前に決めておくべきことが、スケルトン物件にするか居抜き物件にするかということです。これまで物件選びをしたことがない人には、どちらも聞いたことがない言葉かもしれません。
スケルトン物件
コンクリートは打ちっぱなしで、ガス、水道の配管や電気の配線がむき出しになっている、床や天井がない物件のことです。ゼロから内装を作り上げるため、自由度はとても高いのですが、内装工事費が高くなるためまとまった資金を用意することになります。
居抜き物件
以前の借主が使っていた状態のまま引き継げる物件のことです。内装や設備がほぼそのまま使うことができますが、造作譲渡料を支払わなくてはいけません。交渉次第では調理設備などが格安で譲ってもらえます。このため、以前のテナントがラーメン屋であれば、低コストで開業ができます。
スケルトン物件と居抜き物件はどちらを選ぶべき?
どちらかを選べるのであれば、居抜き物件で始めることをおすすめします。初めての開業では、店舗経営が軌道に乗るまでのイメージができないと思いますので、できるだけ出費は抑えたいところです。まずはお店の内装にこだわるのではなく、売れるラーメンづくりを優先させましょう。
もちろん、店内は清潔感のある内装に仕上げることが不可欠です。居抜き物件では少し手を加えるだけで、きれいなお店にすることが可能です。最初から理想のお店づくりにこだわらず、低予算で始めて早く軌道に乗れるようにしてください。
居抜き物件を利用するときに気をつけたい3つの注意点
居抜き物件は確かに低コストで始められますが、注意する点が3つあります。
- 調理設備が古くて使えない
- お店の造りが使い勝手が悪い
- 退去時の原状回復
調理設備を引き継げるのは大きなメリットですが、10年以上続いたお店を引き継いだときは、調理設備を引き取ったはいいが壊れる寸前、もしくはすでに動かないという可能性があります。契約前に使用できることを確認しておきましょう。
また、お店のレイアウトを変更できないため、開業したらお客さんも従業員も動きにくいというケースがあります。内装工事を施せば改善できますが、工事費用が高くなると居抜き物件を利用するメリットがなくなってしまいます。
さらに、お店を退去する際は原状回復を求められることがあります。原状回復とは入居時の状態に戻すことです。しかし、前テナントの居抜き物件では最初の状態が分かりません。 前テナントの借主やオーナーにどこまで戻すのかを聞いて、書面に残しておくことでトラブルを防ぐことができます。
立地の選び方
居抜き物件かスケルトン物件を選ぶという問題とは別に、どこに開業するかというのが大切になります。状態のいい居抜き物件があっても、人通りの少ない住宅街の裏側にある店舗では、集客で苦労することになります。
以前のお店が廃業したのも、集客が難しかったという理由かもしれません。確実にお客さんが来そうな場所でもない限りは、その物件は避けるようにしましょう。できるだけ立地のいい物件を探すことが重要です。
ただし、立地のいい場所にある物件は、基本的に家賃がかなり高めに設定されています。まずは開業計画書を作って、利益を出すためにはどれくらいの来客数と客単価になるか計算します。その上で、家賃を支払っても十分な利益を出せそうな物件に契約しましょう。
多くの人が開業計画書を作らずに、「なんとかなるだろう」と根拠のない判断をして物件選びを行います。その結果、2~3年以内に廃業してしまっては意味がありません。メニューや内装は開業してからでも変更できますが、立地だけは簡単には変えることができないため、慎重に物件選びを行ってください。
いいなと思える物件があれば、時間帯や曜日を変えて、何度も現地を訪れるようにしましょう。自分の足で周辺を歩いてみて、人の流れがきちんとあることを確認します。そこで収集した情報をベースに開業時間やメニューなどを決めると、より確実に集客を割り出すことができます。
ラーメン屋の開業で必要な資格
ラーメン屋は飲食店ですので、無資格では開業することができません。ラーメン屋を開業するにあたっては次の資格と許可を取得しておきましょう。
- 食品衛生責任者
- 食品営業許可
- 防火管理者
防火管理者は、お店の収容人員が30名以上の場合に取得します。カウンターだけのラーメン屋では不要ですが、少し大きめのお店を出店する際は取得しなければいけません。それぞれの資格について、簡単に説明していきます。
食品衛生責任者
ラーメン屋などの飲食店を開業するときは、調理師の免許がいると思っている人が多いようですが、開業に必要なのは調理師の免許ではなく、食品衛生責任者の資格です。食品衛生責任者は食中毒などを起こさないための衛生管理を行います。
各自治体や地域の保健所などで講習を受けると、申請するための資格を得られます。講習が行われるスケジュールを確認して、できるだけ早い段階で取得しておきましょう。
食品営業
食品営業許可は、店舗が営業を行う上できちんと基準を満たしているかどうかチェックされます。まずは保健所の食品衛生担当と事前相談をするのですが、店舗の図面が必須のため工事の着工前に相談にいくのがおすすめです。
防火管理者
大型の店舗では、避難経路の確保や火災報知器の設置などが必要になります。そのための防火に関する知識や技能を有した人であることを証明するのが、防火管理者の資格です。収容人員が30人を超えるお店を開業するときは、消防署や自治体の講習会を受けて、資格を取得してください。
店舗の形態に関する注意点
ラーメン屋を開業するときの形態は、大きく分けて2種類あります。
- 個人店での開業
- フランチャイズでの開業
個人店での開業を目指す方が多いようですが、一方で有名店とフランチャイズ契約を結んで、開業していくという選択肢もあります。それぞれの一長一短ありますので、どのような点に気をつけるべきか、それぞれの特徴をご紹介しながら説明します。
個人店で開業する場合
個人店の最大のメリットは、自分が理想とするお店を持てるということです。居抜き物件はある程度の制約の中での開業になりますが、それでもフランチャイズと比べると比較的自由度は高めです。
お店の雰囲気だけでなく、ラーメンも個性的な味にすることができます。自分の味を追求していきたい、どこにもないラーメンを提供したいという思いが強い方は、個人店での開業に向いています。
ただし、初めての開業ではノウハウが一切ありません。人によっては帳簿の付け方すら分からない方もいるかもしれません。食材はどこから調達すればいいのか、メニューの構成やデザインなどはどうすればいいのか。開業までに試行錯誤を繰り返していると、準備期間が長くなります。
個人店で開業する場合はノウハウも知名度もないため、経営が軌道に乗るまでに時間がかかってしまいます。それだけ収益を得られるまで時間がかかりますので、十分に予算を確保した上で開業してください。
フランチャイズで開業する場合
フランチャイズでの開業は、ラーメンづくりやお店づくりのノウハウを譲り受けることができます。何よりも有名店の名前を前面に出せるため、開業していきなり注目される存在になります。準備期間も短くできますし、利益を出しやすくなります。
しかし、ラーメンで個性を出すことができません。このため、ラーメンに対する情熱を持っている人などがフランチャイズで開業すると、自分の作りたいラーメンと提供するラーメンの差にストレスを感じてしまう可能性があります。
また、フランチャイズで開業するとなかなか辞められません。ノウハウだけがほしいのあれば、興味のあるお店で修行させてもらって腕を磨き、開業そのものは個人店で行う方法もあります。
ラーメン屋をビジネスとして考えていたり、味やサービスにほれ込んだお店のフランチャイズがあるのであれば、フランチャイズは未経験でも開業できる便利な仕組みです。合う合わないは人によって違いますので、自分に適しているかどうかをよく考えて契約しましょう。
まとめ
ラーメン屋を開業するには準備が必要になります。何も考えずにお店を出して、すぐに軌道に乗るということはまずありえません。周りにそれで成功している人がいても、それは運が良かっただけのことで、自分もできるとは思わないほうがよいでしょう。
いくら美味しいラーメンを作れても、お客さんがやってこないことには繁盛店になれません。このため、立地には徹底してこだわり、初めての開業で予算があまり用意できない場合には居抜き物件を利用します。
居抜き物件は初期費用を大きく抑えられますが、調理設備が古くて使えないということもあります。きちんとお店として機能するのか、しっかりとチェックしてから契約しましょう。
ノウハウがまったくなくて不安というときは、フランチャイズでの開業も視野に入れておきましょう。個性は発揮できませんが、利益を上げるためのノウハウや、高い知名度により集客が期待できます。
どんな形であっても、まずはしっかりと利益を出すことが重要です。この記事でご紹介した内容を参考にして、できるだけ早い段階で収益をあげられるようなお店を作り上げましょう。
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