オフィスの照明の重要性
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快適で働きやすいオフィスを構築するためには、オフィスの内装やレイアウトを重点的に考えることが多いかもしれません。 しかし、それらだけでなく照明が与える効果もまたオフィスの快適性に影響を及ぼします。従ってオフィスの照明器具を整えることも重要です。
オフィスには、作業スペース、会議室、休憩スペースなど様々な空間が設けられています。またオフィスビルであれば玄関ホールや受付もあります。当然、これらの用途は異なるので、各空間の用途や作業内容に適した明るさを確保できる照明器具を選ぶことが大切です。
特に、作業効率が重視される作業スペースにどんな照明器具を取付けるかで、社員の知的成果物を生み出す効率「知的生産性」にも大きな差が出てくると言われています。 適切な明るさが確保できない環境では、作業効率が低下して作業ミスが多くなるだけでなく、眼精疲労や視力低下など社員の健康状態にまで悪影響を及ぼす可能性があるためです。
照明は内装やレイアウトなどと同様に、社員一人ひとりのモチベーションや健康に影響を与えるものであり、そして結果的には会社全体の生産性にも影響を及ぼすことがあるのです。 従って、照明も快適で働きやすいオフィス作りには欠かせない、重要なアイテムの一つであると認識しておきましょう。
JIS照明基準と視作業対象
では、それぞれの空間に取付けるべき照明器具とはいったい何なのでしょうか。 現在、オフィスなどの様々な空間の照明計画における指標として用いられているのが「JIS照明基準」です。
このJIS照明基準には、空間の用途や作業内容に応じた推奨照度が定められ、どんな空間にどれくらいの照度が必要なのかが示されています。 照度(単位:lxルクス)とは、単位面積あたりに入射する光の量、つまり光源によって照らされている面の明るさの程度を表したものです。
オフィスの主な空間の照度は以下のとおりです。
- 事務室、玄関ホール(昼間):750lx
- 会議室:500lx
- 受付:300lx
- 休憩室:100lx
また実際にオフィスの照明を取付けるときは「書類」、「人の顔」、「VDT(Visual Display Terminal)=PC画面」の3つの対象物に適切な照度が必要です。
書類作成やパソコン作業に必要な照度は、750lx、製図などの細かい作業の場合は1500lxとされています。 そしてオフィスでは、社員同士のコミュニケーションも大切です。 人が対面する人の顔の表情を認めるのに最適な照度は、2400lx、許容照度は170lxとされています。社員同士の顔が適度な照度により確認できれば、円滑なコミュニケーションを図ることができます。
また受付は、会社の顔ともいうべき重要な場所です。十分な照度が確保できない照明では、どんなに接客が丁寧でも、お客様に暗い印象の会社というイメージを与えてしまう可能性があります。
オフィスの照明器具の種類と照明方式
一般的なオフィスで使われる照明器具は以下の3種類で、照明方式は「全般照明方式」、「局部照明方式」、「タスク・アンビエント照明方式」の3つに分かれます。 特徴の異なる照明器具は、適材適所に配置することはもちろんですが、照明の目的に合った照明方式を選択することも大切です。
- ベースライト(埋込型蛍光灯・直付型蛍光灯)
- スポットライト
- ダウンライト
ベースライト
ベースライトは、その名の通りオフィスのベースとなる照明です。「埋め込み型蛍光灯」と「直付型蛍光灯」の2種類に分かれます。
埋め込み型蛍光灯
天井に埋め込まれたスッキリとした印象の照明です。埋め込まれている分だけ出っ張りが少なく、高い位置から照射するので光の拡散効果も期待できます。 ただし、天井裏の設備によっては取り付けができないこともあるため注意が必要です。 またランプ本体がルーバーで目隠しされたルーバータイプは、蛍光灯がパソコンの液晶モニタへ映り込むのを防止するのに役立ちます。
直付型蛍光灯
天井に露出して取付けるタイプの照明です。埋め込み型に比べると見た目はスッキリとはしませんが、大掛かりな工事も必要ないため費用も比較的安く収まります。 天井裏の設備状況などによって埋込型の取付けができない場合や、倉庫など見た目にも差支えのない空間に取付けられることが多い照明です。
スポットライト
照らしたい対象物に対して自由に角度を変え、光を当てることができる照明がスポットライトです。間接照明として利用すると、室内の雰囲気をぐっとおしゃれに演出します。 特に、エントランスの壁に設けられたサイン部分や、観葉植物などを直接照らすときなどに使用されています。
ダウンライト
ダウンライトは、天井に直接埋め込む照明で見た目もスッキリとした印象です。 ベースライトよりも光を照らす範囲は少なくなりますが、複数設置することで落ち着いた空間を演出します。
全般照明方式
主にベースライトが用いられ、オフィス全体が均一な明るさになるように取付けるのが「全般照明方式」です。 照明を一定間隔で配置するため、必要のない部分まで明るく照らしてしまうというデメリットはあります。しかし、次にご紹介する「局部照明」と併用した「タスク・アンビエント照明方式」を採用することで解消されます。
局部照明方式
主にスポットライトやダウンライトが用いられ、オフィスの一部分や対象物のみを明るく照らすのが「局部照明方式」です。 必要な部分だけを照らしたり、空間の雰囲気づくりのための照明なので、全般照明方式のようにオフィス全体を明るく照らすことはできません。
タスク・アンビエント照明方式
「タスク・アンビエント照明方式」は、ヨーロッパのオフィスでは主流となっている照明方式ですが、最近、日本でも少しずつ注目を集めています。
室内全体を控え目に照らし、各社員が作業するために必要な明るさは、デスクなどに局部的に取付けた照明器具を使用します。 各自が快適な視環境を調整することができるため、知的生産性の向上も期待できます。 さらに、オフィス全体の消費電力を抑えながら天井照明からの熱も軽減でき、冷房効率が向上するなどのメリットも得られます。
まとめ
オフィスの照明の重要性とオフィスに用いられる照明の種類や配置についてご紹介しました。 快適で働きやすいオフィスを構築するためには、空間の用途や作業内容に適した照明器具を取付けることが重要です。
そして主な作業スペースには「全般照明方式」、雰囲気作りを重視したい場所や部分的な照明が必要な場所には「局部照明方式」を採用しましょう。 これらを上手く使い分けることで、社員の作業効率が向上するのはもちろん、オフィス空間にもメリハリが生まれます。
また、全般照明と局部照明をバランスよく取り入れた「タスク・アンビエント照明方式」にも目を向けてみましょう。作業に必要な場所のみに照明を用いることができるため、知的生産性の向上、節電や省エネ効果も期待できます。
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