2018年11月5日

門扉を設置する前に絶対知っておきたい基礎知識! 門扉の種類から選ぶポイントも解説

最近門扉を設置しない家をよく見かけますが、子どもやペットが家の外に飛び出す危険性や、玄関と道路を遮るものがないため防犯への不安により、後から門扉を付ける家も少なくありません。ここでは、門扉の設置を検討している方のために、門扉の基礎知識から選びの方のポイントまで詳しくご紹介します。

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なぜ門扉を設置するのか

そもそも門扉というのはどんな役割があるのでしょう?これから門扉を設置するうえで、知っておくべき門扉の基本について見ていきましょう。

門扉とは

門扉は玄関と合わせて、家の顔ともいえるエクステリアで、お客さんを迎え入れる場所でもあります。門扉は敷地と道路の境界線もしくは、その近くに設置されますので、招かざる客の侵入を拒むという役割も果たします。

門扉を設置するメリット

門扉を設置することによって得られるメリットは、大きく分けて2種類あります。ひとつは安全性の向上と、もうひとつが家族のプライバシーを守るということです。それぞれどのようなメリットがあるのか、分かりやすく説明します。

  • 安全性を高められる

門扉なんて簡単に乗り越えられるから、安全性なんてそれほど変わらないと思う方もいるかもしれませんが、玄関や窓まで障害になるものがひとつもない家と、たった1枚でも門扉がある家では、泥棒や不審者の侵入率が大きく変わってきます。

防犯という意味での安全性だけではなく、子どもやペットの飛び出しを防ぐことができるのも門扉の大きな役割のひとつです。門扉がない場合、子どもやペットは玄関を出てすぐに道路へ飛び出してしまうことになります。門扉があれば一旦そこで立ち止まりますので、車や通行人との接触を防ぐことができます。

もちろん、扉の開閉をしなくてはいけませんので、門扉がなかったときと比べると、使い勝手は悪くなります。それでも、事故や犯罪のリスクを考えたとき、門扉は必須とも言えるエクステリアのひとつです。

  • プライバシーが守られる

デザインにもよりますが、門扉は目隠しとしての効果も期待できます。格子状の門扉を採用すると、敷地の中を覗くことが難しくなりますが、門扉がないと簡単に玄関の近くまで侵入ができます。建物と公道の間に、門扉で境界線を設けることで、家族のプライバシーを守りやすくなります。これも門扉を設置するメリットのひとつです。

ただし、プライバシーを重視して、敷地内が完全に見えなくなるタイプの門扉を設置した場合、乗り越えて侵入されたときに、泥棒や不審者などが隠れやすいというデメリットもあります。門扉を選ぶときには、その点に注意して選択してください。

門扉を設置した際の価格は?

門扉はDIYでの設置が難しいので、基本的にはリフォーム会社などに依頼して設置してもらうことになります。このときにかかる費用は、10万~40万円くらいが相場です。金額に開きがあるのは、どのような門扉を選ぶかによって価格が変わってくるためです。

安価な門扉であれば2万円程度で購入できますが、機能性もデザイン性も高い門扉の場合には100万円以上するものもあります。設置するのにかかる費用は大きく分けて、門扉本体の費用と工事費用ですので、門扉が高くなればなるほど、設置にかかる費用が高くなるというわけです。

通常は工事費用が3万~5万円になりますので、概算でのトータル費用は下記のようになります。

トータル費用:門扉本体の価格+3万~5万円

門扉の価格が20万円の場合、23万~25万円程度で設置できます。ただし、電子錠付きの門扉は電気工事も必要になるため、別途で追加費用が発生します。既存の門扉がある場合には、それらを撤去処分する費用もかかることを頭に入れておきましょう。

門扉には数多くの種類がある

門扉を選ぶときには、まず「開き方・素材・デザイン」の3つの視点から種類を決めます。この3つが決まっていれば、リフォーム会社に相談したときにスムーズに話を進めることができます。

それぞれどのような種類があり、どんな特徴があるのかをご紹介します。

開き方

門扉の分類としてまず決めるのが開き方です。開閉方法によって3つの種類に分けられますので、それぞれの特徴を見ていきましょう。

片開き

出典:LIXIL

片開きは1枚扉を開閉するタイプの門扉です。間口が門扉1枚分しかありませんので、物を持っての出入りでストレスを感じやすいエクステリアでもあります。このため、玄関前の門扉ではなく、勝手口側の門扉によく使われています。

費用が比較的安価なので、予算が少ない場合は採用したくなりますが、間口が狭いため家から家具や家電など大きな物を運び出そうとした際に、門扉に引っかかってしまうケースがあります。駐車場など間口の広い出口が他にない場合は、できるだけ使用の設置は避けたいところです。

両開き

出典:LIXIL

両開きは、2枚の扉を左右に並べて開閉するタイプの門扉です。一般的には2枚の扉が同じ大きさのものを「両開き」と呼び、扉のサイズが左右で違うものを「親子扉」と呼びます。

いずれも通常は1枚の扉を開いて出入りしますが、荷物の出し入れをする場合に間口を大きくして使用します。

片開きと比べると本体価格が高くなりますが、玄関前の門扉としては両開きを採用する家が多く、各メーカーも様々な商品をラインナップしています。このため、自分好みの門扉を見つけやすいという特徴もあります。

引き戸

出典:LIXIL

引き戸は扉を左右にスライドさせたり、アコーディオンのように折りたたんだりするタイプの門扉です。

片開きや両開きのように、扉を前後に開閉するスペースが取れない場合に採用されています。開閉にあまり力がいらないため、高齢者向けの住宅でも引き戸の門扉が増えています。

古い家では折りたたみ式が主流でしたが、最近は見た目もこだわった引き戸も増えています。ただし、間口を大きくしようとすると、門扉が重たくなるというデメリットもありますので、導入する場合には実際にショールームなどで、しっかりと重さを確認しておく必要があります。

素材

門扉を選ぶときには素材も重要です。人気が高い素材はアルミ・木・ステンレスの3種類で、それらを組み合わせたデザイン性の高い門扉も人気があります。ここでは3種類の門扉について、それぞれの特徴をご紹介します。

アルミ製

出典:LIXIL

アルミ製の門扉は、形材と呼ばれる成形品と鋳物の2種類があります。普及しているのは安価なアルミ形材で、シンプルで飽きのこないデザインで人気があります。しかも軽量ですので開閉しやすいというメリットがあります。

一方の鋳物タイプのアルミ門扉ですが、とてもデザイン性が高く、洋風の家のエクステリアとして重宝されています。アルミ形材と比べると価格は高めになっていますが、高級感があるため、個性的な門扉に仕上げたいという人たちに人気があります。

木製

出典:LIXIL

木製の門扉はナチュラルな雰囲気と、優しい手触りに特徴があります。こちらもアルミ形材と同じように軽量で開閉をしやすいというメリットがあるものの、雨風による腐食が発生しやすく、虫食いの被害にあう可能性が高い素材です。

それらを防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせませんが、お手入れに時間を取れないという人のために、人工木の門扉もラインナップされています。最近の人工木は本物の木材のような見た目ですので、遠目では本物の木と違いが分からないものも増えています。

ステンレス

ステンレスの門扉は鉄と同じように重たいため、一軒家の門扉として使われることが少なく、マンションなどの大型の建物に採用されることが多い素材です。見た目がとても美しく、なおかつ強度も高いため、長く使い続けることができるという特徴があります。

デザイン

開き方と素材を決めたら、最後に選ぶのはデザインです。門扉にはシンプルなデザインのものから、鋳物風の凝ったデザインのものまで、とても多くの種類がラインナップされています。ただ、デザインだけで選ぶと後悔するケースもありますので、それぞれの特徴もしっかり把握しておきましょう。

格子タイプ

出典:LIXIL

縦や横、もしくはメッシュ状に格子を配置したのが、格子タイプの門扉です。とてもシンプルなデザインですので、本体価格が安くお手入れも簡単です。

格子の幅を狭めることで視認性を下がり、プライバシーを守りやすくできます。反対に格子の幅を広げると視認性が上がり、門扉の圧迫感がなくなります。

モダンタイプ

出典:LIXIL

いま注目されているのがモダンタイプの門扉です。モダンタイプには細かい定義がありませんので、「これがモダンタイプ」というのを示すことができませんが、デザイン性を重視した門扉がモダンタイプと呼ばれることが多いようです。

格子の組み合わせでデザインをしたり、アルミの枠と木のプレートを組み合わせたりと、見た目のオシャレさを重視していますので、個性的な門扉にしたい方におすすめです。ただし、家全体との調和を考えないと、門扉だけが浮いてしまうので注意が必要です。

鋳物風(洋風)タイプ

出典:LIXIL

鋳物風の門扉は、とても重厚感がありオシャレなデザインで人気があります。金属でありながら、アルミやステンレスの門扉のような無機質さがなく、温かみも感じることができます。

また、白い外壁に黒い鋳物風タイプの門扉を組み合わせると、空間全体が引き締まった感じに仕上がります。

価格はやや高めですが、洋風デザインの家との相性がとてもよく、デザインで遊ぶこともできますので、こだわりの門扉を設置したい人におすすめです。

門扉を選ぶときのポイント

ここまでの説明で、どのような門扉を付けるのか、なんとなくイメージが固まってきたかとは思います。ただし、何も考えずに気に入った門扉を設置してしまうと、使い勝手が悪くて後悔する可能性があります。

最後門扉選びで失敗しないためのポイントについてご紹介します。

敷地の広さで選ぶ

門扉を設置するときに考えなくてはいけないが、門扉を開けたときの軌跡門扉から玄関までの動線です。

リフォーム業者に設置を依頼すれば、門扉が建物や障害物に当たって開かないというミスや、門扉と玄関扉がぶつかるという初歩的なミスは起こりませんが、経験が浅い方が設計を行うと、動線を無視してレイアウトするため、とても使い勝手が悪くなることがあります。

門扉は基本的に内開きで、敷地側に開くのが基本です。このため、まずは敷地側に十分なスペースがあることを確認してください。そして、門扉と玄関扉の両方を開け、その状態で道路から玄関までスムーズに出入りできるのかをチェックしてください。

どちらかを閉めないと玄関に入れない場合は、どんなに気に入っている門扉でも選んではいけません。スペースが十分にない場合には、開き扉ではなく引き戸タイプを選ぶなどして、人の出入りに無理がない門扉を選びましょう。

機能で選ぶ

門扉は家の顔でもありますので、見た目がとても重要です。しかし、実際に使うようになると、見た目よりも実用性のほうが大切になってきます。デザインばかり気にするのではなく、その機能についても必ずチェックしておきましょう。

  • 鍵をかけられる
  • ドアホンやポストの役割を兼ねている
  • 玄関周りの照明にもなる

最新の門扉にはこのような機能を持ったものも増えています。鍵は電子錠もありますし、室内にいながら施錠できる門扉もあります。さらには、ドアホンやポストを設置することもでき、照明としても活用できる商品がいくつもラインナップされています。

機能性が高い門扉は価格も高めで、機能によっては工事費用も高くなってしまいます。それでも毎日使用するものですので、多少価格が高くても必要だと感じた機能は、できるだけ盛り込んでおくようにしましょう。

まとめ

安全性や防犯という意味でも門扉はやはり重要になります。門扉によって自分の敷地と道路の境界線を示すことで、必要以上に侵入してくることを防ぐ効果も期待できます。

ただし、門扉ならなんでもいいというわけではなく、「開き方・素材・デザイン」それぞれの特徴を把握した上で、自分の理想とする門扉を選ぶ必要があります。もちろん設置費用も蔑ろにできません。使い勝手の良さも重要ですが、それらはリフォーム業者がきちんと設計してくれます。

まずは「開き方・素材・デザイン」を決め、予算はあらかじめリフォーム業者に相談することから始めましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。