トイレを増設したときの費用相場
トイレ増設にかかる費用は、トイレのグレードと工事のしやすさによって決まります。多機能なトイレや高品質なものほど当然費用が高く、工事が難しくなった場合も費用は高くなります。それらを加味した増設の費用相場は以下になります。
トイレ増設の費用相場
スタンダード
工事が簡単
50万~70万円
工事が難しい
65万~85万円
ハイグレード
工事が簡単
60万~80万円
工事が難しい
75万~100万円
増設用のトイレですので、機能性は最小限に抑えてもよいですが、現在ウォシュレットを使っているならば、増設するトイレもウォシュレットがあったほうがよいでしょう。さらに、トイレスペースの都合からコンパクトなモデルしか選べない場合や、必然的にハイグレードなトイレしか選択肢がないケースもあります。
また、トイレを2階に設置する際は、給排水管工事が大掛かりになるため、どうしても費用が高くなってしまいます。とはいえ、1階はトイレの増設をするスペースがないとなると、使いやすさも考慮して多くの方が2階に増設しています。安く抑えたくても工事内容によって費用がかかることがありますので、予算としては余裕を持って100万円程度を考えておきましょう。
トイレを増設するメリットをご紹介
トイレの増設をするべきかどうかで迷っている方も多いと思いますので、ここではトイレの増設でどのようなメリットがあるのか、詳しくご紹介します。
トイレに行きやすくなる
既存のトイレが1階にあり、寝室が2階にあるような場合は、トイレに行くためにわざわざ階段を降りなくてはいけません。このようなケースでは、2階にトイレを増設することでトイレに行きやすくなる、というメリットがあります。
小さいお子さんや高齢者がいる場合、トイレに行く際に寝ぼけて階段から落ちるということもなくなりますし、寝る前にトイレに行くという習慣づけがしやすくなります。
トイレが使いやすくなる
反対にトイレが2階にしかない場合は、バリアフリーの観点からも高齢者の方や障害のある方が使いづらくなってしまいます。1階で生活しているのに、トイレのために2階まで階段を上らなくてはいけないとなると、かなり不便ですよね。
生活の中心にトイレがあるというのは、思った以上に大切なことです。特に体の自由が利かなくなったときは、できるだけ近い場所にトイレがあるということが非常に重要になります。もちろん、トイレそのものも忘れずにバリアフリー対応にしておきましょう。
トイレ待ちが解消できる
トイレ増設を考えるきっかけになるのが、朝のトイレ待ちですよね。4人以上の家族になると、朝のトイレ待ちは不仲の原因にもなりかねません。1人5分かかるとしても、4人目は15分も待つことになります。なかなか出てこないことで、イライラしてしまう方もいると思います。
トイレを増設すれば、トイレ待ちを解消できます。単純に考えて待ち時間が半分になりますし、自分が使う側になったときも、後の人のことを考えて焦る必要もなくなります。こうした小さなストレスを回避できるだけでも、トイレを増設する大きなメリットと言えます。
トイレを増設できる場所は?
トイレを増設するときのベストなレイアウトは、既存のトイレと上下関係になる位置です。そうすることで配管をまとめやすくなり、工事費を抑えることができます。ただし、建物の構造や間取りによっては、トイレを上下に配置できないこともあります。
このため、トイレを増設するときには次の3ヶ所のうち、最適な場所を選びましょう。
- 物置などの収納スペース
- 階段横のスペース
- 増改築した部屋の空きスペース
基本的にはデッドスペースになっている場所を活用するのが理想です。そういう意味では物置や押入れ、階段を上がったところにある空きスペースなどがおすすめです。また、部屋を増改築したときに出来た空きスペースなどもトイレに適しています。
それぞれのスペースについて、設置するときの注意点も合わせて詳しく見ていきましょう。
物置などの収納スペース
増設用のトイレスペースとして最も有効なのが、物置などの収納スペースです。収納しているものをどこか別の場所に移動させなくてはいけませんが、そもそも生活空間として使われているわけではないので、生活をする上で不便さを感じることはないでしょう。
また、空間として区切られているため、リフォームをしやすいというメリットもあります。そうはいっても、収納スペースならどこでもいいわけではなく、生活の動線を考えて廊下側にドアを付けられるスペースがあるのがベストです。
階段横のスペース
階段横のスペースもトイレを増設しやすい場所のひとつです。トイレを上がった先のスペースはデッドスペースとなっていて、収納スペースに使っている方も多いようですが、給排水管の工事をしやすいためおすすめです。
階段の横側にトイレがあると、移動するときの動線も最小限で済みます。1階のトイレを誰か他の人が使っていて、2階を使うことになったとき、階段を上がってすぐにトイレがあるので、無駄に移動をしなくて済みます。
ただし、階段近くのスペースにトイレを設置する場合には、トイレの扉の開閉方向や階段との位置関係をよく考えなくてはいけません。特に2階に設置した際、階段とトイレのドアが近すぎると、トイレの出入りの際にドアに当たって階段から落下するリスクもあります。設置するにはいい場所ですが、安全第一でレイアウトしてください。
増改築した部屋の空きスペース
家をリフォームして部屋の増改築した場合は、使われていない空きスペースがあるかと思います。そのような空きスペースを有効活用するのもよいでしょう。増改築した部屋にある押し入れやクローゼットなどの収納スペースを、トイレにリフォームするのもおすすめです。
トイレは0.5畳程度のスペースがあれば増設できますので、使っていないスペースをうまく見つけ出して、ストレスのない場所にレイアウトしてください。
トイレを増設するときの注意点
トイレを増設するとなったときは、下記の4点に注意して検討を行いましょう。
- 音や臭いに気を配る
- 階段上に設置するときは転落に注意
- 2階や3階に増設では配管工事が発生する
- マンションの場合は管理規約を確認する
それぞれどのような点に注意すればいいのか詳しく説明します。
音や臭いに気を配る
トイレを増設するときに、使い勝手重視でレイアウトしてしまうと、設置してからトイレの音や臭いに悩まされることがあります。特に注意したいのがトイレの音です。1階に寝室がある場合、その真上にトイレがあるとトイレの水を流す音で目が覚めてしまうかもしれません。
寝室の上や寝室の横などにトイレを設置するしかない場合は、配管に吸音材を巻いたり、寝室の天井や壁に遮音パネルなどを貼って、音が気にならないようなリフォームも合わせて行ってください。
臭いも発生しますので、キッチンやダイニングなど区切られているスペースを選びましょう。ちょっとしたことではありますが、トイレは毎日使うものですので、家族にとってストレスにならないように音と臭いには気を配って、トイレの場所を決めてください。
階段上に設置するときは転落に注意
トイレの増設は階段横のスペースがおすすめだとお伝えしましたが、気をつけてもらいたいのは夜中にトイレに行こうとして、階段から転落しないように対策するということです。廊下に自動点灯するライトを付けるなどの対策をするだけでも安全性が上がります。
できることなら2階のトイレは引き戸がおすすめです。扉を開けたときに外にいる人にぶつかる心配がありません。引き戸にすることでリフォーム費用が上がることもありますが、費用よりも安全を重視して増設リフォームを行いましょう。
2階や3階の増設では配管工事が発生する
既存のトイレが1階なら、増設トイレが2階や3階に設置したいところですが、増設するには配管工事が必要になります。配管距離が長くなればなるほど工事費用は上がりますし、水圧も低くなってしまいます。
このため、2階や3階ですとタンクレストイレが設置できないこともあります。2階以上のトイレ増設は、工事費用が高くなりやすいということと、設置できるトイレの選択肢が少なくなるということを覚えておきましょう。
マンションの場合は管理規約を確認する
マンションでトイレ増設をしたい場合は、まず管理規約を確認してください。マンションによっては管理規約で増設が禁止されていることもあります。管理規約で禁止されていなくても様々な制約があり、簡単には増設できないようになっています。
問題になるのは給排水管と増設するトイレの位置関係です。排水管とトイレの距離が遠すぎると、十分な排水勾配を取れないため流れが悪くなります。古いマンションでは、排水管が下の階の天井裏を通っていることもあります。このような場合には物理的に増設ができません。
とはいえ、ご自分で判断するのは難しいと思いますので、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。最近はマンションでもトイレ増設の要望が増えていますので、管理規約さえクリアになっていれば、実現可能な増設方法を提案してもらえます。
トイレを増設する場合の工事期間
トイレの増設リフォームをするときは、業者が自宅にきて行いますので、その期間は誰かが自宅にいることになります。そうなると、どれくらいの工事期間になる気になりますよね。
増設する場所にもよりますが、基本的には3~5日程度の工事期間が必要になると考えておいてください。オプションも少なく、配管しやすい位置への増設であれば3日もあれば終わりますが、オプションをたくさん設置し、こだわりのトイレに仕上げようとすると5日以上かかることもあります。
どれくらいの工事期間になるかは、工事内容によって変わりますので、見積依頼時に必ず確認しておきましょう。ちなみに、工事期間に水が止まるということはなく、既存のトイレも問題なく使えます。最終的に配管を接続するときだけ水を止めることもありますが、その作業も数分で終わりますので、生活そのものには影響を与えることはほとんどありません。
トイレを増設する場合の補助制度
トイレを増設する理由が介護の為だった場合、自治体が補助金や助成金を用意してくれることがあります。例えば、介護保険における住宅改修として、和式トイレを洋式トイレにすると、支給限度基準額の9割である18万円を上限として支給されます。
このケースでは既存のトイレが和式であることがポイントになりますが、手すりの取付けやバリアフリー対応も支給対象になっています。増設はややイレギュラーなケースですが、まずはケアマネジャーや市町村の介護保険担当課に相談してみましょう。
この他にも、高齢者住宅改修費支援制度や障害者住宅改造費助成制度といった制度を自治体が用意しているケースもあります。いずれも、利用できるケースが限られていますが、高齢者や障害者の方と一緒に暮らしているご家庭は、補助金を受けられる可能性があります。
ただし、自治体ごとに制度の有無や内容が違います。まずはお住まいの自治体に、対象となる補助金や助成金があるかどうかを確認します。リフォーム会社でも、補助金や助成金について把握しているケースもあるため、確認しておくとよいでしょう。
補助金制度の注意点は、補助金や助成金は工事をする前に申請しなくてはいけないという点です。リフォームが終わってから申請しても、自治体では本当に工事をしたのかどうかを判断できないため却下されます。必ず、工事前に申請を行ってください。手続きだけで費用を抑えられますので、リフォーム前に自治体のホームページなどで必ずチェックしておきましょう。
トイレの増設でおすすめなメーカーは?
トイレの増設をするのに十分なスペースがある場合、どのメーカーのトイレでも好きなものを選べますが、限られたスペースに設置するとなると、増設に適したトイレを選ぶ必要があります。ここでは、狭いスペースに設置できるトイレをメーカーごとにご紹介していきます。
TOTO コンパクトリモデル便器
TOTOのコンパクトリモデル便器は、和式トイレをリフォームするときに使われるトイレで、最小80cm×80cmのスペースに収まるコンパクトモデルです。コンパクトではあるものの、便器のサイズは通常サイズですので、ウォシュレットを取り付けることも可能です。
メーカー希望小売価格:86,400円(税抜)
LIXIL サティスS
LIXIL サティスSはタンクレスでコンパクトな高機能トイレです。汚れが付着しにくいアクアセラミックを採用しているためお手入れが簡単で、脱臭・除菌機能により清潔な状態が維持されます。奥行きが65cmしかありませんので、70cm×105cmのスペースでも配置できます。
メーカー希望小売価格:254,000円(税抜)~
狭いスペースのトイレは内装を明るくする
増設トイレに十分なスペースを確保できない場合は、コンパクトな便器を選ぶのが基本ですが圧迫感が出てしまいます。そのようなときは、トイレの壁紙を白色にし、視覚効果を利用することで圧迫感を減らしましょう。
また、ドアを外開きや引き戸にして出入りしやすくしたり、鏡を設置して奥行きを広く見せるというのも効果的です。このような工夫はリフォーム会社が得意とする分野ですので、担当者と相談しながらリラックスできるトイレづくりを行ってください。
まとめ
トイレを増設することで生活の動線がスムーズになり、さらには朝のトイレ待ちが解消されます。ただし、トイレの機能にこだわると増設費用が高くなったり、場所をよく考えて設置しないと水の音が気になるなどの問題が発生します。
限られたスペースへの設置になりますので、トイレそのものの選択肢も多くはありません。とはいえ、最近は増設をする方が増えてきていますし、まずは予算を決めた上で、リフォーム会社に相談することから始めてみましょう。その際、2~3社に話をして金額も含めて最適なプランを提案してくれた会社に増設工事を依頼すると安心です。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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