2018年5月31日

「民泊」の内装リフォームのポイントと注意点

近年日本でも話題の「民泊ビジネス」。一戸建てやマンションの一室を民泊施設としてリフォームしようと考えている方もいると思います。そこで民泊リフォームを行う際に押さえておきたいポイントや注意点をご紹介します。また、建物の用途変更をはじめ、消防法令や旅館業法の確認などについても触れていきますので、これから民泊ビジネスを始めようと考えている方は参考にしてみてください。

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民泊とは何か?

民泊

最近、ニュースや情報番組などでも話題の民泊。みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

民泊本来の意味は、民家に泊まることです。サンフランシスコで誕生し、日本では民泊マッチングサイトとしても知られているAirbnb(エアビーアンドビー)などのシェアビジネスの普及により、現在は「個人住宅の空き部屋や、マンションの一室などに有料で宿泊できるサービス」として定着しています。

近年、日本への外国人観光客は増加傾向にあり、観光庁によると2017年に日本を訪れた外国人観光客は、約2.8千万人と発表されました。さらに東京オリンピックが開催される2020年にはその数がピークを迎えることが予想されます。 日本国内の民泊物件数は、外国人観光客の増加と共に増え続けており、日本でAirbnbに登録されている物件数が2017年には5.5万件を超えたと報じられています。

民泊ビジネスは、今後もニーズが高まることが期待されます。それに伴い、運営側の競争率も激化してくることでしょう。そのため民泊施設を運営する場合は、他と差別化を図るなどの工夫が不可欠なのです。

民泊リフォームのポイント

この先、民泊ビジネスの競争は激しくなることが予想されています。膨大な数の物件から自分の物件を選んでもらうためには、宿泊者に「ここに泊まりたい!」と思ってもらわなければなりません。

基本的に民泊施設を探しているユーザーは、「Airbnb」のサイトに掲載されている物件の写真を見て宿泊するところを選びます。そのため内装の写真は、ユーザーが宿泊をするか否かを決める大きな判断材料になるのです。

ホスト(貸主)が心のこもったサービスで、ゲスト(宿泊者)をもてなしたいと思っていても、清潔感がない部屋では印象が悪くなり、宿泊施設の候補にすらなれない可能性があります。集客が見込めないと民泊運営を続けられなくなります。

リフォームで気をつけること

ゲストにとって、いかに魅力的で快適な宿泊施設を作れるかが重要です。それでは民泊の内装リフォームは、どんなことに気をつけて行えばよいのでしょうか。 以下の4点は特に重視すべきポイントですので、詳しく説明していきます。

【重視すべきポイント】

  • 壁や床の素材はコストが多少高くついても良いものを選ぶ
  • 内装のデザインや家具などは統一し、清潔感のある空間に仕上げる
  • 不特定多数の人が出入りするため万全のセキュリティ対策を行う
  • 水回りや家具はコストダウンすることができる

壁・床の素材

民泊の内装は、集客に大きく影響します。壁や床が少しでも汚れたり破損したりしていると、印象が悪くなりますので定期的にメンテナンスが必要です。 特に、汚れや破損が目立ちやすい部分は、多少コストが高くても耐久性が良いことはもちろん、汚れにくくてメンテナンスがしやすい素材を選ぶとよいでしょう。

そうすることで、結果的にメンテナンスの回数を減らし、ランニングコストを抑えることができます。 壁の素材で一般的な「クロス」は、壁紙を張り替えないといけないので、自分で行うには技術と時間が必要になります。一方、「塗装」は上塗りができるため、業者に依頼しなくても自分で塗ることも可能です。

床の素材は木質フローリングが一般的ですが、一度キズが付いてしまうと補修に手間がかかります。木質フローリングにするときは、キズに強い「ウォールナット」や「ナラ」などの広葉樹がおすすめです。

他にも、デザイン性が高く傷にも強い塩ビ素材の「フロアタイル」は、フローリングよりも安価で、フローリングの上に直接貼ることができます。そのため、比較的簡単にリフォームができる素材です。

床は絨毯やクッションフロアという選択肢もありますが、メンテナンスや衛生面から考えるとあまりおすすめできません。こまめに掃除をしてもほこりが多くなる、ダニの発生が懸念されるなど、手入れに時間や手間がかかるためです。

セキュリティの確保

セキュリティは、物件の安全性を確保するために重要なものです。玄関ドアの錠前や窓のクレセント(サッシのカギ)が破損していないか、きちんと施錠や開錠ができるか一定の周期で確認をして下さい。

セキュリティ対策で最近注目されているのが、スマートフォンなどの機器を用いて玄関の開閉操作ができる「スマートロック」です。ドアの錠前にスマートロックデバイスを設置し、BluetoothやWi-Fiなどの通信を利用して暗号認証することで、開錠や施錠が可能になるという仕組みです。簡単な取付けで高いセキュリティ効果を発揮しますが、鍵のタイプなどによっては設置できないこともあります。

その他、鍵の代わりに暗証番号を入力して、鍵の施錠や開錠ができる「電気錠」というものもあります。これらを導入すると、鍵の紛失防止、宿泊者へ鍵を受け渡す手間を省けるなど、貸主と宿泊者との間で起こりがちな鍵トラブルの解消につながります。 防犯カメラの設置も併せて行うと、セキュリティの高い物件として利用されやすくなります。

水回り(トイレ・お風呂・キッチン)設備

水回りの設備はできるだけ充実させたい方もいるかもしれませんが、民泊の場合は完璧な設備を求められていません。

というのも、ゲストは外食で済ませることが多く、キッチンで本格的な料理を作ることはほとんどないといわれています。一般のご家庭で使用するような高価な設備ではなく、電子レンジ、冷蔵庫、電子湯沸かし器など、最低限の調理器具があると重宝されます。

お風呂についても同様です。日本人は湯船にゆっくり入りたい方がほとんどだと思います。しかし、海外の方はシャワーだけで済ますことが多いため、特にこだわる必要はありません。トイレは収容人数によって数が決まっていますので、分からないときは旅館業法で確認しましょう。

家具の準備

民泊施設の家具は、一般家庭のダイニングやリビングに置くような家具を揃えて下さい。ダイニングテーブルとチェア、ローテーブル、ソファなども必要です。また、空間の広さや収容人数に合わせて、二段ベッドやソファーベッドなどの寝具も設置すると物件の価値が上がります。

これらの家具は高級でなくても問題ありませんが、清潔感がありデザインにまとまりがあることが望ましいです。 そうすると、写真映えするおしゃれな空間を演出することができます。

民泊リフォームの注意点

民泊リフォームを行う際は、以下の3点に注意して下さい。それぞれの注意点について簡単に説明します。

1.賃貸物件は原則「転貸し」禁止

マンションなどの多くの賃貸物件は、不動産所有者の許可を得ずに第三者に部屋を貸し出す「転貸し(また貸し)」を禁止しています。賃貸物件の一室を民泊施設として貸し出す場合は、マンションの管理規約をよく確認して下さい。「管理規約」は、管理組合の運営方法や建物の使用方法が細かく記載され、所有者及び賃貸人はそのルールを守ることが義務付けられています。

そのため、管理規約で禁止されている転貸しが発覚すると、契約を解除して退去を求められることもありますので注意してください。 空き家を借りて民泊施設にするときも、同様に貸主の許可が必要です。貸主とのトラブルを避けるためにも、許可を得てから民泊リフォームを行いましょう。

2.住居用物件は「用途変更」をしなくてはいけない

一戸建てやマンション(一室)などの住居用物件を民泊として利用する際は、用途変更の手続きが必要です。一戸建ては「一戸建ての住宅」、マンションは「共同住宅」という本来の用途から、「ホテル、旅館」に変更しなくてはいけません。

また「特区民泊」では、現在の建築基準法に合わせて耐火性能、非常用照明装置、警報機設置などの取付けなければいけないケースもあります。 ※特区民泊とは、国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した民泊のことを指します。

3.消防法令と旅館業法を確認する

【消防法令】

民泊施設には、消防法令や各自治体の条例で規定されている消火設備の設置が必須です。延べ床面積や収容人数によっては、消火器、自動火災報知機、誘導灯など設置することになります。

【旅館業法】

民泊施設として快適な条件を整えるためには、旅館業法の条件を満たさなくてはいけません。 代表的なものには、採光や換気ができる窓があること、収容人数によってトイレの数が指定されているなどがあります。 詳細は各自治体で異なりますので、施設の所在地を管轄する保健所にご相談下さい。

まとめ

民泊マッチングサイト「Airbnb」などに掲載されている施設の内装写真は、ゲストが宿泊を決める大きな判断基準となります。そのため民泊施設の内装は、ゲストにとって快適で魅力的な空間であることが大切です。

そして内装の材質は耐久性が良く、メンテナンスのしやすいものを選びましょう。その他水回りは最低限の設備があれば十分ですので、コストを削減することが可能です。民泊の内装工事は、費用をかけるべき箇所と、そうではない箇所のバランスを見ながら行うこともポイントです。

また、賃貸物件は「管理規約」の確認をしっかりと行って下さい。その他、リフォームに必要な「用途変更」の手続き、消防法令、旅館業法などの規定にも目を通して、民泊施設に適切な設備を整えて下さい。

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