2017年12月29日

エコキュートの光熱費を抑える仕組みと特徴

寝ている間にお湯を貯めることができる、とても便利なエコキュートですが、その仕組をきちんと理解している人は意外と少ないようです。仕組みを理解することで、使い方や利用するときに気をつけるポイントなどが分かります。 ここではエコキュートがどのような仕組みになっているのか、そのメリットやデメリットと一緒にご紹介します。

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エコキュートとは

出典:photo-ac.com

エコキュートは電気代の安い夜間の電気を利用して、お湯を沸かす機器です。ただし、電気でお湯を沸かすのではありません。電気を使ってヒートポンプを動かし、ヒートポンプ内に取り込んだ大気中の熱を利用してお湯を沸かします。

エコキュートを導入することで、ガスが不要になります。その結果、家をオール電化にすることが可能です。太陽光発電システムとも相性がよく、使い方によっては光熱費などを大幅に減らすことができるという特徴があります。

エコキュートの仕組み

エコキュートはヒートポンプを利用してお湯を沸かすと説明しましたが、もう少し詳しく説明しましょう。

エコキュートはヒートポンプとタンクの2つに分割されています。タンクに給水された水が、ヒートポンプ内を通過することで、65~90℃のお湯になって、またタンク内に戻されます。そこに貯まったお湯を、シャワーやキッチンなどで利用できます。

ヒートポンプ内での仕組みはやや複雑です。

1.ファンが大気を吸い込んでヒートポンプ内に取り込む
2.空気熱交換器で自然冷媒が、ファンから取り込んだ大気の熱を吸収
3.大気の熱を吸収した自然冷媒を圧縮して高温にする
4.水熱交換器で高温になった自然冷媒の熱を、タンクから入ってきた水に伝える
5.熱を失った自然冷媒を膨張弁で膨張させて、空気熱交換器に送り込む

このサイクルを繰り返すことで、エコキュートはタンク内にお湯を貯めることができます。

エコキュートの特徴

エコキュートの特徴としては、一般的に次のようなものが挙げられます。

  • 光熱費がおトク
  • 省エネで地球に優しい

エコキュートは導入コストがかかりますが、価格の高いガスを使わないためランニングコストが安くなります。ただし最近は電気代が上がっていますので、都市ガスのように安いガスと較べてそれほど大きな優位性はなくなっています。それでもプロパンガスと比べれば、ランニングコストの面でとてもおトクな機器であることには違いありません。

またヒートポンプ技術により、投入した電気エネルギーの3倍もの熱エネルギーを得られるため、かなり効率よくお湯を沸かすことができます。さらにヒートポンプで使われている自然冷媒はオゾン層を破壊しませんので、とても地球に優しいという特徴があります。

エコキュートのメリット・デメリット

エコキュートの特徴で紹介しましたように、とても魅力的なアイテムなのですが、もちろんメリットもあればデメリットもあります。導入してからデメリットに気づいて後悔するということがないように、ここでメリットだけでなく、デメリットについても把握しておきましょう。

メリット

  • タンクの水を非常用水に使える
  • 災害時の復旧が早い
  • 火を使わないため火災になりにくい

エコキュートのメリットとして挙げられるのは、自然災害に強いということです。一般家庭では断水があると水が使えなくなりますが、エコキュートなら大量の水をタンク内に保管していますので、しばらくは水を使うことができます。また、電気ですのでライフラインとしての復旧もガスと比べて早いというメリットがあります。

また、火を使わないため火災になりにくくとても安全性が高いというメリットもあります。高齢者や小さなお子さんのいる家庭では、火がないことの安心感はとても大きいですよね。電気を使いますので、絶対に火災にならないわけではありませんが、それでも火災発生率はかなり下がります。

デメリット

  • 広い設置場所が必要
  • 低周波騒音トラブルが発生する可能性がある
  • お湯を使い切るとお湯張りに時間がかかる
  • 北海道や東北地方などの冬には効率が落ちる

デメリットとして挙げられるのは、設置に関わる問題です。畳一畳分くらいの設置スペースが必要で、なおかつ設置する場所の近くに寝室がある場合には低周波騒音のトラブル源になる可能性があります。その結果、隣家から苦情が来ることもあります。

また、通常仕様時には気になりませんが、泊まりの来客があるときなどはお風呂で使うお湯の量が多くなり、お湯を使い切ってしまう可能性があります。そのときの復旧にはとても時間がかかり、いつまでもお風呂に入れないということがあります。

さらに東北や北海道のような寒い場所では、大気の熱も水道水の温度も低いため、必要な量のお湯を沸かすのに、かなりの電気が必要になります。沖縄や九州南部のような暖かい地域では、光熱費を大きく下げられますが、地域によっては設置に向いていない可能性がありますので、設置時には光熱費のシミュレーションが必須になります。

まとめ

エコキュートがどのようなものなのか、その大枠は理解できたかと思います。シンプルに考えれば、お湯を沸かすだけの機器です。ただし、とても効率がよくお湯をわかすので、光熱費を抑えたり、地球環境に優しかったりするのがエコキュートの特徴です。

ただし、地域によってはあまりメリットがないこともあります。導入するにはメリットだけではなく、デメリットもきちんと頭に入れて導入検討を行いましょう。

こちらのページでは、エコキュートの施工事例や商品、その他お役立ち情報をまとめています。 エコキュートの設置や交換をご検討の方はぜひ参考にしてください。

エコキュートの設置や交換に併せて、お風呂のリフォームを検討している方はこちらのページも参考にしてください。

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