2018年1月30日

病院(クリニック)を開業するときの物件選びのポイント

病院(クリニック)開業に向けて物件選びをする際、物件周辺の人の多さだけではなく、物件内に必要な設備が設置可能な規模であるかなど、多くのことを確認する必要があります。物件選びの前に必要な準備と合わせて物件選びですべきことをご紹介します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メールで送る

病院(クリニック)を開業する上で重要なこと


病院の開業にあたり、どのような病院を目指していくのかを決めていなければ、どこに開業すべきかを決められません。そこで、物件選びの前に病院を開業する目的を明確にしておきましょう。

あらゆる患者さんの診察を行える病院にするのか専門性の高い治療をメインに行うのか、高齢者をターゲットにして在宅医療も担うのかなどと合わせて、どれくらいの患者さんを受け持つことができれば病院を続けていけるのかといった経営の面からも病院の方向性を決める必要があります。メインとなる患者さんや診察内容、来院目標人数が分かると、どれくらいの規模でいくらくらいの賃料の物件を借りるべきなのかが見えてきます。

病院(クリニック)の物件選びの前の立地選びの確認事項

病院の開業準備とは、どのような病院を作るかを明確にするところから始まることをご紹介しました。 病院の方向性が定まると、どの地域にご自身の作りたい病院は必要とされているのか、病院を続けていくためにはどれくらいの患者さんを受け入れる必要があり、どれくらいの規模の物件を借りなくてはならないのかも見えてきます。
病院に限ったことではありませんが、物件を探す前にはどこで物件を借りるかを決めていなければなりませんので、立地を選ぶことから始めましょう。

まず、病院は患者さんが通院しやすい場所にある利便性が大切です。 多くの利用者のいる駅やバス停の近くであることに加え、最寄り駅やバス停から病院までの道はどのような天候の時でも利用しやすいかなども重要です。

多くの方が通勤や通学で利用する道の途中に病院があると、病院の存在が認知されやすくなります。 病院の前の道は十分な通行量があるのか、道幅は十分か、お車での来院を想定している場合は車での出入りがしやすく車の流れは早過ぎないかなど、人通りと安全性の確認も大切です。

病院の周辺は初めて来院される方でもすぐに病院を見つけることのできるほどの見晴らしの良さを確保できるのか、夜間でも安心して通える明るさはあるか、ショッピングセンターのような人が多く集まり通院先として選んでもらえる機会が多そうか、振動や騒音、悪臭といった医療機関にふさわしくない環境ではないかなどの確認も必要です。

病院(クリニック)の物件選びの確認事項

病院開業のための物件を選ぶ前に必要となる立地選びの確認事項をご紹介しました。 病院は初めてでもどこにあるのかが分かりやすく、最寄駅やバス停から近かったり普段利用している道の途中にあるといった利便性のある立地がおすすめです。 さらに、夜間でも安心して通院できる安全性があり、振動や騒音などのない立地が病院にはふさわしいです。

これらの点から病院を建てたい場所が決まったら、物件選びとなります。 物件を選ぶときにチェックしておくと良いポイントを解説します。

出入り口の大きさや医療機器の搬入経路

患者さんが入ってきやすいように広い間口の出入り口を希望される方は多いですが、患者さんが利用する出入り口だけではなく医療機器を十分に搬入できる出入り口や経路の確認も忘れてはなりません。 医療機器の搬入に手こずってしまうと、内装工事のスケジュールに影響を及ぼしかねません。 医療機器の搬入を円滑に行える出入り口や通路は確保可能か、他のテナント区画に入ることなく工事可能かを確認しましょう。

天井高や電気設備

天井高や電気設備、天井内スペースや室外機置場の位置の確認も必要です。 医療機器の設置には天井高最低2.4mは必要です。 天井走行式X線装置を設置するのであれば、2.7mはある方が安心でしょう。

診察に必要な容量の電源が確保されているかを確認し、容量が足りない場合には容量を増やす工事の可否を確認しておきましょう。 天井内スペースが狭かったり配管経路が少ないと設置できるエアコンが限られます。 室外機置場が屋上であったり、1台の室外機で複数のエアコンを制御するビルマルチエアコンしか設置できない場合は費用がかかります。

給排水設備、消防設備

給排水設備や消防設備の状態も物件を選ぶ上で重要です。 テナントビルの場合トイレなどの衛生設備の排水管の位置が決まっており、位置によってはテナント内に衛生器具の設置ができない場合があります。 給排水設備の設置場所を基準に病院内の設計を行うと、動線の確保が難しくなる可能性があります。 トイレなどの水回り設備の増設は難しいため、水回りの状況はしっかり確認しておきましょう。

テナント物件では自動火災報知設備避難口誘導灯などを各部屋に設置することが法律で定められています。 大規模な建物ではスプリンクラーの設置も義務づけられていますが、火災時にスプリンクラーが作動して二次被害が生じる恐れがある場合は、スプリンクラーの代わりに補助散水栓などの設置が義務づけられています。

物件の耐荷重

医療機器は重量がありますので、物件の耐荷重も重要です。 レントゲン機器やウォーターベッドを設置するのであれば、平米荷重00kg以上が必要です。

耐震構造、アスベストの有無

その他に、耐震構造やアスベストの有無の確認も病院の安全面から重要です。 新築物件でなければ、1981年の建築基準法改正に伴う新耐震基準を満たした建物であるか否かを確認してください。 法改正以前の物件であっても、耐震補強工事が施されていれば問題ありませんので耐震補強工事の有無は必ず確認してください。 古い物件の場合、アスベストを使用している可能性がありますので、患者さんの健康のためにアスベストの使用有無の確認も必須です。

病院(クリニック)に適した物件を探すための注意点

病院に適した物件を選ぶ際の確認事項をご紹介しました。患者さんが入りやすい十分な間口の出入り口か否かを確認するだけではなく、医療機器を速やかに搬入することのできる出入り口や経路を確保できることも確認する必要があります。医療機器は高さも重さもありますので、機器を設置するのに十分な高さの天井と耐荷重も必須です。その他に患者さんが安全に病院を利用できる設備を設置するスペースや構造も大切です。

このように、病院に適した物件を探すのは多くの手間がかかります。開業したいエリアが決まったからひとまず不動産屋に相談してみても、不動産屋は病院やクリニックを開業したい方だけに物件を提供しているわけではないため、どのような物件が病院に適しているかに精通しているとは必ずしも言えません。

病院に適しているいないにかかわらず、物件のオーナーが病院やクリニックを誘致したいがために医療機関に適していると伝える事例もあります。そのような物件の中には医院開業専門の業者などが調査すると、開業には不向きだと判定されるものも多く、開業したとしても患者さんに来てもらえるか分かりません。ご自身だけで物件を選ぶのが不安であれば、医院開業専門の業者から物件を提案してもらうことをおすすめします。

商業施設内に医療ゾーンを作り、複数の診察科で構成された医療モールというものがありますが、商業施設内に病院があれば多くの方に病院に来てもらえると判断して安易に医療モールでの開業を決めるのは危険です。

集客力のある商業施設であったとしても、商業施設を訪れる客層が必ずしもご自身の病院の診察科に必要性を感じているとは限りません。 商業施設内はテナント料が高い傾向にありますので、高いテナント料を支払ってでも開業する意味はあるのかを慎重に検討してみてください。

クリニックの場合、院外処方となることがほとんどですので調剤薬局との距離も重要です。 クリニックと調剤薬局が離れているのは、患者さんの利便性は低いです。 ただし、開業場所周辺にクリニックが点在しており、患者数が安定していれば、新たに調剤薬局が出店する可能性もありますので、周辺の医療関連施設の状況は確認しておきましょう。

まとめ

病院の開業に向けて、物件選びのポイントをご紹介しました。
ご自身の病院の雰囲気や診察内容を求める方が多く、利便性と安全性の高い場所に開業することが大切です。 物件内は必要な機器や設備の設置が可能な規模であることに加え、患者さんの安全に配慮した構造であることも重要です。 多くの患者さんに通いやすいと選ばれる病院の開業を目指しましょう。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。
リフォマなら中間マージンカットで専門業者をすぐ紹介