2022年1月19日

エコキュートでお湯切れしたら待つしかない!またお湯切れを起こさない為の対策

エコキュートの使い始めでよくあるトラブルが「お湯切れ」です。シャワーを使っていると温かいお湯が出ずに、水しか出なくなったという経験のある人は少なくないはずです。「もしかして故障?」と思うかもしれませんが、これは故障ではなく、ほとんどがエコキュートの使い方が間違っているために起こるトラブルです。ここではそんなお湯切れを起こさせない使い方について、分かりやすく説明します。

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エコキュートのお湯切れはなぜ起こるのか

出典:photo-ac.com

お湯切れの対策を知るには、まずはエコキュートの基本的な仕組みについて、しっかりと頭に入れておく必要があります。

エコキュートは、電気代の安い夜間に電気を使ってお湯を沸かします。沸かしたお湯はタンクに貯めておくのですが、このお湯を使い切ってしまうとお湯切れが起こります。このため、エコキュートを購入するときには、家族の使用容量に合わせてタンクサイズを選びます。例えばダイキンの場合は、3種類のタンク容量が用意され、家族の人数に合わせて選びます。

460L:4~7人
370L:3~5人
320L:2~3人

370Lのタンクの場合、給湯が終わる朝の時間帯にはタンク内に370Lのお湯が溜まっています。これを食器洗いやお風呂などに使っていくと、どんどんとお湯の量が減っていきます。ただし、いくらお湯を使っていても、通常使用でお湯切れが発生することはありません。

エコキュートには学習機能があり、お湯が少なくなったら自動で給湯します。足りなくならないようにするために、夜間でなくてもお湯が不足しないように稼働するわけです。それではなぜ、お湯切れが発生するのでしょう?

理由は大きく分けて2つ挙げられます。

  • 使用容量や環境に対してタンクが小さすぎる
  • 普段よりも多くお湯を使った

お湯切れが発生するとしたら、このいずれかの状態になっているはずです。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

原因1.使用容量や環境に対してエコキュートが小さすぎる

エコキュートのタンク容量を選ぶときに、4人家族の場合、上記のダイキンの例でいえば、370Lか460Lを選びます。4人家族でも朝風呂をする人がいたり、1日何度もシャワーを浴びる人がいたりする場合は、平均的な4人家族よりも多くお湯を使います。

そんな家族が370Lのエコキュートを選ぶと、夕方以降のお風呂タイム前には、タンク内のお湯の量が少なくなっている可能性があります。少ないとはいえ沸き増しをするほどでもないという場合には、4人目がお風呂に入るときにはタンク内のお湯が底をついてしまう可能性があります。

入りながら沸かせばいいと思うかもしれませんが、エコキュートはその構造上、お湯が少なくなった状態から、お湯を使えるようになるまで1時間近くかかります。これは、お湯を使えば使うほど、貯湯タンク内に水が蓄えられるためです。

エコキュートの構造をあまり理解していない人は、タンク内にはお湯だけがあり、使えば空っぽになると思っているかもしれません。ところが実際に使ったお湯の分だけ水が給水され、空っぽになることはありません。お湯切れを起こしたときにはタンク内はすべて水です。

その状態で、お湯を沸かしても最初はお水とお湯が混ざってしまって、すぐにはお湯を貯めることできません。お湯を作るスピードに消費するスピードが追いつかないため、蛇口からは水しか出てこなくなるというわけです。

原因2.普段よりもお湯を多く使ってしまった

エコキュートは学習機能がありますので、お湯が不足しそうになったら、自動的にお湯が作られます。上記のようにお湯を作るスピードが消費するスピードに追いつかないような、容量不足の場合は別として、普段はそう簡単にお湯切れは発生しません。

ところが学習機能があるため、必要以上にはお湯を沸き増しすることはありません。このため、宿泊の来客があったときなどには、エコキュートが学習した以上のお湯を使ってしまうため、最終的にお湯が足りなくなるというようなことが発生します。

これはエコキュートの盲点ともいえるポイントですが、来客時だけでなく夏から秋にかけて、シャワー中心の生活から、浴槽にお湯を張るように変化するようなときにも発生します。いつもと違う量のお湯を使うと湯切れが発生しやすくなると覚えておきましょう。

エコキュートが湯切れにならないための対策方法もご紹介

どのような理由でお湯切れが発生するのか理解してもらえたところで、その対策についてご紹介します。

エコキュートの設定をこまめに変更する

あらかじめ、翌日の湯量が増えることが分かっているような場合は、「おまかせモード」のような学習機能を使わずに、前夜のうちに満タンでお湯を貯められるように、設定を変えておきましょう。日中に沸き上げしないように設定している場合は、その設定を解除しておきましょう。電気代はかかりますが、お湯切れは防げます。

また、来客があるときには入浴施設などを利用するというのも、有効な選択肢のひとつです。冬場に2~3人もの来客がある場合には、お湯切れが発生する可能性がかなり上がります。お客さんが使用しているときにお湯切れを起こさせないためにも、銭湯や温泉などを活用してください。

追い焚きは使わない

ガス給湯器のときの癖で、追い焚き機能を使ってしまう人が多いようですが、追い焚きは使わずに高温差し湯で浴槽内のお湯を温めるようにしましょう。追い焚きは節水にはなりますが、かなりのりょうのお湯を消費してしまいます。湯切れが頻繁に発生する場合には、追い焚き機能は使わないようにしてください。

適切なタンク容量に変える

せっかく購入したエコキュートですが、タンク容量がまったく合っていないのであれば、買い替えをおすすめします。お金もかかりますが、毎日容量不足に悩まされ続けるよりは、思い切って交換してしまったほうが賢明です。上記の対策で効果が出ないような場合は、ひと回り大きなタンクに交換してください。

まとめ

エコキュートに慣れないうちは、どれくらいのお湯を使えばお湯切れになるのかわからないため、頻繁に「お湯が足りない」状態になってしまいがちです。特に冬場のようにお湯をたくさん使う状況では、思ったよりも簡単にお湯切れが発生します。

とはいえ、エコキュートの仕組みをきちんと理解した上で、最適な設定で利用すれば、お湯切れの発生する可能性を大幅に減らすことができます。購入したエコキュートの容量が小さすぎたと感じる人は、まずは設定の変更によってお湯切れ対策を行ってください。

設定を変えてもまだお湯が不足する場合は、ライフスタイルを変えるか、タンクを交換するしかありません。お風呂やシャワーを使う回数を減らすなどの工夫をしてみましょう。それが難しいようですと、もったいないですが大容量の貯湯タンクに買い替えしましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。