2017年11月7日

浴室の間取りの考え方

浴室の間取りの考え方には、いくつかの種類があります。ユニットバスと在来工法の違いや、浴室内外によっても間取りの考え方は異なります。浴室の間取りを考える際には様々な事柄を考慮する必要があります。ここでは、様々な観点から浴室の間取りの考え方を解説します。浴室のリフォームをご検討の方はぜひご参考にしてください。

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浴室の間取りの考え方

浴室の間取りを考える時、浴室内だけでなく浴室外にある水回りの間取りを考えることも大切です。洗面所、脱衣所、洗濯機置き場、トイレも一緒に考えていく必要があります。
まずは浴室の間取りの考え方についてご説明していきます。

浴室内の間取り

浴室のタイプには「ユニットバス」と「在来工法浴室」があり、それぞれの工法によって浴室内の間取りに与える影響は異なります。

ユニットバス

ユニットバスはシステムバスとも呼ばれる浴室で、壁、天井、浴槽などが決まった規格で作られた浴室です。規格は短辺と長辺の長さを一定にしたもので、例えば浴槽の規格が1200mm×1600mmであれば「1216」と表記されます。壁、天井、浴槽といったパーツごとに規格が決められていることにより、工場で大量生産することが可能なので、最近の浴室タイプのほとんどがユニットバスです。

元から決められているパーツを施工業者が現場で組み立ててユニットバスを設置するので、浴室内に配置する位置や間取りの自由度が低くなってしまいます。 しかし、パーツを組み立てるだけで設置をすることができるので工期は短く、4日~5日程度でリフォームが完了します。

在来工法浴室

在来工法とは「木造軸組工法」とも言い、柱と梁を組み合わせていく工法です。日本の伝統的な建築方法として広まり、現在はあまり用いられていません。在来工法浴室はユニットバスとは違い、水に弱く防水処理を施す必要があります。

ユニットバスと違い、在来工法浴室は現場の浴室のスペースに応じて職人がオーダーメードで設置するので、既存のスペースに対して壁や天井、浴槽といったパーツを最適な位置にレイアウトすることができます。リフォームを希望する方の要望に応えた施工が可能なので、浴室内のレイアウトや間取りの自由が効きます。

しかし、現場の状況に応じた浴室の設計をしたり、壁や床に一からタイルを貼り付けたりと、施工には手間がかかるため、リフォームの完工には1週間から10日間程度かかります。

浴室外の間取り

浴室外には脱衣所、洗面所、洗濯置き場などの水回りが集まる間取りが主流です。
箇所別に考え方を見ていきましょう。

洗面所・脱衣所

戸建て住宅の場合、洗面所と脱衣所が一体化している場合がほとんどです。
お風呂から上がった場所に洗面所があれば、入浴後にスムーズに身支度を済ませることができるからです。

また、浴槽の残り湯を洗濯水として使用したい場合、浴室を出たすぐの場所に洗濯機置き場があればスムーズに汲み上げも行えます。入浴前後の行動や入浴以外のことも踏まえた上で間取りを考える必要があります。

トイレ

ユニットバスはトイレや洗面台が浴室内にあるものという認識が広まっていますが、正しい認識としては、決められた規格の天井、壁、床、浴槽が一体化して設計されている浴室の事を指します。

主にワンルームマンションでは、浴室にトイレや洗面台を設置しているケースが多く、そのように一か所に水回りをまとめることで、リビングルームが広くとれるメリットがあります。
しかしそのような間取りでは、浴室使用時にはトイレが使用できないという欠点があります。

浴室の間取りにおける注意点

浴室の間取りの考え方にも注意点がいくつかあります。
ここからは浴室の間取りに関する注意点について、詳しく解説していきます。

浴室の配置場所

住宅全体として間取りを考えたとき、浴室を住宅内のどこに配置するかも重要になります。
使い勝手やスペースの確保を優先したことで、リフォーム後に失敗したという声も多く挙がっています。そのような失敗をしないためにも、浴室の配置場所における注意点を見ていきましょう。

玄関の近くの場合

住宅の各居室の配置を先に決めたことで、玄関のすぐ近くに浴室を設置するしかない間取りになってしまった失敗例があります。

そのようなケースでは、

  • 「玄関に近いことで、冬場は外気温が浴室に伝わりやすく寒いと感じる」
  • 「入浴中に来客があると、入浴中の音が伝わってしまう」

などといった問題点が挙げられます。

浴室前に洗面所として一室を隔てていれば、音の問題は解決できる可能性があります。
寒さの問題も脱衣所に電気ヒーターを設置すれば良いですが、余計に電気代がかかってきます。

このようなケースも考えられるので、住宅内の浴室の位置はリビングルームの近くという間取りがベストだと言えます。。

ワンルームタイプの場合

ワンルームタイプとは、トイレと洗面所が同じ一室になっており、その奥に浴室がある間取りです。
スペースをコンパクトに使用できるので、住宅内の他の空間を広げるためには効果的です。

トイレと洗面所のスペースを脱衣所として使用することになるので、入浴中に他の方がトイレに入る場合は毎回配慮が必要になります。

介護を必要とされる方がいる場合

ご家庭に介護を必要とされる方がいる場合、入浴の際に誰かの介助を必要とされるのか、浴室の仕様が整っていればお一人で入浴が可能なのかをよく考えましょう。

現在は介護用のユニットバスも開発さていますし、手すりひとつにしても使用する方に合ったものを取付けなければ意味がありません。

浴槽の出入りから、鏡面台との行動の導線を考慮した間取りにしなければ、使い勝手の悪い浴室になるので注意しましょう。

浴室のタイプによる注意点

浴室には「ユニットバス」「在来工法浴室」がありますが、それぞれ間取りに対する注意点も変わってきます。

ユニットバスの場合

ユニットバスは規格に沿って、浴槽の向きや鏡面台の位置が決められています。
浴槽は排水溝がある方に向かって足を伸ばすのが一般的で、蛇口が背中に来ると不快に感じる場合が多いのです。

人の生活習慣や行動はある程度パターン化されており、入浴スタイルや浴槽に入る向きは、ほとんどの人が決まっています。
間取りを決める時は、行動の導線がご自身の入浴スタイルに合っているかの確認を事前にしておきましょう。

在来工法浴室の場合

在来工法浴室は、デザインも間取りも自由に作ることが可能です。
しかし、自由であるがゆえに施工後に使い勝手の悪さに気づくこともあります。

鏡面台の位置を入口から近い場所にすると、折れ戸の開く方向によっては鏡面台にぶつかる可能性があります。他には窓の高さが低すぎて、プライバシーに対する配慮が欠けてしまわないように、設置するすべての位置関係をひとつずつ確認しておきましょう。

まとめ:浴室の間取りは計画的に

浴室の間取りを考える際は、浴室内に留まらず住宅内全体を考慮して計画しましょう。

プライバシーを重視するのであれば、脱衣所、洗面所、トイレはそれぞれ独立させた設計を考える必要があります。
住宅内のどこに浴室を設置するかの間取りや、住宅に住む方の生活スタイルに沿ったニーズを満たしているか入念な計画が必要です。

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