2018年2月14日

内装仕上げに利用する素材の種類

屋根と壁があれば雨風をしのぐことができますが、家というのは壁を作り、床を張るなどして、快適に暮らせるように仕上げる必要があります。この仕上げにどのような素材を使うかによって、空間の雰囲気がずいぶんと変わってきます。ここではそんな内装仕上げに利用する素材の種類について、分かりやすくご紹介します。

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クロス

家の壁面に使われることが多いのがクロスです。クロスは壁紙とも呼ばれ、マンションなどの集合住宅では、ほぼ100%壁面にはクロスが使われています。そんなクロスも、実は様々な種類があります。どのようなクロスがあるのか、その特徴も含めてご紹介します。

ビニールクロス

最も多く使われているクロスがビニールクロスです。クロス壁紙と呼ぶくらいですから、紙で出来ていると思っている人も多いようですが、実はビニール製のものがほとんどです。ビニールで作られているのはもちろん理由があります。

  • お手入れが簡単
  • 加工がしやすい
  • 値段が安い

これらがビニールクロスが多用される主な理由です。ビニールですので汚れが染み込むことがほとんどなく、汚れても簡単に拭き取ることができます。また、エンボス加工なども簡単に行えるため、バリエーションが豊富に用意されています。

そして何よりも、値段の安さが最大の魅力です。プリントしただけの安価なものから、特殊加工を行った高価なものまでありますので、予算に合わせて選ぶことができるのが、ビニールクロスの特徴です。

布クロス(織物クロス)

布クロスは麻や絹、そしてレーヨンなどの素材から作られるクロスです。ビニールクロスが定着する前の定番は布クロスでした。織物ですのでとても上品な仕上がりになります。さらにビニールクロスと較べると強度が高いという特徴もあります。

ただし、価格が高いだけでなく、汚れにも弱いというデメリットもあります。汚れを吸い込んでしまいますので、どうしてもシミになってしまいます。それでも他の素材にはない魅力のあるクロスですので、ナチュラルな雰囲気を出したいときなどにおすすめします。

紙クロス

紙クロスは欧米を中心に広まった壁紙です。基本的にはパルプが原料になっていますが、独特の風合いを出すために和紙を使うケースもあります。紙クロスの特徴は柔らかさにあります。ビニールクロスで柔らかさを出すには加工が必要で、結果的に価格が高くなることもあります。

さらに、柄の選択肢も多いというのも紙クロスの特徴のひとつです。プリントするだけですので、とてもデザイン性の高いものも選べます。予算に余裕があれば、オリジナルの紙クロスを作ることもできますので、世界に1つだけの部屋を作り出せます。

デメリットは水に弱いということです。これが夏場に高温多湿になる日本で長い間普及しなかった理由のひとつです。さらにデザインにこだわると、紙クロスと紙クロスの境目が目立ってしまうというデメリットもあります。価格もビニールクロスと比べると高めです。

塗り壁

古い日本の建物は、クロスではなく塗り壁で作られていました。漆喰は江戸時代からある伝統技術のひとつで、左官という専門職もあるくらいです。クロスではなく塗り壁が使われていたのは、日本独特の気候が影響しています。雨が多く湿度が高い日本では、塗り壁によって室内の湿度が上がりすぎないように調整されていました。

いまでは漆喰以外にも塗り壁材の種類があります。ここではそれぞれの特徴について見ていきましょう。

珪藻土

吸湿性、保温性、断熱性に優れた素材で、人間の体に優しい自然素材のひとつとして高い人気があります。珪藻土を使うことで、室内空間がとても快適なものになりやすく、冬場の結露を防ぐこともできる素材のひとつです。

珪藻土は植物プランクトンである珪藻の死骸が堆積してできた土で、目に見えない小さな孔で構成されています。 この孔が水分を吸収したり、放出したりすることで部屋を快適な状態に保ってくれます。

とてもメリットの多い珪藻土ですが、デメリットとして粉が落ちやすいことと、ヒビが入りやすいという点が挙げられます。 さらに、職人さんの腕の善し悪しがはっきり出てしまいますので、満足できる仕上がりになるとは限らないという点も考慮しなくてはいけません。

漆喰

漆喰は日本に伝わる伝統的な内装仕上げ材です。消石灰に麻や糊などを混ぜて作ります。耐久性、調湿性、断熱性、防火性が高いという特徴があります。塗り方によっては和の雰囲気だけでなく、洋風にも合わせられるのも漆喰の魅力のひとつです。

塗りたては少し匂いがありますが、時間とともに消えていきます。VOC(揮発性有機化合物)のような有害なものではありませんが、気になる人はややストレスを感じるかもしれません。

ビニールクロスなどと比べると工期が長く、費用も高くなるというのが漆喰のデメリットです。また珪藻土と同じように、職人さんの腕によって仕上がりがまったく変わってきます。さらに、内装業者によって価格にバラツキがあり、どこに依頼するのがベストなのか分かりにくいというデメリットもあります。

土壁

土壁はあまり一般的ではありませんが、茶室などに使われる素材です。「京壁」とも呼ばれ、高級な土壁として聚楽壁や大津壁などがあります。土がそのまま個性となり、和の雰囲気を高めてくれるという特徴があります。

もちろん調湿作用があり、耐久性にも優れています。蓄熱性や防カビ性も高く、なによりもエコな素材として注目されています。

残念ながら断熱性には優れていません。このため、夏は湿度は下がっても気温は下がらずに、さらに冬は外の寒さがダイレクトに伝わってきます。他の塗り壁同様に、工期が長く、価格もどうしても高くなります。工事に天候の影響をうけやすいというのも土壁のデメリットのひとつです。

木材

木材は内装仕上げでとてもよく使われる素材のひとつです。 木材というと柱をイメージする人も多いかもしれませんが、床や天井だけでなく、扉などにも木材が使われます。 カウンターテーブルに木材を使っている人も多いかもしれません。

ただし、この木材もとても種類が多く、初めて内装工事をする人はどの素材を使うかで頭を悩ませるかもしれません。 木材は無垢材と加工木材の2種類に分類され、それぞれに適所や特徴があります。最適な場所に利用するために、最低限の知識は頭に入れておきましょう。

無垢材

無垢材は1本の木から切り出した木材で、とても高級感があります。 一枚板のテーブルなどが売られていますが、それらがとても価格が高いことからも分かりますように、無垢材で内装仕上げを行うとかなり高額になるケースがあります。

ただし、すべての無垢材が高価というわけではありません。ホームセンターなどで売られているパイン材はとても安価な無垢材です。 一般的には針葉樹の無垢材が安価で、広葉樹の無垢材が高価だと言われています。

無垢材の魅力は何といってもその風合いにあります。森林浴をしているような効果も期待でき、さらに調湿機能も備わっています。 加工木材のように、ヒビが入ることもあまりありません。ただし、その調湿機能が仕上げ材としてマイナスに働くこともあります。

無垢材は水分を吸収しやすいため、どうしても変形してしまいます。 このため、床材などに利用するときにはニスを塗るなどして、水分を吸わないようにしなくてはいけません。 そうなると、無垢材を利用するメリットは見た目だけになります。

また、大きく取ることができず、1枚1枚がすべて違う木目になりますので、組み合わせのセンスが問われるというデメリットもあります。 針葉樹の安価な木材を使っても、施工するのに高い技術がいりますので、やはり工事費が高くなる傾向にもあります。

それでも、長く使い続けることで、加工木材にはない味が出てきます。初期コストは高くなりますが、長い目で見ればコスト面でもメリットがある。それが無垢材の特徴のひとつです。

加工木材

加工木材はカットした木材を貼り合わせて加工したものです。無垢材のように大きな木を用意せずに、大きな板材を作り出せるという特徴があります。 無垢材と違い、素材の品質が安定しているため、安価だという理由だけでなく、加工しやすいという点でよく使われる素材です。

そんな加工木材にもいくつかの種類に分けられますので、それぞれの特徴をご紹介します。

合板

ホームセンターなどでよく見かけるベニヤ板です。内装で使われることが多く、安価で入手性も高いという特徴があります。 薄く剥いた板を何枚も接着剤で貼り合わせて作りますが、その貼り合わせをするときに繊維の向きを交互にすることで強度を高めています。

LVL(単板積層材)

LVLも合板と同じように薄くカットした板の貼り合わせですが、こちらは繊維の向きを揃えています。 そのため、特定の方向以外は強度が弱くなってしまいます。このため、力の方向が一定にしかかからないドアの枠などに利用されます。

集合材

合板やLVLは薄い板の貼り合わせでしたが、集合剤はある程度大きくカットした角材を組み合わせて太い一本の木材に仕上げます。 木の風合いがありながらも、無垢材よりも安価で強度もあるため、内装でも使われることの多い木材のひとつです。

パーティクルボード

加工木材や無垢材の削りだし時に発生する、木クズを粉砕して作られる板材です。 こちらもホームセンターでよく見かける素材で、見た目が独特かつ価格が安いということで、あえて見えるところに使うことがあります。 ただし一般的には、普段は目につかない裏側などに利用します。

ファイバーボード

パーティクルボード同様に木クズから作られる板材ですが、木の繊維を残さないため見た目に均一性があります。 パーティクルボード同様にとても安価で、使い勝手のいい素材ですので、主にインシュレーションボードに使われますが、あえて内装仕上げに利用することもあります。

まとめ

内装仕上げに使う素材と言っても、とても多くの種類があり、すべて把握するのは大変ですよね。 ですので、こういうものがあるということだけ頭に入れておきましょう。 知っているのとそうでないのとでは、内装業者とのコミュニケーションも変わってきます。

内装仕上げの素材はコストに大きく影響しますので、見えない部分は安価なものを選ぶなどの使い分けをするのが理想です。なおかつ、見える部分はその機能性も考慮した上で、素材を選ぶようにしましょう。一見すると高価な素材も耐久性があり、長持ちするということもあります。

また、素材にはそれぞれに長所と短所があります。適材適所を心がけて、コスト面でも実用面でも満足度の高い内装工事を行ってください。

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