2018年1月17日

飲食店を開業するときに、最も重要な立地の選び方

飲食店を開業するときに最も重要なポイントが「立地」と言われています。メニューや単価、店の雰囲気というのも重要ですが、それらは開業後にいくらでも変えることができます。 立地は買えられないことはないのですが、かなりの費用が発生しますので、移転できるのは儲かっているお店だけです。 とても重要な立地選びですが、重要だと思っていても、結局賃料などで決めてしまう人がたくさんいます。そして短期間で閉店してしまいます。 ここではそうならないために、立地の重要性と選び方についてご紹介します。

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飲食店にとって立地はとても重要

出典:photo-ac.com

飲食店を開業するのに、なぜ立地がそれほど重要になるのでしょう?分かっているようで、その問いにきちんと答えられる人はあまりいないかもしれません。

「人通りがないとお客さんが来ないから」
「目立つ場所にないと見つけてもらえないから」

そのような答えが間違っているとは言いませんが、その考え方で言えば、飲食店をオープンするのは駅前の一等地に限られてしまいます。そんないい場所は資金力のあるチェーン店が抑えていますし、家賃もかなり高く設定されていますので、初めての開業ですと資金繰りに苦しむことになります。

誰が考えてもいい場所にお店を出せるなら、それに越したことはないのですが、実際にはそのような場所には出店できません。そこで大事なのが頭を使って立地を選ぶということです。そのためには、立地を選ぶためのポイントと、立地ごとの特徴をきちんと把握しておくことが重要です。

そのベースがあって初めて、初めての開業でも失敗しない穴場の立地を見つけることができます。きちんとした知識がなければ「そこは目立たないからダメ」と切り捨てるような場所が、実はとてもいい場所だったというようなことも珍しくありません。

いい場所に開業できるように、これからご紹介する内容をしっかりと頭に入れて、実際の立地探しに活かしてください。

立地を選ぶときのポイント

それでは立地を選ぶときのポイントについて説明していきます。立地選びは様々な角度から検討して決める必要があります。 100%理想通りの立地というのはまず見つかりませんが、妥協するにしても選ぶときのポイントを理解していれば、どこを妥協していいのか、どこを妥協してはいけないのかがわかりますので、面倒でもちゃんと頭に入れておきましょう。

予算の範囲内に収まる賃料であること

これは絶対条件です。予算よりも安い賃料なのは問題ありませんが、予算よりもオーバーしている賃料は絶対にNGです。開業計画を立てるときに、賃料や人件費、相場などを考慮した上で、メニューの価格設定をしているはずです。

予算を超えた賃料の物件を借りると、その計画がすべて崩れてしまいます。家賃が高いからメニューの価格設定を上げるというのはお店側の都合であって、利用者にしてみれば単純に価格が高いお店という認識になってしまいます。

それだけの料理を出せればいいのですが、よほどの差がない限り、周辺のライバル店よりも高い価格のお店には人は集まりません。 そうなると価格を元に戻すことになりますが、今度は利益が減りますので、融資を受けている場合は返済が厳しくなります。

少しだけ予算をオーバーしているくらいなら構いませんが、明らかに開業計画に見合っていない物件は、どんなにいい立地にある物件でも選ばないようにしてください。

通行する人の視界に入ること

駅前の一番目立つ場所に開業するのはかなり難しいのですが、だからといって深い考えもなしに路地裏やビルの2階以上に開業するのはNGです。 基本的には、人の流れのある場所で、歩いている人の視界に入ってくる場所を選びましょう。

大通りから一本入った路地であれば、大通りからお店の看板が見えます。そこからさらに1本曲がるとそこはもう、知っている人しかやってこないお店になります。必ず大きな動線から見える場所に開業しましょう。

また、大きな動線上や、そこから見える路地でもビルの2階以上になると、そこに人の視点がやってきません。人は歩いているときに自分の目の高さを中心に見ます。ですので、2階以上の店舗や路地裏のお店などは、大通りから見える場所に看板を出すなどの工夫が必要になります。

看板を出すのも無料ではありませんので、結局賃料が安くならないなんてこともありえます。そんな複雑なことをするよりは、人の流れがある場所から見える場所を選んで開業しましょう。

ターゲットになる層がいること

人の流れがある場所から見えることが重要だと説明しましたが、そこで注意したいのが、「どのような人の流れがあるか」ということです。渋谷や原宿のような若者が集まる場所に、和菓子のお店を出してもなかなか集客はできません。

巣鴨に若者向けのクレープのお店を開業しても、かなりの戦略を持って開業しないと閑古鳥が鳴くことになります。立地選びで重要なのは、そこにターゲットとなる層がいるのかどうかというころです。ほとんどの人がこれから出すお店のメインとなるメニューが決まっているかと思います。

それを誰に提供したいのか、選ぼうとしている立地にはその人たちが通行するのかをしっかりと調査してください。

何度も自分の足で調査する

立地選びをするのにリサーチ会社に調べてもらうこともできますが、それをするにしても、何度も自分の足でお店の周辺を歩くようにしましょう。昼の人の流れだけでなく夜の人の流れも確認する必要がありますし、できることなら天候による違いもチェックしておきたいところです。

その立地については誰よりも詳しくなるくらい、実際に歩くようにしましょう。ライバル店がどこにあって、どれくらい流行っているのか。どれくらの年齢層の人がどの時間帯に歩いているのか、可能な限り調べ歩いてください。

よくある立地の種類と特徴

立地の選び方について理解できたかと思いますので、次は立地ごとの特徴についてご紹介します。 自分の開業する飲食店とその立地の相性について考えることは重要です。

駅前

駅前は人の流れも多く、さらに若い人からお年寄りまで集まってくる場所です。単純に考えれば立地としては最高の場所で、最優先で選びたいところです。ただし、いいことばかりではありません。駅前には次のようなデメリットがあります。

  • ライバル店が多い
  • 家賃が高い

ライバル店がたくさんあるため、その中で選んでもらうというのはとても大変なことです。 特徴のあるお店の作りにするだけでなく、もちろん料理やドリンクの質も問われます。 宣伝しなくても人が集まりやすい代わりに家賃が高いため、早い段階から安定した集客ができないと、資金繰りが苦しくなります。

ビジネス街

ビジネス街が活発に動くのはランチタイムと夕方以降です。難しいのは、同じ利用者でもお昼と夕方でニーズが違うということです。 お昼は安くて早くて美味しいランチのお店に人気が集まり、夕方以降は安くお酒を飲めるお店か、美味しい料理のある居酒屋などのニーズが高まります。

また、テイクアウトのニーズもありますので、テイクアウトに適したラインナップの飲食店が向いています。 開業しようとしている飲食店がそのニーズを満たすようであれば、ビジネス街は思ったよりもライバルがいなくて魅力的な立地です。 ただし、土日の売上がかなり低く、開店休業状態になることもあります。ビジネス街では土日の売上はあまり上がらないことを前提に開業計画を立てましょう。

学生街

学生街は活気がありますので、値段設定を間違えなければ繁盛しやすい立地のひとつです。 基本的にランチはワンコイン以下、夜のメニューも割安感があり、居酒屋の場合は格安の飲み放題をつけるなどして、「安く楽しめるお店」にする必要があります。

立地としては、最寄り駅から大学までの通学路上が理想です。これは地図で確認しただけでは分かりません。 ある大学ではほとんどの学生が大通りではなく裏道を使って通学しています。 学生街に開業する場合は、どこが本当の通学路なのか、必ず自分の目で確認してください。

繁華街

繁華街は駅前と特徴が重なる部分が多く、やはりここでも目立つことが重要です。とはいえ、奇をてらった目立ち方はいけません。 長く飲食店を続けるなら居心地の良さのある落ち着いた店の作りになっていなければいけません。

落ち着いた雰囲気で目立つという、相反する2つをいかに両立させるかが繁華街で生き残っていく鍵になります。 そのため、お店の前に値段の書いたメニューボードを出して、価格面での不安を取り除いたり、上手にメニューボードを飾ったりすることでお店の雰囲気を伝えるなどの工夫をしてみましょう。

路地裏

路地裏は開業に適さないと言いましたが、まったく勝算がないわけではありません。例えば会員制のワインバーであれば、目立つところには開業する必要はありません。隠れ家風居酒屋の場合も、むしろ大通りに面していたらお店のコンセプトには合いません。

路地裏は人の流れが少ないものの、落ち着いた雰囲気があり、なおかつ賃料も安いというメリットがあります。お店を知ってもらうための宣伝をしっかりしなくてはいけませんが、最近は口コミサイトを利用して、決め打ちで来店するケースが増えています。そこでいい評価がつくようになれば、路地裏でもよほど駅から離れてない限り繁盛店になれる可能性があります。

開業資金を抑えたい場合は二等立地がおすすめ

ここまでの説明で、開業する立地としては、必ずしも一丁目一番地でなくてもいいことが分かってもらえたかと思います。 むしろ一等地ではなく二等地のほうが、初めての開業に向いているかもしれないと思い始めているのではないでしょうか。

実際に、本当におすすめしたいのは二等地です。まず何よりも賃料が安いので開業費用を大幅に減らすことができます。 さらに一等地は多くの人が狙っていますし、なかなか空きがありませんので、どこかで妥協が必要ですが、二等地は選ぶ人が少ないためこだわった物件探しができます。

二等地でも大通りから見える場所もありますし、落ち着いた雰囲気で居心地のいいお店づくりができることもあります。 他のお店にはない強みを出せるのであれば、二等地でも埋もれてしまうことはありませんので、あえて二等地を選ぶということも頭に入れておきましょう。

ただし、特徴もそれほどなく、しっかりと立地の分析をできる自信がないのであれば、単純にハズレを引いてしまう可能性もあります。 メリットだけではなくデメリットも大きい立地ですので、慎重に検討した上で開業しましょう。

まとめ

飲食店の立地についてご紹介してきましたが、飲食店にとってどれだけ立地が重要なのか伝わったかと思います。多くの人がそこまでの重要性を理解しないまま、開店して失敗をしています。「その場所じゃなければ成功したのにな」というようなお店もあります。

立地選びはとにかく慎重に時間をかけて行ってください。ただし、完璧な立地はありません。どこかで妥協しなくてはいけませんが、何を妥協して何を妥協しないのかは、あらかじめリストアップしておきましょう。妥協しても創意工夫でリカバリーできる点もありますので、リカバリーできないポイントだけは妥協しないようにしましょう。

また、駅前やビジネス街、学生街など、場所によって特性が全く違います。その特性を活かしたり、場合によっては逆手に取ったりして立地選びを行ってください。いずれの場合も、しっかりとリサーチをすることが重要です。自分の足で何度も歩いて、理想の立地を見つけてください。

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