2019年8月19日

シロアリからトイレを守る方法とは? 見つけ方と駆除のポイントを解説

家を建てると、地震や火災などに気を配る方は多いと思いますが、それと同じくらい気をつけるべきなのがシロアリによる被害です。シロアリというと、床下にいるイメージかもしれませんが、実はトイレも被害にあう可能性がある場所の1つです。ここでは、トイレをシロアリから守る方法をご紹介します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メールで送る

シロアリが家にいた場合の初期症状

トイレ シロアリ

全国で1年間に発生するシロアリ被害件数が、どれくらいあるか知っていますか?なんと年間200万件を超える件数の被害が発生しています。日本にある家屋が5000万件だと考えると、かなりの割合で発生していることが分かります。これは1年での件数で、国交省補助事業「シロアリ被害実態報告書」によると、約20%の家にシロアリによる床下被害が発生しています。

シロアリは地面に本巣を作り、そこを拠点に家の柱となっている木材を食べていきます。家の柱はすべて必要なものですので、シロアリが食べてしまうと本来の役割を失うことになります。

例えば、床下の柱がシロアリの被害に遭うと床を踏み込む際に凹みを感じます。家に歪みが発生しますので、ドアやサッシなどがスムーズに開閉できなくなるケースもあります。

トイレでは、床下であれば凹みや軋みが発生するので分かりやすいのですが、その他の場所に被害があった場合は、初期症状が分かりにくいという問題があります。注意深く見ないと見逃しがちですが、手すりや棚などの木製部品に、覚えのない傷や破損があったときは、シロアリの巣があるかもしれません。

家にいるシロアリの見つけ方

シロアリ

出典:一般社団法人 関西・北陸しろあり対策協会

もしかしたらシロアリがいるかもと感じたときは、自分でシロアリがいるか確認してみましょう。ここでは、シロアリの確認方法を詳しくご紹介します。

シロアリは2種類いる

世界中にシロアリは2000種類以上いますが、日本に生息し家屋に被害を与えているのはヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。種類によって対策が違いますので、まずはこの2種類の違いを把握して、シロアリが見つかったときにはどちらの種類なのか判断しましょう。

ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリは全国で発生しているシロアリで、腐った木材を餌にします。ヤマトシロアリは固定の巣を作らず、食べている場所がそのまま巣になります。このため、床や壁の裏側で被害が発生していると特定するのが困難になります。

体調は4~7mmで、4~5月に新しい餌を求めて羽アリが飛翔します。ヤマトシロアリの羽アリは、黒っぽく見えるのでシロアリだと分かりづらいというのも、見つけにくい理由のひとつとして挙げられます。春に飛翔している羽アリがいたら、ヤマトシロアリが潜んでいないか確認しましょう。

イエシロアリ

イエシロアリは寒さに弱いという特徴があるため、1月の平均気温が4℃以上ある地域にのみ生息しています。ヤマトシロアリとは違い、乾燥している木材に対しても、自ら水を運んで柔らかくして食べることができるため、床下以外にも被害が発生するシロアリです。

イエシロアリは地面に巣を作ることが多く、巣を大きくできるため100万匹以上のシロアリが潜んでいるケースもあります。体調は5~9mmで、6~7月の夕方になると、新しい巣を求めて一斉に飛翔します。こちらは羽アリは白いのですぐに見分けられます。

蟻道(ぎどう)を見つける

シロアリが潜んでいるかどうかは、蟻道で判断することができます。蟻道というのは、シロアリが出した排泄物や食べかすで作ったトンネルのようなものです。シロアリは光が当たったり、乾燥したりすることが苦手であるため、自分の移動経路を蟻道で囲うという習性があります。

蟻道はコンクリートの基礎に作られることが多いため、まずは家の外側から見える基礎部分をチェックしてみてください。そこに黄土色の蟻道ができていれば、すでに家の内部に侵入されている可能性があります。

できれば床下の基礎もチェックしてください。イエシロアリのように地面に巣を作る場合には、床下の地面から餌である柱までの間に蟻道を作っているので、ひと目でわかります。蟻道があるということは、シロアリがいるということですので、できるだけ早く対策してください。

トイレタンクの周辺はシロアリの住処になりやすい

トイレがシロアリ被害に合うときには、湿度が高い場所を住処とすることが多いので、トイレタンク周辺をチェックしてください。トイレタンク近くの柱や壁を叩いてみて、他の場所と違って軽い音が鳴るようでしたら、すでにシロアリ被害に合っている可能性があります。

トイレの壁をタイルにしている場合には、タイルにヒビが入っていないかも確認しましょう。シロアリがいると、タイルにヒビが入ることもあります。ただし、いずれの場合も素人ではなかなか判断が難しいので、異変を感じたらすぐにシロアリ駆除業者に相談することをおすすめします。

トイレもシロアリの侵入経路になり得る

ハネアリは地面から侵入してくるのが一般的ですが、上記で簡単にお伝えしましたように、ハネアリは巣が手狭になってくると、別の場所に新しい巣を作るために飛翔していきます。飛翔できますので、窓が開いていればどこからでも入ってきます。

特にトイレは湿度が高い場所ですので、ハネアリが好む条件が整っています。マンションなどは窓のないトイレがほとんどですが、一軒家の場合は換気も考えてトイレに窓をつけているかと思います。ハネアリはそういうところからも侵入してきます。

換気のために窓を開けるのはいいのですが、網戸を使うなどしてハネアリが入ってこないように気をつけましょう。

自分でシロアリを駆除するときの注意点

トイレ シロアリ

トイレなどにシロアリがいることが分かったら、とにかく急いで駆除したくなりますよね。ホームセンターや薬局で駆除剤などを買って、自分で駆除しようとする方もいらっしゃいますが、安易な駆除は被害を広めてしまいます。

シロアリは完全に駆除できないと、一時的に数が減ってもまた増えて被害が再発することがあります。このため、自分で駆除するときは次の点に注意してください。

  • シロアリの生態系を把握する
  • シロアリを1匹も逃さない
  • ハネアリになったシロアリは駆除剤ではなく掃除機で吸い込む

シロアリを自分で駆除するときのポイント

シロアリの被害は刻々と進んでいますので、すぐに駆除したくなりますが、目に見えている部分だけを駆除しても意味がありません。数日くらい駆除が遅れても大事にはなりませんので、まずはシロアリの生態系を確認しましょう。

シロアリの種類、活動エリアなどをチェックして、そのすべての範囲にいるシロアリの駆除を目指してください。1匹も逃さないくらいのつもりで行いましょう。その際、噴霧するのは防虫剤ではなく、シロアリ専用の駆除剤を選んでください。

また、ハネアリが見つかったときには、駆除剤を吹き付けるのではなく、掃除機で吸い込むようにしましょう。飛翔できますので、少しでも逃げてしまうと被害が広まってしまいます。掃除機なら簡単に吸い込むことができ、1日放置しておけば死んでしまいます。

駆除方法については別記事がございますので、詳細は下記リンク先をご参照ください。
シロアリ駆除の基礎知識

シロアリの進行速度はどれくらい?

数日くらい駆除が遅れても大丈夫だとお伝えしましたが、実際にはシロアリ被害が進行する速度がどれくらいなのか気になりますよね。イエシロアリの場合、1日で約70gの木材を食べます。ヤマトシロアリは数が少ないので、その1/30の2.3gです。

70gの木材というとイメージしにくいかもしれませんが、割り箸が1本4g程度ですので、17~18膳くらいを食べる計算になります。ヤマトシロアリの食害は緩やかですが、イエシロアリはかなりの速度で被害が広まってしまうのが分かるかと思います。

もちろんヤマトシロアリも放置していいものではなく、どの種類であっても確実に駆除しなければいけません。できれば自分で駆除するよりは、専門業者に依頼することをおすすめします。ただし、シロアリ駆除業者の中には悪徳業者も紛れているため、業者選定がとても重要になります。

そこで最後に、シロアリ駆除業者に依頼するときのポイントをご紹介します。

シロアリを業者に依頼するときのポイント

トイレ シロアリ

  • 実績を重視する
  • しろあり防除施工士の資格を持っている
  • アフターサービスがしっかりとしている

シロアリ駆除は、誰でも手軽に始めることができます。このため、実績のない人でも薬剤を購入して、処理すれば一見すると駆除できたように見えます。ところが実際には逃している可能性が高く、再発する可能性があります。

業者を選ぶときには、そのような経験不足の業者を避けるために、必ず実績重視で選ぶようにしましょう。どれくらい前から駆除業務を行っているのか、そして駆除に関する質問をしてみて明確な受け答えができるかを確認してください。もし業歴が長くても、受け答えが曖昧だった場合には別の業者を選びましょう。

実績だけで判断が難しい場合には、「しろあり防除施工士」の資格を持っている業者がおすすめです。この資格は国家資格ではありませんので、必須というわけではありません。ただし、筆記試験と実務経験が問われ、3年毎の更新も必要ということで、資格所有者というだけで安心して任せることができます。

また、アフターサービスがしっかりしている業者であることも重要です。シロアリ駆除はどうしても再発リスクが伴います。このため、1年の定期点検を実施してくれたり、数年間の保証を付けてくれたりするなどのサービスが用意されている業者に依頼してください。

シロアリ駆除の業者選びは悪徳業者に気をつける

気をつけてたいのが、「近所の家でシロアリが出ているので無料診断します」などと言って訪問販売をしてくる業者です。この手の業者は、悪徳業者の確率が非常に高いため、実際の被害よりも深刻な報告をしたり、必要のないオプション契約を勧められることもあります。

そういう業者は手抜き作業をするので、高確率でシロアリが再発もします。優良な駆除業者は、依頼もしていないのに訪問してくることはほぼありませんので、そういう業者とは契約しないようにしましょう。

まとめ

トイレ シロアリ

シロアリはどの家にとっても不安要素であり、早期発見・早期対応が必要な問題のひとつです。トイレの壁や床、柱に異変を感じたら、まずは家にシロアリが入ってきていないか、蟻道ができていないか確認し、壁や柱を叩くなどして被害が発生していないか調べてください。

自分でシロアリを駆除することも可能ですが、正しい手順で行わないと被害が広がる恐れもあります。ここでご紹介した方法での駆除が難しいと感じたときは、無理に自分でしようとはせず、信頼できる業者にお願いしてシロアリから家を守りましょう。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。
リフォマなら中間マージンカットで専門業者をすぐ紹介