2018年9月25日

店舗のスケルトン工事について徹底解説! 坪単価の目安もご紹介

店舗の移転時や退去時には、スケルトン工事が必要になることがほとんどです。 ここでは、スケルトン工事に関する基礎的な知識だけでなく、メリット・デメリットについてご紹介しています。また、工事をスムーズに進めるための注意点や、業者選びのポイントについても触れていくので参考にしてみてください。

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スケルトン工事とは?

スケルトン工事

飲食店、サロンなどで物件を探す際に、「スケルトン物件」や「居抜き物件」という言葉を良く耳にすると思いますが、テナント物件は退去時に原状回復を条件としているところがほとんとです。

原状回復については後ほど詳しく説明しますが、簡単にいうと借りたときの状態に戻すことです。「スケルトン工事」は何もない状態にする内装解体工事、だと理解しておきましょう。

「スケルトン」には、もともと建物や船などの骨組み、躯体という意味があります。スケルトン工事は床、天井、壁、配線、給排水管などの建物の設備を全て外す、もしくは建物を骨組だけの状態にする、の2つに分けられます。

そのため、スケルトン物件は入居時と同じ何もない状態の物件になります。
一方、居抜き物件は内装、設備、備品などがそのまま残してある状態の物件のことをいいます。

原状回復とは何か

原状回復とは、契約の終了時に建物の中を借りた時と同じ状態に戻し、新たな貸主に明け渡すことです。内装解体という点ではスケルトン工事と同じですが、借主の都合で変更した部分はすべて元に戻す、という点が大きく異なります。

仮に物件を借りたときに床がタイルカーペットだったとします。借主が雰囲気を変えたくてフローリングに張り替えると、退去時には内装をすべて解体した上でタイルカーペットに貼り直すことになります。

そうはいっても、テナント物件は建物の中に何もないスケルトン物件の状態が多いので、原状回復もスケルトン工事を行うだけで済むことが多いようです。

スケルトン工事はなぜ行うの?

では、なぜスケルトン工事を行わなくてはいけないのでしょうか。その理由として、先ほど挙げた原状回復が関係してきます。

テナント物件は退去時に原状回復を義務づけているところがほとんどなので、退去するときは当然スケルトン工事を行うことになります。スケルトン工事を行いたくないのであれば、居抜き物件で契約をするか、貸主に居抜き物件で退去できるか初めに交渉してみましょう。

スケルトン工事にかかる費用相場は?

スケルトン工事

テナント物件を借りる場合、退去時にスケルトン工事にするのがほとんどだということが分かると、スケルトン工事の費用が気になる方もいるのではないでしょうか。

スケルトン工事の費用は、坪単価で3~5万円前後で、3万5千円が相場といわれています。飲食店や美容院など、撤去する設備が多い業態は廃棄物処理の分別に時間がかかるため、費用が高くなる傾向にあります。

坪単価2万円程度でスケルトン工事を行う業者もいますが、安価なところは解体作業が雑なところが多いので依頼するときは気を付けましょう。

スケルトン工事を行うメリット

スケルトン工事のメリット、デメリットを把握しておくと、物件を選ぶ際に役立ちます。ここでは、スケルトン工事を行うことよるメリットについて詳しく解説していきます。

内装デザインやレイアウトが自由に設計できる

貸主との契約の範囲内であれば、建物内に何もないのでデザインやレイアウトを自由に設計できます。

天井、床、壁などの造作(内装)が全て取り払われ、室内には何もない状態なので、ご自身の思うままに店舗を作り上げれることは、大きなメリットといえるでしょう。

設備のトラブルが起こりにくい

スケルトン工事を行うと、建物の中に何もない状態になります。既存の設備をそのまま使用するのではなく、新規で購入したものや今まで使用していたものを持ち込めるため、設備のトラブルが起こりにくいといえます。

居抜き物件の場合は、前の契約者が使用していた設備をそのまま使用することも多く、経年劣化などにより設備が故障してしまうこともあります。

快適な環境を構築できる

快適な環境に必要な条件は業態によって様々です。しかし、店舗を快適な環境にすることで、客足の増加につながるだけでなく、従業員の作業効率に大きく影響するのはどの業態でも同じです。

例えば、お客様がリラックスできる空間をつくる、従業員同士がぶつからないような動線を意識したつくりにするなど、快適に過ごせる店舗を構築することが可能になります。

スケルトン工事を行うデメリット

スケルトン工事を行うとメリットだけではなく、残念ながらデメリットも発生します。テナント物件は原状回復を退去時に義務としているところが多いので、詳しくみていきましょう。

初期費用、補修費用がかかる

スケルトン工事は、造作物などの内装や店舗必要な設備をすべて一から揃えていく必要があります。 そのため内装のグレードを上げたり、揃えるものが多いほど初期費用がかかります。

また、新築の物件であれば補修や補強の必要性は少ないですが、年数が経過した建物の場合には、スケルトン工事によって破損した部分などが見つかることもあります。 建物の老朽化を防ぐためにも、費用はかかってしまいますがきちんと補修しておく必要があります。

物件の状態によっては高額な費用がかかる

天井、床、壁などが何もないということは、全てを一から造ることになります。自由度は高いですが解体するとなると日数がかかるため、工事費用が高額になることがあります。

費用を安く済ませたい方は、床や天井など内装の一部に手が加えられている物件を選ぶと、その部分は原状回復をしなくてよいので費用が抑えられます。

スケルトン工事をするときの2つの注意点

スケルトン工事

スケルトン工事をするときは、以下の2点に注意しておく必要があります。

  • 貸主に工事内容を確認する
  • 近隣のオフィスや住民に挨拶に行く

それではなぜ、この2点に注意しておく必要があるのでしょうか。その理由について詳しく説明していきます。

1.貸主に工事内容を確認する

スケルトン工事は、内装を借りた時と同じ状態に戻すことが基本的な考え方ですが、実際に行う工事の内容は物件によって異なります。

壁は残したままでいいというところもあれば、店舗の内装は全て解体、撤去してコンクリートむきだしの状態するところもあります。また貸主の意向によっては、エアコンなど一部の設備は残してほしいというケースもあります。

業者に見積りを依頼する際は、貸主借主解体業者の三者が解体の内容を把握しておくことで、様々なケースに対応できるようになるだけでなく、認識の食い違いによって起こるトラブルを避けることができます。

そして立ち会いの際は必ず図面を手元に用意し、現状の配管や配線の位置なども業者にしっかりと確認してもらいます。そうすることで解体業者の作業ミスも防ぐことができます。

配管や配線は解体する必要がない箇所なので、万が一そういった箇所を損壊してしまうと、損害賠償にまで発展したケースがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、工事内容については、三者間で認識を統一しておくことが大切です。

2.工事を行う前に近隣の方に挨拶に行く

スケルトン工事を行う際は、どうしても騒音、振動、ほこりなどが発生してしまうため、周辺の住宅や店舗などにも何かしらの影響を与えてしまいます。 そのため、スケルトン工事を行う前には必ず周辺の方へ挨拶回りに行きましょう。

こうした近隣への配慮を疎かにしてはいけません。周囲に解体工事をすることを告げずに勝手に工事を進めてしまうと、周辺から苦情が入る可能性があるだけでなく、工事が途中で中止になってしまうこともあります。

近隣への配慮を怠らないことも、スケルトン工事をスムーズに進めていくためには大切なことなのです。

業者選びのポイント

スケルトン工事

最後にスケルトン工事を行う解体業者を選びのポイントをご紹介します。
ポイントになるのは以下の3つです。これらは業者を選ぶ上でとても重要なことですので、しっかりと確認しておきましょう。

1. スケルトン工事の実績がある業者か

スケルトン工事を依頼する際は、まずその業者がスケルトン工事を多く手掛けているかどうかが重要なポイントになります。
やはり、実績が多い業者ほど解体の作業がスムーズですし、工事中のトラブルも少なく、安心して作業を任せることができます。

さらに、スケルトン工事は必ず騒音がでます。騒音によって近隣の方に迷惑をかけてしまう可能性があるため、事前に近隣へ挨拶回りをする配慮が必要です。そのときは工事内容を詳細に説明できるので、できるだけ業者と一緒に挨拶回りしましょう。

従って、工事実績を確認することに加え、近隣への配慮や作業員のマナーが徹底しているかどうかも判断基準にしてください。

2. 建設許可や産業収集運搬の許可を得ているか

解体をするときに出る廃棄物を処理することになるため、契約前に正規の産廃処理を行える業者か確認しましょう。
中には産廃処理ルートを明確に記載する「マニフェスト」を発行せずに、不法投棄や不正ルートで処理を行う業者も少なからず存在します。

業者の不法投棄が発覚すると、解体工事の依頼主であるあなたにも影響が及びます。 無用なトラブルに巻き込まれないためにも、業者の有する「許可証」まできちんと確認しておくと安心です。

3. 見積書が分かりやすく、工事内容を丁寧に説明してくれるか

業者が提示した見積書に工事内容が詳細に記載されている分からないことは丁寧に説明してくれるかも重要なポイントです。

スケルトン工事など業者が掲出するの見積書は、素人ではわかりにくいことが多々あるはずです。分からないことは分からないままにせずに、質問をして細かいところまでしっかりと答えてくれる業者を選びましょう。

まとめ

スケルトン工事はテナント物件を借りた際、ほとんどの場合行うことになる工事です。

そうは言っても、物件や貸主の考えによって作業内容が異なります。貸主や業者との間で起こるトラブルを避けるためにも、打ち合わせは三者立ち会いのもとで行いましょう。

スケルトン工事を行う業者は数多くいますが、できるだけ工事経験が豊富で産廃処理をきちんと行ってくれる業者を選ぶことが大切です。見積書の疑問点に丁寧に答えてくれる、産廃処理の許可を持っているかなど、契約する前に不安になことは聞いておくことが大切です。

また、スケルトン工事は必ず騒音や振動が発生してしまうため、周囲の住民や店舗に迷惑をかけてしまいます。そのため、工事の開始前に挨拶回りをしに行きましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。