2018年10月2日

飲食店の床にはどんな床材がいいの? 具体例を挙げて解説します!

飲食店の床は自分の好みのものを使いたくなりますが、火に強い床材もあれば、水に強い床材もありますので、お店のジャンルに合ったものを使用することが何よりも大切です。ここでは床材の機能について詳しく解説するだけでなく、保健所の検査で気をつけるポイントなどについても掲載しています。

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飲食店にはどんな床がいいの?

飲食店 床

飲食店に相応しい床というのは、店舗によってジャンルや雰囲気が違うため「〇〇です」と断言することはできません。

例えば、本物志向で高級感のある店舗にしたいのであれば、無垢のフローリングがおすすめだといえますし、従業員が駆け回わるような活気のある居酒屋であれば、滑りにくく丈夫な長尺シートがおすすめです。

このように店舗によっておすすめの床は異なりますので、ここでは床の特徴について詳しく解説していきます。床の特徴をよく理解し、ご自身の店舗に相応しいものを選びましょう。

フロアタイル・長尺シート

飲食店の床はお客様や従業員といった、複数の人が歩いたり走ったりするため、傷がつきにくく摩擦に強いなど高い耐久性を持った床が理想です。
耐久性が高いといわれているのはフロアタイル長尺シートです。

フロアタイル

出典:サンゲツ

フロアタイルは、デザインの種類が非常に豊富です。フローリングに似たような木目調や大理石のようなものもあれば、上記の写真のようにレンガ風のものまで幅広く取り揃えられています。土足に対応している商品もあるため、飲食店で使用しても問題ありません。

フロアタイルは既存の床の上に敷くだけのタイプもありますので、模様替えを時折行う予定のある店舗におすすめの素材です

長尺シート

出典:サンゲツ

長尺シートはクッションフロアと混同されがちな素材ですが、その理由は原料が同じポリ塩化ビニールだからだと思われます。 高級感がないといわれることもありますが、見た目も良く様々な機能を兼ね備えた商品が近年出回っています。

フロアタイルと同様にデザインの種類が豊富で、素材が丈夫なので土足でも使用できます。さらに、クッション性があり転倒したときの危険性を和らげる効果があるため、 お子様連れがよく訪れる店舗におすすめです。

一方、クッションフロアは重い家具を同じ場所に長い期間置いておくと跡がついてしまうので、床の見た目を気にされる方にはあまりおすすめできません。

磁器タイル・クッションフロア

飲食店では、お客様が水や飲み物をこぼすことが考えられます。そのため、水に弱い床材を使ってしまうと、床が腐食したりカビが発生する原因になってしまいます。

磁器タイル

出典:Pixabay

耐水性が一番高いのは磁器タイルです。吸水性がほぼないため水をこぼしても弾いてくれます。さらに、誰もが思い浮かべる正方形のタイルではなく、最近では木目調のものや天然の石を模したデザインもあります。

独特の光沢は高級感を演出してくれるので、フレンチなど客単価が高めな店舗におすすめです。

クッションフロア

出典:サンゲツ

クッションフロアも耐水性が高い素材として知られています。水だけでなく、薬品や摩擦にも強いため様々な業種で使用されていますが、火に弱いため扱いには注意が必要になります。

また、クッションフロアは土足用と住宅用のものがあります。床材の厚みが違うので間違わないようにしてください。厚みがあるクッションフロアは、足腰の負担を減らす効果があるため長時間営業する店舗におすすめです。

フローリングは水をこぼした際にできるだけ早く拭き取らないと、シミになりやすいため、あまりおすすめできません。しかし、欅や桐など木材によって耐水性が高いものもありますので、使用したい方は業者に相談するのがよいでしょう。

モルタル・セラミックタイル

お客様が意図しなくてもタバコの灰だったり、お肉などを焼くときに使用する飛騨コンロを落としてしまうことがあるかもしれません。そうなったとき、店内に火が燃え広がらないように耐熱性の高い床材にすることも重要です。

耐熱性が高いと言われているのは、セラミックタイルモルタル仕上げの床材です。

デザインコンクリート

出典:KRAFMAN

モルタルと聞くと、無機質なコンクリートを想像する方もいらっしゃると思いますが、最近ではデザインプコンクリートというものが販売されています。アメリカなど海外では至る所で使用されていますし、レンガの模様や石の柄を施した商品など、デザインの種類も多いため無機質な印象を薄くできます。

費用も比較的安価なものが多く、耐火性だけでなく耐久性にも優れています。デザインコンクリートは和風系よりもアメリカンな店舗であったり、洋風な内装と相性が良いでしょう。

セラミックタイル

出典:Pixabay

セラミックタイルも耐熱性が高く耐久性がある素材です。メンテナンスはしやすいのですが、水に濡れると滑りやすくなるだけでなく油汚れにより黒ずむことがあるため、カフェやバーなど軽食を出す店舗のほうがおすすめです。

他にも、費用が高額になりやすい床材ですので購入を考えている方は慎重に検討してください。

フローリング

フローリング

店内を落ち着いた雰囲気にしたい、もしくは高級感を全面に押し出したいのであればフローリングがおすすめです。

フローリングは木によって効果が異なるだけでなく、白っぽいものから焦げ茶色など多くの色が取り揃えられています。高級な雰囲気が出せる単層フローリングですが、費用が高額になるため予算に余裕がない方は複合フローリングにしましょう。

その他にも、飲食店は清潔感が大切ですので毎日床の掃除をすると思います。フローリングは床の表面が凸凹していないので、簡単に素早く掃除を行いたい方におすすめです。

飲食店における床材の費用をご紹介

店舗の床を張り替える費用

フローリング

8,000~15,000円/㎡

クッションフロア

2,000円~/㎡

フロアタイル

4,000円~/㎡

磁器タイル

5,000円~/㎡

デザインコンクリート

3,000円~/㎡

上記の値段はあくまでも目安です。店舗の状況によっては、ご自身が予想していたよりも高額になることがよくあります。床材の機能と予算を比較して適切ものを選んでください。

床材の工事費用や工事方法に関しては、こちらの記事に詳しく掲載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

保健所の検査でも問題ない飲食店の床材とは?

飲食店 床

保健所の検査では様々なところが見られますが、床に限定すると掃除のしやすさ、水漏れが起きないように防水工事を行っているかが重要なポイントです。
毎日の掃除のしやすい床とは、つまりは平たい床であるかが見られます。

「店舗の床は大抵平たいから大丈夫だよ」と思う方もいるかもしれませんが、居抜き物件の場合は床に敷いたシートがよれたり、穴が開いていたまま放置していることがあります。床に何らかの問題が見られたときは、ご自身が費用を負担して修繕することになります。

修繕費がかかると不安になった方もいるかもしれませんが、前テナントの内装を変更するため床や壁、天井などの内装工事を行う方がほとんどです。同じジャンルの飲食店で内装が同じでは新装開店したのか、店名を変えて再オープンにしたのかお客様が判断できないからです。

ですので、できるだけ凹凸がない床の方が、保健所の審査に引っかかりにくいといえます。

床の水漏れに関しては厨房の話です。厨房の床は常に床が乾燥しているドライキッチンか、床に大量の水を流しても問題ないウェットキッチンの2種類があります。それぞれにメリットとデメリットが異なりますので、ご自身の用途に合った形式にしましょう。

厨房の床に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。

飲食店の床で気をつけなくてはいけないポイント

飲食店の床に使用できる床材の種類はとても豊富ですが、機能以外にも気をつけるべきことがあります。ここでは、忘れがちなポイントについて解説していきます。

周囲の家具や店内の雰囲気と合わせる

アンティーク調の家具を配置した和風系の喫茶店なのに、床が会社でよく見かける灰色のタイルカーペットでは誰が見ても違和感を覚えます。
赤いカーペットであったり、黒っぽいフローリングのほうがより雰囲気が出るのではないでしょうか。

上記のように床材が周囲の家具、店内の雰囲気と合っていないと店舗自体の印象が悪くなる可能性があります。周りの家具よりも床を見るお客様は多くないと思いますが、かなりの面積を占めているため必ず視界に入ります。

敷いたときに周囲の家具や壁など合わせて違和感がないよう、実際施工する前に業者に頼んで色々なサンプルを見せてもらいましょう。見積もり依頼しただけでは断れることもあるかもしれませんが、きちんと契約をしていればほとんどの場合、現場で色合わせとして見せてもらえます。

飲食店の床を変更する工期期間を確認する

飲食店を新規開業で営業するのであれば、すべての工事が終わってからオープンするので何の問題もありませんが、既に開業している店舗で床などを含めた内装を変更する際は、床の工事に何日かかるのか前もって確認することも重要です。

数時間で完了するのであれば、午前か午後にお店を一時閉店するだけで済みます。しかし、1日もしくは数日かかるという場合は、お店をお休みするしかありません。その日が土日や繁盛期にあたってしまうと、売上をあげるチャンスを逃してしまいます。

どうしてもこの日しかできない、ということであれば仕方ありませんが、別段理由がないのであれば入客の薄い時期に工事を行ったほうが、利益を下げずに床の変更ができます。

まとめ

飲食店の床は店舗のジャンルによって適切なものが異なります。この記事でご紹介した床材の特徴と、ご自身が営業される店舗に合ったものにすることが大切です。また、機能も重要ですが床材によって費用も異なりますので、必ず予算に合ったものを選びましょう。

保健所の検査では、基本的に店内を清潔に保っていけそうかどうかを見られます。床だけでなく、天井、壁、設備などもしっかり見られますので不備がないように、あらかじめ保健所に相談しに行くとアドバイスしてもらえます。

床は家具や客席に隠れてしまいますが、面積が広いため必ずお客様の目に入ります。そのため、店の雰囲気を損ねないものにしなくてはいけません。どんな床材が良いのか迷ったときは、業者と相談しながら決めていくのも良い方法だといえます。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。