はじめに
ご家庭や店舗、オフィスなどで使われている蛍光灯。最近では電気代をおさえる目的でLED照明に交換する方が増えています。実際、蛍光灯から消費電力の小さいLED照明に交換すると、契約している電力会社や一日の使用時間にもよりますが、年間の電気代が2,000円程度安くなります。LED照明には蛍光灯から直接交換できるケースもあれば、1時間程度の交換工事が必要になるケースもあります。
「蛍光灯をLEDに交換するだけなのに専門の電気工事が必要」と聞くと、それだけで交換を躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、どのような場合に交換工事が必要となるのか、交換工事を行わなくてもよい事例と蛍光灯からLEDに交換する工事を行う際の費用感、交換を検討するときの注意点やポイントについて解説します。
LED照明の基礎知識
LED照明は蛍光灯に代わって多く使用されるようになっています。まずはじめに『LED照明』について簡単に見ていきましょう。
最新のLED技術
LEDライトは2000年代初期ごろから普及し始め、今日では一般家庭にまで広がっています。最近では技術力の進歩により、価格も安く、長寿命で消費電力が非常に少ないLED製品も販売されています。機能性としても紫外線やブルーライトの発生を抑えた製品や、調色機能が備わったLED製品なども販売されています。
現在、LED照明への交換を検討しているのであれば、最新のLED製品を選んでみるのも良いかもしれません。
LED照明の消費電力
蛍光灯をLED照明に交換する最大のメリットは、何といっても寿命の長さです。従来の蛍光灯の寿命が約1万3000時間である一方、LED照明の寿命はなんと約4万時間と言われています。これは蛍光灯の約3倍の寿命です。
交換頻度で換算すると、蛍光灯が3~4年で交換が必要なのに対し、LED照明の場合は10年以上交換なしで使用できます。消費電力で比較すると、40Wの蛍光灯の明るさをLED照明なら20W以下の消費電力で実現できるため、消費電力を50%以上減らせる計算になります。
LED照明の電気代と本体価格
年間の電気代で比較すると、蛍光灯をLED照明に交換するだけで数千円程度安くなる計算です。ただし、これはご契約の電力供給会社やLED照明の使用本数、使用頻度によって変動します。
LED製品の本体価格は蛍光灯に比べて割高(2,000~5,000円)ですが、長期的に見ると電気代の節約につながります。「省エネ意識の高まり」や「環境への配慮」という観点からも、一般家庭でもかなり普及しています。
一方で、蛍光灯からLEDに交換する際に「交換工事が必要になることもある」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。交換工事が必要となると「面倒そう」という印象を持ってしまい、LED照明の交換を躊躇される方も多いようです。
この記事では、蛍光灯からLEDに交換する際に「工事が必要となるケース」と「必要とならないケース」の違い、交換工事を依頼した場合の費用感と工事にかかる日数、業者選びのポイントについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
工事が必要なケースと不要なケース
ここからは、蛍光灯をLED照明に交換するときに交換工事が必要になる場合をご紹介します。
交換に工事が必要となる場合
蛍光灯をLED照明に交換する際に行われる工事は「バイパス工事」と呼ばれるものです。
バイパス工事とは、LEDに適した電気配線にするための工事で、具体的にはLED照明交換後に既存の蛍光灯照明に取り付けられている「安定器」に電気が流れないようにする、もしくは安定器そのものを取り除く工事を指します。
安定器は電気を照明に安全に送るための抵抗器の一つであり、既存の蛍光灯には必ず付いています。この安定器を取り外さなければ、電気代が安くならなかったり、火災事故の発生原因になったりします。
例えば、上の写真のような「直管蛍光灯」をLEDに変更する場合は、バイパス工事が必要です。
交換に工事が必要とならない場合
LED照明の交換にあたり工事が必要とならない場合もあります。例えば、上記の写真のような丸い形をしたシーリングライトの場合は工事が不要です。電気店で販売されているLED照明を差し込むだけで使用できます。
そのほかに、天井に専用の「配線器具」が付いている場合も工事の必要がなく、市販のLED照明をはめ込むだけで交換できます。
バイパス工事の実施可否
バイパス工事はDIYできるか?
蛍光灯からLED照明の交換に必要となる「バイパス工事」を自分でできたら、工事費用も節約でき、電気工事業者に依頼する手間も省けて良いですよね。
先にも説明したように、安定器がついている状態でLED照明を使用すると電気代が余計にかかってしまいます。また、LEDのタイプによってはショートを起こしたりすることもあります。無駄な電気代を払わず、事故や火災を防ぐためにも、直管蛍光灯などからLED照明に交換する際には必ずバイパス工事を行う必要があります。
では、バイパス工事は自分で行えるのでしょうか?結論から言いますと、バイパス工事はDIYで行うことはできません。バイパス工事
は電気配線工事を行う必要があるので、必ず「電気工事士」という国家資格を持ったプロにお願いしましょう。
LED交換工事の費用と時間
では、LEDの交換工事にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?LEDは2本で1セットになっていますので、1ヶ所あたりにかかる工事費用は3,000~5,000円が相場です。
ここにLED本体の価格も含まれていますので、かなりリーズナブルといえます。LEDも安価な商品が増えており、またバイパス工事自体も簡単な工事なので低価格で工事してもらえます。ただし、工事箇所が10ヶ所あれば3万~5万円+本体価格と、少しまとまった金額になってしまいます。
バイパス工事にかかる日数(時間)は、数か所程度であれば1~2時間程度で完了します。業者によっては別途、出張費が必要になることもありますので、出張費を抑えたい場合には、できるだけ近くの電気工事業者を選ぶようにしましょう。
また、LED製品はメーカーによって本体価格は異なります。有名メーカーのLEDを使った場合は、1本あたり5千円以上するようなものもあり、交換費用が大幅に上がってしまう場合があります。LED工事を依頼するのであれば、1社だけでなく2~3社に見積を依頼をして、予算に合った工事をしてくれる業者を選びましょう。
工事不要のLED交換方法
賃貸物件など建物の状況によっては、LED照明への交換工事ができない方もいると思います。ここから番外としてバイパス工事を行わないで済む方法について解説していきます。
バイパス工事が不要な商品を選ぶ
LED照明の種類も増えて、最近はコンセントから電気を供給するタイプの商品も販売されています。このタイプであれば、電気工事をすることなく、そのまま天井に取り付けることができます。もちろん明るさも十分あり、蛍光灯と比べて電気代をおさえることも可能です。
ただし、配線がむき出しになってしまうため、見た目にこだわりたい方は配線を隠すための処理を別途自分で行う必要があります。配線を隠す工事であれば、DIYで行っても法律上問題ないので費用をおさえたい方は検討してみてはいかがでしょうか?
既存の安定器を使用する
安定器は電気の供給を安定させる役割がありますので、そのまま付けて使うという方法もあります。ただし、使用できるLED製品の選択肢が限られてしまいますし、安定器の種類によっては適合しない可能性もあります。
また、結局既存の安定器を使用することになるので、LED照明の本来の強みでもある電気代の節約もできません。安全性と電気代のことを考えると、きちんとバイパス工事を行ってLED照明に交換することをおすすめします。
事例紹介
事例その1
トイレ 換気扇・照明連動 熱線センサー付自動スイッチ,LEDダウンライトへの交換
- BEFORE
- AFTER
事例その2
LED化工事浜松市浜北区O様邸
- BEFORE
- AFTER
まとめ
LED照明への交換は電気代の節約や環境保護の観点からも非常に有効な手段です。蛍光灯からLEDに交換する際には、工事が必要な場合とそうでない場合がありますので、事前に確認しておくことが大切です。バイパス工事が必要な場合は、自分で行うのではなく、必ず資格を持ったプロに依頼しましょう。
また、工事の費用や時間、使用するLED製品の選定についても慎重に検討し、信頼できる業者に依頼することが重要です。工事不要の方法もありますので、自分の状況に合った最適な方法を選び、LED照明の導入を進めてください。
LED照明に交換することで、長期的なコスト削減と快適な生活環境を実現することができるでしょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
まずは相談から
渡邊 一伸(ナベさん)