2019年2月12日

住宅のリフォームで減税ができる? 減税制度を分かりやすく解説

住宅は月日が経つと劣化してきますので、リフォームが欠かせません。工事の内容にもよりますが、住宅リフォームは高額になりやすい工事ですので、減税されるとなれば積極的に利用していきたいですよね。この記事では、住宅リフォームに関する減税について詳しく解説しています。

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住宅リフォームは工事内容にもよりますが、1000万円以上かかることがあります。高額な費用になるため手を出しにくい工事ではありますが、特定のリフォームを行うことで減税制度を利用することができ、工事費用を抑えることにつながります。

住宅リフォームに利用できる減税は、所得税、固定資産税、贈与税、登録免許税、不動産取得税の5つです。基本的に5つすべてが併用可能ですので、お得にリフォームするためにも覚えておきましょう。

住宅リフォーム後の所得税は減税できる

住宅リフォーム減税

下記の表は、住宅のリフォームを行った際に、所得税の控除される額をまとめたものです。そもそも所得税とは、1月1日から12月31日までの1年間、個人所得に課税される税金(国税)のことで、減税を受けるには、居住した翌年の3月15日までに所得税の確定申告をする必要があります。

投資型減税ローン型減税住宅ローン型減税、という所得税の減税で重要なポイントになる、3つの制度に関しては後ほど説明します。
また、適用されるリフォーム工事については、固定資産税のところで説明しております工事と同じものですので、詳しい内容はこちら をご覧ください。

所得税

※省エネリフォームと併せて太陽光発電の設置工事を行うと、控除額が35万になります。
※耐震リフォーム+省エネリフォーム+耐久性向上のリフォームを行うと、長期優良住宅化リフォームの控除額が50万円になります。

所得税の減税制度は3種類ある

所得税の減税は、最初に説明しましたとおり3種類に分けられます。住宅ローンの有無にも関わることですので、所得税の減税制度についてきちんと理解しておきましょう。

投資型減税

投資型減税とは、住宅ローンを組まない方や、5年未満のローンを利用した方が利用できる減税制度になります。

住宅リフォーム減税

投資型減税では控除期間が1年間しかないため、繰り越して再来年の所得税から控除されますが、住宅ローンでは控除額が余った場合、10年間は毎年所得税が控除されるため、住民税からも控除されるケースがあります。

投資型減税を利用した際に控除される減税額は以下になります。

  • 地震リフォーム……25万円
  • バリアフリーリフォーム……20万円
  • 省エネリフォーム……25万円(必要条件を満たすと35万円)
  • 同居対応リフォーム……25万円
  • 長期優良住宅化リフォーム……25万円(必要条件を満たすと50万円)

さらに、投資型減税は様々なリフォームと併用することができるため、仮に地震リフォーム+バリアフリーリフォーム+同居対応リフォーム+省エネリフォームを同時に行った場合は、最大で95万円まで控除されます。

ローン型減税

ローン型減税は、5年以上10年未満のローンを組んだときに有効な減税制度といえます。

住宅リフォーム減税

ローン型減税を利用した際に控除される減税額は以下になります。

  • 地震リフォーム……対応していない
  • バリアフリーリフォーム……最大控除額は62.5万円
  • 省エネリフォーム……最大控除額は62.5万円
  • 同居対応リフォーム……最大控除額は62.5万円
  • 長期優良住宅化リフォーム……最大控除額は62.5万円  

ローン型減税は上の表を見ても分かると思いますが、他のリフォームを同時に行っても、全ての工事額の合計が控除対象となります。
例えば、バリアフリーリフォーム+省エネリフォーム+同居対応リフォームを行っても、最大控除額は62.5万円(5年間の合計)です。

一方、投資型減税では先ほど説明しましたとおり、リフォームを行った控除額がそれぞれ加算されます。

住宅ローン型減税

住宅ローンは、戸建て住宅やマンションの増改築、バリアフリーなどのリフォームを対象とした所得税の減税制度になります。

住宅リフォーム減税

ローン型減税は耐震リフォームを利用した際、最大控除額が400万円になりますが、その他にも対象となる工事は以下になります。

  • 増築、改築など建築基準法に規定する大規模の修繕、または大規模な模様替え
  • マンション等の区分所有(専有部分)で行う一定の修繕又は模様替え
  • 家屋のうち居室、調理室、浴室、便所など、国が定める一室の床や壁の全ての修繕、または模様替え
  • 国の定める高齢者等が自立した日常生活を営むのに必要な構造、及び設備の基準に適した修繕、または模様替え
  • 国が定めるエネルギーの使用の合理化に著しく資する設備の修繕、または模様替え

住宅ローン型減税は5年以内でしたら、遡って控除申請が可能ですので焦って行う必要はありませんが、忘れないように注意しましょう。

固定資産税はリフォーム工事で減税額が変わる

固定資産税は、毎年1月1日時点で家や土地などを所有している方が、所在する市町村(東京都23区内は都)に対して払う税金です。固定資産の価値によって税額が算出され、3年ごとに評価額の見直しを行っており、一般的に見直されるごとに評価額は下がっていきます。

住宅リフォームを行った際、工事完了後の3ヶ月以内に所在する市区町村へ申告を行い、必要な条件を満たしていれば固定資産税の減額が可能です。
固定資産税に関しては、以下の記事で詳しく説明しています。
住宅解体すると固定資産税が6倍にあがる? 賢い節税方法を知っておこう

住宅リフォーム減税

固定資産税が適用されるリフォーム工事

固定資産税

以下の住宅リフォームは所得税にも適用されていますが、必要な条件は固定資産税と所得税と異なりますので注意してください。(所得税と固定資産税で同じ条件ということもあります)

以下では、ご自身が行うリフォームがどのリフォームに当てはまるか、あらかじめ確認しておきましょう。

耐震リフォーム

耐震リフォームは、住宅の耐震に関するリフォームを指します。
平成18年(2006年)1月1日~平成32年(2020年)3月31日以内に、改修工事を完了した方が対象となり、一定の条件を満たしていれば、所得税の控除と固定資産税の減額を受けられます。

対象となる工事

  • 現行の耐震基準に適合する耐震改修工事である(所得税・固定資産税)
  • 改修工事費用が50万円を超える(固定資産税)

対象となる住宅

  • 自ら居住する住宅である(所得税)
  • 昭和56年5月31日以前に建築されたものである(所得税)
  • 昭和57年1月1日以前から所在する住宅である(固定資産税)

バリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォームは、高齢者や障がい者の方々が安全に暮らせるようにするためのリフォームで、階段の勾配の緩和や手すりの取付け、段差の解消などが含まれます。

平成19年(2007年)4月1日~平成32年(2020年)3月31日までに、改修工事を完了した方が対象となりますが、一定の条件を満たしていれば、所得税の控除と固定資産税の減額を受けることができます。

対象となる工事

  • 国が指定しているバリアフリー改修工事である(所得税・固定資産税)
  • バリアフリー改修の標準的な工事費用相当額から、補助金等を控除した額が50万円以上である(所得税)
  • 対象となるバリアフリーの改修工事費用から、補助金などを控除した額が50万円以上である(所得税・固定資産税)
  • 併用住宅では、居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上あること(所得税)

対象となる住宅

  • いずれかの方が住む住宅であること(所得税)
     ①50歳以上の者
     ②要介護、または要支援の認定を受けている者
     ③障がい者
     ④65歳以上の親族、または②か③に該当する親族と同居している者
  • いずれかの方が住む住宅であること(固定資産税)
     ①65歳以上の者
     ②要介護、または要支援の認定を受けている者
     ③障がい者
  • 店舗などの併用住宅では、居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上あること(所得税・固定資産税)
  • 改修工事後の床面積が50㎡以上であること(所得税・固定資産税の場合は50㎡~280㎡未満)
  • 改修工事完了後6ヶ月以内に入居すること(所得税)
  • 賃貸住宅を除き、新築された日から10年以上を経過した住宅である(固定資産税)

省エネリフォーム

省エネリフォームとは、既存の住宅において省エネ性能を高めるために行うリフォームになります。床、天井、壁の断熱工事や、太陽光発電設備のなどが含まれます。

平成20(2008年)4月1日~平成32年(2020年)3月31日以内に、改修工事を完了した方が対象となり、一定の要件を満たしていれば、所得税の控除と固定資産税の減額を受けることができます。

対象となる工事

 ①全ての居室の全ての窓の断熱工事
 ②床の断熱工事、天井の断熱工事、壁の断熱工事
 ③太陽光発電設備設置工事
 ④高効率空調機設置工事、高効率給湯器設置工事、太陽熱利用システム設置工事

  • 上記①の改修工事。または①と併せて②、③、④(④は平成26年4月1日以降対象)の改修工事を行うこと(所得税)
  • 上記①の改修工事。または①と併せて②の改修工事のいずれか(固定資産税では、全ての居室の全ての窓である必要はない)
  • 省エネ改修の標準的な工事費用相当額から、補助金等を控除した額が50万円以上であること。③、④を含む(所得税)
  • 対象となる省エネ改修工事費用から、補助金等を控除した額が50万円以上であること。③、④は含まない(所得税・固定資産税)
  • 改修工事後、住宅全体の断熱性能の等級が現状から一段階以上上がること(所得税)
  • 併用住宅では、居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上あること(所得税)
    ※改修後に一定の省エネ性能が確保されるのであれば、「全ての居室の全ての窓」の改修は不要

対象となる住宅

  • 自らが所有し、居住する住宅である(所得税)
  • 店舗などの併用住宅では、居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上あること(所得税・固定資産税)
  • 改修工事後の床面積が50㎡以上であること(所得税・固定資産税の場合は50㎡~280㎡未満)
  • 改修工事完了後6ヶ月以内に入居すること(所得税)
  • 賃貸住宅を除き、平成20年1月1日以前から所在する住宅であること(固定資産税)

長期優良住宅化リフォーム

長期優良住宅化リフォームは、省エネ性能の向上や長寿命化を目指したリフォームのことで、小屋裏の換気性を高める工事、浴室や脱衣室の防水性を高める工事、床下の状態を確認できる点検口を床に取り付ける工事なとが含まれます。

平成29(2017年)4月1日~平成32年(2020年)3月31日以内に、工事を完了した方が対象となり、一定の要件を満たしていれば、所得税の控除と固定資産税の減額を受けられます。

対象となる工事

  • 国が定めた耐久性向上改修工事のいずれかに該当する工事(所得税)
  • 一定の耐震改修、または一定の省エネ改修工事と併せて行うこと(所得税・固定資産税)
  • 一定の省エネ改修工事と併せて行うこと(所得税)
  • 耐久性向上改修工事が、住宅ローン減税の第1号工事から第3号工事までのいずれかに該当すること(所得税)
  • 増改築による長期優良住宅の認定を受けていること(所得税・固定資産税)
  • 改修部位の劣化対策、および維持管理・更新の容易性が、増改築による長期優良住宅の認定基準に新たに適合されること(所得税)
  • 行った耐震改修、省エネ改修、耐久性向上改修についての標準的な工事費用相当額から、補助金などの交付額を除いた合計額がそれぞれ50万円以上になること(所得税)
  • 行った耐震改修、省エネ改修、耐久性向上改修の工事費用から、補助金などの交付額を除いた合計額がそれぞれ50万円以上になること(所得税・固定資産税)

住宅ローン減税の対象となる工事
※第1号工事は増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または模様替え
※第2号工事はマンションの専有部分で、床、間仕切り壁、主要構造部である壁のいずれかの大規模な修繕、または模様替え
第3号工事は居室、調理室、浴室、便所、その他の室(洗面所・廊下など)のいずれかの床、壁についての修繕、または模様替え

対象となる住宅

  • 工事を行った者が所有していて、主に居住と使用する家屋であること(所得税)
  • 工事完了から6ヶ月以内に住居として使用すること(所得税)
  • 改修工事後の床面積が50㎡以上であること(所得税・固定資産税の場合は50㎡~280㎡未満)
  • 店舗など併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること(所得税・固定資産税)
  • 一定の耐震改修工事と併せて行った場合は、昭和57年1月1日以前から所在する住宅であること(固定資産税)
  • 一定の省エネ改修工事と併せて行った場合は、平成20年1月1日以前から所在する住宅であること(固定資産税)
    ※一定の省エネ改修工事と併せて行った場合は、賃貸住宅を除く

同居対応リフォーム

同居対応リフォームは、住宅環境を整備して親、子、孫の世代間で暮らしやすくする、三世代同居のためのリフォームになります。固定資産税の減税に対応していませんが、所得税が減税されるため簡単にご説明します。

平成20(2008年)4月1日~平成32年(2020年)3月31日以内に、改修工事を完了した方が対象となり、一定の要件を満たしていれば、所得税の控除と固定資産税の減額を受けることができます。

対象となる工事(所得税のみ)

  • 調理室、浴室、便所、玄関の増設のいずれかに該当する工事である
  • 対象となる同居対応改修の標準的な工事費用相当額から、補助金等を控除した額が50万円以上あること
  • 対象となる同居対応改修工事費用から、補助金等を控除した額が50万円以上あること
  • 改修工事後、居住として使用する部分に調理室、浴室、便所、または玄関のうちいずれか2つ以上の部屋がそれぞれ複数あること

その他にも3つの優遇制度を利用できる

住宅リフォーム減税

出典:pixabay

所得税と固定資産税について説明してきましたが、住宅リフォームを行うことで様々な減税制度を利用することができます。
ここでは、優遇制度である贈与税登録免許税不動産取得税についてご説明します。

贈与税

贈与税は、1月1日時点で個人が受けた現金などの贈与に応じ、課税される税金のことです。親や祖父母などから個人が住宅取得等資金(新築もしくは、取得または増改築等のための金銭)の贈与を受けた場合、基礎控除額の110万円まで差し引くことができ、控除後の価額(品物の価値)が0円を超えると課税されることになります。

平成27年(2015年)1月1日から平成33年(2021年)12月31日までの間で、満20歳以上の個人が特定の工事を行った際に、親や祖父母などから住宅取得等資金を贈与で受けると、一定金額まで贈与税が非課税となります。

住宅取得での贈与税に関しては、国土交通省をご確認ください。

登録免許税

登録免許税とは、国で定められた登記などに課税される税金です。適用する条件を満たすリフォームを行った場合のみ、家屋の所有権ともいえる、移転登記にかかる登録免許税の税率が減税されます。

新築物件の場合は、建物が未登記なので土地家屋調査士に依頼して、建物表示登記を行うことになります。中古物件の場合は、所有権転移登記が必要になり、それぞれ手続きに費用がかかります。

登録免許税に関しては、国税庁をご確認ください。

不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物を取得した際に一度だけ支払うことになる地方税のことですが、リフォームで増改築を行った場合は、固定資産税評価額をもとに課税額が決まります。

固定資産税などとは違い、増築後の床面積が50㎡以上、240㎡以下の住宅には1,200万円まで控除が適用され、240㎡以上の住宅のみ課税されます。
不動産取得税に関しては、所管の県税事務局までお問い合わせください。

まとめ

住宅リフォーム減税

住宅のリフォームは高額な費用がかかる傾向にある工事です。しかしながら、様々な減税制度が設けられているため、費用を抑えることが可能です。
制度の期間は比較的長いスパンなものの、用意する書類も多いため、ついつい後回しにしまいがちですので、できるだけ早めに取り掛かりましょう。

ご自身のリフォームがどの減税に対応されるのか分からなくて不安という方は、所得税と贈与税はお住まいの地域を管轄する税務署へ、固定資産税は住宅の所在する市区町村の役所、 不動産取得税は管轄区域における都道府県の振興局や地域振興局、登録免許税は法務局に問い合わせてみてください。

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