2018年1月16日

オフィス移転後に電気設備で失敗しないためのポイント

オフィスの移転では、事前に電源設備や必要な電源容量の算出をしておくことが重要です。移転後になって実は電気容量が足らなかった場合や、電気容量を増設しようと思ってもビルによっては増設ができないケースもあります。オフィス移転後に電源設備で失敗しないために、事前に確認すべき項目やポイントについてご紹介します。

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電気容量の事前確認の重要性

電気

オフィスの移転や内装工事について事前に確認しなければならないことの1つは電気容量の確認です。電気容量を確認せずにオフィスを移転した場合、「電気容量が足らない」「分電盤の回路が足らない」「頻繁にブレーカーが落ちる」等の諸問題が起きる可能性があります。これらの電気に関わる問題によって、パソコンに保存してある重要なデータが消えてしまったり、機器が故障する原因にもなってしまいます。

電気のトラブルは、業務に直接支障をきたすので大きな問題となります。 オフィスの移転後に電気容量のトラブルが起きないためにも、オフィスの電気容量の事前確認は最重要といえます。

オフィスの内装工事後に電気容量を増やすことは難しい

オフィスの移転や内装工事を行う場合には、「ビル全体の電気容量が決まっている」ということを知っておきましょう。

例えば電気容量を増やしたい場合には、ビル全体の容量を考えて工事を行わなければいけません。

ビル全体の電気容量に十分な空きがあり、この空き容量で賄える場合にはブレーカーの交換などの簡単な工事で済みます。しかし、ビルの電気の空き容量で足らない場合にはビルの変圧器を交換するなどの工事が必要になり、コストが相当かかってしまいます。

このような理由から、ビルの一角に入居しているオフィスの場合に大規模な電気工事を行うことは難しいのです。

オフィスの内装工事を行う際には、電気工事が必要か否か、必要な場合どのような工事計画になるのかを確認しましょう。

こちらの記事では、電気工事以外にもオフィスの内装工事全般について詳しく解説しているので、ご参照ください。
【2024年版】オフィスの内装工事の費用相場と工事の流れ・費用を抑えるポイントをご紹介

電気容量不足のよくある失敗例

オフィスの移転にあたっては事前に電気容量の確認が重要であることを述べました。
ここでは、オフィスの電気容量に関わる失敗事例についてご紹介します。

  • 事前に必要な電気容量を把握しておらず、移転先のビルで電気容量が足らなくなってしまう。
  • オフィス移転後電気容量の増設を希望したが、増設コストが高い。
  • ビルの電気容量に空きがなく増設工事ができない。
  • 必要な電気容量の算出方法に不備があり移転先のオフィスで電気容量が足らなくなってしまう。
  • 1つのコンセントに機器が集中しないよう別々のコンセントに繋いだが、実は部屋にあるコンセントは全て同一の回路であったためにブレーカーが落ちてしまう。

オフィスでは、業務で使うパソコンや印刷機、プロジェクターや部屋の照明等、実に多くの電気機器を使っています。必要な電気容量を算出しておくことと、電気容量が不足した場合に増設が可能かどうかを事前に確認しておくことで、こういった失敗を防ぐことができます。

内装工事前にやっておくべきオフィスの電気容量のチェック項目

新しいオフィスに移転した後に電気容量が足らないといったことが起きないために、電気関連でチェックすべき項目をご紹介します。

オフィスで必要な電気容量の算出

各電気設備の消費アンペア数(A)

ノートパソコン

0.5〜1A

デスクトップパソコン

1〜4A

モニター

0.2〜0.6A

複合機

12〜20A

シュレッダー

1.5〜6A

蛍光灯

0.3〜0.4A

電子レンジ

6〜15A

電気ポット

8〜12A

大型のエアコン

12A

電気ヒーター

6〜12A

※ こちらの表はあくまで目安になります。
機器の大きさが異なればアンペア数変わってきます。

まずはオフィスで必要になる電気機器の、おおよそのアンペア数を知ることが重要です。 設置予定の機器の数と消費アンペア数の合計値が、オフィスの必要な電気容量ということになります。

そして、将来の電気容量不足を未然に防ぐためには、機器の最大アンペア数の値を用いて電気容量の計算をしましょう。

オフィスの最大アンペア数の確認

オフィスで利用可能な電気容量を知る簡単な方法は「ブレーカー」を確認することです。「ブレーカー」には基本的にアンペア数が記載されていますが、もし記載がない場合や「ブレーカー」の位置が分からない場合には必ず仲介業者やビルのオーナーに確認しましょう

事前に算出したオフィスの必要な電気容量が賄えるかどうかをこの行程で確認します。 もし電気容量が足らない場合には、この段階で電気の増設工事が必要かどうかを検討することができます。

電気回路の確認

オフィス全体の電気容量の確認ができたら、次に考えることはオフィスで使用する電気機器をどのように接続すべきかといった電気回路の設計です。

もしオフィスのブレーカーが落ちてしまった場合、全ての電気機が利用できなくなると困ります。 そのような事態に備えて、オフィスビルなどでは「分電盤」で電気回路を複数に分割しています。

「分電盤」の1つの回路は一般的には20アンペアで設定されていますので、20アンペアを超えないように、繋げる機器をうまく配分する必要があります。

この電気回路とコンセントの関係ですが、コンセント1つにつき1つの電気回路というわけではありません。1つの電気回路に複数のコンセントが設置されていることはよくあります。

どのコンセントがどの回路に繋がっているのかは「分電盤」の記載を見ればわかりますが、記載がない場合は「分電盤」のスイッチのON/OFFをしてコンセントの電源が使えるかどうかといった方法で確認しましょう。

パソコン、複合機やサーバーなどの機器が1つの電気回路に偏らないように、機器を配分することが重要です。

分電盤の空き回路

「分電盤」には、用途の決まっていない未割り当ての回路があります。壁のコンセントで社内の電気を十分まかなえる場合は何も気にする必要はありませんが、この未割り当ての回路を利用して社内に電気ケーブルを敷くことができます。

電気ケーブルは、床下に配線ができるよう設計されている「OAフロア」であれば床下配線が可能です。 そうでない場合は、天井裏や壁沿いにケーブルを敷くことになります。

「分電盤」の電気回路の配分を考える際には、空き回路について知っておくと電気配線のレイアウトのバリエーションが増えます。

電気工事が必要になるケースの想定

サーバールームを設けている企業の場合、一般にサーバーのサービス停止を未然に防ぐために新たに別の電源の導入を検討することが多いのではないでしょうか。

そのときに新しいブレーカーを設置することが必要になりますが、オフィスの移転後の場合はビルの電気容量を上げることが難しい場合もありますので、オフィス移転前にブレーカーの増設を業者やビルのオーナーに相談しておくと良いでしょう。

まとめ:オフィス移転の際には電気容量の確認を

オフィスの電気設備の内装(外装)工事のポイントをご紹介しました。

オフィスの移転後に利用する電気容量を上げたいと思っても、ビル全体の電気容量は決まっているので、オフィスの電気容量を上げることは一般的には難しいことです。
また、オフィスでは多くの電気機器を利用しているので電気設備に関わる問題は仕事の効率に直接影響を与えかねません。

オフィスの内装(改装)工事後に電気容量が足らないといった事態が起きないよう、事前にオフィスで必要な電気容量を算出し、電気容量が十分足りるかどうかを必ず確認しましょう。

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