照明の基礎知識
照明というと、光で辺りを照らすというイメージされる方がほとんどだと思います。しかし、電球ひとつとっても電球、蛍光灯、LEDなど様々です。
照明は専門用語が多いため、選ぶときに大切な用語に焦点を当てて解説していきます。
光束
光束は照明などから放射される光の量といわれています。要は照明全体の明るさを計る数値で、単位はlm(ルーメン)です。電球の明るさはW(ワット)で表され、30Wの電球よりも60Wの電球のほうが明るく感じます。
LEDは、白熱電球よりも少ないlm数で同じように照らすことができるため、省エネといわれています。長時間営業する店舗や照明を多く設置している店舗の場合は、LEDやLED電球がおすすめです。
照度
照度とは、光に照らされたときの面積の明るさを表わすもので、単位はlux(ルクス)です。簡単にいうと、部屋にどれくらいの明るさが必要なのか、という指標のようなものです。
学校やオフィスでは、作業効率や視力向上を意識して、150~200lux以上の照明が良しとされていて、飲食店の厨房や病院の診察室は500lux以上が推奨されています。
照度は国家規格ではありますが、法律ではなくあくまで明るさの目安です。
落ち着いた雰囲気のバーなど、明らかに照度が規定を満たしていないお店もありますが、国の基準以下だからといって、特に処罰を受けることはありません。
10lx以下の飲食店は低照度飲食店とみなされ、風俗店営業に該当します。風俗営業にあたる場合、店舗の所在地を管轄する公安委員会から許可を取得する必要があり、無許可で営業すると罰せられます。
色温度
出典:パーフェクトカメラ
色温度は、自然光、人工的に限らず、光源が発する光の色を表すものです。
単位はK(ケルビン)で、蛍光灯の色味は全部で3種類あります。
昼光色は青白い光で、色温度は大体6000K程度ですので、蛍光灯で太陽光に近い色を再現することが可能です。
昼白色は5000K程度ですので、太陽光に近い自然な光が特徴です。 ナチュラル色やマイルド色と呼ばれることもあり、オフィスや学校など長い時間を過ごす場所で使われています。
電球色は電球の色を蛍光灯で再現したもので、3000K程度のため赤みを帯びた優しい色合いが特徴です。落ち着いた色味なので、カフェやナチュラル系のショップなどに最適です。明るさは感じにくいため、オフィスや病院には不向きでしょう。
演色性
出典:節電レストラン
演色性とは、自然光の下で物を見たときの色を示す指標です。演色性は単位ではなく、平均演色評価数(Ra)で表わされます。
演色性は商品や料理の色の見えた方に影響し、太陽光などの自然光に照らされた状態を100と定め、Raが100に近いほど自然に近い色味になりますが、電球の光(色温度)によって見え方が異なるので注意してください。
飲食店では、料理がより美味しそうに見えるように、色を忠実に再現してくれる高演色性蛍光灯がおすすめです。LEDは発売当初、青白い光のため演色性が低いといわれていましたが、最近ではRaが90近い商品も販売されています。
店舗照明はスタイルで選ぶ
照明の基本が分かってきたところで、本題の店舗照明に入ります。 照明器具が店舗のイメージと違うと、店内がアンバランスな印象になってしまいます。最適なデザインのものを選ぶためにも、照明器具にはどのような種類があるのかご紹介します。
ペンダントライト
出典:croix
ペンダントライトは、天井からコードやチェーンなどを使って吊り下げる照明器具です。吊り下がっているためお客様の目につきやすいですが、北欧風のデザインや和風のデザインなどが種類が非常に豊富です。そのため、店舗のイメージに合ったものを選ぶことができます。
シーリングライト
出典:Ampoule
シーリングライトは、ご家庭でよく使われている照明で、満遍なく辺りを照らしてくれます。天井に直接取り付けるため、高い位置から照らすことにより、柔らかな光で空間を演出できます。
以前は電球を使用したシーリングライトが一般的でしたが、近年ではLEDシーリングライトも販売されています。デザイン性が高い商品もありますので、店舗でも問題なく使用できます。
スポットライト
出典:ライティングファクトリー
スポットライトと聞くと、舞台をイメージする方がいるかもしれませんが、アパレルショップなどの天井を見ると、小型のスポットライトが設置されていることがあります。
メインとなる商品を目立つように照らしたり、ピンポイントで店舗の一部だけを彩ることが可能です。スポットライトは単体で使用するのではなく、目立たせたい場所に設置する照明といえます。
商品によっては、ご自身で取り付けることもできます。売り出したい商品を強調できるため、雑貨屋やアパレルショップなど、商品数が多い業種におすすめです。
直管器具
出典:東芝ライテック株式会社
直管器具は蛍光灯をイメージしてください。蛍光灯や特殊蛍光灯に対応した器具で、最もスタンダードな照明器具です。病院、オフィスや学校などに用いられ、デザイン性よりも機能性を求めるときに使用します。
ダウンライト
出典:ライティングファクトリー
ダウンライトは照明部分が天井に埋め込まれているため、オシャレでありながら天井をすっきり見せることができます。天井がフラットになるため圧迫感もありません。
光の角度が調節できるユニバーサルタイプというのもあります。また、ペンダントライトと同じく、明るさが弱いので、間接照明として使用されることがほとんどです。ただし、照明の配置よっては、メイン照明でも使えます。
シャンデリア
華やかな印象になるシャンデリアは、価格が高めの飲食店やサロン、扱う服によってはアパレルショップでも導入しています。 シャンデリアは吊り下げ型と天井取り付け方があり、デザインは洋風なものだけでなく、古民家に合うようなモダンなものもあります。
複数の電球を使用するため非常に明るく、大きなシャンデリアが1つあるだけで優雅な雰囲気になります。ただし、大きなシャンデリアは天井に高さがないと圧迫感が出てしまいますので、取り付ける際は注意しましょう。
店舗照明の施工事例をご紹介
ここでは、リフォマの加盟店が対応した店舗の施工事例をご紹介しますので、ご自身の店舗に設置するときの参考にしてみてください。
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照明が印象的な焼き鳥屋リフォーム×内装工事×兵庫県神戸市
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店舗照明を選ぶポイントを業種別にご紹介します
ここでは、店舗の業種別に照明を選ぶときのポイントをご紹介しています。
業種によってお客様が求めることも違ってきますので、ご自身が開業する店舗、もしくは営業中の店舗の照明を選ぶときの参考にしてみてください。
飲食店
飲食店は厨房とホールで照明が異なります。厨房の照明をお客様の目に触れない部分ですので、デザイン性よりも機能性を重視してください。手元を明るく照らさないと、包丁などの器具で怪我をする危険性があります。
ホールでは、お客様が落ち着いて食事ができるように、温かな色で辺りを照らせる白熱電球を利用した照明がおすすめです。天井の十分な高さがあるときは、ペンダントライトを使用するとポップな印象になりますし、シャンデリアを設置すると高級感を演出できます。
また、料理が色鮮やかに見えるような照明を採用してください。食材の色味が悪いと、折角の美味しい料理も、その魅力が半減してしまいます。一般的に料理を美味しそうに見せる色温度は、2000K~3000K程度です。
以下の記事では、店舗照明で気になる費用や注意点ついて詳しく解説しています。ぜひご参考ください。
店舗照明を選ぶときの注意点を詳しくお教えします!
店舗の照明費用の相場は? 用途別に照明をご提案します!
美容院・サロン
美容院の最適照度は、400lx~700lxといわれています。お客様の顔がはっきりと見え、カラーリングの色が自然光と変わりなく見えるものが望ましいため、演色性がRe90前後のLEDライトがおすすめです。
サロンでは、カウンセリングスペースやメイクスペースには、自然光に近い昼白色・昼光色のものを取付けましょう。 施術スペースでは、全体を照らす照明と間接照明を用いて、お客様にリラックスしてもらえるように、少し暗めの照明を取付けるのがおすすめです。
以下の記事では、サロンの照明についてより詳しく解説しています。
物販店
アパレルショップや物販では、商品の色や質感がきちんと分かるように、明るさを確保すると共に演色性を意識した照明にしましょう。雑貨屋ではお店のコンセプトに合わせて、棚に置かれた商品が満遍なく照らされる配置が理想です。
さらに、お店の店頭よりも奥側の壁を2、3倍明るくすることにより、好奇心が湧いて「奥の方に行ってみたい!」という効果があるといいます。店内をまんべなく見ていただくためにも、取り入れてみてください。
オフィス
オフィスには、実務スペース以外にも、会議室や休憩スペースなどが設けられています。さらに、オフィスビルであれば玄関ホールや受付があります。これらの用途は異なるため、用途や作業内容に適した照明器具を選ぶことが大切になります。
作業効率が重視される実務スペースでは、 適切な明るさが確保できない環境ですと、作業効率が低下してしまいます。眼精疲労や視力低下など、社員の健康状態に悪影響を及ぼすことがあるので、蛍光灯以外にもダウンライトも利用して明るさを調整しましょう。
以下の記事では、オフィスの照明についてより詳しく解説していますので、参考までにご覧ください。
まとめ
店舗照明は、お店のイメージを決めるための重要なアイテムです。色味や明るさの違いによって、お店の印象が大きく変わりますので、店舗のコンセプトに一致した照明を選ぶようにしましょう。
店舗の設計を行うにあたって、どのようなサービスを行い、どのような雰囲気のお店にしたいのか考える必要があります。それらが明確に決まっていれば、照明の種類を決めることはそれほど難しくはありません。反対にコンセプトがあやふやですと、なかなか照明を決めることができません。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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