2024年6月17日

分電盤の交換の目安や実際にかかる費用とは?プロに頼むべき交換のポイントもご紹介

住宅設備の多くは月日と共に少しずつ劣化していきます。 分電盤は経年劣化によるトラブルが起きると、他の家電に大きな影響が出てしまうため、トラブルが起こる前に交換しておきたいですよね。 この記事では、分電盤の交換の目安や実際にかかる費用や交換のポイントについて解説します。

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分電盤交換の費用相場

リフォマに寄せられた事例や独自の調査をもとにした 分電盤交換 を行う場合の概算費用です。

8回路40Aの分電盤工事
45,000円〜55,000円
12回路40Aの分電盤工事
55,000円〜60,000円
14回路40Aの分電盤工事
60,000円〜70,000円
20回路60Aの分電盤工事
70,000円〜80,000円

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分電盤とはなにか?そもそも自分で交換できるの?

分電盤

分電盤と聞くと、なんだか難しそうな装置に思えるかもしれませんが、皆さんは家が停電になったときにブレーカーを確認したことはありませんか?あのブレーカーが入った箱のことを「分電盤」と言います。

分電盤とは、住宅に取り込んだ電気を、それぞれの部屋や用途ごとに分岐するための装置です。分岐することで一つの線でトラブルが起きても、他の線に接続された電気機器を守ることができます。

例えば、コンセントと照明を別系統に分岐しておくと、ドライヤーなどを使ってブレーカーが落ちたとしても、照明は消えずに済むというメリットがあります。

分電盤の交換は自分でできるか?

それでは、もし、そんな重要な分電盤にトラブルが発生した時、自分で交換できるのでしょうか?答えはNOです。分電盤の交換は電気工事にあたりますので、電気工事士の資格を持ったプロに依頼しなければなりません。感電事故につながる恐れもあるため、注意が必要です。

分電盤の交換が必要な目安とは

分電盤

分電盤が故障してしまうと、コンセントで繋がっている他の電化製品に大きな影響を与える可能性があります。電化製品の故障や漏電という最悪の事態にならないためにも、故障する前に交換する必要があります。

分電盤の故障サイン

  • 分電盤が発熱して熱を帯びている
  • 分電盤から異音がする
  • 分電盤に破損や焦げた跡がある
  • 家電に触れると電気が流れたようにしびれる
  • テレビの画面が乱れることが多い
  • 寿命を迎えていない照明が点滅する
  • 普段よりも電気代が多くかかっている

上に示したものが、よく分電盤が故障する前に起こるサインです。このサインがある場合は、交換を検討してください。

また、これら以外にも交換の目安として重要なポイントがあります。それは、分電盤自体の寿命です。特に設置から13年以上経過したものは、寿命を超えて使用しているものになりますので、目立ったトラブルがなくても交換を検討してみてください。

古い分電盤には「漏電を検知する漏電ブレーカー」がない場合もあります。その場合も交換をおすすめします。最新のものは、安全性が高く漏電や過電流への対応が早いため、古いタイプの分電盤を使用している場合も最新のモデルに交換をおすすめします。

分電盤の交換にはどれぐらい費用がかかるのか

分電盤

分電盤の交換をするときに気になるのは、やはり費用です。ここでは、分電盤交換にかかる費用をご紹介します。

費用項目費用範囲
分電盤本体価格2万~4万円
漏電ブレーカー本体価格3千~1万円
安全ブレーカー本体価格1千円
分電盤取替工事費用2万円~
ブレーカー単体取替工事費用8千円~
廃棄処分費用2千円

分電盤をすべて交換する場合は、5万~8万円程度かかります。これに加えて、業者の出張費が発生することもありますので、10万円くらいの予算を確保しておくと安心です。そのまま使用して、ブレーカーだけ交換することも可能ですので、予算に余裕がない場合は工事業者に相談してみましょう。

交換する時プロに相談するポイント

分電盤

分電盤の交換や設置をプロに依頼する場合、交換したものが自分の思っていたものと違ったり、自分の家に合っていなかったりといったトラブルが起きることがあります。そんなトラブルを避けるためにも、交換の際にプロに相談する方がいいポイントを3つご紹介します。

1. 設置する場所に注意

新しく分電盤を設置する場所には注意してください。基本的には以前と同じ場所に設置するので問題ありませんが、その場所の環境が以前と違っている場合には、本当にその場所で大丈夫なのかを再度確認しましょう。次のような場所への設置はおすすめできません。

分電盤周辺に障害物があり熱がこもりやすい場所

ブレーカーは電気が流れるため、発熱しやすいという特徴があります。周辺に障害物がある場合には空気の流れがなくなり分電盤が熱を蓄えやすく、さらに火災が発生したときに燃え移りやすいという問題があります。

粉じんなどが入りやすい場所

分電盤は粉じんが原因で故障することがあります。ブレーカーが落ちた際、復旧しやすいようにと低い位置に設置する方がいますが、分電盤が室内の高い場所に設置されているのは、粉じんの影響を受けないようにするためでもあります。特に理由がないのであれば、部屋の高い位置に設置してください。

2. 分電盤の大きさに注意

分電盤本体を交換する場合、既存のものよりも小さいものを設置してしまうと、設置していた跡が目立ってしまうことがあります。基本的には従来と同じサイズのものか、ひと回り大きなサイズを選定してもらうとよいでしょう。

もし新しい分電盤が小さいもので、もとの跡が気になるような場合は追加で壁紙の処理が必要になるケースがあります。

3. 回路の種類と分岐数に注意

使用する電気機器を想定して分電盤の回路の分岐数を選ぶことが大切です。回路には標準回路と専用回路の二種類があります。

標準回路

コンセントや電灯で使われる回路です。消費電力がそれほど高くない電気機器でも、同時に複数の機器を使うと過電流が流れ、ブレーカーが落ちる可能性がありますし、漏電があったとき、繋がっている電気機器がすべて壊れるかもしれません。そのようなことにならないようにするためには、標準回路をいくつかに分岐させる必要があります。下の表は回路の数の目安です。

住宅面積回路数
50㎡以下5
51~70㎡7
71~100㎡8
101~130㎡10
131~170㎡13

住宅面積が80㎡の場合には、標準回路が8回路必要です。

専用回路

1つの回路で使える電気は約20Aまでとなっているため、消費電力が1000

Wを超えるような下記の器具は、それぞれ専用の回路を使う必要があります。その回路のことを専用回路と呼びます。

  • エアコン
  • 電子レンジ
  • 浴室乾燥換気扇
  • IHクッキングヒーター
  • 食洗機
  • 電気暖房器具
  • 温水洗浄便座
  • 洗濯乾燥機

上記の電気機器をすべて使用している方は、専用回路が少なくとも8回路必要です。将来的に購入が見込まれる電気機器がある場合は、後から増設ができないこともありますので、あらかじめ専用回路を用意しておくと安心です。

回路には標準回路と専用回路の2種類があり、標準回路で必要な分岐数と専用回路で必要な分岐数を合わせた数だけ分岐できる分電盤を選ぶのが望ましいでしょう。この点についても、業者さんとよく相談するようにしてください。

分電盤の選び方と設置方法

分電盤の選び方

分電盤を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

1. 安全性

分電盤には様々な種類がありますが、最新のものは安全性が高く、漏電や過電流に対する対応が迅速です。安全性を重視するならば、最新モデルの分電盤を選ぶことをおすすめします。

2. 使いやすさ

分電盤は日常的に使用するものではありませんが、いざという時に使いやすいことも重要です。ブレーカーの配置や表示が分かりやすいものを選ぶと、トラブル時の対応がスムーズに行えます。

3. 拡張性

将来的に新しい電気機器を導入する可能性がある場合、分電盤の拡張性も考慮する必要があります。分岐回路の数が増やせるものを選ぶことで、将来のニーズにも対応できるようになります。

分電盤の設置方法

分電盤の設置は専門的な作業が必要なため、必ず電気工事士に依頼してください。以下は、分電盤の設置手順の一般的な流れです。

  1. 現地調査 プロの電気工事士が現地を調査し、最適な設置場所を確認します。設置場所が決まったら、必要な準備を行います。

  2. 旧分電盤の取り外し 既存の分電盤を取り外します。この際、電源を完全に切り、感電の危険を避けるための安全対策を行います。

  3. 新しい分電盤の設置 新しい分電盤を設置します。設置場所に合わせて固定し、電気配線を接続します。

  4. テストと調整 分電盤の設置が完了したら、各回路が正常に動作するかをテストします。必要に応じて調整を行い、問題がないことを確認します。

  5. 動作確認 最後に、すべてのブレーカーが正常に動作するかを確認し、設置作業を完了します。

分電盤のメンテナンスと点検

分電盤は一度設置すると長期間使用するものですが、安全性を保つためには定期的なメンテナンスと点検が必要です。

定期点検の重要性

分電盤は電気の分配を行う重要な装置であり、故障や異常が発生すると家庭全体の電気供給に影響を及ぼします。定期的な点検を行うことで、早期に異常を発見し、重大なトラブルを未然に防ぐことができます。

点検項目

  • ブレーカーの動作確認 ブレーカーが正常に動作するかを確認します。異常があれば早期に交換が必要です。

  • 接続部の緩み確認 電気配線の接続部が緩んでいないかを確認します。緩みがある場合は、火災の原因となることがあります。

  • 分電盤内部の清掃 分電盤内部に埃や汚れがたまっていると、故障の原因となります。定期的に清掃を行いましょう。

  • 異常音や発熱のチェック 分電盤から異音がする、または異常に発熱している場合は、すぐに専門家に相談してください。

メンテナンスの頻度

一般的には、分電盤のメンテナンスは年に一度程度行うことが推奨されています。しかし、古い分電盤や頻繁に異常が発生する場合は、より頻繁な点検が必要です。プロの電気工事士による点検を受けることで、安全に使用し続けることができます。

まとめ

分電盤は家庭の電気を安全かつ効率的に分配する重要な装置です。トラブルが発生した場合、自分で交換することは危険であり、必ず資格を持った電気工事士に依頼する必要があります。

分電盤の交換が必要なサインや費用についても理解し、適切なタイミングで交換やメンテナンスを行うことが大切です。また、設置や交換の際にはプロに相談し、適切な分電盤を選ぶようにしましょう。

安全な電気使用を確保するためにも、定期的なメンテナンスと点検を忘れずに行いましょう。分電盤の選び方や設置方法、メンテナンスについて理解し、家庭の電気供給を常に安全に保つことが大切です。

分電盤交換の費用相場

リフォマに寄せられた事例や独自の調査をもとにした 分電盤交換 を行う場合の概算費用です。

8回路40Aの分電盤工事
45,000円〜55,000円
12回路40Aの分電盤工事
55,000円〜60,000円
14回路40Aの分電盤工事
60,000円〜70,000円
20回路60Aの分電盤工事
70,000円〜80,000円

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。