2024年9月14日

【2024年版】台風被害や雹災は火災保険でどこまで対応できる? 適用条件を詳しく解説

日本は台風や地震などの自然災害が起こりやすく、毎年多くの方が被害に遭われています。 2024年8月に発生した台風9号10号や2024年6月に関東を中心に発生した雹災では屋根やカーポートなどに被害が出たという方が多くいらっしゃいました。 このような自然に備えて多くの方が火災保険にご加入していると思いますが、全ての被害に火災保険が適用されるわけではありません。 この記事では、主に台風風災で被害に遭った場合、火災保険がどこまで適用されるのか詳しく解説しています。

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台風で被害に遭ったら火災保険を利用することができます

台風で被害に遭ったら火災保険が利用できます

台風や暴風雨によって被害をうけると(風災)、風による住宅の破損の他、屋根の瓦やスレート板が剥がれてしまうことにより雨漏りが起きて家財道具や床が濡れるなど生活に影響を与えるケースもあります。

軽微な補修であれぱ安価な費用で修理できますが、壁に大きなヒビが入っていたり、屋根の瓦が半分以上剥がれたりした場合など、家の状態によっては100万円以上の高額な費用がかかることがあります。

火災保険に入っている方であれば保険を利用して修繕することができることが多いですが、火災保険は全ての被害に対応できるわけではありません。 場合によっては、補償適用外となることもありますのでまずは火災保険の適用範囲について説明していきます。

台風で適用される火災保険の範囲

火災保険ですので、火事や爆発が起こった際にも適用されますが、この記事では主に台風で起こりうる被害に焦点を充てて説明していきます。

  • 台風による暴風雨、豪雨等による洪水での被害
    (洪水で下水や汚水が家の中に流れ込んできた)
  • 台風、暴風雨、竜巻による風災
    (強風で屋根瓦が破損してしまった)
  • 落雷による被害
    (台風によって発生した雷により、家電製品がショートして壊れてしまった)
  • 高潮、土砂崩れ・落石などによる被害
    (土砂が崩れて自宅が巻き込まれた)
  • 洪水や土砂崩れにより床上浸水
    (台風による高潮や高波で床下浸水が起こった)

同じ被害でも家の状況や保険会社によっては、適用されないことがあります。 まずは、ご加入いただいている保険会社に確認してください。

火災保険を利用する前に確認しておくべきこと

火災保険はただ連絡すれば対応してくれるわけではありません。
専用ダイヤルに電話すると、契約者の名前保険証の番号発生日時場所状況などを確認されます。

その後、保険会社から必要な書類が送られてきます。台風で家の一部が破損した場合では、破損した物件の全体、もしくは破損した箇所を写真で撮り、保険会社に返送することになります。

安全を確保できるのであればご自分で撮るのもよいですが、必要な場所を写していないと保険金が下りないこともあります。 修繕した後では、当然破損した部分を撮ることはできませんので、業者に相談して撮ってもらったほうが確実です。

なお、本サイト(リフォマ)を運営しているローカルワークスでは保険会社と提携しているため、火災保険の扱いに慣れていない業者に比べてスムーズに保険の申請まで行うことができます。 もし依頼する先が決まっていない場合にはフォームの詳細にてローカルワークスに依頼したい旨を添えてお問い合わせください。

台風の被害にあっても保険が適用されないことがある

台風の被害にあっても保険が適用されないことがある

先ほど台風などの自然災害に自宅が巻き込まれた際、適用される火災保険について説明しましたが、状況によっては保険適用外になることもあります。

大概の人が保険会社に確認してから施工を行うと思いますが、「保険が下りるから大丈夫だろう」と勝手に判断し、高額な工事を行ったら保険対象外だったというケースもあります。 そのような事態に陥らないために、適用外になりやすい被害状況について解説していきます。

台風で適用されない可能性のある被害状況

台風などの自然災害で自宅が被害に遭っても、以下の場合は適用されないことがあります。

  • 経年劣化による被害
  • 保険金の請求期限を過ぎてしまった

経年劣化とは、年月の経過により瓦や外壁の塗料などの材料が劣化することをいいます。 住宅に使用されている木材や塗料は月日が経つことで、色褪せたり錆びたりして少しずつ劣化していき、本来の能力が発揮できなくなります。

そのため、家を建ててから20年以上が経っているけれど、一度も屋根リフォームを行っていない状態で、台風による被害に遭っても経年劣化とみなされ、保険金が下りないことがあります。

また、保険金の請求期限は法律で3年と決められています。すぐに申請できない場合は忘れないように気を付けましょう。

火災保険の対象になるか分かりずらい事例をご紹介

火災保険の対象になるか分かりずらい事例をご紹介

上記で説明しましたように、火災保険では適応対象外になることがあります。
ここでは、適応されるかどうかが分かりにくい被害を例に挙げ、詳しく説明していきます。ただし、保険会社によって規定が異なるため、あくまで参考程度にご覧ください。

応急処置でブルーシートを屋根にかけた

屋根の一部が欠損してしまうと、雨漏りをする可能性があるのでブルーシートで応急処置を行う方が殆どだと思います。

その際に発生する費用を仮修理費用とし、保険会社によっては補償してくれるプランもあります。仮修理費用に関する保険に加入していない場合は、当然ながら補償はされずに実費でまかないます。

屋根が半壊した場合、部材の残骸を廃棄することになりますが、それらは産業廃棄物という区分になるため、自治体のごみ収集では処理してもらえないことがあります。産業廃棄物の処理には意外と費用がかかりますので、いざという時のことも考えてプランを決めるとよいでしょう。

外に置いてある機器が暴風雨に曝されて故障した

エアコンの室外機や給湯器など外に設置されている機器は、台風の強風によって飛来した物に当たって、使用不可能になってしまうことがあります。

上記のような場合は、風災にあたります。火災保険に加入していても、その中に風災が含まれていないと補償適用外となってしまいます。 風災には様々な注意点がありますので、この後の章で詳しく説明します。

その他に、修繕する業者がなかなか見つからず、雨漏りによって二次被害が起こることがあります。二次被害は基本的に保険の適用外となることが多いので、自宅の状況によっては難しいかもしれませんが早めの修繕が大切です。

台風による風災被害の注意点

台風による風災被害の注意点

台風は強風が吹き荒れるので、風災での被害が多くなります。 しかし、風災での事故連絡は他の災害とは少々異なるため、抑えておくべきポイントをご紹介します。

風災は最大瞬間風速によって決まる

天気予報などで、最大風速最大瞬間風速という言葉を耳にしたことがあると思います。 風災の被害を保険会社に報告する際は、最大瞬間風速が重要になります。

保険会社によって多少の差はあるかと思いますが、風災で補償の対応となるのは最大瞬間風速が20m以上となります。 以下で詳しく説明していますが、一般的な台風の定義は、最大風速17m以上ですので一概に台風の被害といっても、必ずしも風災が適用されるわけではありません。

熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
引用元: 気象庁

しかしながら、最大風速はあくまで平均ですので、風速17mであっても最大瞬間風速が20m以上になることはあり得ます。

気象庁のホームページでは、過去の気象データを閲覧できます。 気温や降水量以外にも風速を調べることが可能ですので、余裕がある時に一度確認するとよいでしょう。

※最大風速は10分間計測した場合の平均風速の最大値で、最大瞬間風速は瞬間の風速の最大値のことです

風災では条件によって補償が下りないことがある

台風などの風災だけでなく、雹(ひょう)災、雪災での保険金は、フランチャイズ方式で支払われることがあるため注意が必要です。
フランチャイズ方式は、損害による補償金額が一定額に達しないと支払われませんが、一定額を超えると全額保険金でまかなえる方式になります。

簡単に説明しますと、保険会社がフランチャイズ方式の損害額を20万円に設定しているとします。 その場合、被害額が20万円では保険金が支払われず、21万円であれば全額支払われます。 風災が全てフランチャイズ方式というわけではありませんが、火災保険の契約内容によって保険金が支払われないことがある、ということを覚えておいてください。

最近の火災保険の契約は、免責方式ディクダクティブル方式となっています。 免責方式は契約者が自己負担額を決められるようになっており、ディクダクティブル方式では損害額を超える被害に遭ったとき、損害額から差引いた額が支払われます。 保険内容は人によって異なりますので、今一度確認しておくと安心です。

台風で落雷によって起こった被害は家財保険が重要

台風で落雷によって起こった被害は家財保険が重要

火災保険には建物に関する補償と、家財に関する補償の2つに分かれているのをご存知でしょうか。
建物の中には外壁や門、堀などの他に、畳や家の中にあるお風呂、ガス台も含まれます。

一方、タンスの中の衣類や電化製品は家財に分類されます。 そのため、台風による落雷で電化製品がショートしてしまい、故障してしまったというケースでは火災保険の家財にも加入していないと補償されないことがあるので注意してください。

さらに、骨董品や貴金属といった高級品は家財に含まれないことが多く、別途特別な補償を付けることになります。 必要な方は保険会社に相談してみるとよいでしょう。

火災保険の対応に不安な方は業者としっかり打ち合わせしよう

火災保険の対応に不安な方は業者としっかり打ち合わせしよう

火災保険で自宅の修繕を行うことは可能ですが、どこまで対応してもらえるか見極めるのは簡単なことではありません。 ご自身で対応できるか不安という方は、業者に相談しながら保険会社に連絡するとよいでしょう。

そうはいっても、突然家を訪ねてきて「火災保険に加入していれば無料で工事できますよ」など、魅力的な言葉で施主を騙して高額なお金を巻き上げる、悪徳業者と言われる業者も存在します。

悪徳業者にそそのかされたと保険会社に伝えても、ブラックリストに載る可能性が高く、最悪の場合はご自身が罪に問われることもあります。

  • 強引に契約を迫ってくる
  • 「早く工事しないと家が崩れる」などの大げさな物言いをする
  • 「火災保険で無料でできる」など、とにかく安く工事できることを強調する
  • 断ってもなかなか帰ってくれない
  • 工事に対する質問をしても返答が曖昧

以上が悪徳業者の主な特徴です。
優良な業者であれば、火災保険が下りなかった場合の工事も提案してくれたり、火災保険に対する知識も豊富であるので、些細な疑問にも丁寧に答えてもらえるでしょう。

以下の記事では悪徳業者の事例も記載していますので、詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

台風や雹害のあとにやってくる?!悪徳業者の手口を徹底解説! 対処法もご紹介【リフォームする方必見】

台風で屋根が剥がれてしまったときの施工費用の目安

台風で屋根が剥がれてしまったときの施工費用の目安

台風で屋根の瓦やスレート板が剥がれてしまった場合、火災保険を利用することができますが、ご自宅の状況や保険の加入内容によっては、利用できないこともあります。

仮に、火災保険が利用できないとなると、屋根の修繕に一体いくらかかるのでしょうか。 火災保険が使用できない時のことも考えて、屋根工事の費用について分かりやすく解説していきます。

瓦の部分的な交換であれば、3~15万円程度で行うことができますが、全面の瓦を交換すると100万円程度かかることがあります。 瓦にも種類がありますし、屋根の広さによっても費用は変わってきますが、屋根全面の瓦の交換は安価な値段で行うのが難しいと思ってください。

また、瓦は1枚だけしか割れていなくても、そこから雨水が浸水したことで屋根が腐食し、屋根全体の修理を行うことになったケースもあります。 軽微な破損であっても油断せずに、早めに専門の業者に見てもらってください。

  • スレート板

今や殆どのご家庭の屋根は、スレート板(コロニアルと呼ぶこともある)という素材を使用しています。 価格が安く、耐火性、耐震性に優れているスレートですが、頂上部分の棟板金は風の影響を受けやすいため、台風では外れてしまうことがあります。

スレート板は瓦のような部分的な修繕がしにくかったのですが、近年では道具の発達により部分補修が可能になっています。 スレート板の部分補修であれば1枚5,000円~3万円、全面張り替えると100㎡(約30坪)で120万円前後かかります。

  • トタン屋根

軽くて安いという特徴があるトタンは、屋根の素材としても使われていますが、現在はより丈夫なガルバリウム鋼板に変更される方が多いようです。
屋根の大きさは1階の床面積 × 1.5で図るため、仮に100㎡(約30坪)だとすると150㎡となります。

トタン屋根:7千円~1万2,000円/㎡ですので、150㎡は100万~180万円前後
ガルバリウム鋼板:9千円~1万4,000円/㎡ですので、150㎡は130万~210万円前後

上記の価格はあくまで大まかな費用の目安ですので参考程度にお考えください。

屋根修理の費用相場は?業者選びのポイントをご紹介
瓦屋根の修理・葺き替えの費用相場と工事前に必要な事前知識
トタン屋根の修理にはいくら必要? リフォームのための基礎知識

火災保険の申請は焦らなくても大丈夫

台風など自宅が被害に遭うと、早く修理してもらいたくて業者探しに注力し、保険会社に申請をし忘れてしまったというケースが多々あります。
しかし、工事が完了した後でも、3年以内であれば保険会社に保険金を請求できます

保険法 第95条
保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、三年間行わないときは、時効によって消滅する。
引用元: 衆議院

同法律で保険料請求権は一年で時効となっていますが、保険料請求権は契約者が保険会社に支払う費用のことですので、この記事では割愛します。

3年以内に申請できるのであれば、そこまで焦る必要はなくて済みますよね。焦って業者に依頼した結果、実は悪徳業者で保険金以上の金額を請求されてしまっては意味がありません。
雨漏りが酷い場合などすぐにでも業者に依頼したくなると思いますが、できるだけ複数の業者で比較をしてより良いところに依頼してください。

※独自の時効期限を定めている保険会社もありますので、3年以内であれば必ず申請が通るわけではありません

まとめ

火災保険 工事

台風などの自然災害が起こりやすい日本では火災保険による備えが欠かせません。 特に屋根工事は状態や工事内容によって100万円以上かかることがあります。

火災保険は様々なプランがあるため、適用されるものをあらかじめ確認しておくと、いざという時に焦らなくて済みます。 さらに、実際に工事を行うときは火災保険を使用することを業者に伝えることで保険用の請求書を作成してもらえますので、問い合わせる際には必ず相談してみましょう。

なお、本サイト(リフォマ)を運営しているローカルワークスでは保険会社と提携しているため、火災保険の扱いに慣れていない業者に比べてスムーズに保険の申請まで行うことができます。 もし依頼する先が決まっていない場合にはフォームの詳細にてローカルワークスに依頼したい旨を添えてお問い合わせください。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。