焼肉屋の内装の特徴
焼き肉店の大きな特徴の一つが、客席にある七輪やコンロです。 大量の煙が発生するため、排煙するためのダクトや空調設備が重要になります。
焼き肉店の場合、厨房だけでなくテーブルごとに七輪やコンロなど焼くための器具や、排煙システムを設置する必要があるため、一般的な飲食店より費用が掛かりやすいことが考えられます。
しかし、もともと設備の整っている居抜き物件 を選ぶことで、テーブルのコンロ設備や、排気・空調設備を節約でき、費用を大幅に抑えることができます。
焼肉店の内装(改装)工事のポイント
では、内装工事をする際にはどういった点に気をつければいいのでしょうか。 「これを知っていればもっと営業しやすい店内にできたのに」 なんて後悔をしないよう、いくつかポイントをまとめていますので参考にしてください。
焼き肉店は油が跳ねたり、煙が蔓延したりと、内装が傷みやすいという欠点があります。
また、飲食店は食中毒などの発生源となり得る場所なので、衛生上問題のない施工が保健所によって定められています。 ここからは内装の清潔を保ちやすく、劣化を防ぐための施工方法についてご紹介していきます。
①壁にはお手入れ簡単な壁紙を使用
焼き肉店を営業する以上、油汚れなどを避けることは難しいものです。 また、汚れが付着してから放置してしまうとお手入れは非常に手間となるので、汚れにくく、汚れ落ちしやすい素材の壁紙を使用しましょう。
一般家庭では、キッチン周りの壁紙としてビニール製の商品がよく用いられます。 ビニール製の壁紙は汚れをはじき、汚れを落としやすいという特徴があるので、汚れることが予想される場所には最適です。 焼き肉店のような飲食店は一般家庭よりはるかに汚れますので、防汚加工のされた壁紙を選ぶか、壁紙に防水・防汚フィルムを貼ることで対応できます。
中でもウレタンコート素材のフィルムは汚れだけでなく、傷にも強いので長期間きれいな状態で壁紙を維持します。 仕上がりも綺麗なので、客席にも使用することができます。
②床は繋ぎ目の無いものを選ぶ
焼き肉店で汚れやすいのは壁だけではありません。 床も飲食物がこぼれてしまったり、従業員やお客様が行き来することで非常に汚れやすい部分です。
床材を選ぶポイントは、タイルやフローリングなど凹凸の生まれる素材を用いないことです。 タイルやフローリングのように繋ぎ目があると、油汚れ、ほこりや食材ごみなどが目に詰まり、清掃も難しくなります。
日々のお手入れでできるだけ衛生的に清潔に保つために、繋ぎ目のない床を選ぶと共に、怪我防止のために滑りにくい素材を選ぶようにしましょう。
内装(改装)工事にかかる費用
焼肉店の改装にかかる、一般的な相場は1坪あたり30万〜50万程度です。 たとえば30坪の焼肉屋で内装にかなりこだわるのであれば、約50万×30坪=約1500万円というおおよその見積もりを立てられます。
ですが、焼肉屋の見積もりは物件の条件によって大きく変わります。 その理由は焼肉屋の内装の特徴にあります。
高額な費用を抑えるには
開業時には非常に高額な資金が必要になります。 物件を購入する場合は不動産ローンが組めますが、購入にはリスクもありますので多くの方が賃貸物件での経営を検討なさることでしょう。
また、設備や内装工事の資金はローンを組むことが出来ません。 開業後の経営に余裕を持つためにも、初期費用をいかに抑えられるかが重要です。 ここからは費用を抑えるためのポイントと工夫についてご紹介していきます。
①条件の合った居抜き物件を探す
前店舗も同じ焼き肉店でありコンセプトも近く、残された内装や設備が利用できる居抜き物件がみつかれば、その分初期費用を抑えて開店につなげることができます。 飲食店で最も費用が掛かると言われる厨房設備において新たな導入が必要なければ、スケルトン物件と比較すると300万円程度費用を抑えることができます。
また、既存の内装を活かすことで大規模なリノベーションが必要なく、デザインの変更のみで施工が済むため、工事費用も大幅に削減できます。 ただし、そのまま利用してしまうと前店舗と雰囲気が似てしまい、お店が変わった雰囲気が出ません。
せっかく開業するわけですから、新店舗ができたというインパクトで集客につなげたいですし、前店舗のイメージを引き継ぐと、悪い印象まで引き継いでしまう可能性もあります。
既存の内装はすべてをそのまま利用するのではなく、活かすところは活かし、そうでない部分は新たに改装することで大きく雰囲気を変えましょう。 例えば、天井や壁、床などは経年劣化が目立つ場所となりますので、色やデザインを変更してしまうことがおすすめです。 レイアウトなどは既存をベースにし、照明や内装のカラーや質感を変更するだけでも雰囲気が変わります。
②中古の厨房設備を利用する
飲食店の開業では、厨房設備の費用が抑えられれば初期費用を大きく抑えられます。 中古で販売されている厨房設備を利用することによって、費用が抑えられますが、安価なだけで購入するのは危険です。
中古設備を購入する際には動作に問題がないか必ず確認しましょう。
また、購入時には保証期間のあるものを選んでください。 保証期間のない中古設備は不具合が起きた際、自己責任となるため新たに導入するための無駄な出費がかかります。
まとめ
焼き肉店を開業するためには、他飲食店と違い、テーブルごとに焼き物用設備を導入する必要があるため、初期費用が高額になりがちです。
居抜き物件で初期費用を抑えて開業しようと考えるのであれば、調理場の必要性や、焼き方のコンセプトをあらかじめ固めておく必要があります。 コンセプトに合う居ぬき物件がみつからなければ、かえって初期費用を膨らませてしまうこともあります。
初期費用は抑えるに越したことはないように思いますが、本来必要な付帯設備の整備を怠ってしまうと後に大きなトラブルに繋がります。 のちのち莫大な出費が必要になったという事態にしないためにも、最初の段階で十分に確認・メンテナンスを心がけましょう。
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