賃貸経営者必見!2点ユニットバスのバリューアッププラン
出典:photoAC
賃貸物件を所有する方でしたらご存知だと思いますが、2点ユニットバスの特徴や種類について簡単に説明していきます。
ユニットバスとは
従来のお風呂は、職人さんが壁や床、浴槽などを浴室ごとに作っていました。この方法ではお風呂を作るのに時間がかかるだけでなく、リフォームする際にも大掛かりな工事が必要になります。そこで誕生したのがユニットバスです。
ユニットバスは、床や壁、天井などの部品を工場で生産し、現場で組み合わせるだけで浴室が完成します。新築の場合は1~2日程度で工事が完了し、古いユニットバスを新しいユニットバスに交換する、というリフォームでも3~5日程度で終わります。
ユニットバスは含まれる設備の種類によって3つに分類されます。
1点ユニットバス:バス・トイレ別、独立洗面台付き 2点ユニットバス:バス・トイレ別 3点ユニットバス:バス・トイレ一緒
現在人気なのは、浴室機能のみの1点ユニットバスです。3点ユニットバスは家賃をかなり下げないと、入居率が下がってしまう傾向にあります。2点ユニットバスの人気はその中間で、あえて避けるほどではないものの、率先して選ぶ物件ではないという位置づけにあります。
2点ユニットバスと3点ユニットバスの違い
2点ユニットバスはトイレを別にしただけですが、トイレと浴室を分けた効果はとても大きく、入居率を高めるためのリフォームといわれています。トイレがないため浴室の清掃だけで済みますし、3点ユニットバスですと、友人や家族が来たときにトイレと浴室の同時使用が困難ですが、2点ユニットバスではその心配はいりません。
また、3点ユニットバスによく設置されている、シャワーカーテンも不要です。シャワーカーテンはカビが発生しやすいので、使用するたびに水分を拭き取らなくてはいけませんが、2点ユニットバスにすれば、その作業もしなくて済みます。
さらに、トイレがあると常に水が張られているため、浴室としての使用も合わせてどうしても湿度が高くなってしまいます。2点ユニットバスでしたら、ある程度は浴室内の湿度を下げることができます。
ただし、トイレ用の空間が別に必要になりますので、居住空間やクローゼットなどが圧迫されるというデメリットがあります。
2点ユニットバスのリフォーム費用
2点ユニットバスをリフォーム費用 | |
---|---|
3点ユニットバスから2点ユニットバスにする | 60万~65万円 |
2点ユニットバスから1点ユニットバスにする | 50万~55万円 |
2点ユニットバスから新しい2点ユニットバスにする | 40万~45万円 |
ユニットバスのサイズやグレードによって、リフォーム費用は大きく異なりますが、相場としては上記の費用がかかります。3点ユニットバスから2点ユニットバスにする際は、トイレをどこに設置できるかで費用が変わり、工事が難しい場合は100万円程度かかるケースもあります。
2点ユニットバスのリフォーム方法をご紹介
それでは次に、2点ユニットバスのリフォーム方法についてご紹介します。費用の項目でご紹介しましたように、下記の3つのリフォーム方法があります。
- 3点ユニットバスから2点ユニットバスにする
- 2点ユニットバスから1点ユニットバスにする
- 2点ユニットバスから新しい2点ユニットバスにする
それぞれの特徴や利点について詳しく見ていきましょう。
3点ユニットバスから2点ユニットバスにする
3点ユニットバスから2点ユニットバスにリフォームする場合には、まずは既存のユニットバスを分解撤去し、同じサイズの2点ユニットバスを組み付けます。それとは別に、トイレの新設工事が必要になります。
このとき注意しなくてはいけないのが、トイレの排水勾配です。トイレの設置位置がユニットバスよりも離れすぎてしまうと、十分な勾配を確保できずにトイレが詰まりやすくなる可能性があります。また、部屋やクローゼットが圧迫されてしまうため、居住空間の快適さが下がってしまうかもしれません。
とはいえ、2点ユニットバスにするだけで空室状況の改善が期待できるため、十分なスペースがある場合は、積極的に取り入れたいリフォーム方法です。
2点ユニットバスから1点ユニットバスにする
2点ユニットバスは不人気というわけではありませんが、洗面台を頻繁に利用する女性からはやや敬遠されやすい設備です。若い女性をターゲットにしたいのであれば、2点ユニットバスから1点ユニットバスへのリフォームがおすすめです。
この場合も、既存のユニットバスを撤去して、新しいユニットバスを設置することになります。このときに合わせて洗面台を空きスペースに新設します。洗面台周りは水ハネが多く、壁面に防水クロスを張るなどの作業も必要です。また、洗面台への配線も必要ですので、電気工事も別途発生します。
2点ユニットバスから新しい2点ユニットバスにする
2点ユニットバスを新しい2点ユニットバスにリフォームする方法は2つあります。
- ユニットバス全体を交換
- ユニットバスの内部を簡易リフォーム
ユニットバス全体が傷んでいるという場合は、そのまま浴室ごとを交換するリフォームがおすすめです。ユニットバスの寿命は15年程度ですので、それ以上長く使用しているときは、新しいユニットバスに交換しましょう。
使用期間が短い2点ユニットバスであれば、内部の部品を交換したり、壁面にシートを貼ったりすることで、ほぼ新品同様の状態に戻すこともできます。費用も抑えることができ、さらにリフォーム期間も短くできますので、予算が限られている場合におすすめです。
2点ユニットバスのリフォームで気をつけること
2点ユニットバスのリフォームをすれば、入居率が上がりやすいと説明してきましたが、リフォームをすることで発生するデメリットもあり、家賃料だけでは回収しきれないことがあります。
ここでは、リフォームのときに気をつけたい3つのポイントをご紹介します。
部屋の広さと浴室の広さを確認する
3点ユニットバスから2点ユニットバス、2点ユニットバスから1点ユニットバスにリフォームする場合、ユニットバスの設備が外に出てくることになりますので、それらの設備をどこに配置するのかを考えなくてはいけません。
排水配管の都合で思っていた場所に設置できない、というケースもあります。強引にレイアウトすると使いづらい部屋になってしまい、せっかくリフォームをしたのに入居してもらえない、なんてことになりかねません。
スペースがなくて設置できないという場合もありますので、まずは専門の工務店に相談し、無理のない方法でのリフォームを進めていきましょう。
費用対効果を考える
賃貸物件のリフォームで重要なのは、リフォームをして本当に効果があるのかということです。最近は賃貸物件の供給過多で、入居率アップを期待してリフォームをしたのに、1年以上空き室が続いているという物件も珍しくありません。
何十万円もかけてリフォームしても、借り手が見つからず家賃を下げてしまったのでは、いつまでたってもリフォーム費用の回収ができません。入居者が見つからない理由が、本当にユニットバスにあるのか、よく考えてからリフォームを行ってください。
ユニットバスは塗装だけにとどめて、部屋の他の部分をリフォームして注目してもらうという選択肢もあります。2点ユニットバスのリフォームありきではなく、費用対効果が得られる方法を模索することが大切です。
依頼する業者は複数の中から選ぶ
ユニットバスのリフォームは高額な費用が発生しますが、相見積もりで業者選びを行うことで、費用をある程度抑えることが可能です。1社だけに依頼すると、費用相場が分からず、結果工事の費用が高い業者に依頼してしまう可能性もあります。
少しでも費用を抑えたいのであれば、2~4社ほどの業者に見積もりを依頼して、それぞれ比較検討して選ぶようにしましょう。ただし、金額の安さだけで選ぶと、アフターフォローがなくて対応をしてもらえなかった、というケースもあります。
金額も重要ですが、ご自分が信用できると感じた業者に依頼することが重要です。見積もり依頼をする段階から、親身になって相談に応じてくれる業者を選びましょう。
まとめ
ユニットバスは賃貸物件の入居率に影響する重要な設備のひとつです。3点ユニットバスを2点ユニットバスに、2点ユニットバスを1点ユニットバスにリフォームしただけで、入居率が上がることがあります。そのため、空き室で困っているときは、有効なリフォームといえます。
ただし、数十万円の費用が発生しますので、賃貸物件で2点ユニットバスをリフォームする際は、費用対効果があるのかをきちんと検討しておく必要があります。まずは予算を決め、その範囲内で何ができるのかをリフォーム会社に相談してみてください。
ユニットバスの老朽化が進んでいる場合は、交換のタイミングでリフォームをするのがおすすめです。寿命を過ぎても使い続けていると、階下の部屋に水漏れを起こす可能性もあります。そのようなトラブルを回避するためにも、古いユニットバスはできるだけ早いタイミングでリフォームしましょう。
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