ユニットバスのトラブル
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浴室には「在来工法浴室」と「ユニットバス(システムバス)」があります。
在来工法浴室は、建物の柱を筋交いで組み立てる日本の伝統的な建築方法です。
最近ではユニットバスの導入が一般的ですが、昔ながらの建物や中古物件の場合は在来工法が用いられている可能性があります。
長年メンテナンスをしていないようであれば、水漏れが起こる前にメンテナンスの検討をお勧めします。
浴室の壁をタイルなど防水加工は施されているものの、防水効果が特に高いというわけではないため浸水の恐れがあるからです。
下地部分などの普段は見えない場所にトラブルが発生することもあります。 下地が湿気によるカビの繁殖で腐敗が進んでいたり、シロアリによって傷みが進んでいる可能性もあるため、防水効果の状態は定期的なメンテナンスで確認する必要があります。
ユニットバスは、浴室の広さが規格によって定まっており、浴室の設置前に工場であらかじめパーツの組み立てを完了させたものを運び入れて施工されます。
浴室として特化した作りになっているため、在来工法浴室に比べて防水加工もしっかりしています。
しかし排水口の詰まりを放置するなど、手入れを怠ってしまうともちろん行き場のなくなった水が溢れ、脱衣所に浸水してしまうことがあります。
脱衣所など浴室以外の部屋は、防水加工が万全ではありませんので、浸水してしまえば大きな被害に繋がることもあります。
特にマンションなどの上層階の場合、下層階まで水漏れ被害が出てご近所に迷惑をかけてしまうことになり兼ねません。
水漏れは家財損傷などの重大な損失を招くので、排水溝の掃除は必要不可欠となります。
汚れの種類
浴室にはどんな汚れが潜んでいるのでしょうか。
ここからは、浴室に発生しやすい汚れの種類をご紹介していきます。
ピンク汚れ
浴室の床や壁に発生するピンク色のヌメリです。
浴室は高温多湿なため、 様々な菌やカビが繁殖しやすくなりますが、この場合は「ロドトルラ・ルブラ」と呼ばれる菌が原因です。
非常に繁殖のスピードが速く、よく発生しやすいため目にしたことのある方は多いでしょう。
ピンク色が濃く見える程、菌の数が増殖していると言われています。
入浴時に使用したシャンプーや石鹸カスの残りが流されずに残ってしまうと、それを養分にどんどん繁殖します。 しかし繁殖しやすい性質がある一方、簡単に落とせるのもひとつの特徴です。
入浴したりシャワーを浴びた後は浴室をシャワーで流す癖をつけること、換気をして湿気を逃がすことが大切です。
カビ
浴室にはカビが発生しやすくなります。
カビが繁殖しやすい環境は、温度20~30度で、湿度60%以上の時であり、浴室は絶好の温床となってしまうんです。
黒いカビは、水回りに非常に多くみられるカビで、一度付着すると深く根を張り、洗剤を使用してこすっても非常に落としにくいのが難点です。
軽く発生した時点ですぐに除去することが、繁殖を広げないための鍵となります。
青いカビは、じめじめとした湿気の多い場所に発生しやすいカビで、カビ独特の臭いを発します。
浴室には発生量が少なく目に見えにくい場合が多いですが、カビ臭い場合は要注意。
もらい錆
もらい錆は、ヘアピンや剃刀などの金属部分が錆び、プラスチックに付着してしまう汚れです。
浴室内のプラスチック製の小物置きなどに付きやすくなります。
ヘアピンや剃刀は入浴後に浴室に置きっぱなしにせず、浴室内から持ち出すと良いでしょう。
比較的落としやすい汚れですが、クリームクレンザーなど研磨剤の含まれた洗剤やたわしのような掃除道具で強くこすると表面に傷を作ってしまう場合があります。
傷ができてしまうと、そのわずかな傷の中に汚れや菌が溜まりやすくなり、ますます汚れを落としにくくなってしまうため注意しましょう。
セルフクリーニングの方法
浴室の汚れは、放置してしまうとどんどん頑固で落としにくいものになっていきます。
入浴の度に掃除ができれば、汚れを溜めてしまう心配はありません。
ここからは、浴室をご自身で掃除するための道具と手順をご紹介していきます。
日々の掃除が何より大切
日々掃除ができれば、大掛かりな掃除をする必要はなくなり、手間はが省けます。
今日は床、明日は壁など、日替わりで掃除を回せば頑固な汚れは防ぐことができます。
まずは浴室内をきれいに保つための習慣を3つご紹介します。
- 熱めのお湯で、飛び散った石鹸カスを確実に流す
- 冷水にして、浴室全体を流す
- 換気をする
最も発生が早いピンク汚れは、5日程度で発生します。原因となる石鹸カスは、入浴の度に確実に流すようにしましょう。
熱めのお湯を使用することで、溶け出して落ちやすくなります。
何気なく流しているシャンプーや石鹸は、思った以上に色々な場所へ飛び散っているものです。
壁や天井、浴室の角も忘れずに確認してください。
ピンク汚れは室温が高いことでも繁殖しますので、流したあとは浴室の温度を下げることが効果的です。
冷水に切り替えて、もう一度浴室全体を流し、窓を開けて換気をします。
ユニットバスのメーカーによっては、暖房換気乾燥機が取付けられる場合があります。
入浴前には浴室を暖め、入浴後には換気をすることができる暖房換気乾燥機は、天気が悪い日でも窓を開けることなく効率的に浴室内を乾燥させてくれます。
頑固な汚れを落とす方法
頑固な汚れを作らないための3つの方法をご紹介しましたが、それでもカビなどは発生してしまうことがあります。 ハウスクリーニングに依頼する前に、もう少し自分で何とかしたいと思われる方に、お勧めの掃除手順をご紹介しましょう。
<必要な道具>
- 重曹
- クエン酸
- お酢
- キッチンペーパー
- スポンジ
頑固な汚れにはラッピングを
擦っても落ちない頑固な水アカでは、ラッピングという掃除方法があります。
ラッピングは、洗剤を浸した部分をキッチンペーパーなどで覆って、小さな隙間にまでしっかりと洗剤を届かせる方法です。
水アカの気になる水栓や鏡にクエン酸を振りかけ、キッチンペーパーを被せ数時間~半日程度放置します。
あとはキッチンペーパーを外して洗い流すだけです。
頑固なカビには重曹とお酢のコンビで
ピンク汚れや水アカは、クエン酸を用いることで落とすことが可能ですが、長く放置されたカビとなると非常に落としにくくなります。
カビには、重曹とお酢を組み合わせた掃除方法がお勧めです。
カビが発生している場所に重曹をふりかけた後、お酢をかけると発砲し始めます。
そのまま30分程度放置しておくと、発砲成分がカビを浮かせてくれるのです。
特に頑固なカビには水アカ掃除と同じようにラッピングをして、放置時間を数時間に伸ばしてから流すとさらに効果的です。
防カビ対策でカビから守る
頑固なカビを落とすことができても、再度同じような使い方をしていれば、汚れやカビはまた発生してしまいます。
汚れやカビを発生させないことはなかなか難しいですが、発生を抑制させることは可能です。
カビの発生抑制には、市販されている「防カビ剤」が効果的です。
汚れやカビの付着を防ぐことに着目した消費で、掃除の手間を大幅に減らすことができます。
ライオン株式会社が販売している「ルック おふろの防カビくん煙剤」では、2ヵ月に1回使用するだけで防カビ効果を持続させることができます。
大きな手順もなく、浴室に商品を置いて放置しておくだけなので、時間も手間もかかりません。
シャンプーなどの小物類も片づける必要がなく、そのまま使用できるので非常に使いやすい商品です。
ハウスクリーニング
浴室は、住宅の中でも非常に労力を使う掃除場所です。
天井は手を伸ばすだけでは届きませんし、浴槽の中はかがみこむ必要がありますよね。
さらに、パッキンの間などの細かい部分にまで菌やカビは入り込むため掃除の範囲が多くなります。
汚れが頑固であれば、それだけ時間も必要になってきますし、掃除をしたところで落としきれないこともあります。
ご自身での浴室掃除に限界を感じたら、掃除のプロであるハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
ここからはハウスクリーニングについて、解説していきます。
ハウスクリーニングとは
ハウスクリーニングとは、住宅に関わる全ての場所を清掃する専門業者です。
エアコン、キッチン、窓、浴室、洗濯機など、住宅内で掃除方法に悩んでしまうようなものや難しいところまで徹底的に綺麗にしてくれます。
賃貸マンションなどの退居時は、ハウスクリーニング業者が入り、家中の清掃作業に入るのが一般的です。
私たちの目に届かないような細部に渡って掃除のプロが清掃してくれるので、結果的に住宅やエアコンなども長持ちします。
ハウスクリーニングの費用相場
ユニットバスのハウスクリーニングの費用相場は20,000円~50,000円です。
業者ごとに標準プランの内容がどこまでの範囲を指すかにより、費用相場にも幅があります。
暖房換気乾燥機のクリーニングや、防カビ加工までを想定していなければ、浴室は20,000円前後で徹底的に綺麗にできます。
浴室のハウスクリーニングが必要になる場合
ハウスクリーニング業者に依頼するほどの、浴室の汚れとはどの程度のものなのでしょうか。
以下を参考に、業者への依頼を検討してみてください。
排水口の水の流れが悪くなった
排水口の掃除をしているにも関わらず、排水できないような症状が出た場合、早めにハウスクリーニングに依頼することをお勧めします。
市販の洗剤や、セルフクリーニングでは行き届かないような場所で、排水口の詰まりが起きている可能性があるからです。
排水口が詰まれば、もちろん排水ができなくなります。
排水状況が悪い状態で浴槽の水を抜いてしまうと、浴室内から溢れ出し脱衣所などまで浸水してしまう可能性があります。
費用を気にして、ハウスクリーニングへの依頼をためらっていると、浸水の被害で家財損傷が起こりかえって余計な費用がかかります。
排水口の水の流れは使用のたびに確認し、異常があれば放置せず、すぐに対応するようにしましょう。
暖房換気乾燥機を取付けている
暖房換気乾燥機は、非常に便利なユニットバスのオプション機能です。
カビの繁殖も乾燥によって抑制できますし、入浴時も寒さを心配する必要がありません。
しかしその分、構造は複雑なので定期的なメンテナンスが必要になります。
専門的な知識がないにも関わらず、自らメンテナンスを行うことで故障につながる可能性もあります。
また、天井に取付けられているため、私たちの手でメンテナンスを行うのにも限界がありますよね。
ハウスクリーニング業者であれば、正しい知識の元分解して隅々までしっかり洗浄をしてくれます。 暖房換気乾燥機はほこりなども溜まりやすく、カビが発生することも珍しくないので、1年に1回はメンテナンスを依頼するようにすると良いでしょう。
確実な防カビ対策をしたい
上記の通り、掃除の手間を軽減するためには前もって防カビ対策を行うことが効果的です。
市販の防カビ剤を使用することもご紹介しましたが、ハウスクリーニング業者では、専門的に防カビ対策を行うこともできます。
多くの場合は、浴室のクリーニングプランのオプションとして対応してくれますが、中には防カビ加工までをコミコミ料金で行う業者もあります。
業者であれば、天井や壁だけでなく、排水口の中など隅々まで行ってくれるので、その後の浴室のセルフクリーニングも簡単になります。
ハウスクリーニング業者のご紹介
ハウスクリーニング業者に依頼をする際、どこに依頼すればいいのか、何を基準に選べばいいのか迷う方も多いですよね。
ここからはおすすめのハウスクリーニング業者を何社かご紹介していきます。
ダスキン
出典:duskin.jp
<参考価格>
内容 | 標準価格(税込) |
---|---|
浴室クリーニング | ¥17,280 |
浴槽エプロン内部 | ¥10,800 |
浴室暖房乾燥機(換気扇) | ¥10,800 |
<オプションの参考価格>
内容 | 標準価格(税込) |
---|---|
防カビコート(床面積4㎡ 高さ2.4m未満) | +¥21,600 |
株式会社ダスキンは、家庭用の清掃用具のレンタルや、専門的に掃除を代行してくれる清掃業界の代表的な企業です。
浴室のクリーニングは、浴室全体はもちろん、暖房換気乾燥機のみでも依頼できます。
防カビ加工はオプションとして追加料金がかかります。
サービスは浴室内の設備だけでなく、シャンプーなどの浴室に常備してある小物類の細部に渡ります。
料金形態は地域によって差が見られますので、公式ホームページより、お住まいの地域の料金をご確認ください。
格安でサービス実績が少ない業者よりも、サービス実績が多く安心の業者を選びたい場合は、ダスキンを検討してみると良いでしょう。
おそうじ本舗
<参考価格>
内容 | 料金 |
---|---|
浴室クリーニング単品(1式) | ¥13,500 ~ ¥17,000 |
浴室乾燥機セット(1セット) | ¥20,500 ~ |
鏡の水アカ除去セット+コーティング仕上げセット(1セット) | ¥16,500 ~ |
参考:おそうじ本舗 公式HP
「おそうじ本舗」は、長谷川興産株式会社が運営するハウスクリーニング業者です。
住宅だけでなく、店舗やオフィスまで幅広く対応しています。
自社で行ったアンケート調査で利用者の満足度が高く、サービス実績が豊富なところも安心です。
手頃な費用でも、質の高いサービスを受けたいという方にお勧めです。
ハウスクリーニング業者の選び方
ハウスクリーニング業者は、住宅内であればどこでも対応できるよう、サービスの幅を広げている場合がほとんどです。
企業としてサービスを展開してい事業もあれば、個人で事業を行っている方もいます。
ハウスクリーニングを選ぶ際のひとつの基準は「サービス実績」です。
費用の安さを優先して依頼した業者が、技術不足で満足のいく仕上がりにならなかったというトラブルにならないためも、サービス実績を確認すると良いでしょう。
また、浴室のどこまでクリーニングをしてもらいたいかも大きなポイントです。
暖房換気乾燥機までクリーニングしてもらいたい場合、多くの業者は、オプションとして追加料金を取るのが主流です。
しかし、業者によっては標準セットの中に暖房換気乾燥機を含んでいる場合もあるので、ご自身の希望の範囲と照らし合わせて検討しましょう。
注意点
ハウスクリーニング業者は清掃のプロです。
清掃はひとつひとつ丁寧に、細心の注意を払って行ってくれますが、いくつかの注意点もあります。
業者に依頼する際は、以下の注意点を踏まえるようにしましょう。
浴室、浴槽の素材が特殊ではないか
サービス実績のある業者は、浴室の壁や床、浴槽の素材についても熟知しています。
しかし最近のユニットバスメーカーは、様々な素材でユニットバスを製造しています。
人造大理石、ホーローなどの特殊素材は、使用する洗剤に留意しなければ劣化を引き起こす可能性があります。
業者が浴室に使われている素材を、きちんと認識していれば問題ないですが、見積もりの際にはお互いに認識が一致しているか確認をしておきましょう。
ユニットバスの規格サイズと料金は一致しいているか
業者が提示しているクリーニングの料金プランには、規格サイズ(広さ)を基準にしている場合があります。
標準プランの料金が安いと思い依頼しても、自宅の規格サイズが違えば追加料金が発生する場合もあります。
見積もりの際に、料金設定が規格サイズに関係あるのかどうか、また自宅の規格サイズは何なのかを確認しましょう。
まとめ:掃除は「予防」と「すぐ」が大切
ユニットバスの掃除方法は、自分で行う方法と専門業者に依頼する方法があります。
自分で行う場合、掃除の負担を軽くするためには2つの方法があります。
1つ目は「防カビ加工」を施して、汚れやカビの付着を抑える方法です。
市販の防カビ剤や、専門業者による本格的なコーティングにより予防しましょう。
2つ目は「使用のたびに適切な方法で掃除をする」ことです。
浴室は使用頻度の高い場所ですので、必然的に汚れやすくなります。
しかし使用の度に、適切な方法で掃除を行っていれば頑固な汚れにしてしまうことを防げます。
重曹やクエン酸を用いた掃除を行っても汚れやカビが落ちない場合や、排水口が詰まるようなトラブルが発生した場合はハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
業者によって、料金設定や清掃範囲は様々です。
ご自身が:希望する清掃範囲と料金プランの範囲を照らし合わせた上*で、マッチングする業者を選ぶようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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