飲食店の開業に必要な備品
飲食店の開業に必要なものと聞くと、厨房設備や内装デザインを思い浮かべるでしょう。しかし、食器や調理道具などの備品も揃えておく必要があります。 まず始めにどのような備品が必要かご紹介します。また、食器が不足すると料理を提供することができなくなる恐れがあります。そんなことにならないように必要な食器の数の求め方も合わせてご紹介します。
厨房内で使用する調理用備品や設備
厨房で使用する調理用備品をご紹介します。包丁や鍋、フライパンといった調理器具や食材保管のための棚やタッパーが挙げられます。 メニューによって必要な備品は異なりますので、揃える前にレシピを見返し、必要な器具を確認しましょう。 調理器具は料理を作る度に使用するものですので、使い勝手の良いものを選びましょう。
厨房では食品を扱いますので、清潔さを保つことが必要です。客席とは別に厨房用の清掃道具も準備しましょう。 生ごみなどを捨てるゴミ箱も必要になるでしょう。設備としては調理台やシンク、冷蔵庫や冷凍庫が挙げられます。
食器類
食器類は料理を提供するために欠かせないものであることはもちろん、料理の見栄えを左右するため、飲食店では重要な備品と言えます。 どのような食器が必要になるかはメニューだけではなく、メニューの提供方法によって異なります。
ワンプレートで提供するのか、メインとサイドディッシュを分けて提供するのかで必要な食器の種類も数も変わるのは想像がつくでしょう。 高級店や食器に強いこだわりがない場合は、使い勝手の良い、様々なメニューに対応可能なものを選ぶことをおすすめします。
必要な数の求め方
食器が不足してしまうと、料理の提供ができません。しかし、滅多に注文されないメニューまで人気メニュー同様の数の食器を用意するのはもったいないです。 そこで、過不足なく食器を揃えることが大切です。
お冷に使用するグラスや人気メニューで使用するお皿などは、客席数の1.5～2倍は用意することが好ましいです。 ただし、お店の混雑する時間に洗い場にスタッフを配置することが難しい場合は、目安よりは多めに用意することをおすすめします。
それ以外のメニューは客席数の半分、滅多に注文されないメニューでしたら3分の1程度用意しておきましょう。 ここまでで食器類の必要な数をご紹介しましたが、食器が割れてしまうことも十分考えられます。 そのような場合に備えて必ず予備の食器を準備しておきましょう。
食器類を選ぶ際の注意点
食器は料理の見栄えに加えてお店の印象に影響を与えます。黒い食器は高級感、白い食器は清潔感を与えます。 小皿や小鉢を多用するのか大皿を使用するのかによって、お店の価格帯の印象が変わります。メニューやお店の雰囲気に合うものを選びましょう。
また、使い勝手が良く安心して使える食器を選ぶことも大切です。漆器や合成樹脂、非耐熱性のガラスなど、食器の素材によっては食洗機や電子レンジを使えないことがあるため、食器を購入する前に素材と設備機器との相性を確かめましょう。
お店の雰囲気や料理の見栄えを左右するのであれば、食器をこだわりたいかもしれませんが、食器はいつ割れるか分かりません。 開業したばかりでホールスタッフが慣れていなければ、運ぶ際に落として割ってしまう可能性がありますので、開業時には高級な食器は避けることをおすすめします。 食器へのこだわりが強く、問題なく営業できてきたらお好みの食器を揃えていくと良いでしょう。
客席用備品
テーブルやイス、メニューブックなどはお客様が直接見たり触れたりするなので、見た目も使い心地も良いものを選ぶことが大切です。 テーブルやイスは店内でお客様が過ごす場所ですので、お店のコンセプトに合うものが求められます。
高級レストランとファミリーレストラン、和食と洋食など、業態によって選ぶべきテーブルやイスが異なることは想像できるでしょう。 コンセプトに合うものを選ぶ他には、二人掛けテーブルを多く配置するなど、個客にもグループにも対応できることが大切です。
ファミリーをメインターゲットにする場合、ベビーカーでも通りやすい通路幅やおむつ交換台の確保やお年を召した方にも使いやすいお箸を用意しておくなど、座席以外にも目を向けて快適に過ごせる工夫を取り入れることも大切です。
消耗品や会計機器類
飲食店の備品は厨房や客席以外でも必要な備品があります。お手拭きやペーパーナプキンに加え、会計用伝票や用途別洗剤など、様々な消耗品が必要です。 最後までお客様にお店に好印象を抱いてもらうには、スムーズにお会計ができることが大切です。そのためには、レジとレシート用のロールペーパー、クレジットカードリーダーなどの会計関連の備品が必要になります。お客様が快適に過ごせるためには何が必要なのか、食器や厨房以外にも目を向けて考えましょう。
お店のコンセプトに合うものを求められる備品
飲食店の開業までに必要な備品をご紹介しました。調理器具やテーブルなど、従業員は料理を作ることができ、お客様が料理をいただける空間を作るための備品は最低限必要です。
備品を揃えることも重要ですが、店内の雰囲気づくりも大切です。食器は、色や形、サイズによって、同じ料理であってもお客様に与える印象が変わります。 食器以外に備品もお店の雰囲気に影響を与えるものがいくつかあります。店内に置かれる備品や食器の雰囲気が、お客様にとってはお店のコンセプトとしてイメージされます。 ここでは、飲食店の雰囲気を作るための備品とその選び方についてご紹介します。
照明
すっきりした明るさの照明よりも柔らかい明るさの照明の方が居心地が良く感じられるため、客席には柔らかい印象になる電球光がおすすめです。 すっきりした印象の昼光色は厨房内で使用すると、手元がはっきり見えて作業効率の向上を期待できます。
白熱電球と比較すると商品価格が高いのがLED電球です。LED電球は寿命が長くランニングコストを抑える効果があるので、初期費用が高くてもその後のコストを下げたい場合にはLEDを選択肢の1つに入れるといいでしょう。
電球や光の種類だけではなく、間接照明のみにするのかスポットライトのみにするのか、間接照明とスポットライトを組み合わせるのかでも、店内の雰囲気はガラリと変わります。 ご自身の店舗の雰囲気に合うものを採用しましょう。
ユニフォーム
従業員の応対でお店の印象が変わることも多いため、従業員が着用するユニフォームはお店のコンセプトに合うものを用意しましょう。 そうすると雰囲気作りが徹底されたお店という印象になります。
しかし、どれほどコンセプトに合うものだとしても、動きにくいものでは作業効率が低下します。 また、汚れやシワが目立つユニフォームだと清潔感のない印象を与えます。そこで、動きやすく清潔感のある半袖や七分袖が採用されることが多いです。
従業員にユニフォームを管理させる場合は、こまめに洗濯するよう指導しましょう。 シャツやベストなど、フォーマルな印象を与えるユニフォームの場合、汚れだけではなくシワも目立ちやすいため、お店での管理をおすすめします。 調理担当の従業員には、料理に髪の毛が混入することを防ぐために、帽子などで髪の毛をまとめられるようにしてください。
まとめ
飲食店開業時に用意しておく備品についてご紹介しました。飲食店で必要な備品と聞くと料理に関係するものばかり思い浮かべますが、消耗品やお会計で使用する機器なども必要です。また、飲食店の雰囲気でお客様の居心地は左右されますので、上手に備品を活用して店内に統一感を持たせることが大切です。営業と雰囲気作りに役立つ備品を用意して飲食店開業を迎えましょう。
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