旅館業の種類を知る
宿泊施設にはホテルや旅館など様々な形態がありますが、運営形態によって許可が異なりますので、ご自身の開業予定の形態を把握しなくてはいけません。営業の種類は以下の4つに分けられます。
- ホテル営業
- 旅館営業
- 簡易宿所営業
- 下宿営業
ホテル営業
洋式の構造や設備で構成された施設に、人を宿泊させる営業形態です。
10室以上の洋式客室を主体とする宿泊施設で、宿泊者の需要を満たすためのシャワー室やお手洗いを提供することが定められていますす。
旅館営業
和式の構造や設備で構成された施設に、人を宿泊させる営業形態です。
5室以上の和式客室を主体とする宿泊施設となっています。
簡易宿所営業
宿泊場所を複数人で共有することを目的とした、構造や設備で構成された施設に、人を宿泊させる営業形態です。
いわゆるカプセルホテルや民宿、キャンプ場のバンガローなどが該当します。
下宿営業
施設を設け、1ヶ月以上の期間を宿泊させることを目的とした営業形態です。
ご自身が開業したい施設がどれに当てはまるかを確認し、適切な営業許可をとりましょう。
ホテルを開業するまでの流れ
宿泊施設を開業するためには、営業形態に合った許可を取得しなくてはいけません。そのため、開業する予定の施設がどの営業形態なのか把握する必要があります。営業許可の種類が異なっても開業までの流れは共通ですので、開業までに行うべきことをご紹介します。
営業許可申請書を提出する
書類を提出する前に事前相談を行いましょう。書類の漏れがないよう、開業予定地の都道府県で旅館業法担当窓口で相談を行ってください。この時、施設の所在地と図面、消防法や建築基準法などをどれくらい満たしているのか聞かれることがあります。
営業許可申請書の提出は、営業施設の図面や自治体が条例などで定めた書類の提出と手数料を用意しておきます。このとき施設が構造設備基準を満たしていなかったり、公衆衛生上不適切だと判断されると許可されないケースがあります。
施設や申請者に問題がないか確認する
施設の区域約100m以内に学校や認定こども園、児童福祉施設や都道府県の定める博物館などの社会教育施設があると、これらの施設の環境に影響を及ぼすと判断され、ホテル等が設置できないことがあります。
その他、申請者に問題がないかも見られます。たとえば旅館業法に違反、もしくは旅館業法に基づく処分に違反して刑に処せられ、執行を終えてから3年が経過していなかったり、営業許可を取り消されてから3年が経過していないと営業許可が得られません。また、申請者が法人で業務を行う役員という場合も許可されません。
申請書の提出した後は保健所の施設調査を行います。施設が構造設備基準を満たしているか否か判断するために、保健所職員などによる立ち入り検査を実施します。自治体が条例で定めた基準があるときは、それを満たしているかも調べられます。
営業許可証が交付されてから気を付けること
書類と施設調査で営業に適していると判断されれば、営業許可証が交付されます。許可が得られから初めて営業が可能になります。申請から許可までは数週間~数ヶ月程度かかりますが、期間の長さは都道府県による差です。
営業許可が得られたら、寝具の交換や浴室の清掃などの衛生管理を適切に行うことが義務づけられます。衛生管理の基準は各自治体の条例で定められているため、目を通しておくと後々役に立ちます。
また、営業者には宿泊者の氏名と住所などを記載する宿泊者名簿を備え付けること、日本に住所を持っていない外国人のときは、パスポートのコピーの保存が必須になることを覚えておきましょう。
ホテルを開業するときの許可について
ホテル等の宿泊施設開業までの流れをご紹介しました。宿泊施設には4つの営業形態があり、営業形態に合う許可を取得することになりますが、書類の提出や保健所の調査があることは変わりません。営業許可が下りるまで数ヶ月かかることもありますので、事前相談に開業予定施設が消防法や建築基準を満たしているか確認してもらうことで、滞りなく審査を進めることができます。
営業許可を得るためには様々な書類や許可を提出するため、頭を悩まれる方が多いようです。ここでは提出しなければいけない書類等を記載してありますので、今一度整理しておきましょう。
旅館営業許可申請書
旅館営業許可申請書は、開業地の管轄の保健所に必ず提出します。申請書のフォーマットは保健所によって異なりますので、専用のものをホームページからダウンロードして使用してください。
申請書は新しくホテルや旅館の営業を始める方以外にも必要になることがあります。
たとえば、旅館からホテルといった営業形態を変更するときに提出します。また、大規模な増改築を行う場合や営業者を変更するときにも申請をしなくてはいけません。
営業者の変更には個人から法人、法人から個人という場合も含まれます。特に増改築は申請するか否か分かりにくいので、早めに自治体に相談しましょう。
申請書の提出することになったら、保健所のフォーマットに従って不備がないように作成します。
許可に必要な添付書類
営業許可には建築基準法と消防法を満たさなければいけないため、「建築基準法に基づく検査済証の写し」と「消防機関が発行する消防法適合通知書」が必要になります。ホテルの規模や構造が分かるよう「敷地内配置図」と「施設内平面図」「旅館業営業施設構造設備概要書」も必須です。
敷地内配置図と施設内平面図には縮尺や方位、間取りや各部屋の用途などを記入します。ホテルを開業する際、周辺環境も重視されますので、開業地付近200m以内の見取り図も用意します。学校などの敷地が100m以内にあるときは、距離の記入も求められます。
その他に、保健所長が認めた書類も必要ですし、法人の場合、定款又は寄附行為の写し及び登記事項証明書を提出します。これらの書類に加えて、申請手数料22,000円がかかります。
営業許可以外の許可の申請
ホテルや旅館内で飲食店を営業する場合は、飲食店開業の許可も申請しておきます。許可を得るためにはいくつか条件があります。まず、お店には最低1人は食品衛生管理者を置かなくてはなりません。また、都道府県ごとに条例で定められた基準に合致する施設であることが条件です。
飲食店内には様々な設備がありますが、設備にもいくつか条件があります。たとえばシンクが2つ以上あること、調理場には手を洗うところが要りますし、冷蔵庫には温度計の設置が求められます。そして、調理場とお客様のフロアにはドアなどの仕切りが不可欠です。もし30人以上を収容できるのであれば、防災管理者の選定が義務づけられています。
Barも飲食店開業に必要な許可の他に、お店の面積などが分かる図面と「音響設備や照明の位置を記した設備図」が要ります。深夜0時以降も営業する際は「深夜酒類提供飲食店営業の届出」を提出します。法人の場合は定款、登記事項証明書も用意しなくてはいけません。
まとめ
ホテル開業までの流れをご紹介しました。旅館業にはホテルの他に旅館などもあり、営業形態で許可が異なるため、ご自身の営業形態を明確にすることが大切です。
どの許可を取得するかの違いはあっても、営業許可までに多くの書類を提出することは共通しています。開業地周辺環境や施設の状態をしっかりと確認し、スムーズに開業を迎えられるように準備をしましょう。
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