2021年12月16日

【材質別に解説します!】お風呂の床の特徴と選び方のポイント

浴室の床に用いられる材質には多くの種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットが異なります。この記事では、浴槽の床に使用されている素材の解説だけでなく、各メーカーが取り扱っている床の機能も紹介します。安全性、保温性、掃除のしやすさなどの基準から、ご自身の希望にあった物を選びましょう。

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浴室の床選びは安心快適なバスタイムに直結!

浴室リフォーム

一日の疲れを取る入浴タイムですが、思わぬ事故につながる危険が潜んでいます。例えば、脱衣所と浴室の温度差でヒートショック現象を引き起こしてしまったり、浴室で転倒してケガをしてしまったりすることもあります。

しかし、お風呂の床材を変えるといったリフォームによって、そのような危険性を減らすことができます。

また、浴室の床をリフォームすると、危険を回避できるだけでなく、お手入れがしやすくなるというメリットもあります。最新の床材はとても汚れに強く、防カビ効果の強いものが多いため、以前のようにたわしでゴシゴシ磨く必要はほぼありません。

お風呂の床に使用される材質の種類や、メーカーが取り扱っている商品などによって、それぞれ特徴があります。ここでは浴室を快適にするために、どんな床材を選べばいいのか、その選び方とおすすめの商品をご紹介します。安全で使い勝手の良い浴室にリフォームするために、床材の特徴に注目してみましょう。

浴室の床リフォームで素材を選ぶときのポイント

浴室リフォーム

浴室に使用できる床材はとても種類が多く、デザインも豊富ですので、どれを選べばいいのか悩んでしまいますよね。ここでは、床材を選ぶときにどのような点を意識すればいいのか、そのポイントについてご紹介します。

滑りずらい床材

最優先しなくてはいけないのは、浴室が安全であるということです。そういう意味で、滑りにくい床材というのは絶対に外せない条件です。いくら見た目がいいからといって、鏡面仕上げされた石材や滑り止め加工のされていないタイルなどは、滑って転ぶ可能性があります。しかも、床材が硬いと頭を打ってケガをする確率が上がります。

水を使う場所ですので、100%滑らないというのは難しいのですが、安全を重視してデザイン性よりも滑りにくい床材であることを優先するのもひとつの方法です。

掃除が楽になる床材

浴室は家の中で最も湿度が高い場所です。その中でも床材は水にさらされやすいため、最新の床材ならカビが発生することはほとんどありませんが、木材のように腐食しやすい床材を選ぶと、いくら防カビ加工をしていても、毎日丁寧なお手入れが必要になります。

時間をかけて浴室を掃除をする方は少ないのではないでしょうか。そのような場合は、樹脂製でお手入れのしやすさに配慮した形状の床材を選びましょう。

予算に応じて選ぶ

いくらデザインが良く、高機能な床材であっても、予算を大幅にオーバーしてしまったのでは選べませんよね。ユニットバスの場合は、張替に対応していない商品もあり、その場合は本体ごとの交換になるため、50万~100万円くらいの費用が発生します。予算が10万~30万円程度しかない場合には、とてもじゃないですがリフォームできませんよね。

このような場合は、安価な床シートなど、予算内に収まる床材を使ってリフォームしましょう。自分で選ぶのが難しい場合は、予算を決めてリフォーム会社に相談してみてください。ほとんどの業者が、予算の範囲内でできる床リフォームをいくつか提案してくれます。このとき、1社だけでなく2~3社に相談しておくと、選択肢の幅が広がります。

浴室に使用できる床材の種類を解説

浴室リフォーム

近年では在来工法のお風呂を採用する住宅が減り、ユニットバス(システムバス)が一般的に普及しています。在来工法とユニットバスでは、それぞれ適した材質が異なりますので、ここでは床材ごとにどちらに適しているのか、床材の特徴とともにご紹介します。

樹脂素材

樹脂床材はユニットバスでもっとも一般的な床材で、在来工法でも使用されることのある床材です。耐水性と水はけの良さに優れ、すべり止め加工も施されているので、浴室に適した材質と言えます。掃除はしやすいのですが、汚れやすいというデメリットもあります。

在来工法:◯ ユニットバス:◯

FRP床材

近年、お風呂の床材でよく使用されるのがFRPです。FRPとは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などが含まれている強度の高い材質です。船や水槽などの材料として使用されるほど、強度と防水性に優れています。

在来工法:◯ ユニットバス:◯

木材

在来工法のお風呂に採用されることが多く、ユニットバスに使用されることは珍しいのが木製床材です。和風の浴室にしたい時におすすめなのが木製床材です。木の温かみのある浴室にすることができ、香りでリラックスもできます。

一方、メンテナンスを怠ると床材が腐ってしまったり、カビやヌメリが発生してしまったりするという欠点があります。カビやヌメリなどの発生を抑える加工が施されているものを選び、こまめなお手入れをして綺麗さを長く保ちましょう。

在来工法:◯ ユニットバス:△

タイル材

色、サイズなどデザインのバリエーションが多いタイル材は防水性にも優れ、昔から浴室の床として使われています。本来は在来工法でよく用いられる材質ですが、ユニットバスに採用されることもあります。

水分が残るため、乾きにくいという欠点はありますが、すべり止め加工されているものもあり、事故の危険性を軽減してくれるという機能を持っています。特に、タイル材の中でも人気のコルクタイルは滑りにくく、保温性があり浴室の床材に適しています。

在来工法:◯ ユニットバス:△

天然石材

高級な旅館などでは浴室の床材に大理石を使用し、お風呂を特別な空間に仕上げています。もちろん自宅の浴室の床を、大理石などの天然石材にリフォームすることは可能です。ただし、大理石は水に弱いという弱点もあり、水にさらされる床材として適していません。

このような場所の床材には御影石を採用するなど、適材適所の使い方をすることで、お手入れの手間を減らし、いつまでも美しい状態を保ちつづけることが可能です。それでもノーメンテナンスというわけにはいきませんので、毎日最低限のお掃除は必須です。

在来工法:◯ ユニットバス:△

床シート材

床シートは手軽にリフォームできるアイテムで、防水性とクッション性に優れた床材です。床にシートを貼るだけですので、リフォームにかかる費用がとても安く、それでいて美しい状態を取り戻すことができます。さらに、既存の床よりも快適な環境を得ることも可能です。

ただし、ベースとなる床材をそのまま利用しますので、床材の劣化が進みすぎている場合には注意が必要です。キレイになっているのは見た目だけで、目に見えない部分ではカビなどが発生しているかもしれませんので、導入前には必ず床材の状態をチェックしてもらいましょう。

在来工法:◯ ユニットバス:◯

DIYで浴室の床材は取替えられるの?

浴室リフォーム

浴室の床材を取り替えるだけで何十万円もかかるなら、DIYでリフォームしようかなと考える人も多いかもしれません。ただ、ユニットバスの床材を入れ替えるようなリフォームは、素人が正しく施工するのはかなり難しく、在来工法でも専門の知識と施工実績がある人でないとDIYは無理です。

ただし、床シートを貼るだけであれば、DIYでも施工可能です。難しいのは下地づくりで、まずはカビや汚れを徹底して落とし、さらにはパテなどで床面を平らに仕上げるなどの作業が必要になります。この工程を難しく感じない人なら、問題なくリフォームできます。

床シートの施工は業者に依頼しても4万~7万円くらいでできますが、DIYでも工具を揃える必要がある場合には、同じくらいの費用が必要になります。手間をかけて施工しても、それほど安くできるわけではなく、しかも仕上がりの美しさはプロの作業よりも格段に劣ります。

費用面でのメリットが薄いことを考えると、何でも自分でやってみたいというのでなければ、DIYでの浴室床リフォームはあまりおすすめできません。DIYに慣れているのでなければ、専門家に任せるようにしましょう。

浴室の床材でおすすめの商品をご紹介!

浴室リフォーム

お風呂の床はデザイン性、耐久性だけで選ぶと、思わぬ事故に繋がる可能性があります。浴室では転倒事故や、ヒートショックを起こす可能性があります。それらを防ぐためには、滑りにくい、できるだけ冷たくない、温度差を感じにくい床を選ぶことが望ましいでしょう。

そして、カビが生えたり、皮脂汚れが付いたりしやすい場所なので、掃除しやすい床だと嬉しいですね。各住宅設備メーカーは、高機能なユニットバスの床を取り扱っているので、リフォームの際の参考にしてみましょう。

LIXIL キレイサーモフロア

「キレイサーモフロア」の特徴は、清掃性快適性です。

LIXIL 出典:LIXIL

溝の深さが浅くなり、スポンジで綺麗にすることが可能です。特殊な表面処理を行ったことにより、汚れにくく、綺麗な状態を保つことができます。

「キレイサーモフロア」は床と足との間に断熱層を挟むことにより、浴室に足を踏み入れた時の冷たさを軽減させてくれます。熱伝導率の低い断熱層があることにより、足の裏から奪われる熱が減りました。断熱層を作っているだけのため、電気代は一切かけずに冷たさを軽減させることができます。

TOTO ほっカラリ床

TOTOの「ほっカラリ床」も、清掃性快適性の機能を持っています。

TOTO 出典:TOTO

表面のFRPに親水特殊処理という加工を施したことにより、水が汚れを浮かし、簡単に落とすことができます。さらに表面の溝を伝って水分が排水口まで流され、速乾性にも優れています。

W断熱構造で、床裏からの冷気を感じさせません。もちろん冬場も冷えることがないので、ヒートショック対策になります。LIXILのキレイサーモフロアと同様に、こちらも電気代をかけずに冷たさを回避することができます。

「ほっカラリ床」の、この断熱層はクッション性に優れているので衝撃を吸収してくれます。 柔らかく滑りにくいので安全性も備えています。膝をついた時も痛みを感じにくく、より快適に過ごすことができるでしょう。

Panasonic スゴポカフロア(床暖房)

Panasonic 出典:Panasonic

ただ冷えにくいだけでなく電気を使用して温めてくれるので、寒さ対策に非常に優れた機能と言えます。

Panasonicの「スゴポカフロア」は床が温かいのはもちろん、浴室内全体を温めてくれるので、寒い日でもバスタイムが苦になりません。年間の電気代は約320円ほどですので、電気代をそこまで気にすることなく使用できそうですね。

まとめ

浴室は湿度が高く、そのなかでも床材は浴槽と同じくらい水やお湯にさらされる場所ですので、浴室の壁などと比べると、劣化が進みやすい箇所になります。劣化した状態を放置していると、滑りやすくなったり、カビが発生したりと、様々なリスクを抱えることになります。このため床の状態が良くないと感じたら、できるだけ早くリフォームを検討するといいです。

最新のユニットバスや床材だけでなく、浴槽や壁にも転倒やヒートショック、カビなどを防ぐための施策が施されていますので、余裕のある方は、ただ床を新しくするだけでなく、このタイミングに合わせて、浴室自体を全面的にリフォームするのもおすすめです。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。