学習塾の内装(改装)工事の費用相場
リフォマに寄せられた事例や独自の調査をもとにした 学習塾の内装(改装)工事 を行う場合の概算費用です。
- レイアウト設計
- 100万円〜150万円
- 設計管理
- 500,000円〜800,000円
- 内装工事
- 300万円〜800万円
- 外装工事
- 300万円〜500万円
まずは相談から
学習塾の内装(改装)工事で覚えておくべきこと
学習塾は、飲食店やサロンなどと違い、内装のデザイン性が求められなかったり、大きく設備のかかる厨房などが不要なため、内装工事費は安いと言えます。
ただし、使用する部材や施工方法、学習塾の方向性、及び現状の設備状況などの諸条件によって費用は変わります。
学習塾の内装工事を依頼する前には、どのような方向性の学習塾であるのかを明確にする必要があります。
たとえば一斉授業と個別指導では、適切な教室の広さや数が異なるなど、設計に影響を及ぼします。
また、映像授業を行うのか否かによって、初期費用は異なります。
学習塾の内装工事を依頼する前には、どのような授業形態で、生徒はどれくらいを見込んでいるのかを明確にすることで予算も見えてきます。
学習塾のレイアウト設計のポイント
学習塾 のレイアウト設計は、受講者にとっても指導者側にとっても快適な空間を作ることが重要です。
また、教える内容や講義スタイル、生徒の人数、年齢層、性別などを考慮する必要があります。語学教室には語学教室に適したレイアウトがあり、パソコンスクールにはパソコンスクールに適したレイアウトがありますので、十分確認しましょう。
学習塾では教室や自習室、ミーティングルームなどの配置も大きな鍵となります。 特に教室は入り口から遠い場所にすることがお勧めです。
入り口付近は人の流れが多い場所であり、会話が増える部分でもあります。授業中に人が出入りする音や帰宅前の楽し気な会話などが聞こえては、授業中の生徒の集中を妨げ気を散らせてしまいます。音が聞こえなくとも、窓から人の動きが見えたりするだけでも、ついつい目で追ってしまうものですよね。
教室はできる限り無駄な人通りが少なく、落ち着いて授業が受けやすい環境が作れる場所にします。
ミーティングルームは生徒との面談や保護者との面談などに使用します。プライバシーにかかわる話をする場になる可能性もあることを考え、配置には注意しましょう。ミーティングルームも騒がしい場所はもちろん好ましくありませんが、誰でも通れる場所にするのも場合によっては好ましくありません。
好奇心旺盛な子供を生徒とする場合、いたずらに覗いたり聞き耳を立てる可能性もありますので、誰でも通れて人通りが多い場所は最適とは言えません。
自習室に関しては、出入りが自由になる場合が多いこともあり騒がしくなりがちです。授業のある部屋の隣やミーディングルームの隣などは避けましょう。
学習塾の種類別で見る内装の考え方
学習塾には授業内容や指導方針によって分類がいくつか分かれます。ここから種類別に内装工事の考え方を見ていきましょう。
一斉指導
一斉指導は通常の学校と同じように、1人の講師が数十人の受講者に対して指導を行う方式です。一斉指導の場合、講師が受講者一人一人に時間を割くことは難しいため、受講者の学力がある程度同等であることが望ましいとされています。
上級者向けの一斉指導の学習塾では、入塾時や学期末など定期的に学力テストを設け、クラス分けを行います。クラス分けを行うことで、クラスごとのレベルに合った授業方針のもと授業を進めます。
一斉指導の学習塾は10人程度のグループ制もあれば、100人規模に及ぶ場合もあります。受講者の人数に応じ、座席を配置していきますが、デスクの大きさや幅は教室の広さに合わせて考慮しましょう。
長机に2・3人座る場合や、一人一席で配置する場合があります。教室が広くても、収容生徒数が多ければそれだけ閉塞感が生まれ、生徒は窮屈さを感じます。窮屈な教室では、受講者にとって集中しにくい環境となりますので、大人数の教室で生徒数が多い場合はできるだけ一人一人のスペースを広く設け、通路などのスペースも広く確保して開放感ある空間作りを心がけましょう。
個別指導
個別指導とは近年注目を集めている指導方法で、講師が受講者とマンツーマンで行う指導方式です。受講者とコミュニケーションを密に取ることができるので、一斉指導より個人レベルに沿った授業が実現できます。
集団での授業では不安という生徒に向いていますが、授業料は割高な傾向にあります。
個別指導学習塾の内装は、それぞれ個室を用意すると収容できる人数がかなり制限されるとともに、内装工事費がかなりかさみます。ほとんどの場合、大部屋をパーテーションで区切ることで半個室化して使われます。
個別指導学習塾の内装は、どの程度の個別指導なのかでも適した内装が変わります。
例えば、完全にマンツーマンで行うのか、それとも教師一人に対し実質生徒が2~3人あり、順番に回りながらそれぞれに個別で指導をするのか、などにより必要となるスペースや配置が変わります。
前者の場合、長机一つに教師と生徒が座り、長机ごとにパーテーションを設置する横長の配置が良いでしょう。一方後者の場合、個人机に座った生徒を縦に並べ、一人の教師が縦2~3人を担当する縦長の配置が良いでしょう。縦長の配置の場合、生徒の左右どちらか1サイドだけパーテーションを取り払い、そちら側に教師がつきます。教師は前後で移動しますが、身軽に動けて生徒の目線で会話ができるよう、キャスター付きの椅子のみで指導に回るケースが多いです。
チューター指導
チューター指導とは、巡回型指導塾のことです。受講者は基本的に自習で勉強を行い、講師は巡回しながら質疑応答を行います。形式上は一斉指導に酷似していますが、自習が基本となるので授業料が安いのが特徴です。
チューター指導に向いている内装の考え方は、一斉指導と同じく広い室内にデスクを配置するか、個別指導と同じくブースや個室を設けるか、どちらでも向いていると言えます。受講者が集中して自習ができることはもちろん、講師も巡回しやすいレイアウトを考える必要があります。
映像型指導
映像型指導とはスクリーンやパソコンを用いて、映像を見ながら指導する方式です。講師は教室とは別の場所で授業を行います。中継で映像を流したり、録画映像を流すことで授業を行います。
映像を投影するための機材導入などに初期費用はかかりますが、その後の経営に大きな費用はあまりかかりません。受講者視点で見ると授業料が安いことが魅力ですが、映像だけで内容を理解することは難しいという声があることも事実です。
映像型指導学習塾の内装はパソコンやスクリーンを設置するスペースが必要です。スクリーンなどひとつの映像を全生徒が見る場合は、映像と生徒が近くなりすぎないよう調節します。
物件の種類による内装(改装)工事の違い
学習塾の開業には、まず物件が必要です。物件には"居抜き物件"と"スケルトン物件"があり、種類によって内装工事の内容は変わります。ここからは物件の種類による違いを見ていきましょう。
居抜き物件
居抜き物件とは、前事業者の設備や内装がそのまま残されている物件です。内装や設備をそのまま使用できるので、初期費用を大きく抑えることができます。
ただし、設置された間仕切りが思い描いていた構想と違う場合などは、既存の間仕切りを撤去しなければならないので大掛かりなリノベーションが必要になります。居抜き物件を選ぶ際は、残された設備や内装をそのまま使用することを前提として選びましょう。
学習塾の規模が小さく個別指導であれば、いくつかの小さい個室がある居抜き物件も視野に入れると良いでしょう。前業種が同じであればもっとも望ましいですが、エステサロンや整骨院のように個室が設けられている業種の居抜き物件でも応用できる可能性があります。
すでに個室があったり間仕切りがある居抜き物件は、個別指導の学習塾開業には向いていますが、一斉指導学習塾の場合はスペースが狭く不向きと言えます。
こちらの記事では居抜き物件について詳しく解説しているので、ご参考ください。
スケルトン物件
スケルトン物件とは前業種の設備や内装がすべて解体、撤去された状態の物件です。設備や間仕切りなどを自由に設置できるので、大掛かりなリノベーションが必要になります。
初期費用はかかりますが、思い描いた構想で内装を実現しやすいのが特徴です。広々としたスペースが確保できるので、一斉指導学習塾に向いている物件と言えます。
個別指導学習塾を検討している場合でも、自由に間仕切りを設けることができます。こだわりある内装やデザインを考えている場合は、スケルトン物件を選ぶと良いでしょう。
内装工事の流れと内容
学習塾の開業のためには最初に内装工事が必要です。また、居抜き物件かスケルトン物件かの違いでも、必要な施工内容が変わります。ここからは物件の種類による施工内容をご紹介していきますが、物件の種類に限らず共通して必要な手順から見ていきましょう。
共通する計画
学習塾の開業時に必要な手順は以下の通りです。
【物件の選定】
まずは物件の選定です。物件の選定に必要なことは、まず開業場所の立地条件です。立地条件はその後の経営に大きく影響を及ぼします。
周辺に居住される方の地域性や通行量などを総合して判断します。学習塾は大体が通う年代などが限られるので、ターゲットとなりうる条件に当てはまる人が通いやすいことが絶対条件となります。
一般的な学習塾の開業に最も向いている地域は、周辺に学校がある地域と言えます。学習塾により生徒の年代は変わりますが、中学・高校・大学などへ進学するために通う場合が多いでしょう。土日に通う場合もあるかもしれまんが、基本的には学校帰りに塾に寄るケースがほとんどですので、学校帰りで寄りやすい立地だと通いやすくなります。
周辺に学校のある地域の近くには、学生を持った家族が多く住む地域がある場合も多くありますので、家から近いからという理由から通われる生徒さんも取り込める可能性があります。逆に、周辺に学校などがなく、学生自体が少ない場合は集客に苦労する可能性が高くなります。開業時は必ず立地条件を確認し、慎重に検討するようにしましょう。
【専門業者の選定】
物件が決まれば、内装工事のための専門業者を探します。内装の専門業者は設計図やデザインに沿って施工を行います。実際の内装工事に入る前に、学習塾のコンセプトを決め、伝えるようにしましょう。
レイアウトやデザインの方向性が決まっていない場合、業者に一任する状態になってしまい、理想とかけ離れたものに仕上がる可能性もあります。内装デザインはデザイン業者に頼む場合と、デザインも行っている施工業者に一括して頼む場合があります。この場合もやはりイメージと違うというトラブルにしないために、コンセプトは必ず伝えましょう。
コンセプトが定まっていれば、デザイナーへある程度一任していても構想から大きくずれることはほとんどありません。 最初に決めた内装は開業後に大きく変更すると、かなりの費用がかかります。また、設備の移動や撤去が必要となるため、その間は営業を中止せざる負えません。営業面でも費用面でも大きな痛手となりますので、デザイン料は削減せず開業前の段階でコンセプト通りに実現しましょう。
また、内装工事は業者によって方針が違います。提携しているメーカーのみしか取り扱わない業者や、依頼主が希望するメーカーからそれぞれ材料を発注してくれる業者もあります。
見積もりは3社以上の業者に依頼し、条件にもっとも合う業者を選定すると良いでしょう。
居抜き物件の場合
居抜き物件の内装工事は、残されている設備や内装を、そのまま使用することを前提とします。残された内装がそのまま使用できそうであれば、大きな内装工事は必要ありませんので、開業前の初期費用を大きく抑えることができます。
しかし居抜き物件だからこその注意点もあります。まず、付帯設備に不具合がないか確認しましょう。付帯設備とは、建物に最初から備え付けられている設備のことで、水道、ガス、電気の設備が主に挙げられます。
例えば学習塾の種類がパソコンを用いた映像型指導方式である場合、生徒ごとにパソコンの電源を挿すコンセントが必要ですよね。壁面のコンセントから室内の中央にあるデスクまで線を伸ばすと、配線が床の至る所に点在することになりますし、そもそもコンセントが足りなければ恐ろしい数のたこ足配線でつなぐことになり危険です。
室内を行き来する際に配線を踏みつけてパソコンを倒してしまったり、つまずいて事故につながらだけでなく、ほこりが溜まることで火事になる可能性も否めません。
この場合、コンセントの増設工事を行います。天井、または床にコンセントを増設することで壁面から配線する必要がなくなり、すっきりとして安全な教室になります。
また、居抜き物件は大掛かりなリノベーションの必要がありませんが、天井・壁・床が老朽化している可能性も考えられます。老朽化を放置して開業してしまうと、早い段階でリフォームが必要になることもあります。開業前にまとめて済ませておけば費用が抑えられたものも、場所ごとに劣化するたびに業者を入れていては費用負担は結果的に大きくなります。全体の状態をしっかり確認し、必要な施工は開業前に済ませておきましょう。
スケルトン物件の場合
スケルトン物件は物件を一から理想に仕上げることができます。個別指導で多くの個室を必要とする際や、グループ指導で小さめの教室を設けるような細かい要望がある場合は、スケルトン物件が向いているでしょう。
スケルトン物件の場合、必要な設備も一から導入しなければなりません。デスクやプロジェクターなど初期段階で導入するものが多いので、居抜き物件よりも予算は必要です。
間仕切りの工事はパーテーションを用いた方法や、間仕切り壁を導入する方法があり、目的や用途に応じて自由に選択できます。パーテーションにも防音に特化したものや、取り外しが簡単にできる簡易的なものなど様々な種類があります。
種類によっても費用は大きく前後しますが、工事費を抑えるにはローパーテーション"と呼ばれるDIYで取付できる商品を選ぶと良いでしょう。取付けの手間はかかりますが、工事費用はかからなくなります。
まとめ
学習塾を開業する際の立地は、「近くに学校がある地域」「学校帰りに寄りやすい地域」「学生を持つ家庭が多く住まう地域」が望ましいです。
学習塾には一斉指導や個別指導などの方向性があり、方向性によって物件の選び方や内装工事の内容が変わります。
前事業がエステサロンや整骨院で個室が設けられていた居抜き物件であれば、個別指導学習塾として使いやすい場合もあります。残された設備や内装を活かすことができる居ぬき物件であれば、初期費用を大きく削減することが可能です。
開業する学習塾の方向性や予算で物件を選ぶ必要がありますが、内装工事費は業者によって変わります。見積もりは複数の業者で行い、もっとも条件に合う業者を選ぶと良いでしょう。
また、こちらの店舗リフォームまとめページ には様々な業種の店舗リフォームについて掲載しています。リフォームの基礎知識、費用相場などの知識を把握して失敗しない店舗づくりにお役立てください。
学習塾の内装(改装)工事の費用相場
リフォマに寄せられた事例や独自の調査をもとにした 学習塾の内装(改装)工事 を行う場合の概算費用です。
- レイアウト設計
- 100万円〜150万円
- 設計管理
- 500,000円〜800,000円
- 内装工事
- 300万円〜800万円
- 外装工事
- 300万円〜500万円
まずは相談から
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
まずは相談から
スクール デザイン・設計のお役立ちコラム
Q.スクールの開業に必要な費用って?
学習塾であれば、教室となる部屋とテーブルさえあればすぐに始められるので、ほとんど開業資金はかかりませんが、新たに机と椅子、棚やホワイトボードなどを購入したり、コピー機やパソコンを買い揃えたりするとなると、それなりの資金が必要となります。ただし、これらの備品についてはリサイクルショップを利用するなど、極力コストをかけないようにすることをお勧めします。
それよりも大切なのは、教室を借りる費用です。生徒が通いやすい場所、人が集まりやすい場所を確保するようにしましょう。もちろん住宅街にある自宅の一室で開業し、多くの生徒が集まっている例もありますが、その場合は、児童・生徒がまとまって存在する地域であることがほとんどです。
場所代と宣伝費にコストをかけ、備品などにはコストをかけないのが原則だと考えた方が良いでしょう。
渡邊 一伸(ナベさん)