2022年1月19日

エコキュートとエネファームって何が違うの?メリットとデメリットを徹底解説

家庭の光熱費を削減することができるということで、これから家を建てる方やリフォームを考えている方から注目されているのがエコキュートとエネファームです。似たような名前ということもあって、この2つを混同されやすい2つの商品ですが、ここではエコキュートとエネファームの違いや、メリットとデメリットについて詳しくご紹介します。

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エコキュートとは

エコキュート

それではまず、エコキュートについて見ていきましょう。エコキュートは電気を使ってお湯を沸かす給湯器です。電気を使ってお湯を沸かすというと、電気ポットなどをイメージするかもしれませんが、エコキュートはヒートポンプを使ってお湯を作ります。

ヒートポンプは大気中の熱を冷媒に取り込み、その冷媒を圧縮させることでさらに高温にし、水熱交換器で熱を水に伝える機器です。熱を伝えた冷媒は膨張され、また大気中の熱を取り込むというサイクルを続けることで給湯します。

リアルタイムにお湯を作るのではなく、事前に一定量のお湯を作って貯めておくのがエコキュートの特徴です。このため、エコキュートにはヒートポンプだけでなく、お湯を貯めておくためのタンク設備も必要になります。

エコキュートのメリット

  • 夜間の電気を使うため節電できる
  • 種類が豊富で選択肢が多い
  • 空気を汚すことがなく環境に優しい
  • 災害時にタンクの水を使える

エコキュートを導入する最大のメリットは、光熱費が削減できることにあります。夜間の安い電気を使ってお湯を作りますので、プロパンガスを使うよりも光熱費を抑えられます。ただし、電気料金が上がると、光熱費の優位性が小さくなってしまいます。

しかし、エコキュートの商品には多くの種類があり、熱交換の効率も初期の頃よりも大幅に改善されています。用途に合わせて選ぶこともでき、最適なエコキュートを選定できれば、光熱費をしっかりと抑えることも可能です。

さらには、お湯をわかすのにガスを燃焼させないため、とてもクリーンであるという特徴があります。しかも災害時にはタンク内の水を使うこともできますので、防災時の生活水を確保できるという点でも役に立ちます。

エコキュートのデメリット

  • お湯を使い切ってしまうと使えなくなる
  • エコキュートで作ったお湯は飲めない
  • 近隣への騒音問題が発生することもある
  • 故障しても自分で直せない

エコキュートは事前にお湯を貯めておくタイプの給湯器ですので、お湯を使い切ってしまうと、しばらく給湯できません。適切なサイズを選べば、そのようなトラブルを回避できますが、急に来客が泊まることなったときなど、シャワーや給湯を使いすぎてお湯が足りなくなることがあります。

さらに、貯湯タンクにお湯を貯めておきますので、お湯の安全性が確保できません。実際には飲んでもそれほど大きな問題はないとされていますが、貯水タンク内が確実にきれいとは言いきれないため、ほとんどのエコキュートでは飲用に不適としています。

また、エコキュートは低周波音を発生させるため、人によってはそれをうるさく感じることがあります。エコキュートは主に夜間に動きますので、この低周波音によって眠れなくなるケースもあり、訴訟問題になったケースもあるため、きちんと対策をする必要があります。

エコキュートが壊れたときに、自分で簡単に直せないというのもデメリットのひとつです。修理をするのも専門的な知識が必要で、誰でもできるわけではないため、修理費用が高くなりやすいという特徴があることも覚えておきましょう。

エネファームとは

エネファーム

エネファームは天然ガス内の水素と空気中の酸素を反応させることで電気を作り、そのときに発生する排熱を使ってお湯を作るシステムです。「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」というのが正式名称で、都市ガスの供給を受けて可動します。

酸素は空気中に豊富に含まれていますので、都市ガスを供給し続けることができれば、際限なく電気を作り出すことができます。

エネファームのメリット

  • 電気代が減るため省エネできる
  • 非常用水になる
  • 騒音が出ない

エネファームを使うと、電力会社からの電気の使用量を約半分程度に減らすことができます。電気よりも安い都市ガスをエネルギー源にするため、トータルの電気代を安くすることが可能で、なおかつエネファーム専用のガス料金プランを使うことで、電気代を大幅に抑えることが可能です。

また、エコキュートのお湯は飲用不可となっていますが、エネファームの場合は煮沸すれば飲むことができます。エコキュートのように低周波音が出ることもありませんので、騒音トラブルにならないというのもエネファームの魅力です。

エネファームのデメリット

  • 本体の価格が高い
  • 作った電気を売れない
  • 20年したら必ず買い替える必要がある

エネファームは本体の価格が170万円ほどするため、初期費用としては大きな出費になります。光熱費を下げられますので、使い方によっては得するケースもありますが、乗用車を買える値段ですのでちょっと躊躇してしまいますよね。

また、エネファームで作った電気は、もし余ったとしても太陽光発電システムのように、売電することができません。とはいえ、ほとんどの家庭では発電量よりも消費電力のほうが多くなるため、それほど大きなデメリットとして考える必要はないでしょう。

エネファームは燃焼工程がありますので、メンテナンスをしっかりしても20年までしか使えません。むしろ20年も使えればいいほうで、10年ちょっとで寿命となってしまうこともあります。壊れてしまうと、交換するためにまた170万円程度かかります。

光熱費から考えるエコキュートとエネファーム

エコキュートとエネファーム、どちらにしようか決めるときのポイントのひとつとして、どちらのほうが光熱費を抑えられるのかということが大きいと思います。では、エコキュートとエネファームのどちらが光熱費を抑えられるのでしょうか?

戸建4人家族
エコキュート(オール電化):15万~18万円/年
エネファーム:17万~23万円/年

年間の光熱費で比べると、エコキュートのほうが安くなっていますが、月額で考えるとそれほど大きな差はありません。エコキュートはガスを使わないため基本使用料が発生しません。その差額分くらいの違いだと考えてください。

これくらいの額であれば、例えば電気代が少し値上げになるだけで簡単に優位性が変わります。もし将来的に太陽光発電システムを導入するつもりなら、エコキュートがおすすめですが、そうでないならどちらを選んでも問題ありません。

設置費用から考えるエコキュートとエネファーム

導入するときに気になるのが初期費用ですよね。エネファームの初期費用が高いということはすでにお伝えしましたが、エコキュートと比べると、どれくらいの違いがあるのか見ていきましょう。

エコキュート:45万~70万円
エネファーム:約170万円

初期費用で比較するとその差は歴然としています。エコキュートは普及率が高いこともあって、本体の価格がとても安く、サイズにもよりますが大体60万円くらいの費用で設置できます。一方のエネファームは、この数年で価格が下がってはきたものの決して安い金額ではありません。

いずれも寿命は15年前後だと考えると、初期費用の面でエネファームにはほとんど利点がありません。ただし、エネファームは2020年までにPEFC型で80万円、SOFC型で100万円というのが国の目標として設定されていますので、今後はさらに購入しやすくなることが予想されます。

エネファームの導入を急ぐのでなければ、あと数年待って、初期費用が下げ止まったところで設置するのもおすすめです。80万円まで下がればエコキュートと比較しても、それほど見劣りしませんよね。少しでも安く、今すぐに設置したいというのであれば、現段階ではエコキュートを選ぶようにしましょう。

エコキュートとエネファームは補助金を利用できる

エコキュートもエネファームも地球環境に優しいということから設置するのに補助金を受けることができるケースもあります。

エコキュート:1.5万~2万円
エネファーム:3万~15万円

エコキュートはすでに価格がかなり下がったこともあり、以前ほど高額な補助金はなくなり、さらに補助金制度のある自治体も減ってきました。同じくエネファームも年々補助金の額が減ってはいますが、燃料電池普及促進協会では最大で12万円、その他の自治体でも10万円以上の補助金制度が用意されていることもあります。

補助金を受けたい場合には、まずはお住まいの自治体に問い合わせをしておきましょう。エコキュートやエネファームの設置を地元の業者に依頼するなら、補助金についての情報を持っているはずですので、業者に確認するのでも構いません。

申請すればもらえるお金ですので、エネファームやエコキュートを導入するときには、申請忘れのないように気をつけましょう。

まとめ

地球にやさしい給湯設備のエコキュートとエネファーム。現時点では導入コストを考えると、それほど大きなコストメリットがあるわけではありません。エネファームにいたっては、まだ設備の価格が高く、初期費用を回収できない可能性も高いと言われています。それでも、太陽光発電システムと組み合わせることができれば、光熱費の大幅カットが可能です。

さらには、貯湯タンクがあるため、災害時に給水が止まってもしばらくはお水を使えるなどの利点もあります。このように、金銭面だけではないメリットがエコキュートとエネファームにはあります。また、どちらが適しているのかは地域によっても変わってきますし、そもそもエネファームを導入できない地域もあります。

まずは、エコキュートやエネファームの業者に相談して、それぞれに見積もりと推定の光熱費などを算出してもらいましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。