2018年5月31日

飲食店を居抜き物件で開業するときのポイント

飲食店を開業するときは何かとお金が必要になります。このため、低予算で開業したいのであれば、居抜き物件を活用することになります。居抜き物件は、内装工事費用を抑えることができる魅力的な物件です。もちろんデメリットや注意しなくてはいけないポイントがありますので、ここではそんな居抜き物件で飲食店を開業するときに、気をつけなくてはいけないポイントについてご紹介します。

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居抜き物件とは何か?

居抜き物件

まずは、そもそも居抜き物件がどのようなものなのかについて、簡単に説明しておきましょう。「そんな説明はいらないよ」という方でも、復習だと思って簡単に目を通しておいてください。

貸店舗には通常、次の2種類の物件があります。

・スケルトン物件
・居抜き物件

スケルトン物件というのは、天井や床が解体されてガス管や電気配線などむき出しになっている、コンクリートの壁だけのまっさらな状態の物件のことです。内装やレイアウトを自由にデザインできますが、それだけ内装費用が高くなってしまいます。また、退去時には元のスケルトンに戻すためお金がかかります。

一方、居抜き物件ではそのまま次の方に引き継げるので、スケルトンに戻すための解体工事の費用が不要になります。前テナントの内装や機器などが残っているものが、居抜き物件と覚えておきましょう。

居抜き物件の特徴

内装は無料で引き継げますが、調理設備などは譲り受けるためにそれに見合った代金を支払います。これを造作譲渡料と言います。冷蔵庫やシンク、ガス台などすべて購入して揃えると数百万円かかることがありますが、造作を譲渡してもらえれば格安で入手できます。

造作譲渡の価格は、相場があってないようなものです。それは造作の所有者が自由に金額を設定できるからです。もし中古で揃えるよりも高い値段を提示されたら、交渉して下げてもらうか、造作の所有者に撤去してもらいましょう。

店舗の内装や設備にあまり費用をかけずに開業できるのが、居抜き物件の大きなメリットです。ただし、いいことばかりではありません。トラブルなく利用するには気をつけなくてはいけないポイントがいくつかあります。どのようなポイントに気をつけるのかについて、次章以降でご紹介します。

居抜き物件を選ぶときのポイント

居抜き物件で重要なのは、自分が開業したい業種と同業種の物件を見つけることです。不動産業者のサイトなどで「居抜き物件」を見つけても、飲食店ではなくアパレル店だったり、同じ飲食店でもラーメン屋として開業するのに焼肉屋の物件にしてしまうと、利用できる内装や設備が殆どない状態になってしまいます。

厨房設備が使用できるか確認する

基本的には、同業種の居抜き物件を選ぶようにしましょう。ラーメン屋ならラーメン屋、居酒屋なら居酒屋の居抜き物件を利用することで、そのメリットを十分に活用できます。

そして契約する前に、もうひとつ確認しておかなくてはいけないことがあります。それは以前の店舗が撤退した理由です。それを把握せずに借りると、以前の店舗と同じ轍を踏んでしまう可能性があります。

家庭の事情や体調不良で店舗を閉店することになった、ということでしたら問題ありません。しかし、まったく人が来ない場所だった、近所の住民から苦情がきたなど、ネガティブな理由のときは本当にそこで開業するべきか検討しましょう。

また、設備も残して撤退するというのはあまり良い状態ではありません。必ず不動産屋か前借主に確認し、周辺の調査などもしっかり行ってください。

厨房設備が使用できるか確認する

厨房設備などを譲り受けるときは、それらの設備が使えるかどうか確認してください。設備内容に目を通しただけで、いざ使ってみたら故障して動かなかったというケースもあります。

電気が通るものは通電させ、ガスを使うものは着火し、きちんと動作確認することが大切です。他には、業種は同じでも使う調理機器が異なることがあります。ラーメン屋でも、チャーハンや餃子などのメニューを置くかどうかで必要な器具が違います。後から買い足すことはもちろんできますが、スペースの都合で設置できないことも考慮しなくてはいけません。

使えないものは造作譲渡の対象外にしましょう。但し、譲り受けた厨房設備のほとんどを撤去して、新しい設備を導入すると当然費用は高額になります。設備や機器にお金をかけてしまうと、居抜き物件としてのメリットを活かすことができません。

モーターで動く設備は新品にする

前テナントで使用していたものは、ある程度の期間使われていたものですので、もしかしたら営業を開始してすぐに壊れてしまう可能性があります。特にモーターが使われている、エアコンや冷蔵庫、冷凍庫、製氷機などは10年程度で寿命といわれています。

もし引き継いだそれらの機器が、購入から数年しか経過していないのであれば流用しても構いません。逆に、10年近く使っていたものはすぐに寿命を迎えてしまいますので、基本的には新品に買い替えるほうがよいでしょう。

シンクやガス台は10年以上使えますので、衛生面で問題がないのであれば、そのまま引き継いで利用します。自分で判断ができないときは、専門知識のある人にチェックしてもらってください。絶対にしてはいけないのは、状態を確認せずに譲り受けてしまうことです。

開店直後のトラブルは、お客さんへの信用にも響きます。リスクが高いと判断した場合は、多少お金をかけて新しいものに交換しましょう。

電気、ガス、水道設備等が使用できるか

居抜き物件で開業するときは、電気やガス、水道設備が利用できる状態であるかも大切です。コンセントがあっても、実際に電気が流れていなければ意味がありません。ガスや水道も同様で、目で見るだけでなく蛇口をひねったり、点火するなど普通に使えることを確認しましょう。

厨房や客室のレイアウトを変えると、これまで使えていたコンセントが届かなくなることがあります。その場合、追加でコンセントを用意することになります。さらに、IHの調理器具を後から導入するときは、ものによっては200Vの供給が必要になるため、足りない場合は電気工事をすることになります。

意外と見落としがちなのは排水です。定期的にメンテナンスを行っていないと、排水口が詰まっていることがあります。こちらも水を流してみて、詰まることがないか確認をしておきましょう。

まとめ

居抜き物件での開業は、初期費用を大きく抑えることができるため、予算があまりない人におすすめの開業方法です。初期費用が少なくて済むということは、借入金も減らせますので、早く経営を軌道に乗せようと焦らなくても済みます。

とはいえ、以前の店舗を引き継ぐと内装の自由度が低いだけでなく、トラブルを抱えた調理設備も引き継ぐことになります。譲り受ける前に、使用できることをチェックしておかないと、補修や交換などで余計に費用がかかってしまい初期費用が高額になってしまいます。

調理設備は必ず通電や着火をして、正常に稼働するか見ておくことが必要です。また、冷蔵庫などのモーターを使っている設備は、製造から10年近く経過しているのであれば、新しいものに買い替えておきましょう。開業してから壊れると営業面でも経済面でも大きな痛手になります。

調理設備だけでなく、ガスや電気、そして水道関係も現状のまま使用することになります。特に排水口は使っていないと詰まっていることがありますので、きちんと流れるか確認をしてから契約してください。

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