【はじめに】床鳴りとは
フローリングを踏んだ時に、「ミシミシ」「ギシギシ」などきしむ音が鳴ってしまう現象を、「床鳴り」といいます。
小さな音でも、歩くたびに鳴ってしまう床鳴りは、普段の生活の中で耳障りで、解決したいと思う方も多いでしょう。
床鳴りは、建物自体の劣化はもちろんのこと、新築の建物でも起こりえるものです。対処法や補修方法は原因によって変わってくるため、まずは「なぜ」起こっているのかをみていきましょう。
音の種類でみる床鳴り
「キシキシ」「パキッ」
「キシキシ」「パキッ」など比較的高い音がする場合は、床の表面に近い部分で異変が起きているか、フローリング材が原因の可能性が高いです。この場合は、土台や下地材の問題よりも床自体にトラブルが起きているため、補修するには施工の技術や床暖房の仕組みなどを理解していなければなりません。
「ミシミシ」「ギシギシ」
「ミシミシ」と低い音が鳴る場合は、フローリング下にある下地材や構造材に問題があると考えてよいでしょう。高い音がなっている場合、床の表面に問題がある可能性が高いですが、低い音が鳴っている場合は反対に床の下にある土台や下地材に異変が起こっている可能性が高いです。
また、低い音がなってるケースでは、部屋の中心部分が凹んでしまっていたり、重い荷物や家具が置いてある場所があからさまに沈んでいる場合には、注意が必要です。目で分かるほど凹んでしまっている場合は、下地がかなり傷んでいて他の箇所にまで影響がある恐れもあるので、一度家全体をチェックしてみることをオススメします。
「コンコン」「コツコツ」
低くも高くもない「コンコン」「コツコツ」という音がなっている場合は、原因が床の表面にあるのか、床の土台の部分にあるのかを知るためには、床下に潜って調べる以外の方法はありません。原因によって補修の方法も変わってくるため、まずは音が鳴っている原因を調べる必要があります。
床鳴りの原因
耳障りな床鳴りには、フローリング材に原因がある場合と、そのほかに問題がある場合があります。
フローリング材が原因となる場合は、以下の原因です。
- フローリングと土台が剥がれている
- フローリングが伸縮したり変形している
- 釘がこすれている
フローリングと土台が剥がれている
フローリングから床鳴りがする原因のひとつは、土台が剥がれて床がたわむことです。フローリングと土台は、隙間なく付いていてわずかな隙間が生まれることによっても発生してしまいます。
フローリングが伸縮したり変形している
フローリングの木材には、さまざまな種類があり種類によって、乾燥に弱く収縮してしまったり、湿度に弱く膨張してしまう場合があります。このような場合、施工が丁寧に行われていても、木材のつなぎ目同士がこすれて床鳴りが起こってしまいます。
また、壁の近くで起こる床鳴りは床と壁に隙間があまりなく、木材が伸縮したことにより、起こっている可能性もあります。 新築の建物で起こる床鳴りは、湿度や温度による伸縮が原因だと考えてよいでしょう。
釘がこすれている
フローリングは、下地と固定するために釘が使われています。固定するために使われている釘が、下地の間でこすれる時にも起こります。
また、床暖房を設置している場合も、フローリング材と床暖房のパネルの間で釘が動いて床鳴りが発生している可能性もあります。
キッチン周辺やソファー付近など他の場所と比べて、踏む回数や床に負担が多くかかっている場所は、木材のや釘の劣化によって音がでているケースもあります。
下地材から床鳴りする原因
フローリング下にある下地材や構造材が原因の床鳴りには、
- 土台
- シロアリの被害
などがあげられます。
フローリング下の土台
フローリングの下は、さまざまな木材が互い違いに組み合わさっています。床の下は、普段目にすることもなく補修をするなら、どのような構造になっているのか気になりますよね。
フローリングの下は、「根太」「大引」「束」などさまざまな資材からできていて、それぞれに役割があります。「根太」は、床の板を支える役割をしていて、下に横方向に敷かれています。「大引」は、根太の下に組まれていて最下階の床を支えるための横架材で、「束」が大引を支える小さな柱です。
本体でなく、床下の土台の木材がこすれあって床鳴りを起こしている可能性もあります。フローリングの伸縮や変形と同じく、床下の土台が湿度や温度によって伸縮し、音を出してしまっています。
シロアリの被害
音がひどい場合は、シロアリの被害を受けているかもしれません。床の下に潜んでいるシロアリは、床の木材に入り込んで木材を食べてしまいます。シロアリに床下の木材を食べられてしまって、スカスカになり、踏むと音が鳴ってしまいます。シロアリが原因の場合、床が「フワフワ」していると感じることが多いです。これはシロアリに木材が食べられてしまい、スカスカになってしまうことによって、床が「フワフワ」しているように感じます。
特にシロアリの被害を受けやすいのは、キッチン・洗面所・トイレなど湿気が多い水回りのため、キッチン・洗面所・トイレなどで床鳴りが起こっている場合、シロアリの被害に遭っている可能性が高いです。
シロアリを駆除する際の費用やポイントはこちらをご覧ください。
▼参考記事▼
【リフォマ】シロアリ駆除の費用相場とポイント
【原因別】床鳴りの対処法
床鳴りの原因が、湿度や温度の変化によるものだった場合は、季節が変わって改善される可能性もありますが、それ以外が原因の場合は自然に収まることはないといっても過言ではありません。
補修をせずに放置してしまうと、床が抜けてしまったり、黒ずみができたりなど症状が悪化していく一方で、放置したことによる二次災害も起こってしまうかもしれません。
床鳴りに気づいていたのに、放置してしまうと後で大規模な補修工事をし、必要以上に費用と時間がかかってしまうため、なるべく早く補修することをオススメします。
フローリングが原因の場合
フローリングと土台が剥がれてしまっている場合は、土台との隙間に樹脂などを入れて隙間をなくします。
単に伸縮しているだけであれば、市販のカッターなどを使って一時的に対処することもできます。この伸縮のみが原因であれば、自然に治る可能性もありますが、半年を過ぎても続いているのであれば、原因は他にもあるため近くの業者に見てもらうことをオススメします。
また、釘がこすれていることによる床鳴りは、穴をあけてこすれている釘を固定させての補修になります。
フローリングが原因の場合は、思い切ってフローリング全体を変えてみるのもアリです。床材を変えることでお部屋の雰囲気も明るくなり、床鳴りの悩みも同時に消えます。
詳しいフローリング補修・交換の費用や注意点などはこちらをご覧ください。
フローリング以外が原因の場合
フローリング以外が原因で起こっている場合は、床下や構造部分に問題があり、床材を剥がしてみないと細かい原因を特定するのはとても難しいです。床暖房も設置している場合は、より複雑で床暖房に関する知識も必要になってくるため、業者に依頼することをオススメします。
新築の床鳴り
新築なのに床鳴りがする場合は、まず売主や施工業者に連絡をしましょう。新築だと保証の期間によっては無償で補修してくれる可能性もあるので新築時の保証内容などを確認してみてください。売主や施工業者に連絡をする際は、「どこから」聞こえるのか、「どのくらい」の音の大きさなのか、など具体的な症状を伝えるとスムーズに補修することができます。
また、現地での確認をしてもらい補修の工事を行う場合は、具体的に補修方法を聞いておきましょう。施工後のトラブルを防ぐためにも、施工会社と工事内容を一緒に確認し、必ず書面の補修案をもらうことをオススメします。
床鳴り補修の費用相場
床鳴りの補修をする、となってもどのくらいの費用がかかるのか気になりますよね。
部分的に補修をするのか、全面的に交換するのかでは費用に大幅な差がありますが、約3〜25万円で行うことができます。
補修方法は原因によって異なりますが、基本的に「床鳴りが起きている部分を掘り起こす工事」と「補修工事」がセットで行われます。
「部分的に掘り起こす」ためには、
- フローリング材に穴を開ける
- 床材を一度剥がす
- 床下に潜る
のうち、いずれかの工事をしなくてはなりません。
また、一度剥がす場合には、新しいフローリングと交換する必要があるため別途で材料費がかかります。
「補修工事」をするには、
- 補修材の注入
- 釘の締めなおし・打ちなおし
- 潤滑油やスプレーの塗布
などの方法で改善することができます。
部分補修
隙間ができてしまったことで床鳴りが発生している場合は、床材を剥がすことなく、補修材の注入だけで対処することができます。そのため、費用も比較的安く約3万円程度で行うことができます。
床板の浮きが原因で起きている場合は、一度床材を剥がして床下の釘の締めなおし・打ちなおしをする必要があります。剥がす作業を行う際には、特別な材料は要らないため、3万円程度での施工が可能です。
全面補修
全面補修をする場合も、部分補修の場合と手順は変わりませんが面積が広くなる分、費用も高くなり約25万円程必要になります。
床鳴りをDIYで改善する方法と費用
補修するにしても、なるべく費用をかけずにDIYできるのか、気になりますよね。
市販の潤滑油やカッターなどを使って、DIYで症状を改善することも可能です。しかし、DIYで補修ができるのはフローリングが伸縮している場合のみです。
床板の接着部分が剥がれている場合は、市販の潤滑油や専用のスプレーを塗布すると改善する可能性もあります。安いものは市販で1,000円程度で買えるので、業者に依頼する前に試してみてもよいでしょう。症状によっては、潤滑油やスプレーで解決しないこともあるので、その際は業者に依頼しましょう。
また、床暖房を設置している場合は、カッターでの補修をするとパネルを傷つけてしまう恐れもあるため気を付けましょう。
DIYによって症状が改善されても、応急処置に過ぎないため安心してはいけません。
床鳴りの原因や補修するべき場所の特定はとても難しいため、基本的にはお近くの業者に依頼することをオススメします。
床鳴りを防ぐ方法は?
すでに床鳴りが聞こえる場合は、できるだけ早く補修をする必要がありますが、これから起こらないように防ぐ方法や、対策もあります。
床鳴りをなるべく防ぐためには、
- フローリングが濡れたらすぐに拭き取る
- 室内の湿度・温度を適切に保つ
- ワックスを定期的にかける
- 負荷が多くかかる部分にマットを敷く
などの対策をとるとよいでしょう。
一般的にフローリングには木材が使われているため、湿度や温度の影響を受けやすく、膨張・伸縮が床鳴りの大きな原因になっているため、室内を適度な湿度・温度に保つことが大切です。
飲み物をこぼしたり、水拭きをした際は、なるべく早く水分を拭き取り、乾拭きをしましょう。乾拭きをする際に専用の洗剤を使用すれば、傷めずに綺麗に掃除することができます。
晴れた日には窓を開けて空気の入れ替えを頻繁に行うことで、家に新鮮な空気が入り湿度も安定します。
また、ワックスを定期的にかけることによって、木材がむき出しになることを防いでくれます。ソファーの周辺や、玄関など人の出入りが激しく、負荷がかかりやすい部分にはマットやカーペットを敷くことによって、負荷を分散させることができます。
少しの対策を行えば、これから起こる床鳴りを防ぐことができます。
床鳴りの施工事例
【事例1】トイレ床の事例(約30万円)
トイレの床・内窓・板リメイク
- BEFORE
- AFTER
【事例2】トイレフローリング張り替えの事例(約6万円)
トイレフロアー貼り替え
- BEFORE
- AFTER
まとめ
床鳴りは「家が古いから」など、見過ごしてしまいがちですが、ふたを開けてみるとシロアリが大量発生していたり、放置すると別の問題が発生することもあるため、たかが「床鳴り」と思わず、見つけたらすぐに対処することをオススメします。
また、症状がひどい場合は思い切ってフローリング全体を張り替えることを検討してみるのもよいでしょう。フローリング全体を張り替えることで、床鳴りもなくなりお部屋の雰囲気も新しくしてくれます。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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