2018年7月30日

人気の居酒屋になるための立地条件とは?

「飲食店は立地が7割」というのは飲食業界では半ば常識となりつつあります。これは居酒屋の経営も同じことが言えます。お客様がまったく歩いてこない路地裏にお店を構えても、繁盛店になることは簡単ではありません。ところが、そのような立地でも人気のお店になれないかというとそういうわけでもありません。むしろあえて、隠れ家風にして成功しているお店もあります。 ただし、それも含めて立地を活かした経営をしているということを忘れてはいけません。「あのお店が成功できるなら」と安易に真似て路地裏に出店したら、お客様がまったく来ないということもあります。そうならないための立地の考え方、立地条件についてここではわかりやすくご紹介します。

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集客にとって良い立地とは?

居酒屋

出典:photoAC

居酒屋の内装工事の最初のステップに立地の選定があります。いくら内装デザインが良くても立地選びに失敗してしまうと思うような経営ができません。 立地選びはとても重要なのです。

ただお客様を集めたいだけなら、利用客の多い駅前の一等地にお店を構えましょう。よほどおかしなお店でもない限りお客様は集まります。ただし、それが自分たちの望んだお客様であるかどうかは別問題です。単価の安いもので長時間粘られるようですと、回転数が下がってしまって利益が出ません。

お店によっては良い立地というのは違います。すべてのお店にとって良い立地というのはなく、それぞれのお店のスタイルによって、どこに開店すればいいのかは変わってきます。まずはそのことをきちんと理解しましょう。必ずしも一丁目一番地が理想の立地ではありません。むしろ、人通りが少ない場所で活路を見つける店舗もあります。

また、駅の近くになればなるほど家賃が上がります。この家賃に見合っただけの収益がなければ居酒屋の経営は成り立ちません。格安居酒屋を開くのであれば、回転数の高い立ち飲みのお店にして、薄利多売を目指さなくてはいけません。その代表的なお店がチェーン店です。チェーン店は駅前に出店して、飲み放題をつけることで2時間制にして、お客様の回転を上げています。

反対に、隠れ家スタイルで成功しているお店は客単価を高めに設定し、家賃の低めの駅から少し離れたところを選びます。お客様がどんどん流れてくることはありませんが、価格に見合うだけのサービスと居心地のよさを提供することで、必要以上に客数を増やさなくても利益を出すことができます。

良い立地とは特定の場所のことではなく、お店との相性がいい場所のことを言います。立地選びをするときには、そのことを忘れないようにしましょう。不動産の担当者に「ここは良いですよ」とセールストークをされても、本当に自店に合った場所なのか判断することが大切です。そのために必要な基礎知識について、次項から説明をしていきます。

立地の種類

最適な立地の選び方について説明をする前に、どのような立地の種類があるのかについて説明します。立地には様々な場所がありますが、ここでは居酒屋に向いている立地を中心に、おすすめの場所をご紹介します。

駅前

一般的には、首都圏や大都市の利用者の多い駅前の立地のことを指します。家賃や保証金が非常に高いというデメリットがありますが、それを補って余りある集客力があります。特に1階にあるお店はそれだけで安定した集客をできるといわれています。

反対に地方の駅前はシャッター街になっていることが多く、車社会ということもあって駅前の立地は逆に難易度が高くなります。同じ駅前でも大きな違いがありますので、駅前ならどこでもいいのではなく、毎日どれくらいの利用者がいるのかを必ずチェックしましょう。

繁華街

所要都市の駅前と同様に、集客がしやすい立地のひとつです。繁華街も家賃が高めに設定されているため、飲食店の入れ替わりが激しいという特徴があります。客数が多くても相当売れ上げないと、経営が成り立たなくなりやすい立地でもあります。

競合店との違いをどれだけはっきりと提示できるかによって、生き残れるかどうかが決まってきます。個性的という印象も重要ですが、安心して利用できるという心理的な面も考慮しなければいけません。

ビジネス街

仕事帰りの会社員が利用しやすい立地になります。居酒屋やバルなどの飲食店は成功しやすいといわれていますが、土日になると会社が休みのため利用客が一気に減ってしまうというデメリットも抱えてしまいます。

このため土、日は営業せずに、平日にランチ営業をして利益を上げているお店もあります。居酒屋でもお弁当を用意している店舗やランチはワンコインするなど、他店との差別化が図りやすい立地でもあります。

裏通り

隠れ家風居酒屋を開くのに最適な立地です。通行量がかなり少なく、偶然やってくるお客様も多いとはいえいため、立地としての集客力はかなり低めです。そのような場所ですので、家賃は格安に設定されています。しかし、名店と呼ばれるお店は裏通りに多いという説があるほど、実は魅力的な立地でもあります。

裏通りで成功するには、他のお店と比べて圧倒的なクオリティが求められます。ただ、家賃が低いことで、食材にお金をかけられるため、味という点では駅前や繁華街よりも圧倒的に有利です。

美味しいものが食べられるお店だと評判になれば、あっという間に予約の取れないお店になることもできます。ただし、運と実力のないお店は自然淘汰されてしまうという厳しさもあります。

高級住宅街

高級住宅街と居酒屋というのはあまりマッチしないように思えますが、多くの人がそう思って手を出さないからこそ、良い着眼点ともいえます。高級住宅街で暮らしている人たちは、生活に余裕があるので客単価も期待できます。注意したいのは、赤ちょうちんのようなスタイルの居酒屋にはしないということです。

高級住宅街で違和感のないデザインなど、高単価に見合うだけのクオリティを問われます。他にはない全国の美味しい地酒や、貴重なワインを揃えられるか。そして舌の肥えた人たちが美味しいと思える料理を出せるのかが成功の鍵を握ります。

学生街

居酒屋の立地としては判断がとても難しいのが学生街です。学生は羽目をはずして飲むことが多いのですが、使えるお金に限度があります。そのため、成功するには低価格路線であることは必須です。安くてお腹いっぱい食べられて、気持ちよく酔うことができるお店というのは、経営側にしてみると無理な注文です。

それでも、安定した利用が期待できますので、やり方次第では地元密着型の居酒屋になることもできます。家賃はそれなりに安いというメリットもありますので、工夫をしやすい立地でもあります。成功と失敗が紙一重の立地ですが、検討するときに見逃すことができない場所のひとつです。

立地の選び方のポイント

どのような立地があるかを把握したところで、次に立地の選び方についてそのポイントや注意点を紹介します。立地選びで失敗しないように、しっかりと理解しておきましょう。

土地勘のある立地を選ぶ

どの立地を選ぶにしても、知らない場所ではなく土地勘のある場所を選びましょう。居酒屋で重要なのは、お客様とお店とのコミュニケーションです。コミュニケーションの元になるのは、地域の話題であることがよくあります。その地のお祭りやイベントの話題をネタに話ができないお店は、地元密着型のお店にはなれません。

そうなるとお客様とのコミュニケーションが深くならず、リピーターになってもらえません。もちろん何十年という長い時間で根付いていくという方法もありますが、それでは耐える期間が長くなってしまいます。そんなリスクを負うくらいなら、最初から土地勘のある地元で開業することをおすすめします。

お店のスタイルに合わせた立地を選ぶ

すでに説明しましたように、すべてのお店にとって最適な立地というものはありません。お店の営業スタイルによって、最適な立地が違います。立ち飲み屋を開きたいのであれば、人の流れの多い駅前の商店街などがおすすめですが、隠れ家風にしたいのであれば、路地裏が向いています。

自分が出したいスタイルの他のお店は、どこに店舗を構えているのか参考にしてみましょう。その場所で何年も継続して営業できているのであれば、その選び方に間違いはありません。同じような立地を選ぶなり、自分なりの考察に基づいて選ぶなりして、自分のお店に最適な場所を見つけてください。

繁盛する居酒屋にするためには、お店のスタイルに合う立地の他に、お店のスタイルがひと目で分かる内装にすることが大切です。
こちらの記事で、居酒屋とバルの内装工事のポイントを詳しく解説しているので、ご参照ください。
居酒屋・バルの内装(改装)工事内容

立地調査の方法

ある程度の立地に絞ったら、次に行うのは立地調査です。立地調査は専門家に依頼するという方法もありますが、予算が限られている小規模な居酒屋の場合は、自分で調査するのが確実です。専門家のレポートだけでは見えてこないものを感じることも出来ます。

ライバル店を調べる

まずはライバルとなる居酒屋が周囲にどれくらいあるのかを調べましょう。できれば、座席数や混雑具合も把握しておきたいところです。
あまり大きくない駅にも関わらず、居酒屋の数が既に多いところに参入するのは懸命ではありません。実際にライバル店を訪れてみて、席があまり埋まっていないときはなおさらです。

反対にどのお店も繁盛しているようなときは、新規参入でもお客様を確保できる可能性があります。立地調査するときは、居酒屋の需要と供給のバランスをしっかりとチェックしましょう。平日だけでなく休日も含めて、来客数も確認しておきます。

周辺の人の流れを調べる

次にすべきことは、時間帯ごとの人の流れを調べることです。居酒屋の場合は、夕方以降の人の流れだけでかまいませんが、ランチ営業も視野に入れているのであれば、ランチタイム時も調査しましょう。何時から人の流れが多くなり、どれくらいの割合で周囲の居酒屋に人が入っているのかをチェックしましょう。

また、開業しようとしている場所の近くに、大きな会社があるのかどうかも調べておきます。小さな駅でも、付近に大きな工場など人の流れがある程度あるところは、居酒屋の需要が高くなることがあります。調査している立地にどれだけの人がやってくるかだけでなく、どこからやってくるのかも確認しておきましょう。

チェーン店に追従する

リサーチ力という意味では大手チェーン店は、とてもしっかりとした調査を行い、絶対に儲かる場所に出店します。このため、大手の居酒屋チェーン店が出店している近くの場所を狙うという方法もあります。反対にチェーン店のない場所で、特色のない居酒屋が成功するのはかなり難しいと考えてください。

ズルい方法のように思えますが、実はこの方法は大手チェーン店でも行っている手法のひとつです。居酒屋はきちんとお客様を呼び込めないことには、採算を取ることができません。少なくともこのような方法もあるのだということを、頭の片隅にでも置いておきましょう。

まとめ

居酒屋の立地について、ここまでご紹介してきました。ここで紹介したことが全てではありませんが、基本的な考え方は理解できたことかと思います。最初に説明しましたように、居酒屋は立地が7割です。「自分のお店はどこでも繁盛するから大丈夫」と根拠のない自信の結果、撤退を余儀なくされる居酒屋がいくつもあります。

居酒屋を出店するには、そのスタイルに最適な立地を探し、時間をかけてリサーチを行いましょう。きちんとリサーチをしておけば、予想外にうまく集客できなかったとしても、そこからの修正が可能です。

思いつきで立地を選ぶと、お客様の数が少なかったときに、手の打ちようがありません。専門家に依頼する予算がないのであれば、必ず自分の目で確認しましょう。

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