パン屋の内装工事の費用相場は
出典:photoAC
パン屋の内装工事費は1坪あたり30万~50万円と言われています。そのため20坪の店舗では、工事費が600~1000万円かかる計算になります。この金額はあくまでも平均的な価格であり、目安ようなものです。
内装に徹底してこだわると、さらに高くなるかもしれませんし、ここで紹介する方法をうまく組み合わせることができれば、坪単価を10万円台まで安くすることも可能です。
パン屋の内装工事費の特徴とは
パン屋の内装工事は、他の飲食店と違って厨房部分の工事割合が大きいのが特徴です。パン屋の厨房設備には多くの電力が必要になるため、給排水設備や空調設備など、通常の飲食店よりも大掛かりな内装工事をしなくてはいけません。
さらにイートインスペースを設ける場合は、厨房と販売スペースの他に、イートインスペースの3ヶ所の工事をすることになります。厨房を妥協するとパンの味に影響し、販売スペースを妥協するとお客さんのリピート率が下がります。もちろんイートインスペースもくつろげる空間することが大切です。
販売スペースではディスプレイの専門的な知識を余儀なくされます。いかに購買意欲を高められるディスプレイにできるか、そのための内装のノウハウがパン屋では重要になります。
パン屋は厨房設備が多く高額になりがち
パン屋を開業するにあたって、もうひとつ妥協できないものがあります。 それがパンを作るための厨房設備です。オーブンやミキサー、フライヤーなどパンを作るのに欠かせない設備は、どれも数十万円します。
安く抑えるために小型のオーブンにすると、1日で焼けるパンの量が減ってしまいます。パン屋は薄利多売で利益をあげるスタイルの業種です。多くのパンが焼けないということは、それだけで利益の上限を狭めてしまいます。
きちんと利益を出せるパン屋の厨房設備は、少なく見積もっても400万円くらいかかります。イートインがないパン屋であれば20坪くらいが標準的なサイズですので、内装工事の坪単価が30万円としても、厨房設備と合わせて1000万円近く必要になります。
1000万円分の利益を出すために、いったいどれだけパンを焼けばいいのでしょうか?そう考えるとちょっと気が遠くなりますよね。早期に経営を安定させるには、厨房設備などの初期費用をできるだけ抑えるしかありません。次章でその方法についてご紹介します。
パン屋開業時の初期費用を安く抑える方法は
理想ばかり追い求めると、初期費用に1000万円以上かかってしまいますが、これを半額以下にすることはそれほど難しくはありません。どうすれば初期費用を抑えることができるのか見ていきましょう。
設備は中古品・リースを利用する
新規開業では真新しい設備を並べたくなりますが、予算が限られているのであれば中古品かリースを利用します。新品のメリットは見た目が良いことと、保証期間が長いということです。見た目が綺麗なほうがモチベーションが上がるかもしれませんが、新品でも中古品でも使い始めてしまうとさほど変わらなくなります。
強いこだわりがなければ、できるだけ中古品を活用することで費用を抑えられます。ただし、モーターが内蔵されている冷蔵庫やミキサーは、古いものほど壊れやすいためおすすめしません。購入する際は製造年月日をよく確認しましょう。
パン屋の居抜き物件を利用する
内装工事費用を抑えるには、居抜き物件を利用するのも有効です。理想のパン屋を作るためスケルトン物件にしたいところですが、内装費用がかなり高額になってします。居抜き物件は前のオーナーの内装をそのまま流用できますし、設備も格安で譲ってもらえることがあります。
パン屋は廃業の多い業種のひとつです。居抜き物件は意外とたくさんありますので、不動産会社に探してもらいましょう。しかし、廃業するのには理由があります。同じ轍を踏まないようになぜ廃業になったのかきちんと聞き、長く営業できそうな物件を選びが不可欠です。
相見積もりの形にする
内装工事費用を下げるための方法がもうひとつあります。それは、複数の業者に依頼をして相見積もりの形にすることです。1社だけでは比較対象がないため、高額な値段を請求されてしまったケースもあります。
競争相手がいれば、取られないように価格を安くしてくれるかもしれませんし、複数で比較できるため自分が満足できる業者に依頼できます。あまり極端な価格競争はおすすめしませんが、相見積もりは内装施工業者にしてみればよくあることですので、気軽に頼んでみましょう。
まとめ
パン屋の内装工事費用と、開業費用を抑えるための方法をご紹介しました。パン屋の開業は思ったよりも費用がかかる、という印象が強まってしまったかもしれません。それでもここでご紹介した方法を活用すれば、低価格での開業も可能です。
すべて理想通りのお店にすると、もちろん高額な費用が発生します。妥協できる部分は妥協して、居抜き物件を選んだり中古の設備を使ったりすることで、費用を大幅に減らすことができます。設備の機能やお客さんに見える部分の内装は妥協できませんが、コストを削れる部分は意外とたくさんあります。
開業は限られた予算しか用意できないことがほとんどです。お金の使い方にメリハリをつけ、必要ない部分にまでお金をかけないよう注意しなくてはいけません。初期費用をしっかり抑えて、できるだけ短期間で経営が安定することを目指しましょう。
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